離婚率ってどのくらいなの?
なんと今や日本は3組に1組が離婚しているという統計も出ています。
どんなことが原因で離婚をしているのでしょうか。離婚率が高い夫婦はどういった特徴があるのでしょう。
今回は、日本の離婚率から離婚の原因について説明していきます。
ご参考になれば幸いです。
1、離婚率|日本の離婚率はいくつ?
(1)日本の離婚率
日本の離婚率はおよそ3分の1とよく言われています。
しかし、実際自分の友人や親戚、ご近所さんを見渡しても、そこまで自分の周りは離婚していないと思う方が大半ではないでしょうか。そのような感覚は間違っていないでしょう。
それではよく言われる3分の1の離婚率とは何なのでしょうか。そのカラクリは統計方法にあります。
3分の1という離婚率は、ある1年間に離婚に至った夫婦の数から、その1年間で結婚したカップルの数を除すことによって導かれています。分母となる既に結婚している夫婦の数が大きくなれば大きくなるほど離婚率は低くなるのですから、ある1年間に結婚した夫婦の数のみを分母として離婚率を計算した場合、離婚率が高くなるのは当然といえます。
例えば、平成10年に結婚したカップルが平成30年までにどれくらい離婚しているのかといった統計をとれば正確な離婚率というものが分かるかもしれませんが、そのような統計方法は行われていません。
したがって、3分の1という離婚率は、実際の離婚の実態を反映しているとはいえず、本当の離婚率は、皆さんの感覚どおりもっと低くなると思われます。
(2)年齢別離婚率
それでは、年代別の離婚率はどうなっているのでしょうか。
男女とも比較的若い世代の離婚率が高くなっています。特に25歳までに離婚する割合が高くなっています。
一方、最近では熟年離婚というワードもよく耳にしますが、高齢になるほど離婚率は下がっています。
このようなデータには、離婚原因が関係していると思われます。
離婚に至った原因として最も多いのは性格の不一致、その他には不貞行為を含む配偶者の異性関係、経済的な問題などがあげられます。
近年の就業関係の悪化もあり、経済的な理由で離婚する若年層夫婦が増えてきています。また、若者はまだまだ遊びたい盛りであり、不倫などの異性関係によるトラブルも多いように思われます。
性格の不一致についても、婚姻期間が長い夫婦については、お互いの良い部分も悪い部分も理解した上で婚姻生活を送っていることから離婚に至ることも多くないと考えられますが、若年層については、性格が合わないならお互いよりよいパートナを探したほうがよいとの価値判断が働いているものと思われます。
(3)最も離婚率が高い都道府県は?
厚生労働省の調査によれば、県別の離婚率ランキングでは、最も離婚率が高いのは沖縄となっています。沖縄は全国でも低収入世帯が特に多く、経済的な理由が離婚の大きな要因になっているものと思われます。
他にも、沖縄は家庭内暴力についても上位にランクインしており、DVの多さも離婚率に影響しているものと思われます。
2、離婚率が上がる原因として主なものは?
離婚原因として最も多いのは性格の不一致で、浮気、暴力・DV、と続き、その他には、精神的な暴力・モラハラ、子供への愛情が感じられない、両親との折り合いが悪い、家庭を顧みない、生活費を渡さない、浪費癖、両親との同居に応じてくれない、セックスレスといったものがあります。
詳しくは、「離婚原因ランキングと裁判で認められやすい離婚原因」をご参照ください。
結婚してみないと分からないこともありますが、結婚する前に相手のことをよく知り、条件についてもよく確認することで離婚を回避できるかもしれません。
3、離婚率が高い結婚パターンとその回避方法
(1)できちゃった結婚
①できちゃった結婚の年代別割合
以下厚生労働省調べのできちゃった婚の年代別割合です。
年代 | できちゃった婚の割合(パーセント) |
15~19歳 | 81.7 |
20~24歳 | 58.3 |
25~29歳 | 19.6 |
30~34歳 | 10.9 |
35歳~ | 10.3 |
全体平均 | 26.3 |
御覧のとおり、若年層のできちゃった結婚の割合がとても高いです。10代に至っては80パーセントを超えており、20代でも24歳までは50パーセントを超えています。
若い世代の結婚に対する認識が親世代と比べて変化してきている現れであるといえるでしょう。
②できちゃった結婚の離婚率
