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パタハラが深刻な問題に・・育休取得とパタハラの対処法のポイント7つ

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パタハラが深刻な問題に!育休取得とパタハラの対処法のポイント!

内閣府「平成29年版 少子化社会対策白書」によれば、約3割の男性が「育児休業を取得したい」と希望しているそうです(参照 内閣府「平成29年版 少子化社会対策白書(全体版<HTML形式>)第2章第4節2」)。

しかしながら、実際の取得率は5.14%と国際的にみても低い水準とのことで、政府は、男性の育児休業取得率を2020年までに13%に上げることなどを目標としています(参照 内閣府男女共同参画局「『共同参画』2018年6月号」)。

果たしてこの数値を達成することは可能なのでしょうか?

というのも、ニュースなどでは、企業が育児休業を取った男性に不利益な取扱い行った、いわゆるパタハラを行ったのではないか、と問題になっている事例を散見するからです。

このようなことから、我が国では、児休業を含む子育て支援制度の活用についてはまだまだ発展途上ともいえそうです。

今回は、こうした状況下で、これから育児休業制度などを活用してみようとお考えの方のために、

  • パタハラとは何か
  • 活用できる子育て支援制度
  • パタハラに対する対処法

などについてご説明したいと思います。

この記事が皆様のお役に立つことができれば幸いです。

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1、パタハラ(パタニティハラスメント)とは

パタハラ(パタニティハラスメント)とは

パタハラとは、パタニティハラスメントの略です。

パタニティとは英語でPaternityと書き、意味は「父性」とか「父親であること」ですが、男性の育児に対する機会を実質的に奪う言動のことを、一般にパタニティハラスメント(パタハラ)と呼んでいます

たとえば、育児休業取得を理由に降格、減給させるなどが典型でしょう。

2、育児に取り組む夫=イクメンが増えている

育児に取り組む夫=イクメンが増えている

パタハラという言葉が作られた背景としては、育児に積極的に関わろうとする夫、いわゆる「イクメン」の増加が挙げられます。

(1)父親が子どもと触れ合う機会は増えている

東京にある「ボーネルンド」という知育玩具会社が、幼稚園や保育園に通う子を持つ30代の男女計1287人に対し、インターネットで調査を行いました(調査時期2019年4月2日から同月11日)(参照 ボーネルンド 「~パパ・ママの『子どもとのあそび』に関する調査~5割が、自身の子ども時代と比べて『休日に子どもと遊ぶパパが増えた』一方で、86.9%のママは『もっと遊んでほしい』と回答」)。

その結果、「あなたの子ども時代と比べて、父親が子どもと遊ぶ時間は増えたと思いますか。」との問いに対し、「増えた」、「同じくらい」、「減った」、「分からない」の選択肢の中で、平日、女性37.6%、男性43.1%の割合で「増えた」が多く、休日も、女性48%、男性52%の割合で、「増えた」が最も多い結果となっています。

このことから、現在の父親が子どもだったときに比べて、父親がその子どもと触れ合う機会は増えている、とも言えるのではないでしょうか。

(2)妻も夫をイクメンと評価

これについては、明治安田生命保険相互会社が20~59歳の子どものいる既婚男女(有効回答者数1032人)に対して行ったインターネットで調査が参考となります(調査時期2017年8月9 日~同月14日)(参照 明治安田生命保険相互株式会社「子育てに関するアンケート調査を実施!立ちはだかる『3人目の壁』 子育て世帯の9割が3人目を『望まない』か『躊躇』!」)。

それによれば、子どもがいる女性に「夫がイクメンか」尋ねたところ、51.8%の女性が「イクメンだと思う」「どちらかというとイクメンだと思う」と回答しています。

特に、20代・30代の女性については、3人に2人(64%)が「イクメンだと思う」「どちらかというとイクメンだと思う」と回答しており、若い世代ほど、育児の男女平等が浸透しているのかもしれません。

3、一方で、依然としてイクメンが働きづらい社会?

一方で、依然としてイクメンが働きづらい社会?

