弁護士相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。
お電話でのお問い合わせ
0120-489-082
メールでのご相談

「社会保険のない会社」で自らを守って会社と対抗するための知識と知恵

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「社会保険」については、多くの人が意識することなく生活しているのではないかと思います。

 あなたの職場が「社会保険のない会社」だとしても、普通に生活していると、何も不便なく生きていけることかと思います。

むしろ、社会保険料の給料からの天引きがなく、手取りが増えるのでありがたい、なんて感じる人もいるかもしれません。

しかし、職場が社会保険に入っていないことを知ると、何となく漠然とした不安を抱く方もいるのではないでしょうか。

  • このまま社会保険のない会社に勤めていていいのかな?
  • 自分はどんな手段を取ることができるのかな?

そんなことを考えるかもしれません。

 今回は、そんなお悩みを弁護士がすっきり解消します。

 この記事があなたを守るためのお役にたてば幸いです。

弁護士相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。
お電話での
0120-489-082
メールでのご相談

1、社会保険とは

社会保険とは

会社で雇用され働く人にとっての社会保険とは、次の5つの保険の総称です。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

健康保険と厚生年金保険だけを指して「社会保険」ということがありますが、本記事ではこの5つの保険を念頭に解説します。

 ご参考になれば幸いです。

(1)社会保険の趣旨

社会保険は、自動車保険や生命保険などの私的な任意保険とは異なります。

日本の社会保障制度の一つとして、国民が相互に助け合うという「相互扶助(ふじょ)」の理念の下で作られた制度です。

つまり、国民は、必要に応じた給付がほぼ確実に受けられる代わりに、社会保険に加入して保険料を負担する義務があります(「強制加入」)。

(2)社会保険の種類

 社会保険の種類は、以下の5つです。

 ①健康保険

健康保険は、「保険証」でおなじみだと思います。

病院で診察を受けたときに支払う「医療費」は、実際はもっと高額であり、国民が病院に対して支払うのはその一部であることはご存知かと思います。

このように病気やケガにおける出費や収入の減少に備える保険が「健康保険」です。

具体的な給付は、医療費の一部負担である療養費、病気やケガで一時的に働けなくなった場合の傷病手当金などがあります。

 ② 厚生年金保険

「年金」とは、「毎年定期的・継続的に給付される金銭」です。

「年金生活」などという言葉でおなじみと思いますが、何らかの事情で働けなくなった後も、日々の生活を送るための金銭が必要となるかと思います。

これに備える保険が「厚生年金保険」です。

具体的な給付は、「定年」により働けなくなったときの「老齢厚生年金」、病気やケガが原因で障害が残り働けなくなったときの「障害厚生年金」、扶養されて生活する方が扶養者が亡くなったときの「遺族厚生年金」などがあります。

 ③介護保険

介護にもお金がかかります。介護者をお願いする場合や介護施設に入居する場合などです。

介護保険はこれに備える保険です。

介護保険の加入は年齢条件があり、2019年現在40歳以上の人が加入することになっています。

 ④ 雇用保険

定年で働かなくなった後の年金は「厚生年金」でしたが、定年前の一時的な失職に対する保険が「雇用保険」です。

具体的な給付は、失業保険は有名ですが、その他教育訓練給付や育児休業給付金などです。

 ⑤労災保険(労働者災害補償保険)

業務上での事由や、通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡などでの出費や収入の減少に備える保険が「労災保険」です。

労災保険の詳細はこちらをご覧ください。

関連記事

2、社会保険は強制加入|加入の仕組みとは?

社会保険は強制加入|加入の仕組みとは?

