交通事故に伴う怪我や後遺症、精神的苦痛によって先の生活に悪影響が及ぶことも珍しくありません。
その際、被害者は加害者に慰謝料を請求することが可能です。
しかし、交通事故による慰謝料と一口に言ってもどういった種類があり、いくらが相場なのか不明点も多いでしょう。
本記事では、交通事故に遭った時の慰謝料の相場や、事例を踏まえた弁護士に任せるメリットをまとめました。
交通事故による慰謝料について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
交通事故の際に請求できる慰謝料は何がある?
交通事故の、「慰謝料」とは、交通事故によって被害者に生じた精神的な苦痛(精神的損害)を補填するために支払われるものです。
交通事故によって請求可能な慰謝料は大きく分けて下記の3つです。
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
これらについて解説していきましょう。
交通事故によって負った怪我などを治療するため、被害者は医療機関に通院または入院する場合があります。
交通事故による負傷の治療中に請求できる慰謝料のひとつが、「入通院慰謝料」です。
入通院慰謝料とは、交通事故における精神的損害に対して支払われるものになります。
具体的には交通事故による怪我によって通院や入院をせざるを得ない状況、また怪我による痛みまたは苦しみに対する精神的苦痛に対する慰謝料です。
また、怪我が完治せず、後遺障害等級の認定がされた場合、後遺障害慰謝料を請求することができます。
通院後に被害者が亡くなったといった場合、死亡慰謝料を請求できます、
ただし、怪我による痛みの程度や通院・入院に対する感じ方や家族が亡くなった際の感じ方は人それぞれであり、第三者が慰謝料を算出するのは大変困難です。
そのため、慰謝料を算定するための下記3つの基準が設けられています。
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
詳しくは後述しますが、慰謝料はこれらを基にして算出されます。
上記でもお伝えしているように、交通事故の慰謝料は下記の3つです。
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
一方、交通事故による慰謝料とは別に、交通事故による損害として下記を請求することも可能になります。
- 積極障害
- 消極障害
積極障害とは治療費や通院・入院における交通費、装具費用などを請求する賠償です。
消極障害は大きく分けて、「休業損害」と「後遺症逸失利益」、「死亡逸失利益」があります。
請求できる慰謝料の相場感は?
交通事故によって被害者が加害者に請求できる慰謝料は下記の3つになります。
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
請求できるこれら慰謝料の相場感を下記で解説しましょう。
通院・入院期間別の慰謝料の相場
交通事故における慰謝料のひとつが、入通院慰謝料です。
上記でお伝えしたように慰謝料には下記3つの算定基準が設けられています。
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
そのため、通院や入院の日数はもちろん、どの算出基準で慰謝料を請求するのかで金額が大きく変わるのが実情です。
下記にて、入通院慰謝料をそれぞれの基準で算定していきましょう。
自賠責基準における入通院慰謝料
自賠責基準における入通院慰謝料の算定方法は、1日あたり4,300円と規定されています。
また、計算方法は下記の2つが用意されており、2つのうちの少ない方の金額が適応される運用です。
- 4,300円×総治療期間
- 4,300円×実治療日数×2
自賠責基準は、基本的には3つの算定基準の中でも最も低い金額となります。
任意保険基準における入通院慰謝料
任意保険基準とは、加害者側の任意保険会社が慰謝料を計算する際に用いるもので、保険会社によって基準に違いがあり、さらに非公開とされているため正確な算定が難しいのが実情です。
一方、「旧任意保険支払基準」と呼ばれる算定基準を参考にしている保険会社が多いと言われているため、その基準の一部を下記の表にまとめました。
入院 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | |
