パートナーが不倫旅行に出かけたようだ……。
こんなとき、残された配偶者は大きなショックを受けてしまうものです。
食事やホテルに行くだけの不倫でも許せないのに、2人で旅行に行っているとなると、取り返しのつかないような絶望感に襲われることもあるでしょう。
こんなときは、まず本当に不倫旅行をしているのかどうかを確認し、事実であれば今後の方針を冷静に考える必要があります。
そこで今回は、
- パートナーの不倫旅行を見破る方法
- パートナーが不倫旅行をしたときに話し合うべきこと
- 不倫旅行をしたパートナーとの生活が辛いときの対処法
などについて、離婚問題に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が解説していきます。
この記事が、パートナーの不倫旅行が疑わしいとお悩みの方の手助けとなれば幸いです。
目次
1、不倫で「旅行」をするのは不倫親密度が高いのか
パートナーが不倫で「旅行」まですると、かなり親密度が高いような気がしてしまうものです。妻としては、取り返しのつかない不倫なのか、まだそこまでではないのかの指標として「旅行」をどう捉えるべきなのかが気になるところでしょう。
不倫している2人の親密度は、不倫旅行の目的から考えることができるでしょう。不倫旅行の主な目的は、
- 長時間一緒にいたい
- 普通のカップルのように堂々とデートしたい
- いろんなものを一緒に見て、もっと親しくなりたい
などと考えられます。
旅行をすることは、双方、もしくは少なくとも片方は、かなり夢中になっている状況(親密度は低くはない)であると推察することができるでしょう。
ただし、不倫旅行をしている回数や交際期間などにもよりますが、「これからもっと親しくなりたい」という目的で不倫旅行をするケースも多いと考えられます。つまり、不倫旅行をするカップルの親密度は、食事やホテルに行くだけの不倫カップルよりは高いけれど、半同棲しているような不倫カップルほどには高くないといえるでしょう。
そのため、妻としては早めにパートナーの不倫旅行を見破り、今後の方針を冷静に検討することが重要となってきます。
2、パートナーの不倫旅行を見破る方法
まずは、パートナーが本当に不倫旅行をしているかどうかの事実を確認しましょう。
一般的な不倫の見破り方については、こちらの記事が参考になりますので、併せてご参照ください。
ここでは、不倫旅行の見破り方に焦点を当てて解説していきます。
(1)パソコンや携帯(スマホ)をチェックする
不倫旅行に行く前には、夫がパソコンや携帯(スマホ)で旅館を予約することが多いものです。その他にも、観光やレジャー、グルメなどのスポットを検索していることも多いでしょう。
そこで、パートナーが本当に不倫旅行をしていれば、パソコンや携帯(スマホ)をチェックすることでさまざまな情報が見つかる可能性が高いです。
出張に行くと言って出かけた場合でも、仕事先とは関係のない場所が検索されているような場合は、不倫旅行の可能性があるといえるでしょう。
旅行予約サイトを使った形跡があれば、予約リストや利用リストを見ることができます。1人で出張に行くといっていたのに2人で旅館を予約しているような場合は、不倫旅行である可能性が高いといえます。
(2)SNS等への投稿をチェックする
パートナーがFacebookやブログ、twitterなどのSNSを利用している場合は、その投稿もチェックしてみましょう。
これらのSNSには、旅行中の写真などを投稿しているケースが非常に多いものです。なかには、「妻は見ていないから」と油断して、不倫旅行であることが分かるような登校がされているケースも少なくありません。
(3)旅行中に電話をかけてみる
パートナーの旅行(出張)中に、不意に電話をかけて、反応を探るのも有効なことがあります。子どもが高熱を出したなどの急用を装って電話をかけてみると、特に効果的です。
このような場合、夫としても「どんな容態なのか」、「病院には行ったのか」など、さまざまなことを尋ねるのが通常ですが、話しにくそうにしていたり、早めに電話を切りたがったりする場合は怪しいと考えられます。
パートナーが電話に出ないこともあると思いますが、そんなときは留守電やメールなどで、「子どもが急病!至急電話をください」などとメッセージを残しておきましょう。