(1)加入の仕組み

 社会保険は国民であれば強制加入とお伝えしました。

しかし、会社の従業員の方であれば、個人的に加入手続きをした覚えはないのではないかと思われます。

 それは、社会保険が「会社を通じて」加入する仕組みだからです。

 以下の表の「適用事業所」に該当する会社は、各保険の加入をしなければなりません。

会社で働いている社員もここを通じて社会保険に加入します(一部の例外を除く)。実務上の社員の加入手続きなどもすべて会社で対応しているところがほとんどでしょう。

保険の種類

適用事業所

被保険者(保険に加入する人です。会社の都合で除外はできません。)

被保険者にならない人

①健康保険

法人の事業所

(個人事業所でも常時5人以上の従業員がいれば原則として適用)

①常時雇用される70歳未満の人(試用期間中も該当)

②パート、アルバイトでも所定労働日数が一般社員の4分の3以上の人

③②に該当しなくても501人以上の会社なら次の条件をすべて満たせば該当。

週労働時間20時間以上

賃金月額8.8万円以上

学生でないこと

①日々雇い入れられる人(1ヶ月以上雇用されればその日から被保険者になる)

②2か月以内の期間を定めて使用される人(所定期間を越えて雇用されればその日から被保険者)

③所在地が一定しない事業所に使用される人

④季節的業務(4か月以内)に使用される人

(継続して4か月を超える予定で使用されるなら当初から被保険者)

⑤臨時的事業の事業所(6か月以内)に使用される人(継続して6か月を超える予定で使用されるなら当初から被保険者)

②厚生年金保険

③介護保険

健康保険加入者で40歳以上の人*

 

④雇用保険

 

労働者(パートタイマー、アルバイト含む)を一人でも雇用する会社

基本的には社員全員。

週20時間以上の所定労働時間で31日以上継続雇用の見込みがあれば、正社員・パート・アルバイト等問わず強制加入です。

① 雇用時の年齢が65歳以上の者

②日雇労働被保険者に該当しない日雇労働者

③季節的事業に4か月以内の期間を定めて雇用される者

④ 船員保険の被保険者

⑤ 取締役、家事使用人、昼間学生、週20時間未満のパートタイマー

⑤労災保険

短時間労働者を含む全ての労働者が対象

法人の役員、同居の親族等

*健康保険に加入していない人でも国民健康保険に加入していれば40歳以上が介護保険の被保険者になります。本稿では詳細説明は省略します。

(2)保険料の支払い

こうして、会社と労働者が共に加入していますから、保険料は会社と労働者双方で負担します。

保険により細かい負担割合は異なりますが、折半していると考えてよいでしょう。

但し、労災保険だけ、会社が全額負担します。

 3、会社が社会保険に未加入なのは違法

会社が社会保険に未加入なのは違法

会社が上記の条件に該当するにも関わらず、社会保険に未加入であるのは違法です。

後述する表に記載されているように、懲役刑を含む制裁措置についても定められています。

中小零細企業などで未加入の会社が少なくありませんが、取り締まりは年々非常に厳しくなっています。

例えば、国土交通省の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」では、建設業の下請業者については、「適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の事情がない限り現場入場を認めないとの取扱いにすべきである」としています。

つまり、適切な保険に入っていない会社に対しては、仕事を依頼して行わせてはいけないというとても厳しい取扱いをする旨定められているのです。

後で保険料だけ払えば済む、等と安直に考える会社も少なくありませんが、これが大きな間違いであることがご理解頂けたのではないかと思います。

会社が罰を受けるだけではなく、事業主に対して懲役刑を含む刑事罰が課されたり、延滞金・追徴金なども課される可能性があります。

特に、実務上、刑事罰よりも怖いのは、社会保険の「さかのぼり加入」です。

年金事務所の調査などで、社会保険に入るべき社員で未加入の人が判明した場合、最大で2年間分、さかのぼって社会保険に加入させられるリスクがあります。

社会保険料は2年間の消滅時効だからです。

年分の社会保険料をまとめて納付することになった場合、会社にとって大きなダメージであることは想像に難くないでしょう。

また、労災保険に至っては、労災事故が生じた場合に労災保険給付に見合う額を支払うべき義務を負うといった制裁措置もあります。

 簡単に表でまとめました。

保険の種類

未加入の罰則・追徴金など

①健康保険

①6か月月以下の懲役または50万円以下の罰金(健康保険法208条)

②該当者の社会保険料を2年間遡って追徴(保険料は会社と社員の折半負担だが社員が退職済なら会社全額負担しかない)

