交通事故の加害者になってしまった際に知っておくべき7つのこと

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交通事故の加害者になることを普段から想定している人はほとんどいないと思います。

しかし、誰しも交通事故の加害者になってしまう可能性があります。

不注意にも交通事故の加害者になってしまった場合であっても、事故後に冷静に対応できたかどうかで、その後の展開や人生に与える影響が大きく変わってくることがあります。

交通事故の加害者になってしまった場合の対処法を知っておくことで、万が一交通事故の加害者になってしまったときに、冷静にかつ適切に対応することが可能になるのです。

今回は交通事故の加害者になってしまった際の対処法について説明していきます

具体的には、

  • 交通事故の加害者が事故直後に行うべき3つのこと
  • 交通事故の加害者がやってはいけない初期対応
  • 交通事故の加害者が負うことになる3つの責任

などについて解説していきます。

加害者になってしまいお悩みの方のご参考になれば幸いです。

1、交通事故の加害者が事故直後に行うべき3つのこと

(1)負傷者の救護措置

交通事故を起こした際に、負傷者がいる場合には、まず負傷者の救護を行わなければなりません。

相手が負傷しているかどうかを確認し、負傷している場合には、自力で病院等に行けるかどうかを確認し、自力で病院へ行くことは困難な場合には救急車を呼ぶなどの対応が必要になります。

この救護義務は、道路交通法72条に規定があり、これを怠ると救護義務違反(道路交通法違反)となってしまいます。

いわゆる「ひき逃げ」とは、この救護義務違反と、同条に定める警察への事故の報告義務を怠った場合を指します。

自分は「逃げて」いないからひき逃げではないと勘違いされる方もおられますが、救護義務違反は、その場から逃げたかどうかではなく、救護義務を果たしたかどうかで判断されるという点に注意が必要です。

よく、相手方が怪我をしていたが、「大丈夫、何ともない」と言っていたので特に気にしなかったところ、後から症状が悪化してしまい、救護義務違反となってしまったというケースもあるので、相手が大丈夫といっても、念のために病院に行くように勧めることが大切です。

(2)警察への事故の連絡

交通事故を起こした際に警察に報告を行う義務があることも、道路交通法72条に規定されています。

また、警察へ事故の報告を怠ると、報告義務違反(道路交通法違反)になるだけでなく、保険が適用されない可能性があるなどデメリットがあるので、必ず報告を行うようにしましょう。

事故直後は相手が怪我もしておらず、物損の程度も軽かったので警察に届けなかったところ、後から相手方から首が痛いと言い出され、報告義務違反になることを恐れて相手に治療費などの名目で多額の金銭を支払うことになってしまった、なんていう事例もあります。

報告義務違反になるだけでなく、後々のトラブルにも繋がりやすいことから、交通事故を起こしてしまったときは、必ず警察に報告を行うようにしましょう。

(3)二次損害発生の回避

負傷者の救護をして、警察にも報告をした後は、事故車両を安全な場所に移動させ、さらに、発煙筒や三角表示板等を使って後続車両に事故の発生を伝え、二次損害が発生することを防がなければなりません。

これも、救護義務や報告義務と同様、道路交通法72条に定められている義務の一つです。

2、交通事故の加害者がやってはいけない初期対応

(1)事故現場で示談に応じてしまう

交通事故の現場では、事故の相手方との間で、免許証等でお互いの住所や氏名、連絡先等の確認を行うことになると思います。

この時に、信号が赤だったとか、一時停止したとかしないとかの話になってしまったり、示談の話になってしまったりすることもあると思います。

しかし、交通事故直後に現場で過失割合や示談の話をすることはお勧めしません。

なぜなら、事故の過失割合や損害賠償額は、様々な調査を経てから確定すべきもので、事故直後の状況で軽々に判断してしまうと、後から本当はもっと自分に有利になるはずであったことが判明しても、変更することが難しくなってしまうおそれがあるからです。

正式に示談書を交わしていなければ大丈夫、と思われるかもしれませんが、契約は口頭でも成立しますから、事故の現場で軽々しく約束等をしないようにした方がよいといえます。

事故の原因が自分にあることが明らかな場合は、何の謝罪もしないのはいかがなものか、と思われる方もおられると思いますが、もちろん、例えば追突してしまった場合には自らの非は明らかなわけですから、謝罪をするのは当然のことです。

