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感情労働とは?|感情労働の内容や働きにおける問題と2つの解決方法

感情労働

「感情労働でストレスが溜まる…」

顧客に対し、笑顔や優しさをもって働きかけることを会社や上司から必要以上に強制されていませんか?
日本では感情労働に従事している労働者が増加しており、それに伴ってさまざまな労働問題についても取り沙汰されています。

今回は、

  • 感情労働とはどのような職種でどんな内容になっているのか
  • 感情労働が抱える問題
  • 感情労働の問題点への対応策

について解説していきます。ご参考になれば幸いです。

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1、感情労働の内容とは?

感情労働とは?

感情労働とは「肉体労働」「頭脳労働」と並ぶ労働のカテゴライズのひとつで、感情の抑制、緊張、忍耐といったコントロールが必要とされる労働を指します。
顧客満足度を高めるために、あるいは商品の購入やリピートを促すために、企業は「顧客にいかなる不快な思いもさせてはならない」といった厳格なルールを設定します。
感情労働に従事していると、たとえ理不尽なことを顧客に要求されようともプロとして感情を抑えた対応が求められるのが現状です。

2、感情労働が必要とされる職種と内容

感情労働が必要とされる職種

自分の感情を押し殺したり、あるいは大げさに表現したりするなど、顧客満足を第一に、労働者本人に感情のコントロールを求められる仕事が感情労働に該当します。

従来は、旅客機の客室乗務員(キャビン・アテンダント)やテレフォンオペレーターなどが感情労働の典型とされていました。
現在では看護師などの医療職、介護職、教師や保育士など、直接顧客とやりとりしたり、顧客にサービスを提供したりするような職種はおおむね感情労働を求められています。

さらに、感情労働は顧客を相手にするサービス業にとどまりません。
たとえば上司から感情的に叱責されるような職場では、上司の機嫌を損ねるようなことを避け、自身の感情を抑えて相手に接することも一種の感情労働といえるでしょう。

3、感情労働の働き方が増えている社会的背景

感情労働が増えている社会的背景

現代社会は感情労働の割合が多くなっていると言われます。
感情労働が増えてきた要因にはどんなことがあるのか、その社会的背景を見ていきましょう。

(1)サービス業に従事する人の増加

商業、金融業、医療福祉、教育などのサービス業、外食産業、情報通信産業などは第三次産業に分類されます。
第三次産業の労働者は、1920年に全産業の23.7%であったものの、2010年には66.5%と3倍近い数字に上昇しています。

参考:人口統計資料集(2015)

人間を相手にすることが多いサービス業などの第三次産業は感情労働の割合が大きく、「第三次産業の労働者の増加≒感情労働の割合の増加」ということができます。

(2)顧客満足度が企業の業績に影響

現代の日本ではサービス業をはじめとして、企業の顧客満足度の向上が業績アップにつながるとされています。
特に競合との間で商品やサービスの質の差が生まれにくい業界では、労働者の接客の質を高めて顧客満足度を上げることが競合他社との差別化の手段として重要視されます。

(3)SNSの普及

SNSの普及により情報拡散のスピード・影響力が増大したことも、感情労働が注目される要因のひとつに挙げられます。
顧客の小さなクレームであっても、SNSで拡散されるとまたたく間に広まり、企業にとって大打撃となるためです。
さらに、SNSの普及は感情労働に従事する労働者の負担をも浮き彫りにするため、企業や顧客による労働者への過剰な要求が問題視されていることも、感情労働がクローズアップされている要因と考えられるでしょう。

4、感情労働の社会的意味

感情労働の社会的意味

感情労働に従事する労働者には、精神的なストレスや負担が問題視されていますが、その一方で感情労働はAIなどのコンピューターでは代替できない仕事でもあります。
コンピューターが得意とする計算、検索、審査、最適化などの作業はAIが代替可能で、「近い将来、AIが人間の仕事を奪う」とまで言われています。

