飲み会への参加を強要されたときに知っておくべき法的観点と知識5つ

飲み会 強要

会社で飲み会への参加を強要されることに関して、あなたはどう思いますか?

個人の事情があるのにも関わらず、飲み会への参加を強要されることは未だに多々あるようです。
強要されていないにしても、個絶対に参加しなければいけない雰囲気の職場も多いかもしれません。

今回は、

  • 飲み会への参加を強要することの違法性

についてご説明します。ご参考になれば幸いです。

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1、飲み会への強要、強制参加に悩む人は少なくない

飲み会への強要、強制参加に悩む人は少なくない

若い世代を中心に、飲み会への参加強要を苦痛と感じる声が多く見られます。
業務時間外の自由な時間を無給で拘束されることになるため、受け入れがたい方も増えているようです。

先日職場での飲み会(歓送迎会)の出席を断ったら、俺の命令が聞けないのかと上司に激怒され酷い目にあいました。

引用:発言小町

飲み会はコミュニケーションをはかる機会でもあると思うので、そこは理解しています。

なので人事異動や特別な飲み会であれば必ず参加するようにしています。

(中略)

「付き合い悪い」「まだ○年目なのに断るの?」「あなたの下(後輩のことです)も参加してるのに不参加なんだ」などと言われてしまいます。

大切な用事があって断るときにもそのようなことを言われるので、私はどうしたらいいかわかりません。

引用:Yahoo!知恵袋

このように、インターネット上でも飲み会への参加を強要されたことに悩む声が多数投稿されています。

2、飲み会の強要はパワハラになるの?

飲み会の強要はパワハラになるの?

飲み会の参加強要はパワハラに該当するのでしょうか。

「パワハラとは〇〇である」という定義が何らかの法律で明確に定められているわけではありません。
したがって、強要した人の態度、強要された人の抵抗の程度、職場の雰囲気やそれまでの経緯など、様々な要素から、立場を利用して業務外の行為を強要するパワハラの該当性や、違法性が判断されることになります。

3、パワハラに該当する可能性のある、飲み会強要の具体例

パワハラに該当する可能性のある、飲み会強要の具体例

では、パワハラに該当しうる飲み会参加の強要例をご紹介します。

(1)飲酒の強要で体調を崩した場合

例えば、社員がお酒に弱いと自己申告をしていたにもかかわらず、上司がお酒を飲むことを強要したとします。

その結果部下の体調不良を招いたり、精神的にダメージを与えた場合には、被害の程度によっては損害賠償義務を負う可能性があるでしょう。

(2)飲酒を断った結果仕事上嫌がらせを受けて退職した

飲み会で飲酒を断ったことがきっかけで上司が気分を害し、仕事上嫌がらせを受けたり、不当に評価を下げられることも典型的なパワハラといえるでしょう。

仕事上の嫌がらせの度合いが酷く、退職に追い込まれた場合には、不法に損害を受けたものとして損害賠償を請求できる余地があるでしょう。

4、飲み会の強要により慰謝料の支払いが認められたケースも

飲み会の強要により慰謝料の支払いが認められたケースも

実際に飲み会の参加強要により損害を被り裁判に発展した事例があります。

具体的に見ていきましょう。

2013年2月27日の東京高裁判決では、極めてアルコールに弱い部下に対して上司が飲酒を強要したとして、部下からの損害賠償請求を認めました。

第一審の東京地裁は、飲酒を強要したことについての違法性は認めませんでした。

しかし、第二審の東京高裁では、部下が少量の飲酒でも嘔吐しているため、上司は部下がアルコールに弱いことに気づいたはずだと指摘しています。

そのような状況で、嘔吐した後にも「お酒は吐けば飲める」などと言い、アルコールが合わない体質の部下に執拗に飲酒を強要し続けたことは、もはや迷惑行為にとどまらず違法な行為であるとして、他の様々なパワハラ行為と併せて損害賠償150万円の支払いを命じました。

このように実際に違法性が認められる飲み会参加の強要事例も存在します。

酒に弱いと言っている部下や、実際に酔って体調を崩し始めた部下に対してさらに飲酒を勧める行為は、違法性が強く疑われる状態だということがわかります。

5、飲み会への参加を強要されたときの適切な断り方

飲み会への参加を強要されたときの適切な断り方

飲み会に参加するかどうかは自由に決められる事柄です。
参加したくない場合には、無理に飲み会に参加する必要はありません。

それでも、飲み会に参加しなければいけない空気を感じた場合の適切な断り方を見ていきましょう。

(1)はっきりと断る

はっきりと「お酒は好きではない」「お酒は飲めません」と飲み会を断るのが一番適切な対応です。
空気を気にして嫌々飲み会に参加をしてもかえって信頼関係が悪化してしまうかもしれません。

何度も断るうちに自然の流れで誘われる回数が減ってくるかもしれません。

(2)体調不良で参加ができない

体調不良にもかかわらずに飲酒を強要することは違法性が認められる可能性が高いとご紹介しました。
そのため、飲み会をスマートに断るには、体調が優れず、すぐに帰宅したいということを明確に伝えましょう。

(3)急ぎの仕事を終わらせたい

急ぎの仕事を終えたいから参加が難しいと断る手段もあります。
飲み会よりも仕事優先という体質の会社であれば難なく認められる可能性が高いでしょう。

ただしこの方法は「その仕事は明日でいいよ」などと上司判断で言われるケースもあるため、状況を判断して利用するようにしましょう。また、何度も利用することはできないので注意が必要です。

まとめ

もしも飲み会の参加を強要されたときは、まずはきっぱりと断るようにしましょう。

断った結果嫌がらせなどを受けたという場合には、弁護士に相談してください。
会社と上司の振る舞いが違法なのか、具体的に見極めることができます。
また、違法性を訴えたい場合には弁護士の協力のもと証拠を集めていくこともできるでしょう。

一人で悩みを抱え込まずに弁護士に相談することをおすすめします。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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