婚外恋愛をやめたい……。婚外恋愛は不倫と同じなのだろうか……。
婚外恋愛について、ご存知でしょうか。
「結婚前のように恋愛気分を味わいたい」
「自分も異性から女性として見てもらいたい」
上記のような気持ちを抱えた既婚女性が、「婚外恋愛」に心を奪われるケースは少なくありません。
特に、今の時代はスマホ1つで簡単に異性と出会うことができるため、恋愛のハードルも下がりました。
実際に自分が婚外恋愛をしていたり、「パートナーが婚外恋愛をしているかもしれない」と不安になったりするケースもあるでしょう。
今回は、
- 婚外恋愛の概要
- 婚外恋愛にハマってしまう理由
- 婚外恋愛をすることによる悪影響
について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
あわせて、
- 婚外恋愛から抜け出す方法
- 婚外恋愛でトラブルに発展しそうなときの対処法
についても紹介します。
この記事が、
「婚外恋愛について知りたい」
「パートナーの婚外恋愛の疑惑を解決したい」
などと考えている方の参考になれば幸いです。
1、婚外恋愛とは?
(1)婚外恋愛とは
結婚している人が、配偶者以外と恋愛をすることを「婚外恋愛(こんがいれんあい)」と言います。
既婚者が配偶者以外の人と恋愛することは、「浮気」や「不倫」として、世間でもよく問題になりますよね。
婚外恋愛は、浮気や不倫と異なる言葉ではありますが、既婚者が配偶者以外と恋愛を楽しむのですから婚外恋愛の実態は不倫と同じです。
(2)「不倫」ではなく「婚外恋愛」という言葉を使う理由
婚外恋愛は不倫と同じであるにもかかわらず、なぜ不倫と呼ばないのでしょうか?
婚外恋愛をしている当事者は、自分たちの恋愛は「不倫」のように世間一般で汚らわしいとは思っていません。「純粋な恋愛をしている」という認識なのです。
世間から見たら実態は不倫となんら変わりませんが、「婚外恋愛」と「不倫」では、当事者の認識に大きな違いがあります。
2、既婚女性が婚外恋愛にハマる理由
既婚女性は、なぜ婚外恋愛にハマってしまう可能性があるのでしょうか。
常識から考えると、不倫と何ら変わらない婚外恋愛は、不倫と同様のリスクを伴います。
それにもかかわらず、既婚女性が婚外恋愛にのめり込むのは、次のような理由があることが考えられます。
- 自分を異性として扱ってもらえるから
- 夫との関係に不満を感じているから
- 心の隙間を何かで埋めたいから
- ずっと家にいてもやることがないから
- スマホ1つで簡単に出会えるから
- 離婚するつもりはないけれど恋愛の刺激が欲しいから
- 結婚生活では得られない心の満足度を得られるから
(1)自分を異性として扱ってもらえるから
結婚生活が長くなればなるほど、恋人の頃のような恋愛感情やドキドキした気持ちがなくなっていきます。
歳を重ねるにつれ、夫から「女性」として見てもらえないという現実に、寂しさや虚しさを感じる女性は少なくありません。
女性にとって、自分を異性として扱ってもらえる婚外恋愛はとても魅力的に見えます。
自分にも、まだ女性としての価値があるのだということを、婚外恋愛のパートナーを通じて確認することができ、女性としては大変心が満たされるのです。
(2)夫との関係に不満を感じているから
結婚生活が長くなっても、夫との関係で心が満たされていれば、夫以外の男性とリスクを冒してまで婚外恋愛をしようとは思いません。
しかしながら、婚外恋愛にハマる女性の多くは、夫との関係に不満を感じています。
夫以外の男性と恋愛をしたくなってしまうのです。
(3)心の隙間を何かで埋めたいから
夫との関係に大きな不満があるというわけではないにしても、寂しさや虚しさを感じている女性はいます。
ぽっかり空いた心の隙間を埋めたくて、その手段として婚外恋愛にハマる女性もいます。
(4)ずっと家にいてもやることがないから
仕事をしている女性であれば、平日の日中は仕事をしながら慌ただしく過ごします。
一方、専業主婦の場合、家にいてもやることがないと感じる女性もいます。
特に、子供がある程度大きくなり手がかからなくなると、育児に時間を割く必要もありません。
1日中家事をしているわけでもないので、女性は家にいても時間を持て余します。
空いた時間を使って自分の心が楽しめることを求め、婚外恋愛に行き着く女性がいるのも事実です。
(5)スマホ1つで簡単に出会えるから
