
過払い金返還請求をして過払い金がもらえるとしても、そのために費用がかかるのではちょっと考えてしまいますよね。
どうせやるのなら、取得額を最大化する方法を知っておきませんか?
そこで、今回は
- 過払い金返還請求の費用を抑えつつ取得額を最大化する方法
について書いていきます。
ご参考になれば幸いです。
目次
1、過払い金返還請求における「費用」の考え方
さて、過払い金返還請求をして、最終的に取得できる額は、どんな式で表すことができるか分かりますか?
単純には、次のような式です。
回収できた過払い金額 – かかった費用 = 最終的に取得できる額
この算式において、「最終的に取得できる額」を最大化するために必要なのは、次の2点です。
- 「回収できた過払い金額」を大きくする
- 「かかった費用」を小さくする
2、「回収できた過払い金額」を大きくする方法とは
過払い金の回収額は、一定の要素によって変わるのはご存知ですか?
過払い金の金額は計算によって求めるものですから、その答えは基本的に1つしかありません。
なのに、回収額が変わってくるとはどういうことでしょう?
(1)貸金業者側は1円でも少なくしたいので、回収する側は貸金業者の「あの手この手」に的確に反応しなければならない
過払い金を返す側である貸金業者としては、営利目的で会社を運営しているわけですから、一度払ってもらったお金をみすみす返金するなどということはできればしたくありません。
ですから、あの手この手と、なるべく返さない方向へ動いてきます。
回収したいこちら側としては、この貸金業者の「あの手この手」に的確に反応していかなければなりません。
これができるためには、
- 過払い金請求に非常に慣れている人
- 貸金業者の主張に的確に反応できる人
でなければ難しいわけです。
時には、貸金業者側のメリットとなるような落とし所まで理解している必要もあるでしょう。
つまり、「誰が過払い金返還請求を行うか」が大変重要になってくるということがわかるかと思います。
(2)時は金なり?
過払い金返還請求の方法は、2つあります。
- 貸金業者との任意交渉
- 貸金業者を相手方とした訴訟を提起(裁判)
2つ目の「裁判」という方法を選択した場合、勝訴すれば過払い金として計算された金額を基本的に満額回収することができます(時効、取引の分断などの問題がない場合に限ります。)。
しかし、裁判は時間がかかることがネックです。
一般的に、早くても1年程度はかかるといってよいでしょう。
「時は金なり」のスタンスで妥当な金額で交渉成立させるのが「任意交渉」です。
(3)「回収できた過払い金額」を大きくする方法|まとめ
このように、回収する過払い金額は、さまざまな要因によって変動します。
回収する過払い金額をなるべく大きくするためには、以下のように言えるかと思います。
- 過払い金請求に長けている人が回収する
- 裁判を利用する
ここで、「過払い金請求に長けている人」って誰?と思いませんか?
あなた自身が過払い金請求に長けた人でない限り、どうすればいいのでしょうか。
そうです。司法書士や弁護士という、過払い金請求の専門家に回収を依頼することです。
そして、「司法書士」「弁護士」という肩書きがあるだけではいけません。
過払い金返還請求についての知識、そして実績をもっていることが大切なのです。
過払い金返還請求は、そもそもご本人からの請求も可能です。
しかし、貸金業者からの「あの手この手」やこれに関わる法律について知らないと、どうしても足元を見られ安く提示されてしまいがちですのでご注意ください。
3、「かかった費用」を小さくする方法とは
では、次に、「最終的に取得できる額」を最大化するために必要なことのもう1つ、「かかった費用」を小さくする方法を見ていきましょう。
(1)過払い金返還請求の際に考えるべき「費用」とは?
過払い金返還請求の際に考えておくべき「費用」とは、何の費用があるでしょうか。
それは、基本的に次の2つしかありません。
- 専門家に依頼する費用
- 裁判にかかる費用
(2)専門家に依頼する費用
まずは、弁護士または司法書士に依頼した場合の費用相場について知っておきましょう。
①相談料
まず、相談料がかかる可能性があります。
しかし、現在多くの弁護士事務所・司法書士事務所では無料で対応しています。
②着手金
専門家に過払い金請求を依頼した場合、着手金として業者1社ごとに費用がかかります。
相場としては、1社につき4万円です。
③解決報酬
着手金がかからない弁護士事務所・司法書士事務所でも、解決報酬として1社ごとに費用がかかるところがあります。
相場としては着手金と同様に4万円ほどです。
④成功報酬
過払い金を回収した場合に回収した金額に応じてかかる費用です。
裁判をせずに回収した場合、回収した金額の20%ほどが相場です。
もし、裁判で回収した場合には、金額が少し上がり、相場としては25%ほどです。
⑤減額報酬
その他、まだ借金が残っていた場合には減額した借金の額に応じて費用がかかります。
減額した金額の10%が相場となります。
(3)報酬が安い専門家に頼むべき?