すぐに電話をくれたとしても、不倫旅行中であれば、どこか受け答えに挙動不審な点が出てくる可能性もあります。
(4)領収証やクレジットカードの利用明細をチェックする
夫が旅行(出張)から帰ってきたら、荷物の片付けを手伝いつつ、領収証がないかを確認してみましょう。
旅館の領収証が見つかったら、旅館名で検索して料金を調べることで、2人分の宿泊料金を支払っていることが判明することがあります。
また、デートスポットを利用した際の領収証や、不倫相手にプレゼントを買ったときの領収証が見つかる可能性もあるでしょう。
クレジットカードの利用明細によっても、利用先と金額を確認できます。不自然な利用があれば、利用先をネットで調べることで、不倫旅行であることが判明することもあります。
(5)車の中をチェックする
パートナーが車で旅行(出張)に出かけた場合は、帰宅後に車の中をチェックするのも有効なことが多いです。
不倫相手が長時間、車に同乗していれば、車内に女性の髪の毛が落ちている可能性が非常に高いです。また、ピアスが落ちていたり、忘れ物が残されていることも少なくありません。香水の匂いが充満していることもあります。
これらの兆候があれば、不倫旅行の可能性が高いといえます。
(6)探偵に調査を依頼する
不倫旅行の確実な証拠をつかむには、費用はかかりますが探偵に調査を依頼するのが最も確実です。
探偵に依頼すれば、パートナーを尾行するなどして不倫の現場を証拠化してくれます。尾行は素人では難しいものですが、プロの探偵に依頼すれば、不倫旅行が事実であればかなりの高確率で現場を押さえてくれるはずです。
なお、探偵に調査を依頼する際には、調査能力や依頼費用を的確に見極めることが大切です。こちらの記事では、信頼できる探偵事務所を紹介していますので、併せてご参照ください。
3、夫の不倫旅行が明らかに!最終的には「話し合い」が重要
以上の調査の結果、夫の不倫旅行が明らかとなった場合は、離婚するにせよしないにせよ、夫と話し合うことが重要です。
ここでは、不倫旅行した夫と何を話し合うべきなのか、そして今後の方針をどのように決めればよいのかについてご説明します。
(1)何を話すの?話し合いの目的
不倫旅行が明らかになったとき、放置したり釘さしをしたりとさまざまな対応が考えられます。しかし、夫婦の問題を解決するためには、最終的には2人で冷静な話し合いを行うことが大切です。
夫婦でいる目的や方向性が一致していなければ、あなたの生活は基盤を失い、5年先、10年先の未来が見えない状態で暮らしていくことになりかねません。
そこで、夫が話し合いに応じるのかも含め、安定した生活を取り戻すために、今後の夫婦関係をどうしていくのかについて話し合いを持ちかけましょう。
(2)今後の方針を話し合いの結論で決める
今後の方針について、あなたの希望が固まっていたとしても、夫の意向次第では実現できるとは限りません。そのため、最終的には話し合いによって今後の方針を決めることになります。
考える方向性としては、以下の4つのパターンがあります。
① 夫婦関係を修復する
まず1つめは、不倫旅行した夫を許して、夫婦関係を修復することです。
この場合、あなたは不倫された辛さを心の努力で乗り越えなければなりません。その上で、夫には不倫を反省してもらい、あなた自身にも足りなかった点があれば改善する努力が必要です。
そして、どうすれば夫婦仲を改善できるのかを2人で話し合い、さまざまなルールを決めていくことになるでしょう。
詳しい方法はこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
② 不倫相手に慰謝料請求をする
夫と離婚するにせよしないにせよ、不倫相手に対して慰謝料を請求することが可能です。
離婚する場合はもちろん、離婚しない場合でも責任を取ってもらうために、不倫相手への慰謝料請求を検討するとよいでしょう。
ただ、不倫相手が素直に非を認めて慰謝料を支払ってくれるとは限りませんので、前記「2」の方法で調査をした際に証拠を確保しておくことが重要となります。
また、不倫相手から「彼が既婚者だとは知らなかった」、「執拗に旅行に誘われ、断りきれなかった」、「もうすぐ離婚すると彼から聞いていた」などと言い訳される可能性もあります。
