
「離婚したけどまた復縁したい」
そう思ったことのある方はいませんか?
現代の日本では3組に1組の夫婦が離婚を選択していると言われていますが、離婚をした夫婦が時を経て再婚するケースは、実は、珍しくありません。
離婚するときにはお互いの悪いところばかりに目が行きがちですが、離婚してみて改めてパートナーの良さに気付いたり、家族の有難さに気付いたという声はよくあるものです。
近年、転職したものの元の会社に再転職すること(出戻り転職)も多くなっているようです。離れてみて、元の環境の良さに気付くことは良くあることです。これは出戻り転職も、離婚・復縁も同じなのではないでしょうか。
そして、復縁について特筆すべきことは、離婚の後、復縁した夫婦は、離婚前よりも関係がよくなるケースもあるということです。失敗は成功の素、雨降って地固まるという諺のように、復縁をきっかけに幸せを掴む人もいるのです。
では、どういった特徴の夫婦が離婚しても復縁出来る可能性があるのでしょうか。
今回は、
- 離婚後復縁がしやすくなるケースは?
- 離婚後に復縁する方法は?
- より良い復縁生活を送るためのポイント
などについてベリーベスト法律事務所の弁護士監修の上でお伝えしていきます。ご参考になれば幸いです。
目次
1、離婚後、復縁を考えるきっかけは?
まずは、復縁を考えるきっかけについて紹介していきます。
(1)きっかけは子ども
子どもがいる場合には、子どもを介して復縁することが多いようです。
色々あって、離婚した夫婦であっても、どちらも子どもの親であることは一生変わりません。
事例:子どもと月1回面会する中で、子どもも一緒に暮らしたいと言ってくれました。子どもを介して妻とのやり取りが増え、妻との関係も修復され、めでたく復縁し、今では家族で生活しています。
幼い子供がいる場合には、離婚時に面会交流の取り決めをしておくこともありますので、子どもと定期的に面会することが多いでしょう。
子どもと面会する中で、子どもから復縁をお願いされたり、子どもが両親の復縁を取りもつこともあるようです。また、面会の際に、別れた相手と会うことで、お互いの関係が良くなっていくこともあるようです。
ただし、子どもがきっかけで復縁するのは、子どもが幼いうちであることが多く、子どもが成長した場合には、子どものために復縁する気持ちは生じにくいでしょうし、子どもとしても、今更両親の復縁を望まないこともあるでしょう。
子どもが幼い間、という期間限定の復縁のきっかけと言えるかも知れません。
(2)きっかけはお金
離婚後は、離婚相手の収入に頼ることができず、自身で仕事をし、お金を稼ぎ、生活をしていかなければなりません。子どもがいる場合には、パート等の時短勤務をせざる得ないことも多いでしょうし、子どもの生活費、学費、塾代、お小遣い等の負担もあります。
事例:離婚後も元夫と連絡を取っていましたが、私が休みなく働いている姿を見て、経済的援助を申し出てくれ、復縁しました。今では、夫の収入で生活が安定し、離婚前にとても不満を持っていたことにも目を瞑れるようになりました。
離婚後、経済的に苦しくなってしまった場合には、一流企業に就職し、定期的な収入のある元パートナーの経済力はとても魅力に感じることがあるようです。
お金以外の原因で離婚した場合や、お金の問題で離婚したとしても、離婚後に本パートナーが借金を完済したり、就職したりするなど経済的に好転した場合の復縁のきっかけでしょう。
(3)きっかけは未練
姑との関係悪化で離婚した場合のように夫婦間以外の問題で離婚したときや、一時的な喧嘩や感情で離婚してしまった場合には、離婚後も元パートナーに対する未練が残ることもよくあるようです。
事例:姑問題で離婚しましたが、夫と付き合っていた頃や幸せだった頃の思い出を忘れることができませんでした。思い切って、夫に連絡したところ、夫も同じ思いでいてくれたようで、復縁することができました。夫も姑との関係を取り持ってくれ、今では良い関係です。
未練が残るほど夫婦間の仲はもともと良かったのですから、復縁する可能性が高い事例だったのでしょう。
この事例のように、夫婦間の問題以外の原因で離婚した場合や、一時的なの感情で離婚してしまい、お互いに未練が残った場合の復縁のきっかけです。
(4)きっかけは相手の病気
病気になった元パートナーを看病する中で、復縁することもあるようです。
事例:病気で寝込んだ元夫の看病をしたことで、関係が修復し復縁しました。
病気で弱っているときに、元パートナーの献身的に看病をしてもらうことで、改めて相手の良さを認識できるのでしょう。
ただし、病気になった元パートナーの看病を出来るぐらいの関係を保っており、かつ、元パートナーを看病する人が自分しかいない場合限定の復縁のきっかけでしょう。
2、復縁の可能性が高い夫婦の特徴は?