厚生労働省の調査によれば、できちゃった結婚における離婚率は、15~19歳では88.4パーセント、20~24歳では42.5パーセントとかなり高い離婚率となっています。
このようにできちゃった結婚における離婚率が極めて高いのは、結婚に至るまでの交際の期間と結婚後の生活との違いや育児の大変さというものを十分に理解できていないままに子どもが出来てしまったということにあると思われます。
結婚すると、結婚前のお付き合いとは異なり、家庭を持つという責任が生じることに加えて、配偶者の家族との付き合いもしなければなりません。
また、できちゃった結婚であれば、結婚と同時に育児を始めるわけですが、乳児期であれば、自分達夫婦の時間などなかなかとれないものです。
そういった生活の変化を理解しないまま、何の覚悟もなく軽い気持ちで子供を作り、結婚してしまい、現実から逃げ出してしまう若者が多いのです。
③離婚の回避方法
できちゃった結婚の夫婦においては、お互い相手の家族に望まれた形での結婚でないケースが多く、孤独になりがちであり、育児ノイローゼになることも珍しくありません。
特に子どもが小さいうちには育児と家事を上手く両立させていくことはとても大変なことであり、誰かに手伝ってもらうことが不可欠となってきます。
そこで思い切って自分の両親、若しくは相手の両親を頼りましょう。おじいちゃん、おばあちゃんは孫が可愛くて仕方がないので、可愛い孫のためならひと肌脱いでくれるでしょう。
(2)夫婦の単身赴任
①単身赴任に潜む離婚
単身赴任している間に愛人をつくってしまった、あるいは、夫が単身赴任している間に男を家に連れ込んで関係を持ってしまった、といった話はよく聞く話であると思います。普段夫婦という鎖で繋がれており、そこから解放されたことによる解放感から羽目を外してしまい、不倫に走ってしまうのです。
また、一緒に生活しない期間が長くなり、配偶者がいない状況に落ち着いてしまったため、婚姻関係を継続する意味を見失ってしまったということもあるでしょう。
その他にも、単身赴任という環境から生活習慣が乱れ、体系が劇的に変化し、以前スリムでハンサムだった旦那がメタボ体系になってしまったことから恋が冷めてしまうこともあるでしょう。
②離婚の回避方法
単身赴任中に離婚しないために最も重要なことは十分なコミュニケーションをとるということでしょう。現在では、コミュニケーションツールの発達によって、電話やメールだけでなく、テレビ電話やスカイプといったものも広く普及しています。これらのツールを最大限利用し頻繁に連絡をとることで、何らかの誘惑が降りかかってきても、旦那さん、奥さんの顔を思い出すことによって、誘惑に勝つことができるでしょう。
また、離れ離れにある状況であるからこそ、お互いに感謝の気持ちを持ち続けることが大切です。お互いの大切さを感じることができるいい機会でもあるので、この機会に相手に対する感謝の念を改めて伝えてみましょう。
(3)国際結婚
①国際結婚における離婚
国際結婚というと華やかなイメージがありますが、離婚率も高く、子供がいれば親権や養育費といった問題は、より一層複雑化してしまいます。
国際結婚に特有な離婚事由としては、文化の差異、言葉の壁などが挙げられます。帰省するにしても、交通費だけでも莫大な額を要することも多く、金銭的な問題から離婚原因に発展することも少なくありません。
②離婚の回避方法
国際結婚の離婚の理由として文化の違いや言葉の壁が多いことは先ほど述べたとおりですが、本当にそう言えるのでしょうか。
日本人でも細かい人、大雑把な人やおとなしい人、賑やかな人、いろんなタイプの人がいるように、外国人も同じようにいろんな人がいます。
実際、相手に気に入らないところがあると、相手が外国人であることから、それを文化の差異のせいにしてしまう人が多いように思います。言語の壁にしても、ネイティブ並みに会話ができないとしても、心が通じ合っていれば、お互い分かり合うことは難しいことではありません。
要するに、何か気に入らないことがあれば、それを文化の差異や語学の壁など、国際結婚特有の離婚事由に結び付けているにすぎないケースが多いのです。
相手を外国人という色眼鏡で見るのではなく、その人自身を見つめることが離婚を回避する一番の方法であるといえます。
(4)熟年離婚
①熟年離婚の問題点
数年前流行ったワードの一つである熟年離婚。熟年離婚とは一般的には、婚姻期間20年以上の夫婦が離婚をすることを言います。