しかし、感情のコントロールを必要とする感情労働は、コンピューターが予測を立てることが難しい分野であり、近い将来、AIに代替される可能性はきわめて低いでしょう。
つまり、感情労働は10年後、20年後もなお社会に必要とされる仕事であり、個人・企業にかかわらず感情労働のあり方について考え、必要があれば対策を講じていかなければならないのです。

5、感情労働の働き方の問題点

感情労働の問題点

感情労働に従事する労働者は、顧客を不快にさせないように笑顔で接したり、相手を立てたりすることを要求されます。

これらのコミュニケーションは労働者自身の感情をコントロールすることが必要不可欠です。
顧客から理不尽な要求をされたり、屈辱的な言葉をかけられたりしても、労働者は怒りや悲しみをストレートに表現することはできず、感情を抑えて顧客と接することを求められます。

感情労働に従事する労働者の中には、労働に合わせて感情をコントロールすることが精神的な負担となり、さまざまな症状に悩まされる人も少なくありません。
代表的な症状としては、感情労働による激しい精神的消耗が原因で、とつぜん虚無感に襲われる燃えつき症候群(バーンアウト)に陥るケースが挙げられます。

他にも、顧客から叱責されたことで気持ちが沈んだり、この先も本心とは裏腹の感情労働に従事しなければならない自分の将来に不安を感じたりして、うつ状態に陥ることも考えられます。
あるいは、感情労働から解放されるとイライラを爆発させて人や物にあたったり、ギャンブル依存症になったりすることも、精神的ストレスが顕在化した症状の一例です。

6、感情労働の問題点の解決方法

問題点の解決方法

感情労働者のストレスが社会問題になっています。
バーンアウトやうつ病などの精神的ストレスを回避するためには、具体的にどのような対策を講じる必要があるのでしょうか?

労働者側、企業側それぞれの視点から考えてみましょう。

(1)労働者側の対策〜ストレスの自己管理を

労働者側は、とにかくストレスを溜め込まないことが重要です。

①まずはストレスチェック

人が耐えられるストレス(ストレス耐性)には個人差があります。

まずは、自分がどれくらいのストレスに耐えられるのか、危険なストレスレベルはどれくらいなのかを把握し、ストレスの蓄積を未然に防ぎましょう。
ストレスチェックはインターネット上に無料で公開されているものもあります。
実際にチェックしてみて、自分のストレスレベルが耐性を超えているようであれば、早めに解決策を講じましょう

②ストレス解消法

個人でできるストレスの解消法としては、仕事を忘れて趣味や習い事などを楽しむ時間を作ることが挙げられます。
特にストレスを蓄積しやすい環境にある人は、短くてもリフレッシュできる時間を持つことが大切です。

感情労働は自分自身の感情を抑えることが求められるので、仕事以外の時間は自分の感情を思いっきり開放できることに使いましょう。
スポーツで体を動かしたり、趣味に没頭したり、あるいは何もせずひたすら寝るなどして、プライベートの時間で意識的にリフレッシュすることをおすすめします。

(2)企業側の対策〜従業員のストレス管理を

感情労働の割合が多い企業の場合、従業員のメンタルケアについて組織全体で考える必要があります。
精神面でストレスや負担を抱えている労働者が増えると、企業の生産性や収益性、さらに本来目指していたはずの顧客満足度の向上にも悪い影響を与える要因になりかねません。
従業員に対して待遇や福利厚生でカバーするだけでなく、問題の発生を未然に防ぐ対策も必要です。

たとえば健康診断と同じように、従業員全員にストレスチェックを実施したり、カウンセリングをしたりする機会を設けます。
ストレスチェックで問題を抱えた人がいるのであれば、速やかに対策を打ってケアをしましょう。
負担の大きい従業員には、メンタルケアのための十分な休養の時間を与えます。

利益を追求するだけでなく、社員のメンタルヘルスを管理することも、企業や経営者が果たすべき重要な役割なのです。

7、感情労働でうつなどにかかった時の対処法(労災申請)

うつなどにかかった時の対処法(労災申請)

