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医療ミスの死亡事故で医師を有罪にできるか?遺族が知っておくべき6つのこと

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私たちは病気になると、医師や看護師(以下、「医師等」といいます。)の医療技術を信頼して治療を受けるしかありませんが、医師等も人間なので、ときには医療ミスが発生することがあります。

軽い医療ミスなら許すこともできるでしょう。
でも、患者が医療ミスで死亡するという取り返しのつかない結果が発生した場合、ご遺族は「医師等も人間だから」といって許すわけにはいかないはずです。
わざとやったわけではなかろうとも、医療ミスで人の死亡という結果を招いた以上は、相応の責任を負ってもらわなければなりません。

そこで今回は、医療ミスがあった場合において、

  • 医師等に問える刑事責任
  • 医師等の刑事責任を問う方法
  • 医師等が不起訴になったときの対処法

を中心に解説していきます。

大切なご家族を医療ミスで亡くされた方のお役に立てれば幸いです。

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1、医療ミスの死亡事故で医師等に責任を問うときの問題点

医療ミスの死亡事故で医師等に責任を問うときの問題点

医療ミスの死亡事故が起こったときに医師等が問われる責任として、刑事責任と行政的な責任があります。
本項では、医師等の刑事責任・行政処分に関して説明するとともに、医療ミスによる死亡事故が発生した際にこれらの責任を問うときに特有の問題点を解説します。

また、これらの責任を問うのとは別に、民事上の損害賠償請求をすることができますが、民事上の損害賠償請求については「5」でご説明します。

(1)医師等の責任

まずは、医師等の刑事責任と行政処分としてどのようなものがあるのかをご紹介します。

①刑事責任

医療ミスの死亡事故を起こした医師等が該当する可能性がある罪名と刑罰は、以下のとおりです。

罪名

刑罰

業務上過失致死罪          

5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金

虚偽公文書作成等罪              

1年以上10年以下の懲役

虚偽診断書等作成罪          

3年以下の禁錮または30万円以下の罰金

証拠隠滅罪                

3年以下の懲役または30万円以下の罰金

医師法違反(第21条違反) 

50万円以下の罰金

虚偽公文書作成等罪、虚偽診断書等作成罪、証拠隠滅罪、医師法違反は、医師等が医療ミスを隠そうとするときに成立する犯罪です。
その意味で、付随的なものと考えていいでしょう。

主に問題となるのは、業務上過失致死傷罪です。
医師等が医療行為という業務において求められる注意義務を怠ったことによって患者が死亡したときは、業務上過失致死罪が成立し得ます。

②行政処分

医師、看護師とも罰金以上の刑に処せられると、以下のいずれかの行政処分の対象となることがあります。

  • 戒告
  • 3年以内の業務停止
  • 免許の取消し

罰金以上の刑が確定すると、執行猶予が付いた場合でも医師等は行政処分を科されることがあります。

したがって、医療ミスを起こした医師等に対する行政処分を考える際には、医師等が有罪になるかどうかが重要となります。

(2)業務上過失致死罪で有罪となる2つの要件が厳しい

業務上過失致死罪は、「業務上必要な注意を怠り、よって人を」死亡させた場合に成立します(刑法第211条前段)。
医療ミスを起こした医師等を有罪にするためには、「必要な注意を怠り」と「よって」死亡させたという2つの要件を立証することが難しい場合が少なくありません。

「必要な注意を怠り」というのは、過失が認められるかどうかという要件です。
より詳しくいうと、「患者の死亡という結果を予見し、その結果の発生を回避するための注意義務を怠った」と認められるかどうかという問題です。
このような注意義務違反が認められるかどうかを判断するためには、医学的に高度な専門知識が必要になるケースも少なくありません。
また、この注意義務の程度は患者が期待する理想的な医療水準を前提とするわけではありません。
通常の医師等であればできる程度の標準的な医療水準を前提として判断されます。
そのため、実際に発生した医療ミスにおいて、医師等に刑罰を科すべき程度の注意義務違反があったといえるかどうかは難しい判断となるケースが多くあります。

「よって」というのは、医療ミスと患者の死亡に因果関係がなければならないという要件です。
医療ミスの危険性が患者の死亡という結果を実現させていないといえるような事情がある場合は、医師等に刑罰を科すことはできません。
医療ミスの有無によって結果がどのように変化したのかを判断するにも高度な専門知識が必要となり、立証も難しいケースが少なくありません。

医師等に業務上過失致死罪の責任を問うときには、「過失」と「因果関係」の2つの要件の該当性の判断と立証が難しいケースが多いのです。

2、医療ミスによる死亡事故の刑事裁判~2つの実例~

医療ミスによる死亡事故の刑事裁判~2つの実例~

医療ミスで医師等が業務上過失致死罪に問われた刑事裁判の実例を2つご紹介したいと思います。

刑事裁判では、医療ミスを犯した被告人(医師等)の行為や患者の容態の変化・死亡という結果などの一連の事実を審理し、「過失」や「因果関係」を含む業務上過失致死罪の構成要件に該当する行為があるか否かを裁判所が判断します。