弁護士や司法書士にかかる費用は、事務所によってまちまちです(詳しくはこちらのページをご覧ください)。
ですから、「かかった費用を小さくする」という法則に従えば、安く設定している事務所に依頼すればいいのかな、と思ってしまいがちでしょう。
しかし、大切なのは、「最終的に取得できる額」を最大化することでした。
前述の通り、過払い金返還請求についての知識、そして実績をもっていることが大切なのです。
安く設定している事務所に依頼するとしても、なぜ安いのか、そして知識と実績は豊富なのかを、確認することがとても大切です。
つまり、料金が単純に安いかどうかではなく、全体的な「コストパフォーマンスが大事」と言えるでしょう。
最強のコスパ司法書士・弁護士を見つけるには、複数の事務所に相談することをお勧めします。
- 単純な「報酬比較」
- それに加えた「知識と実績の比較」
これらを行うことにより、費用を抑えながら取得額を最大にすることができるのです。
(4)裁判費用は一律で抑えようがない
裁判費用は一律ですので、抑えようがありません。
本項では、裁判で過払い金請求する場合の費用についてご説明していきます。
①印紙代
印紙代は過払い金の請求額により定まります。
過払い金請求額=訴額となり、以下の通りで決められています。
ⅰ)100万円以下の場合
貼用印紙は訴額が100万円までは10万円単位で切り上げとなります。
(例)33万円の貸金請求→訴額40万円の場合の印紙
訴額(万円) | 印紙額(円) |
10 | 1,000 |
20 | 2,000 |
30 | 3,000 |
40 | 4,000 |
50 | 5,000 |
60 | 6,000 |
70 | 7,000 |
80 | 8,000 |
90 | 9,000 |
100 | 10,000 |
ⅱ)100万1円以上、500万円以下の場合
貼用印紙は訴額が20万円単位で切り上げとなります。
(例)161万円の貸金請求の場合は、訴額180万円の場合の印紙となります。
訴額(万円) | 印紙額(円) |
120 | 11,000 |
140 | 12,000 |
160 | 13,000 |
180 | 14,000 |
200 | 15,000 |
220 | 16,000 |
240 | 17,000 |
260 | 18,000 |
280 | 19,000 |
300 | 20,000 |
320 | 21,000 |
340 | 22,000 |
360 | 23,000 |
380 | 24,000 |
400 | 25,000 |
420 | 26,000 |
440 | 27,000 |
460 | 28,000 |
480 | 29,000 |
500 | 30,000 |
②郵券 6,000円前後
郵券とは郵便切手のことです。
郵便切手代を裁判所に提出しなければならない理由は、裁判所に訴えると、相手方に書類などを郵送しなければならないため、その郵便切手代が必要となるからです。
相手方に郵送される書類には、以下のものがあります。
- 訴状
- 呼出状
- 判決
郵券の金額は裁判所によって異なるので、詳しくは各裁判所に問い合わせてみるのがよいでしょう。
ちなみに、東京地方裁判所は6,000円です。
なお、郵券は郵便局で買うことができます。
③代表者事項証明書の印紙代 600円
裁判所に訴えるにあたっては、相手の会社の代表者の名前や資本金額などが記載された「代表者事項証明書」が必要になります。
この取得にあたり、印紙が必要となりますが、その金額が600円です。
代表者事項証明書は、消費者金融の名前や住所が分かれば、お近くの法務局で取得することができます。
なお、オンラインで請求することも可能で、その場合は安くなります(500円)。
その他、自分で過払い金請求訴訟をするにあたって必要な費用としては、裁判所までの交通費などが挙げられるでしょう。
4、過払い金返還請求において取得額を最大化する方法|まとめ
お気づきと思いますが、「回収できた過払い金額」を大きくする方法と、「かかった費用」を小さくする方法は、真逆の関係性に見えませんか?
