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接見とは?接見のルールや接見が禁止されたときの解除方法

接見

接見(せっけん)とは、身柄を拘束されている被疑者や被告人が、家族や知人、または弁護士などの外部の人と面会することをいいます。
常に接見が可能なのかというとそうではなく、家族や知人との接見が禁止されてしまう場合もあります。
それはいったいどんな時なのでしょうか?
また、接見が禁止された際には、どのような方法で面会すればよいのでしょう?

今回は、

  • 接見をする際の注意点
  • 接見が禁止された際の解除方法

などについて、解説していきます。
ご参考になれば幸いです。

こちらの「刑事事件と民事事件の違い」の記事も参考にしていただけたら幸いです

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1、接見とは

接見とは

接見とは、身柄を拘束され収容されている被疑者や被告人と面会することです。
収容された被疑者や被告人は、外部との交流を遮断されるため、精神的にも不安定な状態になる心配があります。

そういった心配を解消するために、家族や知人、弁護士などが定期的に彼らと面会し精神的な支えになったり、法律面での助言を行うことを目的としています。

刑事訴訟法第39条

身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

同条によって、家族や知人または弁護士は、被疑者に物品を渡すことが可能です。

ただし、裁判官・裁判所が家族や知人との接見を不適当と判断した場合には、一定の制約を受ける可能性があります。

2、接見が禁止されることもある?

接見が禁止されることもある?

では、接見が禁止される場合、いったいどういう理由があるのでしょうか?

また、接見を禁止された場合、それを解除するにはどのような方法があるのでしょう?

(1)接見が禁止になる理由

接見が禁止されることがあるのは、被疑者が逃亡したり、罪証隠滅をする疑いがあると判断された場合です(刑事訴訟法81条)。

そして、下記のような事情がある場合は、それが逃亡や罪証隠滅をする疑いがあると判断される材料になり得ます。

  • 重大な犯罪を犯した
  • 定まった住所がない
  • 組織で犯罪を犯した
  • 容疑を否認している

例えば、組織的に犯罪をした場合には、共犯者や関係者との接見をすることで、口裏合わせをすることで罪証隠滅をするおそれがあるため、接見が禁止される可能性が高くなります。

また、容疑を否認している場合には、罪証隠滅をする動機があり得るので、接見が禁止される可能性が高くなります。

(2)接見禁止の期間

逮捕から72時間以内に、勾留されるかどうかの判断が下されます。
よって、この72時間は、弁護士以外との接見は一切遮断されます。

そして、起訴前の勾留期間(原則として10日間〜20日間)においても、禁止する理由があれば知人や家族との接見が禁止されることがあります。

さらに、共犯者がいるようなケースでは、起訴された後にも接見禁止が解除されず、数週間から数ヶ月の間、接見が禁止され続けるケースもあります。

接見禁止の期間については、裁判官がその判断を下します。
家族や知人に通知されることはありませんので、直接弁護士や警察官などに聞くようにしましょう。

(3)接見禁止を解除する方法

接見禁止を解除するためには、以下の3つの方法が考えられます。

なお、いずれも専門性が高いため、弁護士に依頼して行うことが重要です。

① 準抗告、抗告

準抗告とは、第一回の公判の前に行われる方法で、裁判官の接見禁止の決定に対し、異議申し立てを行うことです。

一方、抗告は、第一回の公判後に行われる方法で、こちらも準抗告と同様に、裁判官の決定に対して異議申し立てを行うことです。

準抗告・抗告が認められると接見禁止が解除され、家族や知人など、弁護士以外の人とも接見することが可能になります。

②接見禁止処分の一部解除の申立て

準抗告や抗告は、刑事訴訟法にも記載されている法律に則った方法です。

一方、こちらの申立には、特段法律上の根拠があるわけではなく、いわば「裁判所へのお願い」です。
証拠を隠滅したり逃亡したりするおそれが否定できない場合でも、家族などの一部に限定して解除を求めた場合、認められるケースもあります。
接見禁止の必要性がないことを裁判所に対して主張し、解除を求めましょう。

③勾留理由の開示請求

勾留理由の開示請求とは、その名の通り、裁判所に対して、勾留が決定された理由を開示してもらえるよう請求することです。

勾留に納得できない場合、この方法を利用しましょう。
被疑者だけでなく、家族もこの請求を行うことができます。

いずれの方法にしてもご自身や家族だけではその手続きが難しいため、弁護士に協力してもらいましょう。

3、注意すべき接見時のルール

注意すべき接見時のルール

実際に接見する際は、以下の注意点があります。

(1)逮捕後3日間は、弁護士以外は接見できない

逮捕から72時間以内に勾留されるかどうか判断されるのですが、その72時間、つまり3日間は、弁護士以外は接見することができません。

いかなる理由があれ、これは原則です。

(2)一日に会えるのは1組のみ、3人まで

ほとんどの留置施設では一日に接見できるのは1組のみ、その合計人数は3人までとされています。
弁護士はこの数に含まれませんが、小学生や幼児であっても人数に含まれます。

(3)平日のみ可能

一般の方との接見は、平日のみ可能です。
土曜日や日曜日、祝日はもちろんのこと、12月29日から翌年の1月3日までは休庁日となり面会することはできません。

一方、弁護士であれば土日祝日でも接見可能です。

(4)差し入れについて

拘束されている人物に対し、差し入れをすることは可能です。
その際は、自殺防止などの観点から禁止されているものもありますので注意が必要です。

差し入れできないものに関しては、施設によって違いはありますが、一般に以下のようなものが禁止されます。

  • 施設外で買った飲食物
  • タバコ
  • 歯ブラシ
  • 医療品や医薬品
  • 筆記用具や文房具
  • 新聞
  • ヒモのついた衣類
  • 書籍は5冊まで(6冊以上は禁止)

渡したいものがあればその都度、弁護士に相談するようにしましょう。

4、弁護士に接見を依頼することのメリット

弁護士に接見を依頼することのメリット

最後に、弁護士に接見を依頼することのメリットについてご紹介していきます。

(1)いつでも接見できる

家族や知人との接見は、逮捕から72時間以内はできません。
一方、弁護士であればいつでも接見することができます。
逮捕直後に今後のアドバイスを行うことは、刑事弁護上も精神的なサポートという意味でも非常に重要です。

また、弁護士との接見では、立会人を置くことなくいつでも物品の授受を行うことができます。

身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

引用元:刑事訴訟法第39条

接見禁止が出されていても弁護士との接見はできますし、時間制限や曜日の制限などもありませんので、いつでも弁護士との接見を行うことが可能です。

(2)警察官の立会の必要がない

一般の方との接見では立会人がいますが、弁護士とは立会人なく接見できます。
自由な時間に、弁護士との接見を行うことが可能です。

(3)今後の捜査への対応を相談できる

早期に弁護士に依頼をしておくことで、逮捕・勾留中の取り調べに対して適切に対応するためのアドバイスを受け、不用意に記憶と異なる供述を残してしまわないよう注意することができます。

(4)弁護士に接見を依頼する際の費用

弁護士に接見を依頼する際の発生する費用は、1回につき3〜5万円程度となっています。
その他弁護士に対し発生する費用については、こちらの記事も併せてご覧ください。

まとめ

今回は、逮捕された被疑者や被告人との接見についてご紹介してきました。

逮捕された直後は、被疑者や被告人本人はもちろん、家族も相当な不安に襲われるでしょう。
そんなときに接見をすることができれば、精神的な安心感を与えることもできますし、必要なものを届けることも可能です。

接見には一定のルールがありますが、それをしっかりと理解して、大切な方との接見に臨むようにしてください。

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