次は、復縁の可能性が高い夫婦の特徴について説明していきます。
(1)復縁につながる可能性が高い離婚の原因は?
①些細な喧嘩、一時的な感情が原因で離婚してしまった場合
喧嘩が原因で離婚する夫婦も多くいます。その中でも、長年にわたる喧嘩や不満ではなく、一時の喧嘩、感情で離婚まで突き進んでしまう事例も多くあるのが現代です。
喧嘩当時は、心に深い傷を負い、修復不可能と考えてしまいます。しかし、少し時間がたつと、離婚まですることだったのか、と思い返すこともあります。
事例:妻と私も共働きで家事の分担で喧嘩になり、勢いで離婚してしまいましたが、今では、私も家事を分担すべきだったと反省しています。妻と連絡を取り謝ったところ、妻も同じ気持ちだった様で復縁出来ました。
本来であれば、別居したりして冷却期間を作り、改めて離婚について考えるべきであったのでしょう。
このような一時の感情や些細な喧嘩が原因で離婚に発展してしまうことがあるのも現代の離婚の特徴と言えます。
このような些細な喧嘩が原因で離婚してしまった場合には、お互いに冷静になった後は、復縁の可能性が高くなるといえるでしょう。
②夫婦間の問題以外の原因で離婚してしまった場合
嫁姑トラブルなど、夫婦間の問題以外が原因となって離婚する場合も多いようです。
事例:結婚当時、私たち夫婦と私の両親とで同居していましたが、妻と姑の関係が悪化し、結局離婚してしまいました。しかし、離婚後も妻と定期的に連絡を取り、両親と同居しないことを条件に復縁しました。両親には、私から説得したところ分かってもらえました。
夫婦間の問題はなかったものの、それ以外の原因で離婚してしまうこともあります。そのような場合、離婚後も夫婦で連絡を取り合うことも多く、問題が解決されれば、復縁の可能性が高いといえるでしょう。
③一時的なライフスタイルの変化による関係悪化が原因で離婚してしまった場合
妊娠、出産、育児などをきっかけとして、ライフスタイルが一時的に変化したことが原因で離婚することもよくあるようです。
事例:私が育児休暇を取得した後復職しましたが、夫が育児を手伝ってくれず、育児疲れもあって夫婦喧嘩が絶えなくなり、離婚してしまいました。
その後、月に数回夫が子供と面会する内に、夫の大切さに気付きました。夫も、子育ての協力を約束してくれ、復縁しました。
紹介した事例は、育児による一時的なライフスタイルの変化が原因で離婚したケースです。このような一時的なライフスタイルの変化は、夫婦両者にストレスが溜まりやすく、離婚に発展するケースも多いようです。
しかしながら、ライフスタイルの変化に慣れたり、元のライフスタイルに戻った時は、復縁の可能性が高いといえるでしょう。
④浮気が原因で離婚してしまった場合
離婚原因の中で、多数を占める離婚原因が浮気です。
事例:夫が浮気をし、離婚しました。夫は、飲みの席で酔った上、たった1度の過ちを犯しました。当時の私は許すことができませんでした。しかし、時間がたっても、夫のことを忘れることができませんでした。冷静になると、私が夫に冷たくしていたことも、夫が浮気した原因でした。私の中の思いを伝えようと夫と連絡を取ったところ、夫から再度謝罪を受け復縁しました。
浮気をされた側は、例え1回きりの浮気であったとしても、許せないものでしょう。
しかし、誠心誠意の謝罪を受け入れてもらうことができれば、復縁の可能性もあるでしょう。
(2)離婚した夫婦が復縁するまでの期間は?
