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自爆営業とは?違法性アリ?実例と買取負担を命じられたときの対処法

自爆営業

自爆営業は、大手企業から民間の小さな会社まで広く蔓延している実態があります。
自爆営業に陥る状況がなぜ起こるのでしょうか?また、自爆営業は違法行為ではないのでしょうか?

今回は、現在大きな社会問題となっている自爆営業について、

  • 自爆営業の原因
  • 実際の実例
  • 自爆後に買取負担を強要された際の対応策

などの内容について解説していきます。ご参考になれば幸いです。

また、以下の関連記事では営業ノルマにおける違法性のチャック項目をまとめています。会社からノルマや負担を強要されてお困りの方は、こちらの記事もあわせてご参考ください。

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1、自爆営業とは?

自爆営業とは?

自爆営業(じばくえいぎょう)とは、労働者に会社の商品を購入させたり、労働者自ら購入して無理やりノルマを達成させることをいいます。

会社の売上のために、自分の身銭を切って購入することから、「自爆』という言葉を用いて、自爆営業と呼ばれています。

2、社会問題化する自爆営業

社会問題化する自爆営業

自爆営業は今や社会問題となっており、当たり前のように行われているようです。
郵便局では、年賀状の自爆営業に関して、このようなニュースがありました。

記事によると、ある20代の契約社員男性は、年賀状の販売ノルマを課せられ、さばき切れずに1、000枚を都内の金券ショップに持ち込んだ。

50円のはがきで、買い取り価格は43円だったため、7、000円の自腹を切ったことになる。

この男性は、ノルマをこなさないと給料が格段に高い正社員になれないためと、その事情を説明した。

自腹購入は、会社のコンプライアンス違反になるため、会社には「親戚に売った」と報告したという。

記事では、郵便事業会社では、正社員に約1万枚、非正規社員には約5、000枚のノルマがあるとした。

うち自腹のケースは「自爆営業」と呼ばれ、正社員もこなさないと減給になるため必死に自爆するとの一部労組の証言を紹介している。

引用元:J CASTニュース

こういった事例は、保険会社やデパートなどの大手企業から、コンビニやファストフード、または農協など、私たちの生活の身近なところまで蔓延しているようです。

自爆営業は大きな社会問題となっており、このような事例はさまざまありますが、いくらクビにならないためとはいえ、本当に自爆営業をする必要性があるのかを、もう一度しっかりと考えた方がよさそうです。

3、自爆営業は違法性が高い

自爆営業は違法性が高い

こういった自爆営業は、果たして違法行為となるのでしょうか?

まず、社員に対し売上目標やノルマを設定することそれ自体は、違法行為ではありません。
目標の設定は売上を伸ばすために必要不可欠ですし、社員のモチベーションを上げることにも繋がるでしょう。

しかし、この目標が達成できなかった際に、何らかのペナルティ(買取の強制や給料の天引きなど)を与えた場合には、違法となる可能性が高いです。

労働基準法第16条は、 「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めています。
そのため、ノルマを達成できなかった場合に罰金を支払わなければならなくなる規則は違法である可能性が高いです。

また、労働基準法第24条1項は 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定めており、給料は直接労働者に、全額を支払わなければなりません。
ペナルティとして買取や給料から天引きすることは、この条文にも抵触する可能性が高いです。

また、自爆営業によってノルマを達成し、会社側から何らかの歩合報酬を受け取った場合、労働者の方が詐欺罪に該当する可能性もあります。
歩合報酬を増やす目的で、自分で商品を購入し、売り上げたかのように見せるのは、絶対にしないようにしましょう。

4、なぜ社員に自爆営業を命じるのか

なぜ社員に自爆営業を命じるのか

違法性の高い自爆営業を、会社側はなぜ社員に命じるのでしょうか?
自爆営業のメリットとして考えられるのは、

  • 絶対に売上が上がる
  • 業績が良いように見せることができる

ことでしょう。
企業にとって、在庫を抱えることはとても大きなリスクです。

自爆営業を行うことで、在庫が残っても社員に買わせることができるので、『売れるはずだったのに売れなかった』というリスクを消すことができます。
このように売上に関しては大きなメリットがありますが、社員からの信頼を失ったり、法律違反となる可能性も大いにあります。

5、自爆営業が失敗に・・・買取を命じられたときの対応策

買取を命じられたときの対応策

もしも買取を実際に命じられた場合、どのように対応するべきなのでしょうか?

まずはしっかりと断りを入れ、それでも強く言われるようであれば、しっかりと証拠を提示した上で、信頼のおける上司へ相談することから始めましょう。
店舗などで自爆営業が行われる場合には、本社に相談を持ちかけるようにします。

証拠としては、

  • 商品を買ったレシートや明細書
  • ノルマが記載された書類
  • ペナルティが記載された就業規則
  • 実際に買取を命じられた際の音声データ

などが効果的です。
それでも応じてくれない場合には、労働基準監督署、もしくは弁護士に相談し、早急な解決のために行動することをおすすめします。

まとめ

今回は、現在大きな社会問題ともなっている自爆営業について解説してきました。
もしも自爆営業を命じられた場合には、それが違法行為であるということを前提に、自信をもって会社側に伝えるようにしてください。

もしも認められない場合には、労働基準監督署や弁護士に相談する、もしくは転職も視野に入れ、行動するようにしましょう。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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