今の時代は、スマホ1つで簡単に異性と出会うことができます。
出会い系アプリやマッチングアプリなども日に日に精度が増し、短時間で目当ての異性と出会うことが可能でしょう。
既婚女性が隙間時間を使って、異性と会い婚外恋愛に発展させることも難しい時代ではなくなりました。
(6)離婚するつもりはないけれど恋愛の刺激が欲しいから
婚外恋愛をする既婚女性は、何も夫と離婚したくて新しいパートナーを探しているわけではありません。
むしろ、離婚するつもりがない人の方が多いと考えられるでしょう。
離婚するつもりはないけれど、恋愛の刺激が欲しければ、離婚せずに婚外恋愛を楽しむというところに行き着きます。
(7)結婚生活では得られない心の満足度を得られるから
どんな人でも、隣の芝生は青く見えるものです。
安定した結婚生活を送っていても、結婚生活で得られないものを外に求めようとするのは、ごく自然な考えともいえます。
結婚生活が長くなるほど、安定はしても刺激がなくなり、刺激欲しさに夫以外の人と恋愛をしてみたくなるという考えに辿り着くのです。
3、婚外恋愛をすることによる悪影響
前章で解説したように、既婚女性が婚外恋愛に行き着く理由はさまざまです。
しかし、不倫と同じく婚外恋愛には、悪影響やリスクが潜んでいます。
本章では、婚外恋愛をすることによる悪影響や、リスクについて見ていきましょう。
- 離婚のリスクがある
- 相手の配偶者から訴えられる可能性がある
- 自分の夫が婚外恋愛の相手を訴える可能性がある
- 子供を不安定な気持ちにさせる
- 子供の親権を失う可能性がある
- 退職を迫られるリスクがある(職場内での婚外恋愛の場合)
- お互いの配偶者にバレた場合に自分自身も傷つく
(1)離婚のリスクがある
婚外恋愛をしている女性は、必ずしも夫と離婚したいから婚外恋愛をしているというわけではありません。
今まで築いてきた結婚生活は、そのまま守り抜きたいという女性が多い傾向にあるでしょう。
しかし、探偵事務所を使えば、簡単に浮気調査をされてしまう時代です。
離婚をすることを望まない女性にとって、婚外恋愛は、離婚のリスクが常に付きまとうことに注意が必要です。
(2)相手の配偶者から訴えられる可能性がある
婚外恋愛の当事者は、双方とも既婚者であるケースもあります。
お互い、結婚生活で満たされない気持ちを、婚外恋愛で満たしているのです。
婚外恋愛をしている既婚女性は、相手の配偶者から訴えられるリスクがあります。
婚外恋愛と正当化していても、立派な「浮気」「不倫」とみなされますから、慰謝料を請求される可能性は大いにあります。
(3)自分の夫が婚外恋愛の相手を訴える可能性がある
婚外恋愛をしていると、自分の夫が婚外恋愛の相手を訴える可能性もあります。
結婚している身分でありながら、夫に内緒で婚外恋愛をしているわけです。
修羅場となったり、訴訟に発展したりするリスクは、常に考えておかなければなりません。
(4)子供を不安定な気持ちにさせる
あなたに子供がいる場合、婚外恋愛を理由に夫ともめたり離婚に発展したりすることは、子供を不安定な気持ちにさせてしまうでしょう。
子供からしてみれば、親の事情や心の寂しさなどはわかりません。
両親の仲が悪くなることは、純粋に子供を悲しませてしまいます。
(5)子供の親権を失う可能性がある
婚外恋愛を理由に離婚に発展した場合、母親であるあなたが子供の親権を獲得できるとは限りません。
確かに、離婚裁判になっても多くの場合は母親が親権を得ます。
しかし、不倫と同じ「婚外恋愛」を理由に、夫との間で親権争いになることもあるでしょう。
親権を失っても、子供の母親であることに変わりはありませんが、日本の法制度上、離婚後の共同親権は認められていません。
父親である夫が親権を持つことになった場合、あなたが子供とどのくらいの頻度で会えるのかなどについては、夫との話し合いで決めることになります。
(6)退職を迫られるリスクがある(職場内での婚外恋愛の場合)
婚外恋愛の相手が、同じ職場の人というケースもあるでしょう。
女性が、結婚後も仕事を継続するということは、結婚後も自然と異性と出会う時間があるということを意味します。
職場内で婚外恋愛をしている場合、明るみに出れば部署異動をはじめ、最悪の場合、退職を迫られることもあります。
仕事を失うリスクを冒してまで、婚外恋愛をすることにメリットがあるのか再度考え直しましょう。