通院 | 25.2万円 | 25.2万円 | 75.6万円 | 95.8万円 | 113.4万円 | 113.4万円 | 128.6万円 | 141.2万円 | 152.4万円 | 162.6万円 | |
1ヶ月 | 12.6万円 | 37.8万円 | 63.0万円 | 85.6万円 | 104.7万円 | 120.9万円 | 134.9万円 | 147.4万円 | 157.6.8万円 | 167.6万円 | 173.9万円 |
2ヶ月 | 25.2万円 | 50.4万円 | 73万円 | 94.6万円 | 112.2万円 | 127.2万円 | 141.2万円 | 152.5万円 | 162.6万円 | 171.4万円 | 176.4万円 |
3ヶ月 | 37.8万円 | 60.4万円 | 82万円 | 102万円 | 118.5万円 | 133.5万円 | 146.3万円 | 157.6万円 | 166.4万円 | 173.9万円 | 178.9万円 |
4ヶ月 | 47.8万円 | 69.4万円 | 89.4万円 | 108.4万円 | 124.8万円 | 138.6万円 | 151.3万円 | 161.3万円 | 168.9万円 | 176.4万円 | 181.4万円 |
5ヶ月 | 56.8万円 | 76.8万円 | 95.8万円 | 114.6万円 | 129.9万円 | 143.6万円 | 151.1万円 | 163.8万円 | 171.4万円 | 178.9万円 | 183.9万円 |
6ヶ月 | 64.2万円 | 83.2万円 | 102万円 | 119.8万円 | 134.9万円 | 147.4万円 | 157.6万円 | 166.3万円 | 173.9万円 | 181.4万円 | 185.4万円 |
7ヶ月 | 70.6万円 | 89.4万円 | 107.2万円 | 124.3万円 | 136.7万円 | 149.9万円 | 160.1万円 | 168.8万円 | 176.4万円 | 183.9万円 | 188.9万円 |
8ヶ月 | 76.8万円 | 94.6万円 | 112.2万円 | 128.6万円 | 141.2万円 | 152.4万円 | 162.6万円 | 171.3万円 | 178.9万円 | 186.4万円 | 191.4万円 |
9ヶ月 | 82万円 | 99.6万円 | 116.0万円 | 131.1万円 | 143.7万円 | 154.9万円 | 165.1万円 | 173.8万円 | 181.4万円 | 188.9万円 | 193.9万円 |
10ヶ月 | 87万円 | 103.4万円 | 118.5万円 | 133.6万円 | 146.2万円 | 157.4万円 | 167.6万円 | 176.3万円 | 183.9万円 | 191.4万円 | 196.4万円 |
あくまで、各保険会社は上記の「旧任意保険支払基準」を参考にしている可能性があるといった内容ですので参考程度にとどめておきましょう。
弁護士基準における入通院慰謝料
交通事故における慰謝料で最も高額な金額で算定できるのが、弁護士基準です。
裁判所基準とも呼ばれており、過去の裁判例などに基づいて設定されている算定基準になります。
弁護士基準における入通院慰謝料を算出する場合、「通常の場合」と「他覚的所見がないむちうち症等の場合」に分けて算出します。
それぞれの算定基準を下記の表にまとめました。
- 「通常の場合」の入通院慰謝料
入院 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | |
通院 | 53万円 | 101万円 | 145万円 | 184万円 | 217万円 | 244万円 | 266万円 | 286万円 | 297万円 | 306万円 | |
1ヶ月 | 28万円 | 77万円 | 122万円 | 162万円 | 199万円 | 228万円 | 252万円 | 274万円 | 291万円 | 297万円 | 306万円 |
2ヶ月 | 52万円 | 98万円 | 139万円 | 177万円 | 210万円 | 236万円 | 260万円 | 281万円 | 297万円 | 308万円 | 315万円 |
3ヶ月 | 73万円 | 115万円 | 154万円 | 188万円 | 218万円 | 244万円 | 267万円 | 287万円 | 302万円 | 312万円 | 319万円 |
