刑事事件とは?手続きの流れと民事事件との違いについて

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
lawyer with civil law code and client

弁護士が扱う事件は、大きく分けて刑事事件と民事事件に分けられます。

刑事事件と聞くと、「犯罪」、「警察」、「裁判」「弁護士」などのキーワードが頭に浮かんでくると思います。刑事事件は、テレビドラマなどで扱われることも多いですから、どのようなものかなんとなくイメージが湧くという方が多いかと思います。しかし、その詳細については、実はよくわからないという方がほとんどなのではないでしょうか。

今回は、そもそも刑事事件とは何なのかということについて説明したいと思います。

目次

1、刑事事件とは?

2、刑事事件の手続きの流れ

3、刑事事件と民事事件の主な違い

1、刑事事件とは?

刑事事件というのは、犯罪行為をしたと疑われている人が本当に犯罪行為をしたのかどうか、犯罪行為をしたとしてその人にどんな処罰を科すかを決めていく手続です。

警察や検察といった捜査機関の捜査結果に基づき、検察官がその人を裁判にかけるか否かを決めます。検察官は、その人が本当に犯罪をしたのか、しているとして裁判にかけてその人に刑罰を科すことが適切なのかどうかを吟味し、裁判にかけるかどうかを判断するのです。

そして、裁判になれば、裁判官が裁判において本当に犯罪行為をしたかどうか、どんな処罰を下すかを判断します。裁判官が本当に犯罪行為をしたと判断した場合には、罰金刑や懲役刑などの刑罰がその人に科されることになります。例えば、万引きをしたと疑われている人がいたとしても、裁判官は、その人が本当に万引きをしたのかどうかについて何の情報もなく判断することは当然できません。

そこで、検察官は、捜査機関が集めた防犯カメラの映像や目撃者の供述といった証拠により万引きの事実を証明しようとし、反対に、弁護人は、その人のアリバイ証拠を提出するなどして万引きの事実を争っていったり、あるいは、万引きの事実を認めるとしても被害者と示談が済んでいることといった証拠を提出したりして少しでも刑罰を軽くするための活動をするのです。裁判官は両当事者の提出したこれらの証拠から、その人が本当に犯罪行為をしたのかどうか、犯罪行為をしたとしてその人にどんな処罰を科すかを判断するのです。

2、刑事事件の手続きの流れ

(1)身柄事件と在宅事件

刑事事件は、逮捕・勾留という身体の拘束を伴う身柄事件と、身体の拘束を伴わない在宅事件の2つに大きく分けられます。身体の拘束をするかどうかは、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるかどうかによって違ってきます。例えば、家族と一緒に住んでいて安定した勤め先がある人は逃亡のおそれは大きくないと判断されやすいでしょう。

(2)身柄事件の場合

身柄事件の場合、逮捕されてから48時間以内に、検察官に事件が送致されます。そして、送致後24時間以内に検察官はさらに身体を拘束する勾留を請求するかどうかを判断し、裁判官に対して勾留請求をします。

勾留の期間は最長20日間で、その間に、検察官は必要な捜査を尽くし、起訴するかどうかを判断することになります。

(3)在宅事件の場合

在宅事件の場合、捜査機関から呼び出されて、自宅などから通う形で捜査に協力することとなります。身柄事件のような時間制限がないため、捜査は比較的ゆっくりと進められます。捜査がある程度終わった段階で、事件が検察官へ送致され、検察官が起訴するかどうかを判断するという点は身柄事件と同様です。

(4)起訴後

起訴されると裁判所で公判(法廷における審理)が開かれます(略式起訴の場合を除きます。)。公判では、検察官が主張と証拠を提出して犯罪の成立を証明していきます。それに対して、弁護人は犯罪の証明を阻止するために、又は刑をできるだけ軽くするために主張と証拠を提出します。

