キャッシングを利用する際には、審査が行われます。審査に通過すれば、最短でその日のうちにお金を貸してくれるため、急な出費や予期せぬ事態にも安心して対応できるでしょう。
しかし、キャッシングの審査には落ちることもあるようです。キャッシング審査に落ちやすい人と通りやすい人の特徴、そして審査落ちにならないためにはどうすればいいのか、具体的な注意点やポイントについて解説します。
また、審査に落ちてしまった場合、どうすればお金を借りることができるのでしょうか?キャッシング以外でお金を借りる方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
クレジットカードを作る方法については以下の関連記事をご確認下さい。
1、キャッシング審査に落ちる主な理由
キャッシングに申し込んだのに審査落ちになってしまう主な理由としては、次のようなものがあげられます。
- 信用情報に事故履歴があることによる審査落ち
- 総量規制による審査落ち
- 他社への申込み記録が多いことによる審査落ち
- 安定収入がないとみなされることによる審査落ち
- 国籍有無による審査落ち
- 家賃や住宅ローン負担の大きさによる審査落ち
- 手続き不備による審査落ち
以下、順番に解説いたします。
(1)信用情報に事故履歴があることによる審査落ち
クレジットカード会社や消費者金融、銀行などの金融機関からお金を借りると、その情報はすべての金融機関で共有されることになります。
(あなたの信用情報は「信用情報機関」が管理しているデータベースを通じて加盟している金融機関で共有されています)
例えば、クレジットカード会社Aでキャッシングを利用すると、あなたがいつ申込みをして、いくらぐらいの限度額が設定され、返済の履歴がどのようになっているのか…といった情報が、別のクレジットカード会社Bも知ることができるようになってしまうのです。
そのため、例えば過去にクレジットカード会社Aで借りたお金について返済遅延を起こした履歴があると、その情報はクレジットカード会社Bにキャッシング申込みをしたときに参照されてしまうのです。
年収や借入額に問題がないのに、どうしてもキャッシング審査に通らない…という状況の方は、この信用情報に事故情報が登録されていないか?を疑ってみる必要があるでしょう。
あなたの情報が信用情報機関上でどのように扱われているかは、開示請求を行うことで確認することができます。
信用情報機関のうち、CICとJICCでは、スマホからでも信用情報の開示請求をすることもできます。
借金の申込みに際して、自分の信用情報が心配という人は、キャッシング審査前に開示請求の手続きをしておくのも1つの方法です。
(2)総量規制による審査落ち
クレジットカードのキャッシング審査では、「総量規制」というルールが適用されることに注意が必要です。
総量規制とは「年収の3分の1を超える金額の借入はできない」というルールのことで、クレジットカードのキャッシング枠審査や、消費者金融のカードローン審査などに適用されます。
例えば、年収300万円の人がいたとして、クレジットカードのキャッシング審査に申込みをした段階で、すでに以下のように他社で借入をしていたとします。
- 消費者金融Aから50万円
- 消費者金融Bから30万円
- 借入残高合計:80万円
総量規制のルールによって、年収300万円の人は100万円(300万円×3分の1=100万円)までしか借入をすることができませんから、この人がもし20万円を超える金額のキャッシング申込みをしたとすると、審査落ちとなってしまう可能性が極めて高くなるのです。
(あるいは、「40万円のキャッシング枠を申し込んだのに、20万円以下しか認められない」という審査の形になることもあります)
なお、総量規制のルールが適用されるのは、現在のところクレジットカードのキャッシング枠や消費者金融のカードローンに限られます。
銀行のカードローンについては総量規制のルールの適用はありませんが、近年では、銀行カードローンの過剰貸付が社会問題になっていることもあり、自主規制の動きが進んでいます。
(3)他社への申込み記録が多いことによる審査落ち
上で説明した通り、あなたが金融機関から借りている借金の残高や、これまでの返済履歴については、信用情報機関を通してすべての金融機関で共有されています。