4ヶ月 | 90万円 | 130万円 | 165万円 | 196万円 | 226万円 | 251万円 | 273万円 | 292万円 | 306万円 | 326万円 | 323万円 |
5ヶ月 | 105万円 | 141万円 | 173万円 | 204万円 | 233万円 | 257万円 | 278万円 | 296万円 | 310万円 | 320万円 | 325万円 |
6ヶ月 | 116万円 | 149万円 | 181万円 | 211万円 | 239万円 | 262万円 | 282万円 | 300万円 | 314万円 | 322万円 | 327万円 |
7ヶ月 | 124万円 | 157万円 | 188万円 | 217万円 | 244万円 | 266万円 | 286万円 | 301万円 | 316万円 | 324万円 | 329万円 |
8ヶ月 | 132万円 | 164万円 | 194万円 | 222万円 | 248万円 | 270万円 | 290万円 | 306万円 | 318万円 | 326万円 | 331万円 |
9ヶ月 | 139万円 | 170万円 | 199万円 | 226万円 | 252万円 | 274万円 | 393万円 | 308万円 | 320万円 | 328万円 | 333万円 |
10ヶ月 | 145万円 | 175万円 | 203万円 | 230万円 | 256万円 | 276万円 | 294万円 | 310万円 | 322万円 | 330万円 | 335万円 |
- 「他覚的所見がないむちうち症等の場合」の入通院慰謝料
入院 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | |
通院 | 35万円 | 66万円 | 92万円 | 116万円 | 135万円 | 152万円 | 165万円 | 176万円 | 186万円 | 195万円 | |
1ヶ月 | 19万円 | 52万円 | 83万円 | 106万円 | 128万円 | 145万円 | 160万円 | 171万円 | 182万円 | 190万円 | 199万円 |
2ヶ月 | 36万円 | 69万円 | 97万円 | 118万円 | 138万円 | 153万円 | 166万円 | 177万円 | 186万円 | 194万円 | 201万円 |
3ヶ月 | 53万円 | 83万円 | 109万円 | 128万円 | 146万円 | 159万円 | 172万円 | 181万円 | 190万円 | 196万円 | 202万円 |
4ヶ月 | 76万円 | 95万円 | 119万円 | 136万円 | 152万円 | 165万円 | 176万円 | 185万円 | 192万円 | 197万円 | 203万円 |
5ヶ月 | 79万円 | 105万円 | 127万円 | 142万円 | 158万円 | 169万円 | 180万円 | 187万円 | 193万円 | 198万円 | 204万円 |
6ヶ月 | 89万円 | 113万円 | 133万円 | 148万円 | 162万円 | 173万円 | 182万円 | 188万円 | 194万円 | 199万円 | 205万円 |
7ヶ月 | 97万円 | 119万円 | 139万円 | 152万円 | 166万円 | 175万円 | 183万円 | 189万円 | 195万円 | 200万円 | 206万円 |
8ヶ月 | 103万円 | 125万円 | 143万円 | 156万円 | 168万円 | 176万円 | 184万円 | 190万円 | 196万円 | 201万円 | 207万円 |
9ヶ月 | 109万円 | 129万円 | 147万円 | 158万円 | 169万円 | 177万円 | 185万円 | 191万円 | 197万円 | 202万円 | 208万円 |
10ヶ月 | 113万円 | 133万円 | 149万円 | 159万円 | 170万円 | 178万円 | 186万円 | 192万円 | 198万円 | 203万円 | 209万円 |
上記3つの算出基準の中でも、最も弁護士基準が高額となるのが一般的です。
ただし、通常の場合とむちうち症等で算出される金額に差があるところは注意しましょう。
また、弁護士基準が高いからといって、この基準に基づいて慰謝料を請求すれば必ず応じてくれるといったものではありません。
