夫の金銭感覚に関する問題は、多くの夫婦が直面しています。
特に、夫が自身のために多額のお金を使う姿を見ると、妻たちは許容できないと感じることでしょう。専業主婦の場合、夫に対して不満を言いにくい立場にあり、共働きの場合でも家族のお金を私物化されることに怒りを覚えます。
この記事では、夫の無駄遣いのパターンや夫との金銭感覚のズレの理由、そして夫の金銭感覚を改善するための対処法について詳しくご紹介します。夫婦の金銭感覚のズレは、関係の破綻につながる恐れがありますので、早急に対処することが重要です。
夫の無駄遣いの背後にある理由を理解し、夫とのコミュニケーションを通じて共有の目標や理念を明確にすることからスタートしましょう。予算を立てたり貯金の大切さを認識させたりすることで、夫の金銭感覚を改善する手助けになるでしょう。
夫婦関係の健全な発展のためには、金銭感覚のズレを解消することが不可欠です。この記事を通じて、夫婦間の円満な金銭関係を築くためのアドバイスを提供します。夫の金銭感覚との向き合い方を学び、良好な家庭経済を実現しましょう。
目次
1、夫の金銭感覚がおかしい!実例3選
夫の金銭感覚がおかしいと感じている妻は世の中にたくさんいます。
まずは、エピソードを3つ見ていきましょう。
(1)夫が持っているお金を全て使い果たした挙句、作った借金の返済を妻に依頼
夫の金銭感覚がよくわかりません。
比較的に夫婦共に収入が多いため、必要経費をお互いに出し合い、残金は自由に使う家計管理をしています。
しかし、夫は残金を全て使い果たし、銀行口座はマイナスになっていることが判明しました。
収入から換算すると、毎月10万円以上は利用できる自由なお金があるはずです。
住宅ローンを組もうと思い、お互いの貯金額を開示したために夫の貯金がゼロだと判明しました。
ゼロどころかマイナスなため、住宅ローンの本審査が通らないかもしれないと夫からマイナス分の補填を頼まれました。
毎月10万円以上も自由にお金を使ってしまう夫の金銭感覚は理解できません。
引用:Yahoo! 知恵袋
(2)毎月8万円もクレジットカードを使う夫
夫の収入は月に20万円程度で、家計に必要な金額は15万円くらいです。
ところが、夫が毎月クレジットカードを8万円ほど使ってしまうため、月々は赤字での状態。
ボーナスで補填はできていますが、娘に習い事をさせていいものか悩んでいます。
夫のクレジットカードの使い道は通勤時のタクシー代や、日々の飲食代です。
収入から考えるとタクシーなど使う必要はありませんし、8万円も自由にカードを使ってしまう夫の金銭感覚は理解できません。
妻の自分がコツコツ節約しているのにどうして自由にお金を使えるのでしょうか。
引用:WOMEN’S PARK
(3)勝手にローンを組んできたり、レンタルDVDを滞納する夫
バツイチ同士の再婚で子どもは連れ子を含めて4人です。
夫は金遣いが荒く、勝手にスマホを購入し26回払いにしてきたり、新作のDVDを借りては3日ほど延滞し延滞料金がかかっても気にしていません。
シングルマザーで節約を重ねた期間が5年ほどあるため、夫の金銭感覚にはついていけません。
しかし、夫の浪費グセに麻痺してしまい、ローンくらいいいか、と楽観視してしまいそうな自分が怖いです。
自分はDVDは新作は借りませんし、延滞するなど考えられません。
無駄なお金にしか感じられないのですが、違うのでしょうか。
引用:Yahoo! 知恵袋
2、夫の無駄遣いベスト5
世の中の夫の無駄遣いとはどういう種類があるのでしょうか。
公式データはありませんが、考えられるベスト5をご紹介します。
男性は女性とは違い、同じような物があれば高価な方を欲しがる傾向にあるようです。
また、時間をお金で買う傾向もありますから、女性とは金銭感覚が違うのかもしれません。
(1)趣味のお金
やはり夫の無駄遣いだと感じられる第1位は趣味のお金です。
価値があるのかわからないフィギアやプラモデル、よくわからないブルーレイやCD、書籍などもあるかもしれません。
本人には価値があるものとは思いますが、家族から無駄遣いに感じられても仕方がないでしょう。