これらの言い訳は慰謝料請求の可否や金額に影響を及ぼしますので、しっかりとした反論を検討することも必要になります。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、併せてご参照ください。
③ 別居する
離婚するかどうかを決めきれない場合は、とりあえず別居するのもおすすめです。
冷却期間を置くことで夫婦関係の修復につながることもありますし、逆に、離婚したい場合は別居することでスムーズに離婚しやすくなります。
別居中は夫に対して「婚姻費用」として生活費を請求できますので、適切な金額を請求するようにしましょう。
なお、一般的には別居期間が長引けば長引くほど、夫婦は離婚する方向に進む傾向があります。そのため、夫婦関係を修復するために別居する場合は、別居後も夫と定期的に連絡をとるなどの工夫が必要となります。
詳しい方法はこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
④ 離婚する
夫の不倫旅行が許せず、一緒に生活していきたくないという場合は、離婚を検討することになるでしょう。
離婚する方向で話し合うときは、本当に離婚しても後悔しないかをお互いに確認した上で、さまざまな離婚条件について話し合っていくことになります。
離婚後の生活費を確保するには、慰謝料や財産分与といった財産的な条件についてしっかりと話し合うことが重要です。
未成年の子どもがいる場合には、どちらが親権者となるかを決めなければなりません。親権者を決めたら、養育費や面会交流についても取り決めておきましょう。
また、老後のことも考えて、年金分割についても話し合っておくべきです。
4、不倫旅行に狂う夫との生活が辛い!そんなときは弁護士へ相談を
ここまでは、夫の不倫旅行に関して妻が自分でできる対処法について解説してきました。
しかし、不倫旅行に狂う夫との生活が辛くなったときには、ひとりで悩まずに弁護士に相談することをおすすめします。
(1)弁護士との相談でこれからの人生を考える
弁護士に相談するのは、離婚の裁判をするときや慰謝料を回収するときだというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、そんなときだけには限られません。
夫婦関係の修復を望むときや、どうすればよいのか分からないというときでも、まずは弁護士に相談してみることもお勧めです。
人は、先が見えないときとても苦しいものです。弁護士に相談すれば、何が問題で、今何をすべきなのかが整理されます。
弁護士は豊富な経験や専門知識に基づいて、あなたの状況に応じて最適なアドバイスをしてくれます。
(2)慰謝料請求や離婚の手続きは弁護士にお任せ
慰謝料請求や離婚をすることになったら、弁護士に依頼することですべての手続きを任せることができます。
夫や不倫相手との話し合いは弁護士が代行してくれますので、あなたが直接やりとりする必要はありません。調停や裁判における複雑な手続きも、すべて弁護士が的確に進めてくれます。
証拠の収集から実際の手続きに至るまで、トータルで弁護士による全面的なサポートが受けられますので、納得のいく解決が得られることでしょう。
(3)損をしない選択肢を共に考える
夫に不倫されたあなたには、さまざまな選択肢があります。しかし、感情的になってしまうと、そんな選択をしてしまうおそれがあります。
離婚が適しているケースもあれば、夫婦関係の修復が適しているケース、当面は別居して様子を見た方がよいケースなど、事情は夫婦ごとに千差万別です。
どんなケースでも、不倫問題に詳しい弁護士に相談すれば、あなたの悩みをじっくりと聞いた上で、最善の道を一緒に考えてくれます。ぜひ、弁護士の力を借りて、損をしない選択をするようにしましょう。
まとめ
夫の不倫旅行が発覚したとき、多くの人は「離婚」の2文字が頭をよぎることでしょう。
離婚した方がよいケースもありますが、そうではないケースも少なくありません。離婚する場合でも、証拠集めや離婚条件の検討など、準備すべきことは数多くあります。
いずれにしても、まずは弁護士に相談の上、ご自身にとってベストな解決方法を探ることをおすすめします。