コンビニ100円コーヒーに150円ラテ注いで逮捕?!弁護士が解説

コンビニのコーヒー 100円カップに150円ラテ注いで逮捕

「コンビニのコーヒーマシンで、100円カップに150円ラテ注いで逮捕された」という2019年1月の事件をご存じでしょうか?

レジでカップを購入すれば、あとはセルフでコーヒーを入れることができるので、中には「あれ?これってカップに入りさえすれば自分が購入したものより高い値段のボタンを押してもバレないのでは…?」と思ったことのある方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、

  • コンビニのコーヒーマシンは押し間違えであっても犯罪になるの?
  • 故意に高い飲み物を注いだ場合の具体的な罪名
  • うっかり押し間違えてしまった場合の対処法

について、詳しくご紹介していきます。

「コンビニのコーヒーなんかで逮捕されるのは絶対に嫌だ」
「押し間違えたときのベストな対応を知りたい」
というみなさんにとって、この記事が今後も安心してコンビニのコーヒーマシンを利用し続けるためのお役に立てば幸いです。

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1、コンビニのコーヒー100円カップに150円ラテを注いで逮捕された事例

コンビニのコーヒー100円カップに150円ラテを注いで逮捕された事例

今回取り上げる事例は、2019年1月に、福岡県のコンビニで100円コーヒーのカップを購入した60代の男性が、実際には150円のカフェラテを注いでいたとして逮捕された事件で、常連客からの訴えが直接的なきっかけとなり発覚に至りました。

コンビニ側は男性がコーヒーを注ぐところに張り込み現行犯で通報、調べによると男性は常習犯で容疑を認めているとのことです。

今回の事件では、主に窃盗罪もしくは詐欺罪の適用が成立するかどうかが世間から注目を集めており、男性が店員を最初から騙そうと100円のカップを購入したのなら詐欺罪が、購入時に故意に騙そうとしたことが立証されなければ現行犯での窃盗罪が適用されるでしょう。

実はコンビニ側では、昨今このような事件が多発していることもあり、購入客がコーヒーマシンで何を注いでいるのかは、マシンの裏側からもチェックすることができる仕組みを導入しています。
「どうせバレないだろう」という軽い気持ちでと犯行に及んでいる常習犯は、この事例をきっかけに今後摘発されるケースも増えるのではないでしょうか。

2、100円で150円のコーヒーを入れることは窃盗罪もしくは詐欺罪

100円で150円のコーヒーを入れることは窃盗罪もしくは詐欺罪

たかが100円のコーヒーといえども、自分が支払った金額よりも高い150円のラテを注ぐ行為=コンビニ側を騙して不当な利益を得ようとする行為は立派な犯罪です。

ここからは、具体的にこのような事例で適用される刑事罰について掘り下げてご紹介していきますので、参考にしてください。

(1)注ぐ時点でラテを入れる決断をした場合は窃盗罪

まず、カップ購入時に悪意はなく、注ぐ段階で「コーヒーではなくラテを注ごう」と魔が差して犯行に及んだ場合、それは窃盗罪の適用になります。
窃盗罪は刑法で10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることが定められており、たかがコンビニのコーヒーでも重い刑罰が課せられる可能性があるため注意が必要です。

(2)支払いの時点でラテを注ぐ決断をしていた場合は詐欺罪

一方、レジでカップを購入する時点ですでに犯行を計画しており、あえて安いカップを購入した後それよりも高価なコーヒーを注いだ場合、相当する罪は詐欺罪になります。
これは最初から店員を騙すために故意に行動しているからで、詐欺罪の場合にも10年以下の懲役が科せられる可能性があります。
罰金刑はなく、初犯といえども執行猶予がつかなけければ即座に刑務所に収監される可能性があるため、窃盗罪と同じく注意が必要です。

3、ボタンの押し間違えは罪にならない-差額は支払う

ボタンの押し間違えは罪にならない-差額は支払う

では、故意ではなくボタンを押し間違えたことによる注ぎ間違いはどうなるのでしょうか。

(1)犯罪の成立には「故意」が必要

実は、犯罪の成立には「故意」であることが立証できなければなりません。
そのため、ボタンの押し間違えは刑法で裁くことはできないのです。

①故意とは

故意とは、最初から店員を騙して150円のカフェラテを注ぐ意識があった場合や、コーヒーを入れる段階でわざと違うボタンを押した場合のことを指します。
これら2つのいずれかが証明された場合、犯罪が成立し得ます。

②故意がなければ罪にならない

一方、悪意がなくうっかりボタンを押し間違えてしまったケースは「故意」にはあたりません。
間違いは誰にでもあるもので、わざとでければ罪には問われないのです。
気が付いた時点や、指摘を受けた時点で謝罪し、適切な処置をすれば逮捕されることもありませんので安心してください。

(2)故意は「気持ち」。どうやって故意を判断するの?

