弁護士が教える!身内が痴漢で逮捕された場合の対処法

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「痴漢」とは、衣服の上から胸や尻等に触れたり、スカートやズボンの中に手を入れて下着等に触れる、相手に自分の性器を押しつける等の行為で、各都道府県で制定された迷惑防止条例や刑法に違反する行為です。

痴漢に関する冤罪が非常に多く、ニュースで取り上げられたり、痴漢冤罪を題材とした映画等があるので、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

今回は、「もし身内が痴漢で逮捕されてしまった場合」に参考となるよう、逮捕された場合の手続きの流れや、有利な結果を導くための対処法について説明していきます。ご参考になれば幸いです。

目次 〜痴漢で逮捕された場合の手続きの流れ〜

1、逮捕

2、勾留

3、勾留延長

4、起訴

5、裁判

6、最後に 〜痴漢で逮捕されたら弁護士に依頼するべき?依頼するメリットとデメリット〜

1、逮捕

(1)逮捕されるときの状況

被疑者が痴漢で逮捕される場合としては、現行犯逮捕(逮捕状によらない逮捕)か、通常逮捕による場合が考えられます。

被疑者が、痴漢で現行犯逮捕された場合、まず駅員室に連れて行かれ、その後、警察官に引き渡され警察署に行くことになります。

その際、両手に粘着テープのようなものを張られて手に付着している繊維等を採取されることもあります。

(2)取調べのときの対処方法

現行犯逮捕され警察署に連行された後、または、通常逮捕された後、警察署では、警察官から取り調べを受けることになります。

警察官が聞き取りした内容は、記録され書面(「調書」と言います)となりますが、これに署名と指印を押すことを要求されます。

ここで、調書に自分に不利な内容が記載されているのに、訂正せずそのまま認めてしまうと、後でその内容を覆すことは実務上極めて困難です。「調書」に対する署名・指印は義務であるかのように警察からはいわれますが、あくまで任意でおこなうものです。事実と異なる箇所があれば署名・指印を拒否するか、訂正を申し出る必要があります。

(3)家族の対処方法

被疑者が逮捕されると、警察官は、被疑者の家族に、逮捕されたことを連絡します。

被疑者の家族は逮捕中の被疑者と面会を求めることが多いです。しかし、被疑者が逮捕されてから48時間は、被疑者の家族であっても面会をすることは出来ません。逮捕の間に被疑者と面会を出来るのは弁護士だけとされています。

被疑者から事情を聞きたいのであれば、家族が弁護士を選任するか、面会(「接見」と言います)を依頼することで、弁護士が被疑者と面会することができます。逮捕直後には、被疑者から事情を聴く他の手段が少ないですから、ご検討されるのが良いでしょう。

2、勾留

(1)勾留請求

警察官は逮捕してから48時間以内に、事件記録と被疑者の身柄を検察庁に送ります(これを「送検」と言います)。通常は逮捕された次の日に送検され、検察官と会うことになります。検察官が被疑者と会って話を聞き(これを「弁解録取」と言います)、勾留請求をするかしないかをここで判断します。検察官が釈放すべきと判断すれば、検察庁から警察署に戻った後に、身柄を解放されて、自宅に戻ることができます。検察官が裁判所に対して勾留請求をする場合には、警察署に戻った後、引き続き留置場等に留め置かれることになります。

なお、弁護人を選任して、検察官に対し意見書等を提出して、勾留請求しないことを請求することはできます。ただし、一度勾留請求することを決定した検察官を翻意させることは難しいでしょう。

(2)勾留請求に対する決定

勾留請求をされた場合、次の日に被疑者は裁判所に連れて行かれ、裁判官と会います(これを「勾留質問」と言います)。そして、裁判官が、被疑者を10日間勾留するか否かを決めます。

ここで弁護人としては、裁判所に対して意見書等を提出して、釈放するよう(勾留請求却下)求めることが出来ます。痴漢事件については、冤罪が多いことや身柄拘束下の精神的苦痛から自白が強要される事案が多いことから、弁護活動の結果、裁判官により釈放が認められる事案も他の事件と比べれば比較的多いです。

ただし、釈放される前提条件として、家族等の身近な人が被疑者の身元を引き受けてくれることを確約してくれること、被疑者が被害者と連絡を取らないことを誓約すること等が必要です。

