脱サラして成功したはずが、いつのまにか経営が軌道に乗らずに失敗して収入がなくなってしまうことがあります。
脱サラとは、会社員が会社を辞めて個人事業などを始めて独立することです。
脱サラに失敗してローンなどの借金だけが残ってしまった場合、どのようにして解決すれば良いのでしょうか?
今回は、
- 脱サラを失敗した体験談となぜ失敗するのか
- 脱サラを失敗しないためのコツ
- 脱サラに失敗して借金が残った場合の対処方法
をご紹介します。
この失敗を生かし、次の人生設計をしていきましょう。まだまだこれからです。
借金の原因に関しては以下の関連記事をご覧ください。
目次
1、脱サラに失敗…その後の人生は
脱サラに失敗したら、その後どのような人生が待っているのか、見てみましょう。
(1)再就職
まずは再就職する方がとても多いようです。
脱サラに失敗したなら、また会社員に戻れば良いのです。
(2)日雇いやアルバイトで生活をつなぐ
再就職先も見つからず、かといって今の事業では生活もできないという場合には、日雇いやアルバイトによって生活をつなぐしかありません。
(3)起業リベンジ
脱サラ後、ある事業に失敗しても、別事業に取り組んでリベンジを目指す方もおられます。
事業にはいろいろなものがあり、向き不向きがあります。
自分に向いた事業が見つかれば成功できる可能性があります。
(4)借金の返済に追われる
脱サラに失敗して生活費や事業の運転資金を借金でまかなってしまった場合、その返済に追われるようになってしまいます。
支払いができないと債権者からの督促が来て追い詰められます。
(5)離婚
妻子がいる方の場合、事業に失敗すると家族を養えなくなります。
妻から愛想を尽かされて離婚されてしまうケースも珍しくありません。
2、脱サラ失敗の体験談
実際に脱サラに失敗した事例にはどのようなものがあるのか、見てみましょう。
(1)ネットカフェを開業して失敗
50歳手前で脱サラした方の話です。
その方は、脱サラしてネットカフェを開業しました。
当初はよかったものの、ネットカフェの市場自体が下火になってきたために赤字経営が続き、ついに廃業に追い込まれました。
事業の運転資金や生活費のために100万円以上の借金が残っている上、テナントの明け渡しの際には400万円を超える原状回復費用を請求されました。
特にスキルもなく、年齢的に再就職も困難です。
(2)転売ビジネスに失敗
45歳で脱サラした男性の話です。
この方は、脱サラして転売ビジネスを始めました。
当初は調子が良かったのですが、季節ものの商品を取り扱い始めた頃から在庫がだぶつくようになり、だんだんと経営が苦しくなりました。
ついには多くの在庫を抱え、事業のための借金をして生活も苦しくなっています。
就職活動をしても,年齢的な問題があってなかなか見つかりません。
家族からも冷たくされて、離婚の危機に瀕しています。
3、なぜ?脱サラに失敗する理由
脱サラには失敗する人だけではなく、もちろん成功者もいます。
失敗と成功を分けるのはいったいどのような要因なのでしょうか?
(1)無計画
1つには、計画性がないことが問題です。
友人から話を聞いて良さそうだと思ったとか、今の会社に不満があるなどの理由で無計画に勢いで起業すると、失敗します。
起業の際には、
- 事前に市場の調査やターゲットの選定
- 事業の将来性や具体的な販路獲得方法
など、さまざまなことをリサーチしておく必要があります。
計画だけ綿密で実行力がないのもいけませんが、実行力だけでも失敗に終わってしまいます。
バランスが必要です。
自分が実行力の方が強めの人間だと思うのなら、相方(配偶者その他自信を支えてくれる存在)に計画性の方を選ぶなど、あなたの実行力を生かせるやり方を見つけられると良いでしょう。
(2)起業分野の知識が不足していた
起業するときには、「勉強」が必須です。
取り組もうとしているビジネスについての知識がないと、ほとんど確実に失敗します。
リサーチは、相当念入りに行うべきで、その道のプロにも負けない程度の知識を獲得しておく必要があります。
何となく「できそう」という状態で脱サラすべきではありません。
(3)うまくいかない原因を無視
脱サラ後、事業がうまく回らなくなってきたときの対応も成功と失敗を分けます。
うまくまわらなくなってきたときに、振り返って失敗の原因を検討し、改善につなげる人は挽回できます。
これに対し、「前にうまくいっていたのだから、たまたま今が調子悪いだけ」などと考えて工夫をしない人は廃業まで追い込まれる可能性があります。
(4)自分を過信
事業に失敗する人は,自分を過信する傾向があります。
「自分だけは大丈夫」「失敗するはずがない」と考えるので、工夫や改善をせずに失敗してしまいます。
4、失敗しない脱サラ→起業を成功させるコツ
(1)クレジットカードを確保
脱サラするときには、必ずクレジットカードを作っておくべきです。
クレジットカードには、事業を行うときのキャッシュフローを円滑にする効果があるからです。
手元に現金がなくても仕入れや生活費の支払いができるのは大きいです。
カードの支払日が来る前に入金があれば、キャッシュフローを回していくことができます。
現金対応しかできない場合、手元にお金がない時点で事業が行き詰まります。
事業展開するときに重要なのは、以下の2つの要素です。
- 現金を支払うタイミングを遅らせる
- 資金回収は早めに行う
クレジットカードの利用は、この理にかなっています。