詳しくは後述しますが、弁護士基準で慰謝料を請求する際は弁護士に相談することをおすすめします。
後遺障害慰謝料の慰謝料の相場
交通事故で請求できる慰謝料のひとつに、後遺障害慰謝料があります。
交通事故による怪我などによって後遺障害と認められた場合、入通院慰謝料だけでなく後遺障害慰謝料を請求することが可能です。
ただし後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺障害に対応する1から14までの等級に認定される必要があり、その認定を受けられない場合は請求できません。
後遺障害等級認定を受けるための方法は下記の2つがあります。
- 事前認定
- 被害者請求
事前認定は被害者側の負担が少ない方法ですが、加害者側の任意保険会社が主体になるため適正な等級認定に向けて動けないというデメリットがあります。
一方、被害者請求は被害者側が主体となった認定を得る方法ですが、資料集めや手続きなど被害者一人で行うには負担が大きくなります。
ただし被害者側に有利な書面を集めて提出できるなど、適正な等級の認定を得やすいというメリットがあるでしょう。
また、後遺障害慰謝料の慰謝料の算出基準も入通院慰謝料と同様、自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準という異なる算出基準が存在するため請求できる慰謝料の金額に大きな違いがある点も注意しましょう。
任意保険基準は各保険会社によって違いがあることから、後遺障害慰謝料における自賠責基準と弁護士基準の金額を下記にまとめました。
後遺障害の等級 | 弁護士基準 | 自賠責保険基準 |
第一級 | 2,800万円 | 1,150万円 |
第二級 | 2,370万円 | 998万円 |
第三級 | 1,990万円 | 861万円 |
第四級 | 1,670万円 | 737万円 |
第五級 | 1,400万円 | 618万円 |
第六級 | 1,180万円 | 512万円 |
第七級 | 1,000万円 | 419万円 |
第八級 | 830万円 | 331万円 |
第九級 | 690万円 | 249万円 |
第十級 | 550万円 | 190万円 |
第十一級 | 420万円 | 136万円 |
第十二級 | 290万円 | 94万円 |
第十三級 | 180万円 | 57万円 |
第十四級 | 110万円 | 32万円 |
後遺障害慰謝料も、入通院慰謝料と同様に弁護士基準が高額です。
なお、これら金額は絶対的なものではなく、あくまで基準ですので、場合によっては慰謝料の増額を請求できるケースもあります。
死亡慰謝料の相場
死亡慰謝料とは、交通事故によって被害者が死亡したことによる被害者自身、また遺族の精神的損害を補填する慰謝料です。
被害者の遺族も慰謝料請求権が認められるもので、こちらも自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準の3つの算出基準を基本として請求されます。
死亡慰謝料の相場は2,000万円から2800万円程度とされていますが、こちらのケースによって大きく変動するためあくまで参考値として捉えておきましょう。
下記に、自賠責基準と弁護士基準の死亡慰謝料の金額をまとめました。
- 自賠責基準
死亡事故の被害者本人への慰謝料 | 400万円 |
遺族に支払われる慰謝料 | 請求権者1名550万円、2名650万円、3名以上750万円を本人の慰謝料に加算 |
被害者に被扶養者いた場合 | 上記に200万円加算 |
遺族の請求権者は原則として被害者の父母、配偶者、子とされています。
- 弁護士基準
死亡事故の被害者が一家の支柱であった場合 | 2,800万円 |
死亡事故の被害者が母親または配偶者であった場合 | 2,500万円 |
その他 | 2,000万円から2,500万円 |
弁護士基準の場合その属性によって慰謝料の金額が変化するところが特徴です。
実際に請求できた慰謝料の事例
交通事故に遭った被害者の方が慰謝料を請求できた事例を、下記の内容にまとめました。
- 事例①傷害慰謝料や逸失利益につき保険会社と争い、十分な賠償額を獲得!!
- 事例②14級9号認定で、主婦休損満額など約572万円の賠償金を獲得!!
それぞれ紹介していきます。
事例①傷害慰謝料や逸失利益につき保険会社と争い、十分な賠償額を獲得!!