そして、双方の主張と証拠が出揃ったところで、裁判官は犯罪が成立しているのか、刑をどれくらいにするのかについて判断することになります。

最後に、裁判官から判決が言い渡され、無罪判決・執行猶予付き判決・罰金判決なら社会に復帰できますが、実刑判決なら刑務所へ収容されることとなります。

3、刑事事件と民事事件の主な違い

(1)目的の違い

刑事事件の目的は、罪を犯した人に刑罰という制裁を加えることにあります。

一方、民事事件の目的は当事者間の争いを治めることにあります。例えば、お金を貸したけど返してくれないという場合に、貸主は弁護士を入れて借主に対してお金を払ってくれるよう請求したり、裁判をして判決をもらい、強制執行という手続きによって強制的に貸したお金を回収するといったように当事者間の争いを治めていくのです。

このように、刑事事件の目的は、民事事件の目的とは全く違うのです。

(2)当事者の違い

刑事事件は、国(検察官)vs犯罪を疑われている者(被疑者・被告人)という対立関係です。

一方、民事事件は、私人vs私人です。

このように、当事者の点でも、刑事事件は民事事件とは全く違うのです。

(3)裁判での証明についての違い

刑事裁判には「無罪の推定」「疑わしきは被告人の利益に」というルールがあります。罪を犯した疑いのある者に対し刑罰を求める国(検察)の方が、犯罪事実があったということを証明しなければなりません。極端に言えば、犯罪を疑われている側が裁判で何もしなくても、国が、犯罪事実があったことの証明に失敗すれば、無罪となるのです。

一方、民事裁判は全く違います。原則として自己に有利になる事実については、自ら証明する必要があるのです。すなわち、自己に有利になる事実について証明できなければその事実はなかったものと扱われます。

例えば、貸したお金を返して欲しいと主張する貸主は、まず「お金を貸した」という事実を借用書等の証拠によって自ら証明しなければなりません。貸主がその証明をできなければ「お金を貸した」という事実は裁判上なかったものとして扱われるので貸主は裁判に負けてしまうことになります。もし貸主がお金を貸した事実を証明できた場合には、今度は逆に借主が自己に有利になる事実を主張して証明しなければ借主が裁判に負けてしまうことになります。例えば、借主が「お金は借りたけどもう返した」と主張するのであれば、領収書等の証拠によって返済の事実を自ら証明する必要があります。借主がその証明をできなければ「お金を返した」という事実は裁判上なかったものとして扱われるので、今度は逆に借主の方が裁判に負けてしまうことになるのです。

つまり、証明をする主体が常に一方当事者である国(検察)である刑事裁判と異なり、民事裁判では証明する主体は、両当事者の間を行ったり来たりすることになるのです。

(4)刑事事件でも民事事件でもある事件

冒頭で弁護士が扱う事件は大きく刑事事件と民事事件に分けられると書きましたが、一つの事件が刑事事件としての側面と民事事件としての側面を両方有しているということもあります。

例えば、AさんがBさんの財布を盗んだ場合、Aさんの行為は「窃盗罪」(刑法235条)という犯罪にあたりますから、刑事事件としての側面を持ちますが、同時に、Bさんは、Aさんに対して不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)をすることができ、その意味では民事事件としての側面を有しているのです。このような場合に、Bさんとしては、警察に被害届を出すなどして刑事事件となるように動くこともできますし(もっとも、刑事事件は、Bさんの主導で手続きが進んでいくわけではなく、捜査機関や検察、裁判所の主導で進んでいくことになります。)、Aさんに損害賠償請求をしていくこともできるのです。

まとめ

刑事事件とは何なのか、イメージを持てましたか?

以上のことを知っていただき、万が一不足の事態に巻き込まれたときに、今何の手続きが進行しているのか、ということの理解の手助けとなれば幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士による無料相談実施中!


もし、あなたが、

・離婚をしようと思っているが、どうして良いのか分からない
・遺産相続で困っている
・過払い金を取り戻したい
・交通事故に遭ってしまい困っている

など、法律のことでお困りのことがあれば、まずは無料相談にお申し込み下さい。
必ず解決策を見つけ出します。

SNSでもご購読できます。

最近の投稿

コメントを残す

*