(2)出費試算と現状把握
脱サラするときには、どのくらいの出費が必要かも計算しておくべきです。
たとえば店舗を借りたり内装を整えたりするのにお金がかかりますし、ビジネスに必要な勉強をする費用も必要です(セミナー参加費や本代、交際費など)。
また会社員は税金を意識していない方が多いですが、自営業になると税金や健康保険、国民年金の負担が大きくのしかかります。
さらに、自分の現状を把握した上で、脱サラによって何を得られるのか、また失われるのかを冷静に判断すべきです。
得られるものだけにフォーカスすると、後で失ったものの大きさに後悔する可能性が高まります。
(3)副業期間を作る
脱サラするならいきなり専業で事業を始めるのではなく、まずは会社員の副業として事業をやってみることをお勧めします。
副業なら失敗してもいつでも辞められますし、生活にも困りません。
また、副業期間に知識やスキルを高めることも可能です。
副業である程度成功してから脱サラすれば、失敗する可能性が極めて低くなります。
(4)人脈を大事にする
脱サラして起業する場合、人脈が重要です。
会社員のときは会社が守ってくれるので自分自身の人脈は重要ではありませんが、起業して1人になると、自分の人脈がすべてになるからです。
いろいろな知り合いがいると,事業が行き詰まったときに相談したり援助してもらえたりすることもありますし、新規事業のアドバイスを受けられたり、共同事業展開の可能性も開けたりします。
後に再就職する際にも就職先を紹介してもらえたりして、役立つケースがあります。
5、おすすめの脱サラ方法|失敗しないために知っておこう!
脱サラ後取り組む事業にもいろいろなものがあります。
成功しやすい脱サラ方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
(1)脱サラ後の事業についての考え方
失敗しないためには、リスクを抑えることが大切です。
脱サラに伴う主なリスクは、
- お金がかかるリスク
- 会社を辞めてしまうリスク
の2つです。
ですから、以下のような条件を満たす事業であれば、低リスクで始めることができます。
- 開業資金が不要、あるいは低額
- 会社を辞める必要がない
具体的な方法として、以下のものがあります。
(2)ネットショップ経営
実際に店舗を持って開業すると、テナントの借入や内装設備、什器備品の購入等が必要になり、開業資金が莫大になってしまいます。
これに対し、ネットショップであれば、ほとんど開業資金は0です。
また運営費もほとんどかからないので、売上金はほとんどすべて収益になりますし、日本中、世界中の人が顧客になる可能性があるので販路が広がります。
ネットショップは24時間申込みを受け付けられるので、寝ているときや遊んでいるときにも売上げが上がります。
人を雇う必要もなく、面倒な社会保険などの手続きも不要です。
たとえば、BASEというサイトを利用すると、誰でもその日からネットショップを開業できます。
登録は無料でリスクはなく、売りたい物をスマホで撮影して載せるだけで売れるので、会社員の副業としても気軽に取り組めます。
(3)フリーランス
最近は、ネットを使ったフリーランスの方がとても増えています。
たとえば以下のような仕事をネット上で受注して収入を得ることができます。
- ホームページ制作
- アプリ開発
- Webデザイン
- ライティング、翻訳
- 写真・動画
- 音楽
- ブログ、アフィリエイト
クラウドソーシングのサイトに登録したり、自分でブログやアフィリエイトサイトを作ったりして徐々に売上げを伸ばしていき、軌道に乗ったら会社を退職する方が多いです。
6、脱サラに失敗…借金の返済が厳しいときは債務整理を!
(1)債務整理とは
脱サラに失敗して、借金がかさんで返済できなくなっているなら、「債務整理」によって解決しましょう。
債務整理とは、借金を法的に整理するための方法です。
利息をカットしたり、元本を大きく減らしたり、借金を0にしたりできるので、起業に失敗してできた借金問題を効果的に解決できます。
(2)弁護士に依頼するメリット
債務整理をするときには、弁護士に依頼すると大きなメリットがあります。
弁護士は、状況に応じた適切な債務整理方法を選択してくれるので、相談していると方向性を誤ることがありません。
また債務整理を弁護士に依頼すると、その時点で債権者からの督促が止まります。
面倒な手続をすべて任せてしまえるので、自分ではほとんど何もしなくても借金を整理できますし、精神的にもとても楽になります。
難しい手続きも弁護士に任せていれば的確かつスムーズに進めてくれるので、安心です。
(3)手元に費用がなくても依頼できる
「弁護士に依頼すると費用が心配」という方も多いですが、着手金無料、分割払いに対応など、今現在手元にお金がなくても依頼できる法律事務所があります。
借金の相談には無料で対応してもらえる法律事務所の多いので、困ったときには一度、相談してみましょう。
まとめ
脱サラして事業に失敗してしまっても、人生はやり直しがききます。
借金ができてしまったなら、一度きれいに債務整理をしてから新たな取組みを始めましょう。
借金に悩んでいる時間はもったいないので、債務整理に積極的に取り組んでいる弁護士に相談をして、早めに解決してしまうことをお勧めします。
借金が返せないことにお悩みの方は、以下の関連記事もご参照ください。