しかし、交差点の事故などで少なからず相手にも非があるような場合や、相手が治療費や修理代は間違いなく全額キッチリ払ってくれるんだろうな」などと言ってきたような場合には、「事故後の対応は、保険会社等を通じて誠意を持ってきちんと対応する」と述べるにとどめ、事故の原因や過失割合等についての具体的な話については、その場では触れないようにする方がよいでしょう。

(2)被害者対応を保険会社に任せてしまう

前述のように、事故現場では、相手方と示談の話をすすめるべきではありません。

しかし、事故現場で、相手方と一切会話すらせず、保険会社に連絡して、事故現場での対応すら保険会社に任せてしまう方もおられますが、そのような対応をとってしまうと、相手の感情を害してしまう可能性があります。

特に、自分の側の過失が大きい場合や、相手が負傷している場合にそのような対応を取ってしまうと、いざ示談交渉の場になったときに、相手方が、あなたが事故の現場できちんと対応しなかったことが原因で態度を硬化させてしまうおそれがあります。

また、相手方を負傷させてしまった場合、加害者には過失運転致傷罪が成立するため、警察や検察の取り調べを受けた後、起訴されるかどうかが判断されます。

その際に、被害者との間で示談が成立していないことや相手方の被害感情(処罰感情)が大きいことはマイナスに働いてしまいます。

このように、被害者への対応を保険会社任せにしてしまうと、民事上の責任と刑事上の責任の双方に悪影響がある可能性があります。

そのため、事故現場で過度な謝罪をしたり、過失を認めたりすることは避けなければなりませんが、かといって、被害者との対応を保険会社任せにするのも考えものです。

示談の内容には踏み込むのは避けるべきですが、一人の人間として、事故後もきちんと誠意をもって対応する旨を明らかにしておくことは必要だといえるでしょう。

3、交通事故の加害者が負うことになる3つの責任

(1)民事上の責任

交通事故の当事者となり、相手に損害を発生させてしまった場合は、過失割合に応じて、相手方にその損害を賠償する義務が発生します。

これが民事上の責任です。

この民事上の責任については、任意保険に加入している場合は、保険会社が代わりに支払ってくれるため、任意保険に加入していれば本人が金銭的な負担をする必要はありません。

ただ、保険に限度額がある場合で、その限度額を超える損害が発生した場合は、その超えた部分については、本人が相手方に支払う義務を負います。

(2)刑事上の責任(刑事処分)

交通事故の当事者となり、相手を負傷(死亡)させてしまった場合には、過失がゼロでない限り、過失運転致死傷罪が成立することから、刑事責任を負う可能性があります。

また、その交通事故の原因が交通違反にあるときは、その違反について道路交通法違反等の罪が成立するほか、自動車運転死傷行為処罰法にもとづく危険運転致死傷罪が成立する可能性もあります。

(3)行政上の責任(行政処分)

交通事故の当事者となった場合、民事上の責任や刑事上の責任とは別に、交通事故を起こしたことに対し行政上の責任を負うことがあります。

交通事故の原因に交通違反がある場合は、その違反に対して反則金の徴収を受けたり、免許の違反点数が加算されたりします。

また、交通事故で相手方を負傷させてしまった場合は、交通違反がなくても、相手の負傷の程度や過失の程度に応じて違反点数が加算されます。

その結果、違反点数が一定程度を超えると、免許停止処分や免許取消処分を受けることがあります。

4、交通事故の加害者が被害者に謝罪やお見舞いをするには

交通事故では、どうしても示談の際に過失割合が問題になってくるため、過失を認めることにつながるおそれがあることから、事故を起こしたことに対してあまり謝罪しないようにということがよく言われますし、実際にそれはあながち間違ってはいません。

しかし、過失割合の具体的な数字はともかく、相手が負傷をしている場合に事故後何の連絡もしないと、相手に「電話一本もよこさない人だ」などという印象を持たれてしまい、被害感情を悪化させてしまう可能性があります。

