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副業解禁!法律からみるメリットデメリットと心得たい7つの知識

現在、様々な企業で政府による「働き方改革」の推進により「副業解禁」の動きが広がっています。

しかし、実際に副業に取り組もうとしたとき、日本ではこれまで終身雇用を前提とした会社との雇用契約が結ばれてきたことから、法律上の問題はないか、デメリットはないか、自分の所属する企業との関係で問題はないかなど、多くの疑問があるのではないでしょうか。

そこで今回は、

  • 副業解禁の動きに至った背景
  • 副業開始時の注意事項やリスク回避の方法

などについて、徹底解説をしていきます。
副業を開始した方、これから開始する方、必見です!

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1、2018年は副業元年!さまざまな企業で副業を解禁する動きが

2018年は副業元年!さまざまな企業で副業を解禁する動きが

副業及び兼業について、これを禁止する法的な規制はありません。

しかし、これまで日本の企業は、終身雇用形式を採用し、副業及び兼業を「原則禁止」としてきました。
ところが近年の働き方改革により、副業及び兼業は「原則自由」となりました。

副業が原則自由とされたのは、2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、同省作成の「モデル就業規則」から副業禁止の規定を削除したうえ、副業及び兼業を認める規定を追加したことによるものです。

モデル就業規則とは、厚生労働省が作成した就業規則で、企業が就業規則を定める際に参考とするものをいいます。
具体的には、「許可無く他の会社等の業務に従事しないこと」という副業禁止の規定を削除したうえ、以下のような規則が設けられることになりました。

(副業・兼業)

第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。

3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。

① 労務提供上の支障がある場合

② 企業秘密が漏洩する場合

③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

④ 競業により、企業の利益を害する場合

引用:厚生労働省(副業・兼業のモデル就業規則) 

副業が解禁されたことで、企業には、どのような変化があったのでしょうか。
副業を解禁した企業例は以下の通りです。

(1)ヤフー

ヤフーでは「すべては社員の“才能と情熱を解き放つために”。」という目標を掲げ、多様な働き方を促進させる制度のひとつとして、副業や企業内起業が許可されています。

(2)エイチ・アイ・エス

同社でも、従業員が働きやすい環境づくりの一環として副業を認めています。

ただし、副業はあくまでも業務委託による個人事業主としての労働などを認めるもので、同社以外の企業に雇用される二重就労については「長時間労働の抑制を最優先しなければいけない環境のなか、時期尚早と判断したため、一旦見送る」としています。

(3)日産自動車

日産自動車では、2009年から、休業日であれば8時間以内の副業を容認しています。
景気悪化による社員の賃金カットがあったことから、生活費の補填ができるようするためというのが大きな理由です。

このように、企業が副業を認める理由は、

  • 従業員のスキルアップ
  • 働きやすい環境づくりの促進
  • 生活費の補てんを認めるため

など様々です。

2、副業が解禁された背景

副業が解禁された背景

副業が解禁された背景には、①働き方の多様化 ②人手不足の解消 といったことがあります。

①については、多様な働き方を求める人々の増加や、サイボウズの青野慶久社長が政府委員などとして副業禁止の解禁を強く主張したことなどをきっかけに、働き方改革を掲げる安倍内閣が副業の解禁を推し進めることとなりました。

②については、近年、労働者の人手不足は大きな社会問題とされていますが、労働者を一つの会社に縛り付けておく従来の雇用形態を継続させれば、労働人口は減少し、人手はますます足りなくなります。

副業解禁によって一つの仕事を終えた人が他の仕事に着手するなどして効率的な業務遂行が可能となり、これをもって人手不足を補てんすることを目的としています。

3、副業に当てはまる仕事例

副業に当てはまる仕事例

「副業」とは、各機関により様々な定義がなされており、副業・兼業・複業などと呼ばれることもありますが、いずれも一般には、「収入を得るため本業の勤務時間外に携わる本業以外の仕事」を指すと考えられています。