そのお金を家族での外食に回した方がよほど有意義だと感じる妻は多いものです。
(2)飲み代
男性は飲みに行く頻度も高く、一回の飲み会で一万円以上使うことも。
女性は飲みに行くことも少なく、一回の飲み代もせいぜい3,000円程度かもしれません。
二次会や三次会にもお金のことを考えて行かないようにしている女性も少なくありません。
そんな女性たちからすれば、男性の飲み代ほど無駄に感じるものはないでしょう。
また、飲みたいなら家で飲めばいいのに、と感じても不思議はありません。
(3)スマホの課金
スマホのゲームなどに課金する男性もたくさんいます。
妻がスマホ課金に無縁であれば、課金の意味もさっぱりわからず無駄の極みと思われるでしょう。
課金せずには遊べないのか?課金にどのような価値があるのか、同じ趣味を持たない女性には理解ができません。
(4)人になぜかおごる
男性は見栄を張りたがり。
付き合いもあるかもしれませんが、なぜか部下や友人などに食事や飲み代をおごるケースも少なくはありません。
他人におごる余裕はないと無駄遣いだと感じている妻はたくさんいます。
妻がコツコツ節約したお金を他人のために使う夫の金銭感覚は不思議でなりません。
(5)交通費
男性は、時間をお金で買う傾向が高く、出勤時にもタクシーを使うケースが多いでしょう。
移動の際や、深夜帰宅の際でもそうです。
公共交通機関が動いている時間に帰宅すればいいもののどうしてタクシーにお金を平気で費やすのか理解できません。
最寄駅からも歩けばいいと感じてしまいます。
(6)番外編〜電気・水道の無駄遣い〜
番外編で多数声が上がったのは、電気や水道を無駄遣いするというもの。
水を出しっぱなしにしたり、電気を消さない行為は節約をしている妻には無駄遣い以外の何ものでもありません。
3、夫と金銭感覚がズレる理由
お財布の中にお金があれば、全て使ってしまう夫・・・。
夫と金銭感覚がズレる理由はいったいどこにあるのでしょうか。
考えられる2つの理由を見てみましょう。
(1)自分で稼いだお金は自分のものと思っているから
男性は、自分で稼いだお金は自分のものと感じがち。
ですから、家庭にお金を入れて残ったお金は好きに使ってもいいと考えています。
金銭感覚が違うと指摘されるまで普通のことだと思っている方も多いかもしれません。
妻がコツコツ節約を重ねていることも気がついていない可能性もあります。
(2)家計(生活費)を理解してないから
家計を理解していないことも挙げられます。
女性は家庭に入れば家族のためにできることをまずは考えます。
自分の手腕でできるだけ節約できれば嬉しいとも感じることでしょう。
主婦の間ではポイ活などで節約することも主流です。
ですが、男性はちまちま節約を重ねることに意味を感じません。
なぜなら、生活費にどれだけかかっていて、妻が制限されたお金の範囲で工夫を重ねて生活している現実に、気がついていないからです。
妻から話をしない限りは、金銭感覚の違いは埋まらないでしょう。
4、夫を説得!その前に知っておきたい生活費の法律知識
夫の金銭感覚を改善する前に、夫婦間の生活費に関する法的な知識をおさらいしていきましょう。
(1)生活費は法律用語で「婚姻費用」
生活費とは、法律用語では婚姻費用といいます。
法律では(民法第760条)、婚姻費用は分担することになっています。
つまりは、あなたが専業主婦なら夫から一定の生活費を婚姻費用という名目で受け取れる権利があるわけです。
「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」
(民法760条)
(2)婚姻費用の具体例
婚姻費用の具体例としては、
- 家賃
- 光熱費
- 通信費
- 理美容代
- 塾や習い事の教育費
- 監護費用
- 家具や家電製品などの費用
- 食費
- 日用雑貨代
- 被服費用
- 医療費
- 冠婚葬祭費用
- 交際費
- 出産費用
など生活に関わる全てに関する費用のことです。
夫婦のお互いの趣味や娯楽の費用も含まれますが、「一般的に相当と考えられる範囲」に限られます。
趣味に関する収入に見合わないほどの高額な品物の購入などの出費は婚姻費用とは言えません。