③加入していても保険料を払わなかったら延滞金も発生。

②厚生年金保険

③介護保険

④雇用保険

 

①6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

雇用保険法第83条)

②遡って労働保険料を徴収、併せて追徴金を徴収

⑤労災保険

①6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

労災保険法51条)

②遡って労働保険料を徴収、併せて追徴金を徴収

③会社が労災保険の加入手続を怠っていた期間中に労災事故が発生した場合、遡って保険料を徴収するほか、労災保険の給付の全額または一部を事業主から徴収することがある。

(故意の場合100%、重過失の場合40%)

 4、会社が社会保険に未加入である場合の労働者のデメリット

 会社が社会保険に未加入である場合の労働者のデメリット

「1」でご説明したように、社会保険はさまざまな補償をします。

未加入となればそれなりのデメリットがあることは想像も容易とは思いますが、以下、保険ごとに未加入の場合のデメリットをまとめました。

(1)健康保険

加入していれば自己負担は原則3割、被扶養者も保護されます。

高額な医療費がかかった場合には自己負担額に上限があり、後は健康保険で負担してくれるなど至れり尽くせりです。

保険料は会社も半分負担してくれています。

世界中でもとても進んだ制度といわれています。

加入していなければ、これらが全額自己負担になります。

加入している場合と比べ、医療費の負担が3倍以上の計算です。

(2)厚生年金保険

未加入の場合、単純には将来の老齢年金等の給付が受けられなくなります

けがや病気の場合の障害年金も、本人が亡くなった場合の遺族年金等も受けられないということになります。

(3)介護保険

未加入の場合、介護が必要になったときに介護保険のサービスが全額自費になります。

日常生活を助けてくれる訪問介護、リフレッシュする場所を提供してくれる通所介護、日常的に介護を要する場合に入居できる施設介護など、若い方であれば想像が難しいかもしれませんが、多くのことで他人の手を借りならなければならなくなります。

(4)雇用保険

未加入の場合、定年前に失業したときの補償が受けられません

主に失業保険、それ以外でも公共職業訓練を受講した場合には「受講手当」、求職活動中の病気の際の「傷病手当」など、失業時に補償が受けられないと、精神的にもキツくなることと思います。

(5)労災保険

労災については、たとえ会社が未加入でも労基署に請求手続きをして申し出て労災認定を受ければ労災の給付は受けられます。

しかし、会社が協力的でない中で働いている人だけで労災の請求をするのは、協力的な会社で手続きをするより事務上も精神的にもハードルは高くなることは間違いありません。

(6)労働者に対するさかのぼり加入

先ほど、会社に対するさかのぼり加入の説明をしました。

実は、このさかのぼり加入の制度は労働者にとっても大きなデメリットをもたらすものです。

社会保険料は労使で折半して負担するものですので、2年間のさかのぼり加入となった場合は、支払っていなかった社会保険料の請求をまとめて受けることになります。

5、バイトやパートは適用外?大きな間違いです!

バイトやパートは適用外?大きな間違いです!

バイトやパートは適用外とか試用期間中は関係ないなどと誤解している人が少なくないようです。

(1)誤解される原因

バイトやパートの勤務形態をとる場合、その人は誰かの扶養下にあることが多いからです。

たとえば未成年の子どもであれば親の扶養下、妻などの配偶者であれば夫の扶養下です。

そうなると、健康保険は親や配偶者の家族として入ることができますし、厚生年金や介護保険も扶養されていれば個人として入る必要はありません。

また扶養されていれば失業期間があったとしても生活に困ることはありません。

(2)被保険者となるかは労働時間と労働日によって判断される

上記のような実情はありますが、これは結局、誰かの扶養下であるため被保険者とならないのであって、「バイト」「パート」という勤務形態で一概に決められているわけではありません。

実際には、平成28年10月1日以降のパートやアルバイトの方が被保険者となるかについては、以下のように決まっています。

また、4分の3を超えない方であっても以下の要件に該当する方に関しては、被保険者となることができます。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上あること
  2. 雇用期間が1年以上見込まれること
  3. 賃金の月額が8.8万円以上であること
  4. 学生でないこと
  5. 厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人の適用事業所、および国または地方公共団体に属する全ての適用事業所に勤めていること

日本年金機構:適用事業所と被保険者

もし、上司からバイトやパートは保険に入れないよ、といった説明を受けたことがある方は、一度ご自分の労働時間や労働日数を確認してみて、本当に被保険者となる基準を満たしていないのかを検討してみるのも良いかと思われます。

(3)違法な抜け道もある?