結婚する場合には、お互いの両親や親戚など家族、会社の上司や同僚、友人など多くの人を巻き込んで結婚に至ります。そして、離婚する場合には、これらの方々に加えて、子どもまで巻き込むことになります。
一度、大きな決心をして離婚をしたにもかかわらず、直ぐに復縁するということは、これらの人々の反感を買う可能性もあります。また、子どもがいる場合には、子どもの学校などの環境、気持ちを考える必要があります。
このため、離婚後直ぐに復縁ということは避けるカップルが多いようです。
では、どの程度の冷却期間をおくべきでしょうか。
冷却期間は、ケースバイケースですが、一応の参考になれば幸いです。
①子どもがいる場合
子どもがいる場合には、離婚後、子どもと転居していたり、子どもが転校したりしている場合が多いでしょう。
復縁する場合には、再度、子ども一緒に転居したり、転校する必要もでてくるでしょう。また、子どもの名字が何度も変わることも、子どもにとっては大きな負担となるでしょう。
両親の離婚・復縁によって、急激に子どもの環境に変化が生じることは、子どもの健全な成長を阻害する危険があることは忘れてはいけません。
このような場合は、最低でも半年は冷却期間を置くべきですし、子どもの進学など、子どもの成長に併せて復縁を考えるべきでしょう。
また、直ぐに籍を入れるのではなく、休日に家族で過ごしたり、子どもが復縁の環境に慣れた段階で、復縁をすることも考えるとよいのではないでしょうか。
②親戚などに報告する必要がある場合
親戚や上司に報告する必要がある場合には、最低でも半年程度は冷却期間を置くべきです。
あれほど大騒ぎして離婚したにもかかわらず、直ぐに復縁するという場合には、また直ぐに離婚するのではないか等と周りから反対されることもありますし、特に上司等からは、甲斐性のない奴だとして、出世コースから外されてしまう危険もあります。
復縁の説明をする際に冷却期間を経たうえでの考えであることを説明し、周囲の人々への影響を最小限にするためにも、半年は期間をあけるべきです。
③離婚後、長期間お互いに連絡を取っていなかったような場合
離婚後、長期間連絡を取っていなかった場合には、復縁の話が出た後もしばらく期間をあけるべきでしょう。
離婚後、お互いの生活環境が大きく変わっている可能性もありますし、お互いに結婚に対する考え方が変化している可能性もあります。
このような場合、復縁の話が出た後、しばらくは恋人関係を続け、様子を見ることが必要となってくるでしょう。
④実際にはケースバイケース
これまでにお話しした内容は、あくまで参考にすぎません。
離婚する場合には必ず何かしらの原因があるはずです。この原因が解消していない段階で復縁することは、再度離婚する危険があります。復縁の最初のステップとしては、離婚した原因が解消するまで待つことが重要といえ、必要な冷却期間は、ケースバイケースでしょう。
お互いに再婚の時期をいつにするか話し合った上、その時期までに問題を解決していくことで、お互いの結束も深まり、必要な冷却期間を有意義に過ごすことができるようになるでしょう。
(3)反対に復縁の可能性が低い夫婦の特徴
①離婚相手に恋人がいる場合
離婚後、相手側に既に恋人がいる場合には、復縁の可能性は低いでしょう。離婚相手は、既に新しい人生をスタートしており、あなたは既に過去の人になっています。
このような場合には、復縁は諦め、あなた自身も新しい人生に踏み出すべきでしょう。
もっとも、離婚相手が新しい恋人を作っていたとしても、新しい恋人とあなたを比較して、あなたの良さを再発見するかもしれません。どうしても離婚相手のことを忘れることができない場合には、離婚相手が新しい恋人と破局するのを待って、アプローチしてみてもよいかもしれません。ただ、多くの場合、離婚相手に恋人が既にいる場合には、復縁の可能性が低いことは忘れてはいけません。
②離婚相手は、経済的に自立し、自由を謳歌している場合
離婚後、経済的に困窮して復縁を考える人も多いことは既にお話ししました。反対に、離婚後に経済的に自立している場合には、復縁の可能性が低くなります。
また、離婚相手が、離婚後、好きなようにお金を使えること、自分の趣味に没頭できることなど、再びの独身生活を謳歌しているような場合にも、復縁の可能性は低いといえるでしょう。
③熟年離婚した場合
近年、増加傾向にあるのが熟年離婚です。熟年離婚の場合には、お互いに長年の不満が溜まり、子どもも独立し、定年退職後で経済的に余裕もある中で離婚するケースが多くなります。
このような場合、長年の不満が解消したことで、離婚に満足する可能性が高く、また、子どもや経済的事情によって復縁を考えることもありません。
多くの場合、熟年離婚のケースでは、復縁の可能性は低いといえるでしょう。
もっとも、熟年離婚した男性側は、離婚後に妻の大切さを身にしみる方も多いようです。長年、妻に家事など生活全般を任せていたのに、急に一人になって、心細く感じるのです。このようなケースでは、妻側が夫側に歩み寄る場合には、復縁の可能性はあるでしょう。
④女性から離婚を切り出した場合
一般的に、女性側から離婚を切り出したケースについては、女性側の離婚の満足度が高いという傾向があります。
女性は、一度離婚を決めたら、離婚は過去のものとして、振り返らない方が多いです。そして、女性の方が、新しい環境への適応性も高い傾向もあります。
また、女性側から離婚を切り出すケースは、夫の収入が低く、結婚生活に経済的魅力が低いこと、夫が家事を手伝わず、結婚生活の負担が大きいことなどが付原因であることが多く、このような離婚原因では、女性側に復縁の気持ちは生まれにくいといえます。
このように、女性から離婚を切り出したケースでは、復縁の可能性が低いといえるでしょう。
3、一度離婚した相手とスムーズに復縁をするには?