事故の状況
Mさんはある日の夕方頃、歩道のない道路の端を自転車を押して進行中に、後方から前方不注意で時速40kmほどの速度で進行してきた自動車に追突され、ボンネットに跳ね上げられ、脾臓破裂、肺損傷、肝臓損傷、肋骨骨折、脱臼骨折及び骨挫傷等の重傷を負いました。傷病名:脾臓破裂、肺損傷、肝臓損傷、肋骨骨折、脱臼骨折、骨挫傷ご依頼内容
Mさんは、5ヶ月もの間入院治療を余儀なくされましたが、退院し、通院治療に切り替わってから、治療費や休業損害の支払いに関する相保の対応に不安を覚え、また、後遺障害や示談のことなど分からないことだらけであったため、当事務所にご相談くださいました。ベリーベスト法律事務所の対応とその結果
【休業損害について】
Mさんは、本件事故の傷害により、長期にわたり就労困難な状況になってしまったため、相手方保険会社から休業損害が支払われていました。しかし、ある日、Mさんから「今月分の支払いが確認できない。財布にはもう数百円しかない状態で、このままでは日常生活すらままならない…」と連絡がありました。弁護士が相手方保険会社に事実確認をしたところ、「病院側から医療照会の回答が来てからの対応になるため、早くて月末になってしまう」とのこと。
そこで、弁護士が生活困窮を理由に粘り強く担当者と交渉した結果、即時の入金を勝ち取ることができました。
【示談交渉について】
示談交渉をする際には、①傷害慰謝料と②逸失利益(平たく言えば「交通事故に遭っていなければ将来獲得できていたであろう収入」の意味です)の争い方に細心の注意を払いました。まず、①傷害慰謝料の金額を算定するにあたっては、「通院期間」や「通院実日数」などの概念が問題となります。例えば、3ヶ月の治療期間中に3回通院したという場合、通院期間の3ヶ月(約90日)を基準にするのと、通院実日数である3回(3日)を基準にするのとでは、賠償金額にかなりの差が生じてしまうのです。
この点について、相手方保険会社は、賠償額がなるべく少なくなるよう、「通院実日数」を基準にMさんの慰謝料を算定し、提案してきました。これに対し、弁護士が「通院期間」を基準に慰謝料の金額を論じるべきであることを主張し続けた結果、十分な慰謝料額を獲得することに成功しました。
次に、②逸失利益については、「労働能力喪失率」という概念が問題となります。
これは、平たく言えば「本件事故による傷害を負った結果、事故前に比べて労働能力をどれだけ失ったか」という考え方です。この点について、相手方保険会社は、本件事故の後遺障害(併合8級)により、Mさんの労働能力が失われたこと自体は否定しなかったものの、逸失利益の算定にあたり、Mさんの症状が今後少しずつ緩解していくであろうことを理由に、労働能力喪失率を徐々に下げた形で金額提示してきました。
これに対し、弁護士は、本件事故による傷害の重さに鑑み、今後Mさんの症状が良くなっていくという保証は全くないことを強く主張し、相手方保険会社の主張を退けることに成功し、最終的には1700万円の逸失利益を獲得することができました。
引用元:https://www.koutsujiko.jp/case/p285/
事例②14級9号認定で、主婦休損満額など約572万円の賠償金を獲得!!
事故の状況
Aさんがバスに乗車中、バスが急ブレーキをかけたため、Aさんはバランスを崩してしまい、座席の鉄パイプ等に右ひじ、肩、背中などを強打してしまいました。傷病名:頚椎捻挫、右肩関節打撲、右背部打撲、右肘打撲ご依頼内容
Aさんは相手方保険会社に対する対応や賠償の交渉など今後の対応に不安に感じられ、弊所にご相談にお越し下さり、今後の対応全般について弊所にお任せいただけることになりました。ベリーベスト法律事務所の対応とその結果
弊所では、相手方保険会社との治療費の打切り延長の交渉などを行い、Aさんには治療に専念していただきました。その後、症状固定となったため、弊所にて、医療記録の取得などを行い、被害者請求をしたところ、14級9号の後遺障害等級が認定されました。
その後の示談交渉においては、主婦の休業損害、慰謝料、及び逸失利益が争点になりました。 弊所では、保険会社に対し、Aさんには事故当初から痛みが継続しており、主婦業(家事)に多大な支障が生じていたことについて、具体的な状況を丁寧に説明しました。
その結果、「賃金センサスに基づく家事従事者の年収÷365日×総治療期間(休業日数)」で計算した請求額満額であるところの260万円以上の主婦業の休業損害を獲得することができました。また、Aさんが懸命に整形外科に通院されていたことも踏まえ、粘り強く交渉した結果、傷害慰謝料が請求額の95%認められ、逸失利益や後遺障害慰謝料など、その他の損害費目について請求額の満額で示談が成立し、最終的には、請求額満額に近い賠償金を獲得することができました。