最近熟年離婚が増えてきたと言われていますが、厚生労働省の調べによれば、離婚全体のうちの熟年離婚の占める割合は、平成20年で16.5パーセントとなっています。
熟年離婚が多くなったとはいえ、全体の割合から言えばまだまだ多い部類ではありません。現在でもほぼ横ばいで推移しています。
熟年離婚と聞けば、「定年退職を迎えた亭主に、離婚届けを突き付ける妻」という状況がイメージできると思います。夫が何もせず、ずっと家にいることが耐えられないといった奥さんの声をよく聞くことがあります。
一方、最近では旦那さんの方から離婚を申し出るケースも増えてきています。
離婚をするにあたり、最も揉める原因となるのが、子供に関する事項ですが、その点については、熟年離婚の場合、子供が成人に達しているケースが多いことから、比較的離婚の話合いはスムーズに進むケースも多いように思います。
②回避の方法
熟年離婚は突発的な感情によるものというよりかは、何年も前から離婚する機会を伺い、あらかじめ自分で考え抜いた上で離婚するケースが多いことから、離婚の意思が固いケースが多いように思います。
一方で、子供が成人している場合には、子供も加えて話し合うということも離婚を回避する有効な方法であるように思われます。
また、仕事、子育てがひと段落した後に、夫婦の時間を大切にして過ごしている方も交えて話し合うというのも離婚を回避するにあたって有効な方法といえるでしょう。
4、離婚率が低いのはどんな夫婦?
(1)一目ぼれ婚
一目ぼれ婚の離婚率について実際にアメリカで行われた実験があります。
対象者:一目惚れして結婚したカップル1500人
結果:一目惚れを経験した約半数の55パーセントがそのまま結婚に至った
一目ぼれ婚の離婚率
男性の場合⇒20パーセント
女性の場合⇒10パーセント
数字を見て分かる通り、一目惚れから結婚に至った夫婦の離婚率はかなり低い数値となっています。結婚した理由を尋ねると「あった瞬間にこの人だと思った」との返答を受けることがたまにあります。このような運命的な人に出会った場合は、離婚率は低くなるといえます。
でも、一目ぼれ婚だとどうして離婚率が低いのでしょうか。
男性の場合は追いかけてやっと自分のものにした女性を簡単には手放したくないという心理が働き、多少の諍いがあったとしても許してしまう人が多いのです。一方、女性については、追いかけすぎると、都合のいい女として認識され、遊び相手としか見てもらえなくなる危険性がありますが、そのような場合だと通常結婚まではいきません。
結婚までいくということは、男性もその女性を遊び相手としてではなく、一人の女性として選んだということなので、離婚率が低くなるのだと思われます。
(2)お見合い婚
全国仲人連合会のデータによると、恋愛結婚の離婚率は40パーセントですが、お見合い婚の離婚率は10パーセントという統計が出ているようです。つまり、恋愛結婚に比べてお見合い婚の方が30パーセントも離婚率が低いことが分かります。
お見合い婚とよく比較される恋愛結婚ですが、好き同士で結婚したのだから離婚率が低そうとも思えるのですが、実はそうではないのです。
お見合い結婚では相手のことが好きかどうかということより、お互いの結婚の条件が一致しているかどうかという点を重視しています。条件を重視することで結婚後にミスマッチが生じるというリスクを回避できるのです。
逆に好き同士で結婚したとしても、恋愛熱というものは数年もすれば冷めるものなので、そうなれば、今まで妥協していたことも許せなくなってしまい、離婚に至るというケースも多くあるように感じます。現在ではお見合い婚というものは少なくなりましたが、結婚するにあたりお互いの条件をよく吟味することが、離婚を回避する有効な方法であることは今も変わらないでしょう。
まとめ
離婚率についてはどのような経緯で結婚したのかということが大きく影響しているといえるでしょう。離婚を回避するためには、結婚する段階で結婚生活を具体的にイメージすることが大切だといえるでしょう。
近年は結婚や離婚に対する価値観というものも変貌を遂げ、離婚についてそこまで抵抗を持たない世代も増えてきていると思います。もちろん、離婚して新たな人生をスタートするということも大切なことですが、夫婦円満に生活できるに越したことはないでしょう。
お互いの気持ちを尊重し、感謝の気持ちを持ち続けることが離婚を回避する一番の秘訣ではないでしょうか。