以下でご紹介する2つの実例では、判決が無罪と有罪に分かれました。
刑事裁判において医師等の「過失」や「因果関係」を立証することが必ずしも容易でないことがお分かりいただけると思います。

(1)無罪となった実例

医師が業務上過失致死罪に問われたものの無罪となった刑事裁判として、福島県立大野病院事件と呼ばれている事件が挙げられます。

この事件では、2004年12月17日に福島県立大野病院で帝王切開の手術を受けた産婦が大量出血により死亡し、執刀医が逮捕・起訴されました。

刑事裁判では、産婦の大量出血の原因となった胎盤剥離行為が医療ミスに該当するかどうかが主な争点となりました。

裁判所は、産婦の死亡を回避できる医療行為が他に存在したことと、胎盤剥離行為と産婦の死亡との間に因果関係があることは認めました。

しかし、産婦の死亡を回避できる医療行為は当時の医療水準から見て一般的なものとはいえず、本件の執刀医に刑罰を科すほどの注意義務違反は認められないと判断しました。

2008年8月20日に福島地方裁判所で無罪判決が言い渡され、そのまま無罪が確定しました。
この刑事裁判で検察官は医学文献に基づいて執刀医の過失を主張したようですが、裁判所はその主張を認めず、執刀医に刑罰を科すほどの過失はないと判断したのです。

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(2)有罪となった実例

一方、「過失」も「因果関係」も認められて有罪判決が言い渡された刑事裁判として、都立広尾病院事件が挙げられます。

この事件では、1999年2月11日に東京都立広尾病院で手術を受けた女性に対して、血液凝固阻止剤を点滴すべきところを看護師が誤って消毒液を点滴したため、女性が死亡しました。

2000年6月に点滴ミスをした看護師2人が業務上過失致死罪で起訴され、その後の刑事裁判でいずれも有罪判決が言い渡されました。
刑罰は1人が禁錮1年・執行猶予3年で、もう1人が禁錮8ヶ月・執行猶予3年でした。

この刑事裁判では特に問題なく看護師らの「過失」と「因果関係」が認められましたが、その前提として被害者のご遺族が早期に異状を察知したという事情がありました。
被害者の次男が医師であり、通夜前に被害者の右手の静脈の異状を発見し、消毒液を点滴されたことを察知したのです。

この事件では、ご遺族に医学的な専門知識がなければ、看護師らが有罪となったかどうかは分からないといえるでしょう。

3、医療ミスの加害者を業務上過失致死罪に問う方法

医療ミスの加害者を業務上過失致死罪に問う方法

医療ミスの加害者に罪の責任をとってもらいたい場合、いきなり警察に被害届を出すことはおすすめできません。
警察や検察といった捜査機関にとっても、医師等の医療ミスを立件し、刑事裁判で立証して有罪判決を得ることは容易でない場合が多く、適切に対処してもらえるかどうかはわからないからです。

そこで、以下のような手順を踏むことが大切です。

(1)まずは証拠保全と過失調査

医療ミスが疑われる場合は、まず証拠を確保することが最も重要です。
証拠がなければ医師等を有罪にすることはできませんし、民事責任を追及することもできません。

ただ、医療ミスの証拠のほとんどは、病院にあります。
カルテの開示を求めるなどして、証拠を集めるところから始めてみてもいいでしょう。

証拠を入手できたら、本当に医師等の責任を追及することができるのか、どの程度の責任を追及できるのかを調査します。
つまり、医師等に過失が認められるかどうかを調査することとなります。
調査結果次第では病院側と示談交渉を開始したり、下記の刑事告訴を検討しましょう。

なお、この調査や示談交渉、刑事告訴等をするには医学的な専門知識や法的知識が必要なので、弁護士に依頼するのが一般的です。

(2)刑事告訴

収集した証拠を調査して、医師等を有罪にできる見込みがある程度あれば、警察に告訴することも検討しましょう。

ただし、警察がすぐに告訴を受理してくれるとは限りません。
捜査の必要性が低いと判断されれば拒否されますし、民事での解決を勧められて帰されるケースも少なくありません。
告訴を受理してもらうためには、弁護士に依頼して的確な告訴状を作成してもらった上で、警察に対して捜査の必要性を説得的に説明してもらうことがおすすめです。

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4、医療ミスの死亡事故で告訴した後の流れ

医療ミスの死亡事故で告訴した後の流れ

告訴が受理されると、警察による捜査が始まります。
医療ミスで死亡事故を起こした医師等の取調べや、病院での証拠物の捜索、押収、関係者からの事情聴取などが行われます。

事前に自分で収集した証拠をコピーして警察に提供するのもいいでしょう。

(1)起訴するかどうかは検察官が決める

警察で一連の捜査が行われ、事件性があると判断された場合は検察官に送致されます。
告訴があった場合は、警察は事件に関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならないことになっています(刑事訴訟法第242条)。