この信用情報機関によって共有される情報は、借入の残高や返済履歴だけでなく、「どこに何社の借入申込みをしたか」といったことも含まれます。
具体的には、短期間のうちに何社も続けて借入の申込みをすれば、その情報は信用情報に登録されるので、審査の際に必ずバレてしまいます。
キャッシングの審査を受けるなら、1ヶ月につき1社だけにしておく(次の審査申込みは1社目の結果が来るまで待つ)ことが重要です。
審査落ちしてしまったときには、審査落ちしたことも信用情報に登録されます(申込みブラックと呼ぶことがあります)。
申込みブラックの情報は半年間登録されます。
審査落ちしてしまったときには、半年以上の間隔をあけて申込みをした方が良いでしょう。
(4)安定収入がないとみなされることによる審査落ち
キャッシング審査では、あなたに「安定した収入がない」と判断されてしまうと、審査落ちとなってしまいます。
具体的には、次のような基準で安定収入の有無が判断されることを理解しておきましょう。
- アルバイトやパート、派遣社員や契約社員よりも正社員の方が評価される
- 勤続期間が短いよりも、長い方が評価される
- 中小規模の企業よりも、大企業に勤めている方が評価される
- 公務員など公的な機関につとめている人は評価される
- 賃貸アパートに住んでいる人より、持ち家に住んでいる人の方が評価される
キャッシング審査では収入証明書(勤務先の会社が発行する源泉徴収票など)を参考に、こうした情報がチェックされる仕組みとなっていますから、基本的にうそをつくことはできません(勤務先への電話での在籍確認も行われます)。
なお、近年ではアルバイトやパートとして働いている人であってもキャッシング審査に通るケースが少なくありませんが、高額の借入枠を申込みした場合(具体的には50万円を超える場合)に審査落ちとなってしまう可能性が高くなることに注意が必要です。
(5)国籍有無による審査落ち
日本国籍を持たない外国人の人であっても、収入や借入額の条件を満たせばキャッシング審査に通るケースはあるでしょう。
ただし、具体的な基準を公表している金融機関がないので憶測とならざるを得ませんが、在留期間が短い人や、勤務先の会社が国外である人の場合は審査落ちとなる可能性が高くなると思われます。
日本のクレジットカード会社が海外にいる人に対して支払督促をするということは手続き上非常に困難ですから、日本にずっと住んでいる人と比べると、外国籍の人は貸付リスクが高くなるからです。
一方で、審査基準として「日本国籍が必要」と明確に書いているところもないので、外国籍であっても、きちんとした生活基盤が日本国内にあるのであれば、審査にとおる可能性も十分にあります。
(7)家賃や住宅ローン負担の大きさによる審査落ち
キャッシング審査では、審査に申込みをした時点での住宅の状況について確認されます。
具体的には、持ち家に住んでいるのか賃貸アパートに住んでいるのか、毎月の家賃または住宅ローンの出費はいくらか、持ち家に住んでいる場合、その家の所有者あなた自身かそれとも家族か、といったことを伝えなくてはなりません。
もし、収入の金額から比較して、家賃や住宅ローンの負担が大きい場合には、キャッシングの審査が通らない可能性もありますので注意が必要です。
(8)手続き不備による審査落ち
キャッシング審査に申込みをすると、必要書類の提出や勤務先への在籍確認など、いくつか手続きが必要となります。
もしこうした手続きを審査担当者の指示通りに進めることができなかった場合には、審査落ちとなってしまう可能性があるので注意しましょう。
申込み時に申告した内容と、審査の際に提出した書類とに齟齬があると審査落ちになってしまいますから、あなたの現在の状況を正直に話すことが大切です。
2、キャッシング審査のポイント
キャッシング審査に落ちてしまう主な理由は上で見た通りです。
これらの他にも、少しでも早く審査手続きを完了し、少しでも多い借入限度額を設定してもらえるようにするためには、次のようなキャッシング審査のポイントも理解しておくと良いでしょう。
- 金融機関の審査に通りやすい人・通りにくい人
- キャッシング枠審査とショッピング枠審査の違い
- 借入枠の金額はどう決まっている?