過酷な感情労働が原因でうつなどにかかってしまった場合、労災認定が受けられる場合があります。
ここでは、労災申請の方法について解説します。

(1)会社への相談

一般的に、労災の申請は企業が本人に代わって申請手続きをします。
うつ病を発症し「これは労災にあたるのかな?」と悩んだ時は、まず労災申請を担当している部署に相談しましょう。担当者が必要書類などを準備し、手続きを進めてくれます。
申請する本人は面倒な書類集めや手続きを避け、うつ病の治療に専念することができます。

ただし、中小・零細企業などで労災担当者が決まっていないときは、個人で申請を進める必要がある場合もあるでしょう。

(2)労災の申請

労働者が業務上の災害によって負傷または疾病を患い、労災と認定されると、療養補償給付か休業補償給付を受給することができます。

労災を申請する上で重要なポイントは、指定医療機関を利用するか、あるいはそれ以外の病院を利用するかです。
指定医療機関を利用するとすぐに無料で治療を受けることができますが、それ以外の病院を利用する場合は一時的に治療費を立替えることになり、あとで療養補償給付金を請求することで負担額分が全額支給されます。

労災を申請するときは、あらかじめ指定医療機関を把握しておくことが非常に重要です。

(3)申請に必要な書類

労働が原因のうつ病について、労災申請する場合に必要な書類は次のとおりです。

給付金の種類

必要書類

提出先

療養補償給付

(指定医療機関を利用する場合)

療養補償給付たる療養の給付請求書(5号)

治療を行った労災指定病院

療養補償給付

(指定機関以外の病院を利用する場合)

療養補償給付たる療養の費用請求書(7号)

労働基準監督署

休業補償給付

休業補償給付支給請求書(8号)

労働基準監督署

参照:厚生労働省

うつ病が労災かどうかの判断は労基署が行います。
必要に応じて聞き取り調査や、追加書類の提出を求められることもあり、労基署が労災ではないと判断した場合は給付を受けることができません。

ただし、再度調査を依頼することができます。

(4)感情労働による労災の申請は難しい

持続的な感情労働を強いられて精神障害を患ったケースの労災認定はなかなか難しいと言わざるを得ません。
現在の労災の認定基準では、長期的なストレスによる発病は因果関係が証明できないと判断されることが多いからです。

しかし、パワハラめいた形で感情労働を強制されていたことで精神障害を患ってしまったような場合には、労災と認められるかもしれません。
ICレコーダー等で会話を録音したり、メモや日記に記録したりして、証拠を確保しておくことが大切です。

8、職場問題で困った時の相談先

職場問題で困った時の相談先

上司から感情労働を強制されている、パワハラまがいの指導を受けている、会社には相談できないなど、職場問題で困ったときは次の機関を利用しましょう。

(1)総合労働相談コーナー

各都道府県の労働局に設置された相談機関です。労働問題に関するあらゆる分野について、専門の相談員が面談あるいは電話で相談を受け付けています。

公式サイト:総合労働相談コーナーのご案内

(2)都道府県労働委員会

各都道府県の労働委員会が労働問題の解決を無料でサポートする制度を「個別労働紛争のあっせん」と言います。
会社内では解決しきれない労働問題の解決は、都道府県労働委員会の個別労働紛争担当窓口に相談できます。
ただし、東京都、兵庫県、福岡県の各労働委員会では、個別労働紛争のあっせんを行っていません。

公式サイト:個別労働紛争のあっせん

(3)労働問題に強い弁護士

労働問題の解決や交渉を弁護士に依頼することもできます。
ただし、弁護士なら誰でも良いというわけではありません。
労働問題の経験・実績が豊富で、交渉力を持った弁護士を選びましょう。

まとめ

日本では産業を問わず感情労働の割合が増えており、労働者のメンタルヘルスなどさまざまな問題も表面化しています。
感情労働が原因で起きる問題は、個人と企業両面からの未然の予防と、起きたときの素早い対応が求められます。

ご自身やご家族のお悩みでも、あるいは逆に従業員についてのお悩みでも、労働問題についてお悩みの際は、ぜひお気軽にベリーベスト法律事務所までご相談ください。

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