こうしたイクメンの増加とは裏腹に、イクメンが働きづらい社会であることは事実のようです。

ある企業では、育児休業明け直後に子会社への出向を命じられ、それまでのキャリアと異なる作業を命じられたとして、現実に訴訟となっております。

また、約10人に1人はパタハラを受けているとの調査結果も出ています

20~59歳の男性有職者1000人を対象にした日本労働組合総連合会の2014年の調査では、子どもがいる男性525人のうち11.%がパタハラを経験したと回答しているのです(参照 日本労働組合総連合会「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)に関する調査」)。

「どのようなパタハラだったのか」との問いに対しては、「子育てのための制度利用を認めてもらえなかった」が5.5%、「子育てのために制度利用を申請したら上司に“育児は母親の役割”“育休をとればキャリアに傷がつく”などと言われた」が3.8%、「子育てのための制度利用をしたら、嫌がらせをされた」が1.9%だったとのことです。

4、利用は男女を問いません!我が国の子育て支援制度

利用は男女を問いません!我が国の子育て支援制度

「育児介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)(以下「法」といいます。)」をご存知でしょうか?

子育て中の方が利用できる制度は法に規定されており、法が労働者(日々雇用される者を除く)を雇用する事業主に義務付けています。

(1)育児休業(法5条~9条の2)

1歳に満たない子を養育する労働者(一定の制限あり)は、その事業主に申し出ることにより、育児休業を取得することができます。

会社に制度がなくても、育児休業を取得するための要件を満たしていれば、育児休業を取得することができます。

また、妻が専業主婦や育児休業中でも取得することができます。

男性は配偶者の出産日当日を育児休業の開始日とすることができ、子どもの1歳の誕生日の前日までとなっています。

保育園に入園できない場合は、1歳6ヵ月まで、さらに入園できなかった場合は、申し出により最長2年まで延長可能です。

また、男性については、妻の産後休業(産後から8週間以内)を取得中に育児休業を取得した場合に限り、さらに育児休業を取得することができます(パパ休暇)。

(2)子の看護休暇(法16条の2、法16条の3)

小学校入学前の子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、1年に5日(子が2人以上の場合は1年に10日)まで、年次有給休暇とは別に病気・けがをした子の看護等のために休暇を取得することができます。1日又は半日単位で取得が可能です。

(3)所定外労働(残業)の制限(法16条の8)

事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者(一定の制限あり)が請求をした場合においては、原則として、所定労働時間を超えて労働させてはなりません。

(4)時間外労働の制限(法17条)

事業主は、小学校入学前の子を養育する労働者(一定の制限あり)が請求した場合においては、原則として、1月24時間、1年150時間を超えて時間外労働をさせてはなりません。

(5)深夜業の制限(法19条)

事業主は、小学校入学前の子を養育する労働者(一定の制限あり)が請求した場合においては、原則として、深夜(午後10時~午前5時まで)において労働をさせてはなりません。

(6)短時間勤務制度等のための措置(法23条、法24条)

事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者(一定の制限あり)であって育児休業をしていないものに関して、当該労働者の申出に基づく所定労働時間を短縮するための措置を講じなければなりません(育児休業法施行規則74条1項では、「1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければならない。」とされています)。

また、法24条では、事業主は、養育する小学校入学前の子の年齢によって必要な措置(始業時刻変更等)を講じるよう努めなければならないとされています(努力義務)。

(7)配置についての配慮(法26条)

事業主は、労働者の転勤については、その育児の状況に配慮しなければなりません。

5、不利益取扱いの禁止

不利益取扱いの禁止

労働者が「4」でご紹介した制度を有効に活用できるよう、法10条などでは、事業主が、「4」(1)から(6)の制度について、労働者がその制度の利用の申出・請求をしたこと、あるいは実際にその制度を利用したことを理由として解雇等の不利益な取扱いをしてはならない旨規定しています。

(1)禁止の対象となる制度

  • 育児休業
  • 子の看護休暇
  • 所定外労働の制限
  • 時間外労働の制限
  • 深夜業の制限
  • 所定労働時間の短縮措置
  • 始業時刻変更等の措置

(2)不利益取扱いの例

  • 解雇すること。
  • 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
  • あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
  • 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規雇用社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。
  • 就業環境を害すること。
  • 自宅待機を命ずること。
  • 労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限又は所定労働時間の短縮措置等を適用すること。
  • 降格させること。
  • 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
  • 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
  • 不利益な配置の変更を行うこと。
  • 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと。

(参照 厚生労働省「妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い」)