ですから、事故後、数日~一週間以内くらいには一度連絡をして、怪我の具合等を尋ねるのがよいでしょう。

事故当時は怪我をしていなくても、後から体が痛くなったと言われることもありますから、そういったことが起こっていないかどうかを確認するという意味もあります。

また、相手の怪我の程度が重く、入院をしている場合等は、病院や自宅へ赴いてお見舞いをすることも、被害感情を和らげるためには必要な場合があります。

このような謝罪やお見舞いは、示談交渉とは無関係に行うものですから、示談交渉を保険会社や弁護士に依頼している場合であっても、本人自身で行うべきでしょう。

ただし、事前に保険会社や弁護士には相談しておきましょう

ただ、謝罪やお見舞いに行った場で示談に関する話や過失割合の話をしてしまい、口論になってしまったりするのは本末転倒ですから、示談の話は保険会社や弁護士を通じて行うということを忘れないようにしましょう。

なお、被害者の被害感情が強い場合、謝罪やお見舞いを一切受け付けてくれない場合もあります。

相手の怪我が重傷である場合や、死亡させてしまった場合などは、そのようなことも少なくありません。そのような場合は、被害者や遺族に対して手紙を書き、謝罪の意を記した上で、保険会社の担当者や弁護士を通じて相手方に渡してもらうというのも一つの方法です。

5、交通事故が加害者のその後の人生に与える影響

交通事故は、被害者はもちろん、加害者の生活や人生も一変させてしまう可能性があります。

特に被害者が重傷を負った場合や死亡させてしまった場合はそれが顕著です。

まず、相手を負傷(死亡)させてしまったということに対する刑事責任を負わなければなりません。場合によっては逮捕されて身柄拘束を受けることや、裁判の結果、刑務所に服役ししなければならない可能性もあります。

服役を免れたとしても、有罪判決を受けると前科となってしまいます。

また、交通事故の原因が飲酒運転やスピード違反等の悪質な交通違反によるものである場合は、勤務先を解雇されてしまう可能性もあります。

このように、交通事故の加害者になってしまうと、その後の人生に大きな悪影響を与えてしまいます。

飲酒運転やスピード違反等の交通違反は自分の心がけ次第で防ぐことはできますが、ことさらに交通違反をしていなくても、過失(うっかりミス)により交通事故で相手を負傷させてしまうことは十分あり得ます。

その意味では、車を運転する限り、誰でも加害者になり得るのです。

ただ、交通事故の加害者になってしまった場合であっても、事故後の対応の仕方次第で、その後の人生への悪影響を最小限にとどめることは可能です。

交通事故で相手を負傷させたり死亡させたりしてしまうと、気が動転して目の前が真っ暗になってしまったり、自暴自棄になってしまったりする方も珍しくありません。

ただ、起こってしまったことを無かったことにはできないのですから、適切な事後対応を行うことが大切です。

6、交通事故の加害者になってしまったときの相談先

これまで述べてきたとおり、交通事故の加害者になってしまった場合、相手が負傷をしているときは、過失運転致死傷罪が成立し、刑事責任を問われる可能性があります。

また、交通事故の原因がスピード違反や信号無視等にある場合は、過失運転致死傷罪にとどまらず、法定刑の重い自動車運転死傷行為処罰法にもとづく危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。

過失の大きさや被害者の負傷程度によっては、事故直後に逮捕・勾留され、裁判が終了するまで身柄拘束をうけることもあり得ます。

逮捕・勾留されるような事態となった場合には、当然ながら独力では対応しきれませんので、当番弁護制度を利用するなどして弁護士に相談してみるとよいでしょう。

また、刑事責任とは別に、交通事故によって相手に発生した損害に対し、過失割合に応じて民事上の損害賠償責任を負います。

民事責任については、任意保険に加入している場合は、保険会社が示談交渉を行ってくれますので、まずは自身が加入する保険会社に連絡し、対応を任せましょう。

 

まとめ

交通事故なんて巻き込まれないにこしたことはありません。

しかし、人は常に交通事故に巻き込まれる可能性がありますし、運転をする以上、交通事故の加害者になってしまう可能性は否定できません。

そうはいっても、人生で交通事故に巻き込まれることが何度もある方は少ないでしょうから、交通事故に遭ってしまうとパニックになってしまうことも仕方のないことかと思います。

ただ、交通事故は事故後の初期対応がとても大切です。

実際、後になってからあの時ああすれば良かったと後悔するケースは多いようです。

万が一のときに備え、上記の交通事故の加害者になってしまったときの対応方法について、少しでも予備知識として知っておいた方がよいでしょう。

この記事が、読まれた方のご参考になれば幸いです。

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