送致を受けた検察官は、さらに医師等の取調べや補充捜査を行い、最終的に医師等を起訴するかどうかを決めます。

検察官が起訴しなかった場合は、告訴人にその旨が通知されます(同法第260条前段)。
不起訴となった理由は、告訴人から請求すれば告知されます(同法第261条)。

(2)不起訴となるケースが多い

被害者やご遺族にとっては残念ですが、警察や検察が捜査をしても不起訴となるケースは多々あります。

医療ミスの死亡事故で医師等の「過失」や「因果関係」を特定することは捜査機関にとっても容易ではありません。
「過失」や「因果関係」が特定できる場合でも、それを刑事裁判で立証するための証拠が不十分な場合は不起訴とならざるを得ません。

また、過失の程度が軽い場合や、患者の死亡が避けられたと言える場合でも過失の有無によって大きな差がないと認められるような場合も不起訴となる可能性があります。

(3)起訴されても刑罰は軽いケースが多い

医療ミスの死亡事故で起訴され、正式裁判が開かれた場合は医師等に禁錮刑が言い渡されることが多いですが、ほとんどの場合は執行猶予が付きます。
過失の程度が軽い場合は略式裁判で罰金刑となるケースもあります。

業務上過失致死罪はあくまでも過失による犯罪なので、よほど悪質な事案でない限り、実刑が言い渡されないことが多いです。
医療ミスをあまりに厳しく処罰すると医師等が医療現場で萎縮してしまい、かえって適切な医療行為が行われなくなってしまうという危惧が裁判所にあるのかもしれません。

5、医療ミスの加害者が不起訴になった場合にさらに責任を問う方法

医療ミスの加害者が不起訴になった場合にさらに責任を問う方法

医療ミスの死亡事故を起こした医師等について、刑事告訴をしたが捜査機関に受理されなかったり、受理されても不起訴となったりした場合であっても、まだ被害者には責任追及の手段が残されています。

(1)検察審査会への申立て

検察官がなした不起訴処分に納得がいかない場合、ご遺族は検察審査会に不起訴処分の妥当性の審査を申し立てることができます。

検察審査会では、一般市民から選ばれた11人の検察審査員によって不起訴処分の妥当性を審査し、議決します。
検察審査会の議決によってただちに起訴されるわけではありませんが、一定の場合には強制的に起訴されることになっています。
申立人は検察審査会に意見書や資料を提出したり、検察審査員からの質問に答える形で意見を述べることができます。

(2)民事訴訟〜無罪となった医師等に民事における責任を追及できるか

刑事手続とは別に、民事訴訟を提起して損害賠償請求をすることはできます。
亡くなった被害者の相続人は損害賠償請求権を相続していますし、一定の親族等には固有の慰謝料請求権も認められています。

不起訴となって刑事裁判が開かれない場合であっても、真相を究明するために民事訴訟を提起するケースも多くあります。
医師等が不起訴となった場合だけでなく、もちろん有罪となった場合にも民事訴訟を提起することはできます。

問題は、起訴されたものの、刑事裁判で無罪となった医師等に民事訴訟を提起し損害を賠償してもらうことができるかどうかです。

結論として、医師等が無罪となった場合でも慰謝料請求が認められる可能性はあります。
無罪とはいっても医師等に過失が認められないケースばかりではありません。
過失はあるものの「刑罰を科すほどの過失は認められない」というケースもあることでしょう。
「刑罰を科すほどではないが、民事上の損害賠償請求は負うべき程度の過失」があるのであれば、民事における責任追及が可能な場合があります。

民事訴訟における責任追及が可能かどうかは、弁護士に相談してみるといいでしょう。

6、ご家族が医療ミスで死亡したら弁護士に相談を

ご家族が医療ミスで死亡したら弁護士に相談を

医療ミスでご家族が死亡する事故に遭われたら、これまでご説明してきたように、まず証拠を収集して過失調査を行い、加害者である医師等を告訴することが可能です。

医師等が不起訴になれば検察審査会への申立てもできますし、別途民事訴訟の提起も考えることになります。

いずれの手続にも医学的、あるいは法律的な専門知識が必要です。
どうすればいいのかを悩んでいるうちに時間が経過すると、病院側にカルテの改ざんなど証拠隠滅を図られるおそれがあります。

民事上の不法行為や適切な医療行為がなされなかったことに対する契約違反に基づく損害賠償請求権には消滅時効があります。
また、業務上過失致死罪にも10年の公訴時効があります。

医療ミスが疑われる場合はお早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

まとめ

確かに、医療ミスの死亡事故を起こした医師等が起訴されても刑罰は軽いことがあります。

もっとも、罰金刑や執行猶予付禁錮刑でも、有罪となった医師等には、業務停止や免許取り消しなどの行政処分が課されることもあるので、医師等を起訴してもらって刑事責任を問う意義はあります。

しっかりとした捜査のうえで起訴されれば、有罪となる可能性も十分にあります。
ご遺族としては、告訴や検察審査会への申立ての手続をしっかりと行うことが大切です。

これらの手続を的確に行うためには、弁護士のサポートが不可欠です。
医療ミスの死亡事故で医師等の責任を問いたい場合は、医療問題に強い弁護士に相談してみましょう。

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