順番に説明いたします。
(1)金融機関の審査に通りやすい人・通りにくい人
金融機関の審査の基準は一般には公開されておらず、実際に申込みをする金融機関によって基準が異なります。
そのため、ごく大まかな情報しかお伝えすることができないのが実情なのですが、ネット上の情報をもとにまとめると以下のようなことは言えるでしょう。
- 自営業の人よりも、勤め人の方が高評価
- 契約社員や派遣社員、アルバイトやパートよりも正社員の方が高評価
- 歩合給で収入が多い人より、収入はやや低くても固定給の人の方が高評価
- 1つの勤務先に長期間勤めている人は評価が高い
- ある年だけ突出して年収が高いという人より、毎年安定した収入のある人の方が高評価
- 他社からの借入れ件数が少ない人は評価が高い
- 年齢が高い人ほど評価が高い。ただし、60歳を超えると定年が近くなるので評価が下がる可能性あり
- 扶養家族がいる人より、いない人の方が高評価
- 親と同居している人は評価が高い
- 民間企業に勤めている人より、公務員の人の方が高評価
- 高卒の人よりも大卒の人の方が高評価
なお、これらはあくまでも一般論ですので、実際の審査結果によって状況が異なることは考えられます。
審査担当者に嘘の情報を伝えることは論外ですので、必ず正しい情報を申告するようにしましょう。
(2)キャッシング枠審査とショッピング枠審査の違い
クレジットカードには現金を引き出せるキャッシング機能と、買い物のときに一時的に立替払いをしてもらえるショッピング機能の2種類があります。
いずれの機能を使いたい場合にも審査が必要となりますが、ショッピング枠の審査よりもキャッシング枠の審査の方が慎重に審査が行われる傾向があることを知っておきましょう。
キャッシング枠の審査では、あなたに安定した収入があるかどうかがもっとも重要視されますから、勤務先への在籍確認なども必要となります。
(3)借入枠の金額はどう決まっている?
クレジットカードのキャッシング枠審査については、すでにみたように「総量規制」が重要な判断基準となります。
年収の3分の1の金額を超える申込みをすると審査落ちとなる可能性が極めて高くなりますから注意しておきましょう。
また、借入申込額が50万円を超えるかどうかも1つの審査基準となることが多いです。
50万円を超えない申込みの場合には、在籍確認は不要としてもらえたり、収入証明書の提出が不要としてもらえたりケースがありますから、少しでも早く審査に通したい方は少額の借入申込から始めてみると良いでしょう。
3、キャッシングの手続きの流れ
ここまではキャッシング審査に通りやすくするための具体的なポイントについてみてきました。
以下では、実際にキャッシングの申込みをした後、どのように手続きが進んでいくのかについて見ていきましょう。
キャッシングの手続きの流れを大まかに説明すると、次のようになります。
- ウェブサイトからの申込み
- 担当者からあなたの連絡先に確認が入ります
- 信用情報機関への情報照会
- 勤務先への在籍確認
- 審査結果の連絡がきます
- 振り込みによる即日キャッシングが可能に
- カードの発送と受取
- ATM等でのキャッシング
以下では、それぞれの手続きの意味や、注意しておくべきポイントについて解説いたします。
(1)ウェブサイトからの申込み
ほとんどのクレジットカード会社では、インターネット上の公式サイトからキャッシング審査の申込みができるようになっています。
申込みページでは、あなたの住所氏名や年収などの項目を入力するように求められますので、順番に埋めていくようにしましょう。
(2)担当者からあなたの連絡先に確認が入ります
インターネットから審査申込みが完了すると、電話やメールであなたの連絡先に審査担当者から連絡が入ります。
ここでは申込内容(借入枠の希望額など)の確認や、今後の手続きの流れ、必要書類などを指定されます。
(3)信用情報機関への情報照会
審査担当者からの連絡が入ったら、正式な審査に進むことになります。
審査担当者はあなたの借入れ状況や返済履歴などについて信用情報機関に照会をかけ、キャッシング枠の設定が可能かどうかの審査を始めます。
(4)勤務先への在籍確認
最初の申込みページからあなたが入力した勤務先に対して、あなたが本当に在籍しているかどうかを確認する電話が入ります。
なお、あなた自身が不在であっても、別の人が電話口に出てあなたが間違いなく社員として在籍していることが確認できれば、在籍確認は完了します。
(5)審査結果の連絡がきます
在籍確認が問題なく完了したら、あなたの連絡先に審査結果の連絡がきます。