(7)配偶者にバレた場合に自分自身も傷つく
婚外恋愛をしていることが、配偶者にバレた場合、配偶者を交えて話し合うことになるでしょう。
婚外恋愛相手にも配偶者がいれば、婚外恋愛相手の配偶者も傷つけることになります。
婚外恋愛相手の配偶者に訴えられたり、損害賠償請求をされたりという可能性があるため、自分自身をも傷つくことになります。
4、婚外恋愛から抜け出す方法
今現在、婚外恋愛をしている方のなかには、「婚外恋愛をやめなければならない」と思っているにもかかわらず、なかなかやめられない方もいるでしょう。
本章では、婚外恋愛から抜け出す方法について、紹介します。
(1)婚外恋愛によるリスクを自覚する
婚外恋愛には、前章で説明したようなリスクが、常につきまとうことを自覚しましょう。
結婚前の恋愛とは異なり、結婚してからの恋愛は、夫や相手の配偶者を裏切る行為です。
リスクを冒してまで、婚外恋愛をするメリットが本当にあるのか、いま一度自分でじっくり考えてみましょう。
(2)離婚や親権を失うなど最悪の事態を想定する
婚外恋愛をすると、大人同士の話だけでは終わらない可能性が出てきます。
慰謝料請求によりお金を失うだけでなく、最悪の場合は離婚や子供の親権を失う事態にまで話が発展する可能性があります。
離婚後の経済力に自信がなかったり、子供を失いたくなかったりする場合は、婚外恋愛を続けることをよく考え直しましょう。
(3)恋愛以外で自分の心を満たしてくれるものを探す
婚外恋愛にハマってしまう理由は人それぞれですが、ただ恋愛がしたいわけではなく、自分の心を満たしてくれるものを探している人もいます。
このようなタイプの人は、婚外恋愛でなくとも、自分の心を満たしてくれるものが見つかれば、自然と婚外恋愛から手を引くことができます。
リスクを冒してまで婚外恋愛をするより、別の方法で自分の心を満たしてくれるものを探してみましょう。
例えば、自分が夢中になれるものを探すとよいでしょう。
夢中になれるものは、趣味でも仕事でも構いません。
夢中になれるものに没頭しているときは、婚外恋愛について考える時間が自然と減ります。
家に1人でいて何もやることがないと、つい婚外恋愛のパートナーのことを考えてしまう時間が増えてしまいます。
手遅れにならないうちに、婚外恋愛について考える時間を、意識的に減らしていきましょう。
5、婚外恋愛でトラブルに発展しそうなときは
すでに婚外恋愛をしている方で、トラブルに発展しそうなときは、一刻も早く以下の対応を取りましょう。
(1)早急に弁護士に相談をする
婚外恋愛のパートナーも既婚者の場合、婚外恋愛が発覚すれば、婚外恋愛相手のパートナーから慰謝料請求される可能性が高いです。
話し合いで終わらない場合は、裁判で慰謝料請求をしてくる人も少なくありません。
他人の配偶者と恋愛関係になったわけですから、慰謝料請求されても止むを得ない状況です。
慰謝料請求をされた場合、相場は数十万円万〜300万円前後になることが多く、決して安くはない金額を支払うことになります。
万が一、婚外恋愛をしていてトラブルに発展しそうなときは早急に弁護士に相談をするようにしましょう。
(2)自分の中で一番優先順位が高いものは何なのか整理する
人間ですから、夫以外の人を好きになったり、恋愛をしたいと考えたりすることを、完全に払拭することは難しいかもしれません。
そこで、あなたの中で一番優先順位が高いのは何なのか、もう一度考えましょう。
婚外恋愛が発覚すれば、離婚に発展したり、子供に会えなくなったりする可能性もあります。
恋愛をしたい気持ちよりも、結婚生活の継続や子供の存在が大切なのであれば、恋愛の気持ちをグッとこらえましょう。
前章で紹介したように、他に夢中になれるものを探すのがおすすめです。
まとめ
婚外恋愛は、一度ハマってしまうとなかなか抜け出せない女性が少なくありません。
結婚生活や夫との関係に不満があったとしても、今の生活や子供の存在が大切なのであれば、恋愛に逃げたくなる気持ちをグッとこらえましょう。
万が一、トラブルに発展した場合は、早急に弁護士に相談するのがおすすめです。
あなたの言動や行動、婚外恋愛のパートナーやその配偶者との対応について適切なアドバイスをもらうことが期待できるでしょう。
あなたの言動や行動によって、その後のトラブルの発展具合や慰謝料の金額が変わってくることもありますから、弁護士のアドバイスに従って動きましょう。