「回収できた過払い金額」を大きくしようとすれば「かかった費用」を小さくすることが難しく、「かかった費用」を小さくしようとすれば「回収できた過払い金額」を大きくすることが難しいという関係です。
しかし、
- 「かかった費用」を小さくしても、その減少幅は小さい
- 「回収できた過払い金額」の振り幅は意外に大きい
ということを理解すると、結論が整理されてくるかと思います。
つまり、両者を同時に検討するのではなく、優先順位をつけること。
「回収できた過払い金額」を大きくすることをまず第一に、そして「かかった費用」について検討、という順番で検討することが大切なのです。
(1)「回収できた過払い金額」を大きくするには
「回収できた過払い金額」を大きくするには、過払い金返還請求に強い専門家に依頼することです(裁判にするかどうかは、費用と期間を要するため専門家の判断を仰ぐべきでしょう)。
「誰が回収するか」で、回収額の率は、20〜30%の振り幅があります。
つまり、100万円の過払い金があった場合、過払い金返還請求を知らない人が回収すれば70万円の回収、過払い金返還請求に強い専門家が回収すれば80万円〜100万円の回収になる、という具合です。
(2)「かかった費用を小さくする」には
「かかった費用を小さくする」には、複数の専門家の事務所を回り、比較考量することです。
そして、一番重要なのが、その費用に見合った最大限のメリットを享受することです。
専門家への費用は、可能な限り多く回収することへの対価ですが、回収額を大きくしてもらうことはもちろん、それ以外のメリットもたくさんあるのです。
例えば、そもそも自分に過払い金があるのか、という地点の方であれば、額まで迅速に調べてもらえます。
また、2020年である今、多くのケースで問題になる「消滅時効」。
過払い金返還請求権自体が時効で消滅してしまっているケースが多いのですが、事前に迅速に調べてもらえます。
さらには、専門家に依頼した時点で債権者からの催促が止みます。今でも借金が残っている方には嬉しいメリットです。
これら以外にも、なるべく多くあなたにとってのメリットを享受できそうな依頼先を見つけることをお勧めします。
次の3つのメリットもオススメです。
これらも受けられる事務所かどうか、比較考量して見極めてみてください。
①時間・手間が省ける
弁護士・司法書士などの専門家に依頼する場合、弁護士・司法書士が全ての作業をやってくれるので、過払い金請求をするにあたっての時間と手間が省けます。
そもそも、過払い金請求は以下の流れで進みますが、とかく「引き直し計算」は素人では正確に行うのに時間と手間を要するでしょう。
また、こちらが裁判を提起する予定がなくても、相手から提起されてしまうこともあります。専門家に依頼していれば、裁判のことを調べたりする手間がぐっと省けます。
あれこれこちらでやらずとも、一手に仕事を引き受けてくれる専門家を探しましょう。
- 貸金業者へ取引履歴開示請求
- 引き直し計算
- 過払い金返還請求
- 電話和解交渉
- 訴訟提起
- 和解交渉
- 判決
- 返還
②家族や友人に知られないよう徹底的に配慮してくれる
専門家に過払い金請求を依頼した場合、法律事務所や司法書士事務所は、依頼者が
- 借金していたこと
- 弁護士に依頼して過払い請求していること
を家族や友人に知られないように白封筒を使うなど、様々な配慮をしてくれます。
もしご自身で過払い金請求をすると、金融業者や裁判所からの書面は基本的にご自宅に送られるので、同居する家族の目に触れてしまう可能性があります。
借金したことや過払い金請求をしていることを家族や友人に知られないということも専門家に過払い金請求を依頼するメリットといえるでしょう。
③借金自体の相談
今、借金の返済に悩んでいる人へは、過払い金返還請求以外の方法で借金を楽にする方法も教えてもらうことができます。
過払い金返還請求に強い専門家であれば、借金問題全般にも強いと言えるでしょう。
あなたにあった解決方法を具体的に提案してくれるはずです。
なお、当事務所にて無料相談を受け付けておりますので、専門家に依頼することをお考えの方は「当事務所の過払い金サイト」よりお気軽にお問い合わせ下さい。
まとめ
今回は過払い金返還請求に関する費用に関して書いていきましたがいかがでしたでしょうか?
以上の内容を踏まえて、弁護士・司法書士に依頼するのか否か、依頼するとしたらどこの弁護士事務所・司法書士事務所に依頼するのかについてご検討頂ければ嬉しいです。
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