3、勾留延長

勾留の期間は10日間までであるのが原則ですが、この10日間のうちに、不起訴や身柄解放への成果(例えば、示談成立等)がない場合には、勾留が延長されることがあります。この場合、最大でさらに10日間勾留されることになります。

4、起訴

勾留期間が終わると、検察官が裁判所に起訴をするか、不起訴にするかを決めることになります。

起訴には、略式命令と公判請求があります。略式命令の場合には、検察庁で罰金を納付するのと引き換えに釈放されます。罰金については、被疑者自身が現金で用意するなり、家族に立て替えてもらうなりして用意する必要があります。

5、裁判

公判請求された場合、裁判所で裁判が始まることになりますが、裁判が終わるまでは、警察の留置場や拘置所にいることになります。裁判が1回で終わる事件でも、少なくとも約1カ月は身体拘束が続くことになります。裁判が4~5回続く場合ですと、半年以上身体拘束が続く場合もあります。

公判請求された場合、半年から1年以上身体拘束が続く場合もあります。なるべく早く身体拘束を解くために、「保釈」を請求する必要があります。この場合も、勾留請求等に対応する場合と同様に、保釈申請書などの書面を作成し、裁判官と面接等をし、保釈を認めるべき事件であることについて、説明をすることになります。

保釈が認められた場合には、「保釈保証金」が必要になります。 保釈保証金は200万円以上必要となる場合も多くあります。もっとも、保釈保証金を準備できない場合でも、比較的簡単な手続きで保釈保証金を貸してくれる団体もあります。併せて弁護士にご相談されるのが良いでしょう。

6、最後に 〜痴漢で逮捕されたら弁護士に依頼するべき?依頼するメリットとデメリット〜

(1)弁護人選任のメリット

弁護人を選任することにより以下のような弁護活動を期待できます。

①示談交渉

一つは、被害者と示談をすることです。通常、痴漢の被疑者は被害者と直接連絡を取ることは許されません。一方、弁護人は、警察官や検察官に働きかけて被害者側の連絡先を入手して、被害者側に示談の申し入れをします。被害者側に示談の意思がある場合には、被害者と示談を成立させて、示談書を持って行けば直ちに釈放または不起訴処分が決定されることが多いです。

②勾留請求に対する意見書の提出

また、検察官が勾留請求をする前に検察官に対して勾留請求を思いとどまるように求めたり、検察官が勾留請求をした後に裁判官に対して勾留請求を却下するように求めることができます。

③準抗告

他にも、勾留に対して準抗告という不服申立を行うことができます。これは勾留の要件が無いと主張して裁判所に対して釈放を求める手続きです。これが認められれば被疑者は釈放されることになります

④接見交通

弁護人であれば、時間制限なく被疑者と面会することができます(ただし取調の際中等は会えないことがあります)。また、取調の様子を記録するノート(「被疑者ノート」とよばれるものです)を差し入れ、自白の強要につながるような取り調べが行われた際にそれを記録して、裁判で証拠として提出ができるように準備することができます。

⑤公判での弁護活動

裁判になったときに、法廷で被告人を弁護できるのは弁護人だけです。弁護人としては、もし冤罪事件であれば、現場の状況や証人の証言や証拠の信用性を吟味して被告人が無実であることを主張できます。また実際に犯行をしたのであれば、被告人の反省、更生可能性等を調査した上で、法廷でそれらの事情を主張することにより被告に言い渡される刑を軽減すべきと主張することができます。

(2)弁護人選任のデメリット

弁護士人を選任すると弁護士費用が発生します。

刑事事件にかかる弁護士費用には以下のようなものがあります。

①相談料

相場としては1時間で1万円ほどですが、最近は無料相談で受けている事務所も多いようです。

②依頼前の接見費用

相場としては、5万円〜10万円が多いようです。

③着手金

相場としては30万円ほどの法律事務所が多いようです。

なお、一般的に否認事件(逮捕された方が容疑の事実を認めていない事件)の場合は着手金もより高額になる傾向があります。

④成功報酬

相場としては30万円ほどです。

なお、着手金の場合と同様に一般的に否認事件(逮捕された方が容疑の事実を認めていない事件)の場合はより高額になる傾向があります。

⑤追加の接見費用

依頼後複数回接見した場合に、接見ごとにかかる費用です。相場としては、接見1回につき3〜5万円ほどです。

まとめ

痴漢で自分が逮捕される、または、家族が逮捕されるということは、人生で一度あるかないかの事態だと思います。一人で悩まずにまずは弁護士に相談されることをお勧めします。

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