刑事事件と民事事件の違いに関連して知っておきたい6つのこと

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普段の生活を送る中で、ご自身やご家族、ご友人が思いがけずトラブルに巻き込まれることもあるかもしれません。ひとくちにトラブルと言っても、お金を貸した(借りた)、会社から解雇を言い渡された、といった民事上の紛争(民事事件)から、酔っ払って傷害事件を起こしてしまった、痴漢をしてしまったといった刑事事件まで、さまざまです。

そこで、今回は、いざトラブルに巻き込まれたときのために、刑事事件と民事事件の違いとして知っておきたいことをまとめましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

目次

1、刑事事件とは

2、民事事件とは

3、刑事事件と民事事件の違い その1 ~当事者の違い~

4、刑事事件と民事事件の違い その2 ~証明についての違い~

5、刑事事件と民事事件の違い その3 ~和解による解決の可否~

6、刑事事件の手続きの流れ

1、刑事事件とは

刑事事件とは、傷害、窃盗、痴漢などの、いわゆる犯罪行為をしたと疑われる者(被疑者、被告人)について、警察や検察といった国の捜査機関が介入し、その者が犯罪を行ったのかどうか捜査を行い、裁判において刑罰を科すかどうか等について判断を行う手続のことを言います。

日本の法律は、被害者が加害者に対して制裁を加える復讐などの自力救済を禁じていますので、被害者に代わって国家機関が加害者の責任を追及し、最終的に刑罰という形で制裁を加えることになります。刑罰を科すためには、原則として、刑事裁判を起こすことが必要です。そして刑事裁判を起こすことができるのは、検察官のみとされています。

すなわち、刑事事件は、国を代表する検察官vs犯罪を疑われている被疑者・被告人という構図になります。

2、民事事件とは

民事事件とは、貸したお金を返してもらえない、会社から解雇を言い渡された、不倫相手に対して慰謝料を請求したい、などの私人間の一般的なトラブルのことを言います。離婚や相続など、家族間のトラブルについては、特に家事事件と呼びます。

話し合いによる解決も可能ですが、それがかなわない場合には、相手に対して権利を有すると主張する側が原告となって、相手方(被告)に裁判を起こして、請求を行っていくことになります。

すなわち、民事事件は、私人(個人・法人)vs私人(個人・法人)という構図になります。

3、刑事事件と民事事件の違い その1 ~当事者の違い~

1、2で述べてきたとおり、刑事事件は、国(検察官)vs被疑者・被告人という構図になっており、民事事件は、私人(個人・法人)vs私人(個人・法人)という構図になっています。

したがって、刑事事件と民事事件では、そもそも当事者となる者が異なります。

4、刑事事件と民事事件の違い その2 ~証明についての違い~

刑事事件も民事事件も、裁判になった場合には、裁判所が判断を下すことになることは同様です。もっとも、裁判所の判断に際して、証明する当事者や証明の程度について違いがみられます。

まず、刑事裁判の場合には、「無罪推定」や「疑わしきは被告人の利益に」といった言葉にあらわされるように、あくまでも国(検察官)が被告人の有罪を証明する必要があります。有罪かもしれないが無罪かもしれない、という結論になった場合には、有罪の証明に失敗したものとして無罪になります。被告人側が自分の無罪を証明する必要はありません。そして、証明の程度としては、被告人が罪を犯したということが「合理的な疑いをさしはさむ余地のない程度」にまで極めて厳格に証明されなければなりません。

それに対して、民事裁判では、原告被告双方が、自分の主張を戦わせ、原則として自分に有利な事実については、自分が証明する必要があります。そして証明の程度については、どちらがいっていることが真実らしいかを、「高度の蓋然性」が認められる程度まで証明できればよいとされており、これは刑事裁判におけるものより低い証明の程度であると理解されています。

5、刑事事件と民事事件の違い その3 ~和解による解決の可否~

民事事件は、私人同士のトラブルですので、当事者双方が合意すれば、裁判を起こさずに解決することもできますし、裁判を起こした後でも、和解によりいつでも解決することができます。裁判所としても、双方が納得して解決するのが一番なので、和解を勧めること(和解勧試)が多いと思います。

それに対して、刑事事件は、被害者と加害者の間で和解により解決することは、裁判の前後を問わずできません。刑事事件では、事件を裁判にするかどうかは、国の代表である検察官が決め(例外的に告訴がなければ裁判にできない犯罪もあります。)、裁判も原則として検察官により行われますが、当然ながら、検察官との間で和解をすることもできません。よく、被害者と加害者の示談という言葉が聞かれると思いますが、示談自体は刑事事件を終了させるものではなく、検察官、裁判官の判断について、加害者に有利な影響を及ぼす事実の1つということになります。

なお、交通事故の被害者や、傷害事件の被害者が慰謝料や損害賠償の請求を行うことがよく見られるように、刑事事件の被害者が、刑事裁判とは別に、民事上の損害賠償請求を行うことも可能です。刑事事件における示談は、こういった民事上の請求についても、一緒に解決する民事事件の和解という側面もあるのです。

6、刑事事件の手続きの流れ

刑事事件を起こしてしまった場合、手続きの段階に応じて必要な措置を講じるためにも、刑事事件の手続きの流れを理解しておくことは重要です。

(1)身柄事件と在宅事件

まず、刑事事件は、逮捕・勾留といった身柄拘束を伴う身柄事件と、身柄拘束を伴わない在宅事件の2つに大きく分けられます。逮捕・勾留されるかどうかは、証拠の隠滅や、逃走のおそれがあるかどうかにより判断されます。

(2)身柄事件の場合

身柄事件の場合、警察に逮捕されてから48時間以内に、検察官に送致されます(身柄送致)。検察官は、勾留請求するかどうかを判断し、送致されてから24時間以内に裁判官に対して勾留請求を行います(起訴前勾留)。勾留の決定を出すのは裁判官です。勾留の期間は最長20日間で、勾留満期までに、検察官は、起訴するかどうか、起訴するとして公判請求するか、略式起訴(略式命令請求)するかを決定します。不起訴または略式起訴となった場合には、すぐに身柄が釈放されますが、公判請求された場合には、保釈が認められない限り、公判の期間中、さらに勾留が続くことになります(起訴後勾留)。

(3)在宅事件の場合

在宅事件の場合には、捜査の進行に応じて適宜警察から呼び出しを受け、取り調べを受けることになります。この呼び出しに応じない場合には、証拠隠滅や逃亡のおそれありとして、逮捕され身柄事件へと移行する可能性がありますので注意が必要です。警察が捜査を終えた段階で、捜査書類が検察官へ送致され(書類送致)、検察官は身柄事件と同様に、起訴するかどうか、起訴するとして公判請求するか、略式起訴するかを決定します。

まとめ

民事事件も刑事事件も、裁判所で裁判を行うということから混同されがちかもしれませんが、その違いについてお解かりいただけたのではないでしょうか。

手続についてしっかり理解をしておくことで、不測の事態に巻き込まれた場合に、適切な対応をとることが可能です。特に、刑事事件はスピードが命ですから、手続の理解が、きっと身を守ることにつながると思います。

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