審査に通過した場合には、キャッシングの借入可能額がいくらであるかなどの説明を受けることになります。
(6)振り込みによる即日キャッシングが可能に
キャッシング枠の設定が完了したら、その時点で審査担当者にあなたの銀行口座に振り込みをする形で借入の依頼をすることも可能です。
カードが自宅に届く前にお金を借りることができますから、急ぎの場合は振込をしてもらうようにしましょう。
(7)カードの発送と受取
キャッシングの審査が完了したら、ATMなどで借入れをするための専用カードが自宅に届きます。
通常は本人指定の郵送で届きますので、日時を指定して受け取り手続きを完了しましょう。
(8)ATM等でのキャッシング
カードが手元に届いたら、銀行ATMやコンビニATMでお金を引き出すことが可能となります。
4、キャッシング審査で必要になる書類
キャッシング審査をスピーディに完了するためには、審査の担当者から指示される必要書類を速やかに提出することがとても大切です。
キャッシング審査で提出を求められるのは、大きく分けると次の2つの書類です。
- 本人確認書類
- あなたの収入を証明する書類
それぞれの書類の内容と、取得場所について確認しておきましょう。
(1)本人確認書類
本人確認書類は、運転免許証や社会保険の被保険者証(健康保険や国民健康保険の被保険者証)、マイナンバーカードなどが該当します。
なお、顔写真が表示されていない書類の場合、本人確認書類と合わせて住民票や公共料金の領収書などの提出が求められることもあります。
どのような書類が認められるかは、申込みを完了した後、最初に審査担当者から連絡が入った際に確認しておくと良いでしょう。
(2)あなたの収入を証明する書類
キャッシング審査ではあなたの収入金額を証明する書類の提出が必要となります。
具体的には、サラリーマンとして働いている人は勤務先が発行してくれる源泉徴収票や、給与明細の数か月分が該当します。
自営業として働いている人は、過去の確定申告書の控えなどを提出するようにしましょう。
5、お金を借りる以外の解決法2つ
ここまで、キャッシング審査に落ちないようにするためのポイントや、手続きの流れについて具体的に説明してきました。
一方で、収入がそれほど多くない人や、勤務先での在籍期間が短い人の場合は、残念ながらキャッシングの審査に通らないことも考えられます。
審査落ちの連絡がきたときにはとてもがっかりしてしまうものですが、気落ちすることなく別の選択肢を検討することが大切です。
以下では、キャッシング以外の方法による解決方法について解説いたします。
(1)公的な融資制度やセーフティネットを活用する
金融機関には民間の金融機関の他に、政府や自治体が運営主体となっている公的金融機関があります。
自営業の方であれば日本政策金融公庫や制度融資といった金融機関になじみがある方も多いと思いますが、勤め人の人でも利用できる公的融資の制度があります。
具体的には、社会福祉協議会が運営している生活福祉資金貸付制度が利用頻度が高いですが、失業や医療費の負担が大きい人は生活保護などのセーフティネットを利用することも検討してみてください。
キャッシングやカードローンといった借入れ方法は利息の負担が非常に大きくなりますから、借入が増えると返済までに何年もかかってしまうケースも少なくありません。
(2)借金の残高が大きくなりすぎているなら債務整理による減額
すでに借金が多くあり、毎月の返済もままならない…という状況の方は、法的な手続きによって借金の減額を認めてもらうことを検討しましょう。
具体的には、債務整理という方法があります。
債務整理は任意整理や個人再生、自己破産といった手続きによって借金の減額を認めてもらえるもので、年間で10万人以上の人が利用しています。
債務整理の手続きは弁護士に相談するとあなたに最適な方法を提案してもらえますから、借金解決を専門にしている法律事務所(弁護士の事務所)への相談を検討してみてください。
まとめ
今回は、これからキャッシングの審査申込みをする予定の方向けに、審査落ちにならないための注意点やポイントについて解説いたしました。
審査さえ問題なければキャッシングは手軽にお金を借りられる方法ですが、一方でその手軽さゆえに返せない金額のお金を借りてしまう人が後を絶ちません。
借りたお金は期限までにきちんと返すのが原則ですが、どうしても返せなくなってしまった場合には、本文でも解説した債務整理という方法があります。
債務整理については法律知識を持った弁護士に相談すると具体的な手続き方法をアドバイスしてもらえますので、ぜひ相談を検討してみてください。
お金を作る方法に関しては、以下の関連記事をご覧下さい。