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離婚式の基本知識:内容から料金相場まで詳しく解説

離婚式

離婚式は、離婚を控えたり既に離婚したカップルが新たなスタートを切る決意を示すセレモニーであり、離婚のネガティブな印象を和らげ、ポジティブな形で祝うために行われます。

この記事では、離婚式の基本知識、料金相場、そしてそのメリットとデメリットについて解説し、離婚式についての理解を深めるための情報を提供します。

2009年頃からメディアで取り上げられるようになった離婚式について、興味を持っている方々に役立つ内容です。

弁護士相談に不安がある方!こちらをご覧ください。

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1、離婚式はなぜ注目されるようになったか

現在の日本では「3人に1人が離婚する時代」などと言われていますが、平成29年(2017)の厚生労働省の人口動態統計によると、離婚件数は21万2000組、離婚率(人口千対)は 1.70 と推計されています。

参考 厚生労働省「平成 29年(2017) 人口動態統計の年間推計」

少子化や晩婚化などの要因で婚姻件数が減っていくなかで、離婚件数は2002年をピークに減少しているとはいえ、まだまだ高い水準を保ったままです。

現在では一般の離婚に対する考え方も変わり、「カジュアル離婚」というような言葉もあります。
このような状況下で、50代以上の親世代の間にも「離婚は結婚の失敗ではない」「前向きな離婚」という考え方が広まり、離婚をひとつのイベントとして捉えるムードが生まれつつあります。

離婚式で親族や友人に堂々と離婚を宣言することで、周囲からの心配を払拭したり、晴れやかな気持ちで第二の人生を踏み出したりといった効果が得られるようです。

2、離婚式までの準備

実際に離婚式を挙げるまでのプロセスは次のとおりです。

(1)離婚の手続き

離婚式は「離婚をする予定の夫婦」および「すでに離婚した夫婦」が対象です。
式次第によっては旧郎・旧婦が離婚届に署名と捺印を行う場合もあるようです。

離婚するには「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つの方法がありますが、もっとも負担が少なく円満に離婚できる方法は協議離婚となるでしょう。
離婚件数の約90%は協議離婚とされており、夫婦で離婚について協議し、両者の同意の上で離婚届を提出して離婚が成立します。

しかし、協議離婚は仲介役などを介さない簡単な方法ですので、離婚届の提出前に財産分与や養育費などについてしっかりと話し合っておかなければトラブルの原因となってしまいます。
基本的に離婚式は法に触れるような離婚理由でない、円満離婚が前提にありますので、協議離婚によって離婚した(離婚する)夫婦が対象となるでしょう。

ただし、離婚式を挙げたことで親族や友人に励まされ、離婚を思い止まったケースもあるようです。

(2)離婚式プランナーへの依頼

結婚式を挙げるためにウェディングプランナーのサポートが必要なように、離婚式には離婚式プランナーの手助けが不可欠です。
離婚式のプロデュースの第一人者である寺井広樹さんなど、離婚式プランナー検定に合格したプロが離婚式をサポートします。
現状では離婚式プランナーの数が少ないため、離婚式オフィシャルサイトに記載された連絡先に直接依頼することになります。

参考:https://www.rikonshiki.com/

(3)離婚式の招待状を送付

親族や友人など、離婚式に出席してほしい人たちに招待状を送付します。
基本的には離婚式プランナーの支持に従えば問題ありません。

ただし、離婚式そのものがまだ一般に浸透していないことや、ネガティブなイメージを持って欠席をする人もいることは理解しておくべきでしょう。

3、離婚式の料金相場

離婚式にかかる費用は、式を挙げる会場によって55、000円~200、000円が相場となっています。

離婚式場、お寺200、000円

レストラン、屋形船100、000円

離婚屋敷55、000円

引用元:https://www.rikonshiki.com/

他に引き出物を用意する場合は、別途費用が必要となります。
離婚式の引き出物は箸が多いそうです。
また、結婚式では参列者がご祝儀を包みますが、離婚式では3、000~5、000円の「ご終儀」を包みます。

4、離婚式の内容・基本的な流れ

離婚式は結婚式とは違い、離婚する夫婦に配慮して旧郎・旧婦の一方と離婚式プランナーの二人で打ち合わせをします。

離婚式当日は次のような流れで進行していきます。

(1)旧郎・旧婦入場~開式のあいさつ

離婚式プランナーが司会を務め、離婚式を挙げる旧郎・旧婦の入場で式がスタートします。
司会から夫婦が離婚に至った経緯などについて、簡単に説明があります。

(2)裂人(さこうど)スピーチ

結婚式では新郎・新婦の仲を取り持つ人が仲人を務めますが、離婚式では旧郎・旧婦の共通の友人が二人の仲を裂く裂人(さこうど)を務め、二人の前向きな離婚を応援するような内容のスピーチを行います。

(3)友人代表のスピーチ

旧郎・旧婦に共通する、あるいは両方の友人が代表してスピーチを行います。

夫婦が離婚に至るまでに相談に乗ったりしていた友人がスピーチするため、これまでと変わらぬ関係を続けていきたいとか、離婚後もサポートしていきたいといったエールを送るような内容が多いようです。