交通事故の賠償交渉は、弁護士に依頼されることで、獲得できる賠償金が大幅に変わる可能性があります。お困りの方は、経験豊富なベリーベスト法律事務所にぜひご相談ください。
引用元:https://www.koutsujiko.jp/case/p323/
交通事故の慰謝料請求を弁護士に任せるメリット
交通事故に遭った際、加害者に慰謝料を請求するのであれば弁護士に任せることをおすすめします。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に任せるメリットを3つ下記の内容にまとめました。
- 「弁護士基準」で慰謝料を請求できる
- 後遺障害認定で適切な等級が受けられる
- 示談交渉のやりとりを一任できるため負担が少ない
それぞれ解説します。
「弁護士基準」で慰謝料を請求できる
交通事故における慰謝料を請求する際、弁護士に任せることで慰謝料増額が期待できます。
上記でお伝えしているように、慰謝料請求における算出基準には「自賠責基準」と「任意保険基準」、「弁護士基準」があり、弁護士は最も金額が高い弁護士基準にて慰謝料額を主張することが可能です。
加害者側の任意保険基準の場合、「自賠責基準」と近い「任意保険基準」での慰謝料提示となるため受け取れる慰謝料が大幅に減額する可能性があります。
弁護士基準を用いて、ご自身で交渉されても弁護士のような専門家でないと交渉を拒否されることもあり、正当な慰謝料を受け取れない可能性が高いです。
保険会社としても裁判を避けたいといった思惑があり、弁護士が介入した場合は弁護士基準での交渉が受け入れられやすくなります。
後遺障害認定で適切な等級が受けられる
交通事故によって傷や痛みが残るなど、後遺障害等級の認定がされると後遺障害慰謝料を請求することが可能です。
ただし後遺障害には等級が存在し、どの等級に認定されるかによって慰謝料の金額が大きく変化します。
また後遺障害の等級に認定されるためには数多くの書面などを用意する必要があり、専門家ではない方が対応するのは困難を極めます。
後遺障害の認定を受ける手順には事前認定と被害者請求がありますが、前者は加害者側の任意保険会社が主体となって手続きを行うため、適正な等級を受けられない可能性もあるでしょう。
一方、被害者請求は被害者側に有利になる書面などを提出できる手順ですが、膨大な書面や手間がかかるため専門家でない方が行うにはリスクが高いと考えられています。
交通事故の慰謝料請求に強い弁護士に依頼することで、書面の収集や手続きのサポート、また有利になる書面の用意などがスムーズに行うことができるでしょう。
後遺障害等級の違いによって慰謝料が数百万円変わることもあるため、適正な認定を受けるためにも交通事故により慰謝料請求は弁護士に依頼することをおすすめします。
示談交渉のやりとりなどを一任できるため負担が少ない
交通事故に遭った際、請求できる慰謝料や損害賠償金は多岐に渡ります。
とくに通院・入院などが終わった後は示談金の交渉に進みますが、加害者側の言い分もあるため適正な示談金を決める話が長引くことは珍しくありません。
また、示談金における交渉の電話などは精神的負担にもなり、相手の言いなりになって妥協した示談で終了せざるを得なくなる被害者の方もいますが、弁護士が介入することにより加害者側とのやり取りを一任して、このような事態を避けることもできます。
さらに上記でお伝えした適正な慰謝料を請求するだけでなく、休業損害や正しい過失割合の主張、「逸失利益」などさまざまな費目を請求することが可能になるなど、適切な賠償を受けられる可能性が高まります。
さらに注意したいのが、損害賠償請求権の消滅時効です。
交通事故における人身事故が発生した場合は事故の翌日から5年、死亡事故でも翌日から5年など損害賠償が請求できる期間が定められています。
弁護士に相談することで素早く示談交渉ができるほか、時効に対しても適切な対応を取ってもらえるためメリットが大きいと言えるでしょう。
まとめ
交通事故に遭った場合、被害者は加害者に対して慰謝料を請求することは認められています。
本記事でお伝えしたように精神的損害である慰謝料はもちろん、さまざまな費目の損害賠償請求を検討すべきですので、請求項目の漏れがないように、また、適切な金額を請求していきたいところです。
ただし、専門家ではない被害者の方が一人で手続きを進めた場合、慰謝料の算出基準によっては本来受け取れるはずの慰謝料にならなかったり、後遺障害の適正な認定を受けられなかったり、本来は請求できる項目についての損害賠償請求ができなかったりする場合があります。
交通事故による慰謝料の請求は専門家である、弁護士への依頼がおすすめです。
交通事故における慰謝料請求について不安や不明点がある方は、ぜひ弁護士に相談してみてください。