それでは、どのようにして故意を判断するのでしょうか。

本人が故意があったと認めなければ故意があったと判断できないということであれば、「わざとじゃありません」と言い逃れを行うことができ、そのままでは窃盗罪も詐欺罪も問われないことになってしまいます。

実は、故意があるかどうかは客観的な視点から推定されます。
たとえば今回の事件では複数回犯行が繰り返されたこと、容疑者は常連客でボタンの押し間違えは想定しにくいこと、目撃者が複数名いることなどから故意があると結論付けられました。

このように、本人が故意がないと言い訳したとしても、必ずしも言い逃れできるものではありません。

(3)うっかりミス(過失)でボタンを押してしまった場合の対処法

では、ボタンを本当に押し間違えただけのケースではどのような対処が必要なのでしょうか。
その答えは、押し間違いに気付いた時点で速やかに店員に声をかけることです。

その後はコンビニ側に対応が委ねられ、店員が新たなカップに正しいコーヒーを注いでくれるか、コンビニによっては差額を支払うことで間違えてしまった方のコーヒーをそのまま買い取ることもできようかと思います。

いずれにせよ、本当に押し間違えただけの場合であれば、正しいコーヒーを注ぎ直すか、間違った方のコーヒーの正規の料金を支払えば問題になることはないでしょう。

4、見つからなければ問題ない⁈

見つからなければ問題ない⁈

コンビニのコーヒーで100円カップに150円のラテを注いでも、見つからず逮捕されなければ問題ないのでしょうか。

もちろん、そんなわけはありません。
見つからずとも、コンビニ内には監視カメラがありますし、先ほどもご紹介したように、購入客が何を注いでいるのかはコーヒーマシンの裏側から店員に見えているのです。

(1)スリルは同時にストレス

中には万引きなどと同じように、「見つからなければ問題ない」とスリルを楽しむ人もいるかもしれません。

しかし、そのスリルは同時に大きなストレスにもなり、「見つかったらどうしよう」と感じながら罪を犯しても何も得られるものはありません。コンビニのコーヒー一つで人生を台無しにするだけです。

(2)悪いことをしない精神とは

とはいえ、学生時代などに少し不良に憧れた経験のある方は意外に多いものです。
当時は先生に楯つく不良がちょっぴり格好良く見えたこともあったかもしれません。

しかし、大人と子どもは違います。
悪いことをして格好良いと感じるのは子どもだけです。
大人の世界では、悪いこと=格好良いという図式は決して成り立ちません。
裏を返せば、子ども時代に少し恥ずかしいと感じたような「お年寄りに親切にできる大人」のことを、格好良いと感じることができることこそ、正真正銘の「大人になる」ということだと考えることもできるでしょう。

それに引き換え、100円のカップに150円のラテを注いで逮捕されるという行為はなんとも格好悪くみっともないものです。
学生時代の不良が先生に楯つく以上に、お粗末な行為だと思いませんか?
つまり悪いことをしない精神とは、悪いことを格好悪いと感じられる精神のことです。

コンビニのコーヒーで100円カップに150円のラテを注いで逮捕されることが格好悪いと感じられる人には、悪いことをしない精神がきちんとあります。
これまでうっかりミスによるボタンの押し間違いを「恥ずかしいから」とごまかしてきた人は、これを機会にその考えを改めましょう。
また、自分の恥ずかしさを隠す行為より、正直に過ちを認められる行為のほうが、よっぽど格好良い大人の行動です。
そしてそれこそが、悪いことをしない精神を持つ格好良い大人のお手本と言うことができるでしょう。

5、逮捕された場合には弁護士に相談

逮捕された場合には弁護士に相談

もしも何かのミスで逮捕されてしまった場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
ミスは誰にでもあるものですし、そもそも逮捕が正当かどうかの決め手となるのは故意の犯行かどうかという点です。故意ではないことが立証できれば罪には問われずに済みます。

そのためには腕利きの弁護士に依頼できた方が有利でしょう。

まとめ

コンビニのコーヒーで100円カップに150円ラテを注ぎ、逮捕されても格好悪いだけ。
たった50円のことで自分の人生を台無しにする必要はありません。

もしも押し間違えてしまったときには、正直に店員に告白しましょう。
犯罪をごまかすよりも勇気ある行動をする方がよっぽど格好良く、押し間違え自体は誰にでもあることなので、決して恥ずかしいことではありません。
バレないからとそのまま常習犯になってしまっては、故意の犯罪で刑罰の対象となってしまいます。

今後はコンビニのコーヒーマシンでボタンを押し間違えたとしても、勇気を持って店員を呼び、みなさん自身が犯罪者になってしまわぬよう適切な対処を行いましょう。

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