6、パタハラを受けないための育児休業取得のコツ

パタハラを受けないための育児休業取得のコツ

不利益取扱いが禁止されているといっても、労働者が自分の思いどおりに制度を利用してよい、というわけにはいかないのが現実かもしれません

制度を気持ちよく利用するためにも、そして、気持ちよく職場に復帰するためにも、以下のことを心掛けることをお勧めします。

(1)育休取得前

①自分にとっての育休の必要性を明確にする

相談や申出をする前、自分にとっての育休の必要性、その時期である必要性、その期間である必要性を明確にしておきましょう。

育休は要件(1歳に満たない子を養育していること)さえ満たしていれば取得できますので、法律上はもちろん「必要性」などは考える必要はありません。

ただ、乳児の世話は最低限大人1名でも可能という考え方が、日本ではまだ多数を占めているとも言えます。

そのため、これらの考え方に対して自己の主張をするにおいて、産後休暇のあとは妻が仕事に復帰するから、妻が病弱でサポートが必要だから、また自身の考えにおいて今は子育てを優先したいから、など、明確な必要性を自分の中で持つことがスムースなコミュニケーションを促すでしょう。

さらに言えば、配偶者と育休期間中の過ごし方、役割分担などについてよく相談して決めておくとより良いと言えます。

これが次の上司等に相談するステップの第一歩となります。

②早めに周囲(上司等)に相談

育児休業を取得する直前になって申出をしてしまうと、仕事の引継ぎや代替要員の確保等のための時間を確保することが難しく、会社から迷惑がられてしまう可能性もあります。

男性の育児休業取得が想定されている職場では、その申請時期について規定が設けられていることが多いと思いますが、その規定に記載された時期よりも前に、直属の関係者もしくは会社の人事担当に相談することが理想です。

明らかなチームワークではもちろんですが、そうでなくとも「企業」というのは独りよがりな行動では仕事が成り立ちません。

職場での自分の位置付けを俯瞰し、どのように進めていくのがスムースなのか、考えることが重要です。

(2)育休取得が決まったら

育休取得が決まったら引継ぎを始めますが、大切なのは復帰後のあり方を想像しておくことです。

当然ですが、自分が休業を取得している間も、周囲の人間は仕事を継続しています。

知識や経験も積んでいくでしょう。

会社で仕事を継続している人間とは別の生活となるわけですから、復帰後どうなるのか、またどうなりたいのかを可能な限り想像しましょう。

そうすることで、育休取得を知らせるべき相手、引き継ぐべき事項、そして育休中にしておくべきことが見えてくるでしょう。

(参考 厚生労働省「父親の仕事と育児両立読本~ワーク・ライフ・バランス ガイド~」)

、子育て支援制度の利用によりパタハラを受けた場合は

子育て支援制度の利用によりパタハラを受けた場合は

最後に、子育て支援制度の利用により不利益を受けた場合の相談先(会社内部での相談窓口以外の外部機関等)をご紹介します。

(1)厚生労働省管轄の都道府県労働局の雇用均等(部)室

厚生労働省管轄の各都道府県労働局には、育児休業法等に関する相談に応じる雇用環境均等(部)室が設けられています。

相談内容によっては、援助、調停を受けることができるとともに、事業主に対する行政指導も行ってくれます。

(2)弁護士

弁護士に相談することも考えられます。

弁護士に相談した場合のメリットは、解決に直結した法的なアドバイスを得られることです。

また、相談した上で依頼をすると、会社との間に入って交渉等をしてもらえるので、ご自身で会社と直接交渉する負担からは解放されることになります。

また、交渉によって解決をすることができない場合でも、弁護士であれば訴訟等の法的手続きの際の代理人となることもできます。

まとめ

政府としても、男性の育児休暇率を上昇させることを目標に掲げています。

しかしながら、まだなかなか男性の育児休暇の取得が当たり前となっているとは言い難い状態です。

場合によっては、会社と労働者との間で育児休暇の取得をめぐり、パタハラとして、トラブルが発生してしまう場合もあります。

こうしたことを防ぐためには、育児休暇の取得は制度上も認められているものであることを前提にしつつも、会社側の都合もしっかり考慮に入れ、適切にコミュニケーションをとって、育児休暇の取得に向けてステップを踏んでいくことが大切です。

ただ、そうした配慮をしていても、時には会社との間でトラブルになってしまうこともありえます。

場合によっては、明らかに不当な扱いを受けることもあるかもしれません。

そうした場合には、弁護士に相談してみることをお勧めいたします。

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