5、金銭感覚が合わない夫を説得する方法
金銭感覚が合わない夫を説得するための方法をご紹介します。
上手に説得し、夫の金銭感覚をあなたに合わせて改善していきましょう。
(1)まずは夫の性格や立場を理解する
話し合いの基本ですが、まずは相手の性格や立場を理解することから始めましょう。
なぜそのような行動をするのか、の原因が見えてきます。
たとえば、夫が部下におごりすぎるというケース。
夫はおそらく「いい顔」をしたい性格なのでしょう。
そして、さらに自分よりも給料の安い若い部下たちを思いやる優しい性格かもしれません。
カッコつけなければやってられない、という立場もあるのかもしれません。
このような場合、性格を非難する女性は少なくありません。
「いい顔したいなんて自分勝手」
「他人に優しくする前に家族のことを考えて」
などの声が聞こえてきそうです。
ただ、「性格」を非難することは人格の否定につながります。
人格の否定は、良好な関係でありたい人間関係においてはもっともやってはいけないこと。
もしこの性格を改善したいのであれば、自分がその立場なら、部下におごらずにどのようにその立場を維持していくのか、別の方法を提案してみてください。
コミュニケーションは、相手を認めながら、少しずつ近く様子をイメージして行うとうまく行きます。全否定から入ってしまっては、相手も全否定で対抗してくるものです。
(2)収入額の確認
ここからは形式的な作業となります。
まずは世帯収入を確認していきましょう。
どれだけ家にはお金があるのかを知らなければどれだけ使えるかがわからず話し合いになりません。
(3)生活費のピックアップ
次に生活費をピックアップしていきます。
実際に婚姻費用はどの程度かかっているのかを夫にも理解してもらうためです。
住宅ローンや、家賃、水道光熱費、保険、車の維持費、食費、日用品費用、通信費、子どもの教育費、貯蓄などあらゆる生活費を書き出し、夫にいくら毎月必要なのかを理解してもらいましょう。
もしもあなたが専業主婦なら、美容費や医療費なども婚姻費用に含まれます。
忘れずにピックアップしましょう。
そして、これらは夫婦で分担して負担する義務があるのだということを説明してください。
(4)残額を計算
収入から婚姻費用を引いて、残額がいくらになるのか計算していきます。
残額が自由に使えるお金と考えましょう。
夫の無神経なお金遣いを理解してもらうためには、家に自由になるお金がどの程度あるのかを示していく必要があります。
(5)夫の小遣いは収入の何パーセント?
ただし、残額を全て自由に使っていては、急な病気や冠婚葬祭費用を捻出することはできません。
急な用立てが必要になるケース、貯金、旅行用の積み立てなど「余裕」を考慮した上で、夫の小遣いをいくらにするかを決定すべきです。
この時、「余裕」を考慮すると、夫の小遣いにあてがえるのはスズメの涙、という家庭も少なくありません。
そのような場合は、生活費をどのように削るかを検討し、また夫の使い道もどのように削っていくかを具体的に2人で考えていけると良いでしょう。
部下にごちそうするのは日頃の缶コーヒーにし、飲み代のごちそうは月に1度にしてね、など具体的であることが大切です。
ここで、高給取りであり、生活費+余裕費を計算してもかなり余ってしまうという場合、その他をすべて夫の小遣いにしていいかは迷いどころ。
このような場合は、一般的に夫の小遣いが収入の何割であるのかを知っておくと良いでしょう。
実は、夫が毎月自由に使えるお小遣い額の目安は、月収の約10%が平均値です。
たとえば月収の手取り額が30万円の場合には、月のお小遣いが3万円程度となります。
(6)説得の場所やタイミングは重要
以上の手順で準備をしたら、さっそく夫を説得です。
ただし、夫を説得する場所やタイミングには十分な配慮が必要です。
夜仕事が終わった後に飲みながら、などでは話を聞き流されてしまいます。
夫に「何の話だろう?」と興味を持たせ、あなたの話を聞く態勢をもってもらうことがポイントです。
できるなら、真剣に話し合えるように疲れていないときを選び、外食しながら落ち着ける場所で話し合うなど工夫しましょう。