副業にあてはまる場合としては、

  • 他社でのアルバイト
  • 資格を活かした単発の仕事
  • フリマアプリなどを用いた継続的な商品販売
  • ライターとしての記事作成
  • 賃貸経営

などが挙げられます。

このうち、フリマアプリの利用などは、所属企業の就業規則との関係で問題となる可能性は低いですが、所得税など、課税の対象となる可能性がある点に注意が必要です。

4、労働者目線で見る副業について

労働者目線で見る副業について

(1)経験した副業の業種

人材採用・入社後活躍を支援するエン・ジャパン株式会社が運営するサイト「エン転職」上で20代~40代の正社員約3、000名を対象としてなされたアンケート(2018年5月16日公表)によると、88%の方が副業に興味があり、そのうち83%が「収入のため」と回答しており、副業経験がある方は全体の32%であるとされています。

副業経験者が実際に行っていたものとしては、アルバイトが全体の6割を占め、アンケートモニターやポイントサイトの利用が2割、ネットオークションやフリマサイトの利用が約1.5割程度となりました。

(2)週の労働時間と月収入の割合

(1)と同様のアンケート結果によると、副業経験者が副業に費やしていた時間は、週に5時間未満というのがおよそ60%、5時間以上10時間未満が24%、10時間以上というのが16%程度でした。
このように、半数以上の方々が比較的短時間の副業を行っていたのに対し、副業を行っている10人に1人以上の割合で、週に10時間以上もの時間を副業にあてていたという場合があることもうかがえます。

また、月収入は1万円から3万円の割合が25%と最も多く、全体としてみても3万円以下の収入を得ている方が約半数にわたりました。

そのほか、3万円以上10万円以内の収入を得ているという方が全体のおよそ40%を占め、それ以上の高収入を稼ぐという方は10%程度にとどまりました。

(3)お金だけじゃない?!副業を始める人の目的

では、なぜそもそも多くの方々が副業を始めようとするのでしょうか。

エン・ジャパンのアンケートによれば、副業に興味のある理由としてもっとも多いのが、本業以外の収入を得るためであるとされています。

しかし、最近では単に収入のためではなく、自らのスキルアップやキャリア、人脈を広げるためなど、その目的も多様化していることがうかがえます。
従来、副業の目的は専ら収入確保に向けられてきましたが、多様な働き方の増加に伴い、自らの成長やキャリアアップのための副業が増えてきているといえるでしょう。
実際、副業を認めている企業の中でも、従業員のスキルアップなどを目的として掲げているものも見受けられます。

5、副業を実施する際のメリットと留意点

副業を実施する際のメリットと留意点

副業を実施する際には、労働者側、企業側のそれぞれにおいて、さまざまなメリットと、留意しなければいけない事項があります。

(1)メリット

まず、副業を実施する際の労働者側のメリットとしては、

  • 離職せずに別の仕事に就くことにより、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリア形成することができる。
  • 本業の所得を活かして自分がやりたいことに挑戦し、自己実現を追求できる。
  • 所得が増加する。
  • 本業を続けながら、よりリスクを小さくして将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。

などが挙げられ、次に、副業を実施する際の企業側のメリットとしては、

  • 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得できる。
  • 労働者の自律性・自主性を促すことができる。
  • 優秀な人材の獲得・流出を防止しながら、競争力が向上する。
  • 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大を目指せる。

などが挙げられます。

(2)デメリット

一方、副業を実施する際に労働者側が留意すべきこととして、

  • 就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である。
  • 職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である。
  • 1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険等の適用がない場合があることに留意が必要である。

などが挙げられ、他方、副業を実施する際に企業側が留意すべきこととして、

  • 必要な就業時間の把握・管理への対応
  • 従業員の健康管理への対応
  • 職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応