中には、会社があの手この手で違法な抜け道を考えるケースがあるようです。

このような場合は専門家に相談しましょう。

 ①給与からの保険料天引きはしているが、納付をしていない。

給与から社員負担の社会保険料は天引きされており、社員としては社会保険に加入していると思っていたが、実際には会社は社会保険に未加入であるような場合があります。

これは、会社が労働保険(労災保険と雇用保険の総称)に未加入であった場合に特に問題となります。

労働保険は労災事故に遭ったり、失業した時でないと意識する機会がないので、労働者は会社が未加入であることに気が付くことができません。

もし自分の勤務先の労働保険への加入状況が知りたいのであれば、厚生労働省の検索ステムを利用することをお勧めします。

厚生労働省:労働保険適用事業場検索

 ②雇用契約から業務委託契約への切り替え

会社が自分の負担する社会保険料を抑えるために、社員を個人事業主として雇用契約から業務委託契約に切り替える、といった方法です。

社会保険は、常時使用される労働者を被保険者とするものですから、社会保険の適用が行われなくなります。

 ③海外の会社に雇用された形にする

東京都内のタクシー会社が、給与の一部を実体のない海外企業を通じて支払うことで、国に納める厚生年金保険料を少なくしていた、という事例が発覚しました。

香港に別企業を設立して、従業員の一部を転籍させ、タクシー会社に出向させる形にしていたものです。

 6、会社に加入させるための相談先

会社に加入させるための相談先

会社が社会保険に加入していないときなどに相談できる窓口は次の通りです。

(1)健康保険・厚生年金保険・介護保険

 全国の窓口の一覧です。

  1. 全国健康保険協会支部
  2. 年金事務所

 全国の事業所の社会保険(厚生年金保険・健康保険)の加入状況をどなたでも簡単に確認できるよう、日本年金機構ホームページ上に、「厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システム」が開設されています。

あなたの会社が加入されているかどうかも検索してみてください。

(2)雇用保険・労災保険

 ハローワークまたは労働基準監督署です。

 以下で全国の所在案内にリンクしています。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 労働基準監督署

 7、困ったときは弁護士への相談

困ったときは弁護士への相談

社会保険の適用については明確な基準がありますが、保険料負担を嫌う会社が会社・事業所ごと加入しなかったり、特定の社員を加入させないケースが後を立ちません。

社会保険に加入すると、給料の手取りが減るという目先のデメリットもありますが、長期的に考えれば誰にでも当てはまるリスクを補償する大変有益な制度です。

相互扶助の観点からも財源を増やしていくべきですので、加入要件に該当する方は加入していくべきと言えます。

もし社会保険のない会社へ入社し、会社に加入させる話し合いが難航するような場合は、どうぞ弁護士を活用してみてください。

弁護士は法的観点から会社にとってのリスクを説明していきますので、会社との交渉もスムースに進められることでしょう。

会社の間違った体質にメスを入れたい場合は、弁護士に依頼するのが早道です。

 まとめ

社会保険の重要性をもう一度確認してください。

病気、けが、退職、労災、そして老後など我国の社会保険制度はとても充実しているのです。国全体でお互いを支え合う仕組みです。

どうか、あなたと家族とそして会社の仲間を守るために、社会保険の基本的な仕組みを知って有効に活用してください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士相談実施中!


当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。

SNSでもご購読できます。

カテゴリー

平日9:30〜21:00、土日祝9:30〜18:00
  • 電話で無料相談する