また、何度かに分けて話をする場合は、最後はファイナンシャルプランナーなどのお金のプロの話を2人で聞くのも良いでしょう。
(7)浪費癖が過ぎて借金までしていたら
浪費癖が過ぎて借金までしている場合、まずは借金を返済することを考えなければなりません。
以下の関連記事では浪費癖による借金の解決方法から浪費癖の治し方まで解説しています。ぜひご参考にされてください。
6、夫婦間の金銭感覚にズレ・・そんなときは夫に婚姻費用のみ請求しよう
夫を説得しても金銭感覚のズレが埋まらない場合には、「夫婦のお金」という感覚を持てない男性である可能性があります。
その場合は、少なくとも夫が負担すべき婚姻費用(生活費)だけは請求しましょう。
(1)生活費を入れてもらいあとはお互い自由に
生活費だけ入れてもらえれば、あとは夫がいくら無駄遣いしようが気にしないようにしましょう。
婚姻費用には老後や子どもの将来を見越した貯蓄分も含めて請求しておけば大丈夫。
残ったお金は本来は貯金に回したいかもしれませんが、夫の稼いだお金です。
気にせずに夫の自由にさせてみてはいかがでしょうか。
そうすることで夫との金銭感覚のズレは気にせずに生活できるようになります。
(2)婚姻費用は裁判でも請求できる
婚姻費用は裁判でも請求できますから、もしも夫が納得しなければ家庭裁判所に申し立てをしてみてください。
その際、弁護士に頼るとスムーズに解決できることでしょう。
7、もう我慢できない!金銭感覚が合わない夫と離婚する方法とは?
夫を説得しても相容れず、婚姻費用を請求しても払い渋るような場合には、離婚を検討しても仕方ありません。
もはや、お金の問題ではなく、夫が家族をどう思っているのかも疑問になってくるでしょう。
何より、パートナーである妻の意見や頑張りを全く尊重しない態度に、人生を共にする気持ちが失せてくるのではないかと思います。
(1)夫との話し合いで離婚(協議離婚)
まずは夫の金銭感覚にはついていけず、離婚したい旨を夫に相談してみてください。
夫婦の話し合いで離婚が決まれば解決です。
離婚の条件を話し合い、お互いに納得できれば協議離婚が成立します。
(2)夫が離婚に合意しない場合は「生活が破綻しているか」が鍵
夫が離婚に合意しない場合には、調停離婚に進みます。
金銭感覚のズレを理由に離婚するなら「生活が破綻しているのか」が鍵になるでしょう。
金銭感覚がズレている、だけでは、破綻には結びかないかもしれません。
金銭感覚のズレから始まり、
- 生活費を一切入れない
- 借金が多額になっている
- 暴力を振るうようになった
- 家に帰ってこない
など、夫婦生活、家事、育児を放棄していると言えるまでになっているかどうかです。
そして夫婦ですから、お互いに助け合う義務も存在します。
あなたも努力をしてきたという経緯、そして、これ以上は努力ができない状態であることも必要でしょう。
8、金銭感覚の合わない夫との離婚は弁護士に相談を
金銭感覚の合わない夫との離婚は弁護士に相談するといいでしょう。
婚姻生活が破綻している証拠の提出などにおいて、弁護士が力になってくれます。
また、離婚の条件面での交渉、つまり、慰謝料の請求や養育費の請求、財産分与などでもあなたに不利にならないよう、弁護士は共に考えてくれるでしょう。
もちろん、離婚の前の婚姻費用の請求をするにおいても弁護士に頼ってください。
あなたが有利になるように有益なアドバイスをもらえることでしょう。
まとめ
夫と金銭感覚が合わない妻はたくさんいます。
男女の差もありますが、育ってきた環境の違いや置かれた立場などでも金銭感覚はズレるものです。
極端な節約は好き嫌いがあるでしょうが、客観的にみても、可処分財産を計算し家計を回していくことは、家庭をもったからには当然のこと。
少しずつでも夫の金銭感覚を改善していければ、夫婦間のズレは埋まる可能性もあるでしょう。
もしも夫を説得しても効果がない場合には、婚姻費用の請求をしてみてください。
それでも解決できそうにないなら離婚を視野に入れていきましょう。
あなたと家族の幸せが最優先だということを忘れずに、夫との金銭感覚とのズレが埋まることをお祈りします。