が必要といったことが挙げられます。

6、副業で想定されるトラブルと対処法

副業で想定されるトラブルと対処法

(1)会社の規定で副業禁止なのに副業をしていたことを知られてしまった

世間が副業を解禁する方向に傾いているとはいえ、届出や許可を条件に副業を認めているのが大半です。
したがって、副業自体に問題がなくても、規則で定められた手続きを踏んで副業を開始すべきといえ、手続を踏まずになされていた副業が発覚した場合、懲戒などの対象とされてしまう場合もあります。
ですので、副業を開始する場合には、会社の就業規則に目を通しておくとよいでしょう。

なお、日本国憲法第22条第1項が「職業選択の自由」を国民に保障していることに配慮して、企業はやみくもに副業を禁止すべきではありません。

企業が副業を禁止するには、

  • 副業を行うことによって本業を行うことに支障をきたすから
  • 副業を行うことが企業秘密の漏洩にあたるから
  • 副業を行うことが会社の信用を失墜等させるから
  • 副業を行うことが競業行為にあたり会社の利益を害するから

などの正当な理由があってこそ、考えられます。
そのため、会社から副業禁止を理由に解雇など重い処分をなされた場合は、一律にその処分が有効とは限らないのです。

(2)会社で容認している副業の範囲を超えてしまった

就業規則により特定の業務に限り副業を認めている、あるいは、特定の業務を除き、副業を原則的に認めているなどの場合は、「禁止される副業を行うことが特に会社の不利益となる」という正当な理由の上で制限が設けられていることが多いでしょう。

そのため、会社で容認している副業の範囲を超えた場合には重い処分がなされる可能性があります。

(3)困った場合は弁護士へご相談ください

副業禁止規定に抵触した場合、懲戒処分の対象となることや、厳重注意や減俸処分を受け、最悪解雇となるおそれがあります。

ですが、そのような処分は妥当でない可能性があります。
減俸や解雇は無効であるかもしれませんし、そもそもその副業は副業禁止規定に抵触していないかもしれません。

会社側と争う方法を知ることや自分が行っている行為の法律的な問題点を正確に理解することは非常に困難です。
そのように自らの対処が困難である場合は、労働問題を得意とする弁護士に相談してみると良いでしょう。

7、心得ておきたい!企業目線でみる副業に関するチェック項目

心得ておきたい!企業目線でみる副業に関するチェック項目

これまで、従業員の立場から副業に関する説明をしてきましたが、副業に関する問題を考えるには、企業がどのように副業に関する就業規則を策定しているのかについて知ることも有益です。

そこで、以下、副業に関する規定を設けるに際し、企業の目線から留意すべきチェック項目を説明していきます。

(1)副業に関する規定

  • これまでの裁判例などを踏まえると、原則として副業を認めることが適当。
  • 規定を設ける場合、正規社員のみならず非正規社員への規定についても確認する。
  • 職務専念義務のみならず、秘密保持や競業禁止についても配慮する。
  • 過去に副業を許可した事例や問題となった事例を考慮する。

(2)副業を行う場合の条件

  • 仮に副業を原則禁止し、許可制などにする場合、①禁止の方法、②許可・不許可事由、③許可を得る手続、④許可後の報告義務、⑤許可の取消事由などの条件を定めることが考えられる。

(3)企業が定めた条件を遵守しているかの確認方法

  • 副業の内容を申請・提出させることを求める。
  • 誓約書の提出を義務付ける。
  • 許可期間経過後の遵守状況を確認する。

(4)労働時間

  • 割増賃金や健康管理の観点から副業・兼業の日数・時間の把握が必要。
  • 外国人留学生や未成年者に関する労働時間規制も確認する。

まとめ

世の中の流れは副業を認める方向に向かっていますが、特に中小企業などでは、いまだ副業が原則禁止とされている会社が多く、大企業であっても、秘密保持や競業を回避する点からある程度の制限がなされる場合が多いといえます。

そして前述したように、規則違反に対しては会社により懲戒処分がなされる可能性もあります。
したがって、副業を開始する際には会社の就業規則をよく確認しておくことが必要です。

副業についてトラブルになりそうな(なってしまった)場合には、ぜひお近くの弁護士に相談されることをお勧めいたします。

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