(4)離婚届への署名捺印

夫婦が離婚届を提出する前であれば、参列者が見届けるなかで旧郎・旧婦が離婚届に署名と捺印を行います。

署名捺印が終わると司会者が離婚届を掲げ、「離婚を誓いますか?」との問いかけを行い、旧郎・旧婦が揃って宣誓します。

(5)最後の共同作業

結婚式では夫婦初めての共同作業としてケーキカットが行われますが、離婚式では夫婦最後の共同作業として、夫婦二人がハンマーで結婚指輪を叩き割る作業が行われます。

(6)スライドショー(オプション)

旧郎・旧婦の出会いから結婚、離婚に至るまでがスライドショーで流されます。

(7)ブーケトス(オプション)

結婚式では新婦からゲストの女性に向かってブーケトスが行われますが、離婚式では旧郎がブーケを投げる形でブーケトスが行われます。

(8)お色崩し

結婚式のお色直しとは違い、旧郎・旧婦の両家に分かれてパイ投げを行います。
白いパイ生地で顔を包むことで、無垢な状態にリセットするという意味が込められています。

5、離婚式を挙げるメリット・デメリット

これまでの傾向では、男性の方から離婚式を挙げたいと希望されるケースが多いようです。

離婚式を挙げる前に、そのメリット・デメリットを把握しておきましょう。

(1)離婚式のメリット

①離婚のけじめをつけることができる

離婚式を挙げたい男性に多い理由に、親族や友人の前で離婚を宣言してけじめをつけたいというものがあります。
すれ違いや家族問題など、離婚の理由は夫婦それぞれですが、最後は二人とも楽しく幸せな夫婦生活だったことを振り返り、良い思い出にして別れようという思惑があるようです。

②離婚の条件を守らせることができる

より現実的な理由には、離婚式において離婚の条件を公式声明として出すことで、相手方に条件を守ることを誓わせるというものがあります。

たとえば、夫の不倫が離婚の理由だった場合、離婚後の慰謝料・養育費・子供との面会などの離婚条件を守ることを、親族や友人たちを証人として誓わせるのです。

さらに、離婚の理由について夫と妻では主張が異なることがありがちです。
離婚式では二人の意見を集約、お互いに納得の上で離婚してもらうことで、引いては、離婚後のトラブルを防ぐことにもつながります。

③円満離婚ができる

離婚すること自体にはお互い納得したものの、なんとなくわだかまりを残したまま婚姻届に判を押す夫婦も少なくありません。
法に触れるような重大な理由がない限りは、憎しみ合って離婚したいと言う夫婦はいないでしょう。

離婚式では、離婚式プランナーが間に立って両者の主張を聞きます。
お互いがすっきりした気持ちで離婚することができるため、決裂するはずだった離婚から円満離婚に結びつくケースが多いようです。

④離婚を考え直すきっかけになる

冒頭で触れたように、離婚式を通じてお互いの関係を見直し、離婚を思いとどまった夫婦もいます。
離婚の90%は夫婦による協議離婚ですが、必ずしも冷静に話し合った上での離婚ばかりではありません。
離婚式は、離婚式プランナーを介することによってお互いの主張が整理され、また離婚式で親族や友人に励まされることで、もう少し頑張ってみようと思い返すきっかけになるようです。

(2)離婚式のデメリット

①費用がかかる

離婚式を挙行するためには、少なからず費用がかかります。
夫婦間で同意があれば折半になることもあるでしょうが、基本的には離婚式を提案した側が全額負担することになるでしょう。

また、結婚式ではいただいたご祝儀を結婚式費用に充てることもありますが、離婚式の場合は参列者1人あたりのご終儀が3、000円~5、000円で、しかも多くの参列者が見込めるとは限りません。

②周囲の理解が得られない

離婚式のリポート記事や実際に参加された方の感想などを見る限りでは、少なからず違和感や嫌悪感を示したり、迷惑だと思ったりする人がいます。

そもそも離婚を前向きに捉える人は少数派で、しかもご終儀というかたちで会費を募るような離婚式の理解を得ることは並大抵ではありません。
さらに、離婚式の主役である夫婦の両方が同意しないと式を挙げられないため、離婚届を届け出る前から絶縁状態にあるような夫婦では、離婚式の挙行がかなり難しくなるでしょう。

③楽しい式になるとは限らない

楽しく明るい雰囲気で離婚式が進行されれば良いのですが、離婚理由や夫婦の関係如何によっては、殺伐とした雰囲気になることも考えられます。
たとえば離婚に至るまでの夫婦生活で、一方の金銭感覚や異性関係が詳らかにされたり、離婚条件が見せしめのように感じられたりしたら、気持ちのいい離婚はできません。
離婚式プランナーの尽力でセレモニーとしての体裁は担保されるでしょうが、実際に挙行してみないと式の雰囲気はわからないと言ったところでしょう。

まとめ

離婚率が高い水準にある現在、離婚は「第二の人生のスタート」と言われるように、広く理解を得られるようなものになってきました。
そんな時代にあって注目を集めている離婚式。
夫婦関係にけじめをつけ、前向きに離婚を捉えることができるイベントですが、離婚式プランナーを介して夫婦関係を見つめ直すきっかけになることもまた、離婚式の意義と言えるでしょう。

離婚は夫婦関係や子供との関係、財産など多くのものを失います。
弁護士や調停委員を必要とするような離婚でなければ、離婚の手続自体は夫婦間の話し合いと離婚届の提出だけで済んでしまいます。

しかし、第三者を介して改めて離婚に向き合いたい、円満離婚したいと考えるならば、離婚をポジティブに捉えられる離婚式を検討してみてはいかがでしょうか。

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