次は復縁する方法を説明していきます。
(1)離婚相手といつでも連絡出来る関係をつくること
あなたが相手に電話やメールで連絡した場合に、応答や返信がある場合には、相手もあなたにそこまで強い憎悪や嫌悪の情を感じているわけではありませんので、復縁の可能性はあるでしょう。
子どもとの面会の際に、相手と会うだけの場合であっても、面会の際に会話をすることで、わだかまりが解けるきっかけになることもあるでしょう。
復縁までの最初のステップは、相手と新しく良い関係を築くことです。復縁をお考えのあなたが先ずすべきことは、相手といつでも連絡を取れる関係を作りだすことです。
(2)金銭的なトラブルを解消すること
金の切れ目が縁の切れ目とは、復縁の場合にも変わりません。
離婚の原因に経済的な事情がある場合には、先ずはあなたの経済状況を改善するところから始めてください。
経済的に困窮したままでは、相手も復縁に応じることはありません。
経済状況が改善した場合には、それを相手にアピールしましょう。そのためにも、①でお話ししましたように相手といつでも連絡を取る関係を築き、就職した、昇進した、転職で収入が上がった、ギャンブルを止めた等の経済状況が改善したことを伝えましょう。
また、離婚時に、財産分与や養育費などで揉めた場合には、復縁の可能性は低いと言えます。相手は、お金の問題が改善しないと、あなたを信用してくれません。
この場合、復縁を望む場合には、先ずは、財産分与や養育費などのもめ事を解消しましょう。お金の問題が解決しない場合には、復縁は難しいでしょう。
(3)お互いの家族関係が良好となっていること
結婚・離婚は、お互いの家族も関わる重要な問題です。
離婚に際して、相手の両親・家族は、あなた自身だけでなくあなたの家族も良く思っていないかもしれません。お互いの家族関係が良好でないと、家族も復縁に同意してくれないでしょう。
復縁後の結婚生活を成功させるためには、最初の結婚以上に家族のサポートが重要です。まずは、お互いの家族の関係修復のために、あなた自身が相手の家族に信頼されるように努めて下さい。
4、離婚した相手と再婚するということのメリットや苦労話
(1)メリット
①一度同居生活をしたことがある
初めて同居する場合には、同居してみて初めて相手の普段の生活が分かり、お互いに大きなストレスが生じてしまいます。
一方、復縁の場合には、長い期間の同居の経験があるはずで、お互いの生活スタイルを良く知っているので、同居によりどのようなストレスが生じるかを予測して、その対処をすることができます。一度、同居生活を送ったことがあることは、初めて同居する際のリスクをあまり心配することがないのです。
②家族の大切さを実感できる
子どもがいる場合には、父親、母親と一緒に生活する安心感を得られるでしょう。また、子どもがいない場合であっても、精神面、金銭面においてもですが、パートナーのいる安心感を得ることができるでしょう。
(2)離婚した相手と再婚するのは苦労もある
一度離婚したカップルが再婚することは珍しいことではなくなってきますが、やはり、まだまだ小数派であることには変わりがありません。
このため、復縁については、両親・家族、会社の上司・同僚、友人、子どもの学校など、周囲から奇異な目で見られることもあるでしょう。
これらの周囲の目に耐える覚悟を持つことが、復縁の心構えとして必要でしょう。
また、復縁した場合には、再度の離婚リスクについても考えるべきです。雨降って地固まるというように、復縁後に両者の絆が強固なものとなればよいのですが、再度離婚に発展する可能性もゼロではありません。
復縁においては、最初の結婚生活におけるお互いの問題点を十分に理解し、お互いが寛容な姿勢でいることが必要です。多少のことは我慢できる心の余裕を持つべきです。
再度離婚することにならないよう、良い復縁生活を送れるよう、心構えをしっかりと持ち続けましょう。
5、復縁してから再婚生活をより良いものにするために知っておくべきポイント
一度離婚したカップルが復縁することは、離婚原因にもよりますが、可能であることは既に述べました。
しかしながら、一度壊れた関係を元通りに戻すことが本当にお互いの幸せにつながるのかについては、良く考えなければなりません。
離婚してしまった原因は何か、その原因が解消しているのか、周囲の目、子どもへの影響など様々なことをクリアした上で、復縁という再スタートの地点に立つことができるのです。
そして、あなただけでなく、相手も離婚当時からは、生活も考え方も変化しています。
復縁は、ただ単に元通りの関係に戻すだけでは成功しません。復縁とは、より結束を強固なものにするものなのです。
復縁を考えているあなたに伝えたいことは、一度離婚した相手とより深い絆を作るための努力を怠ってはいけないということです。
離婚後の復縁まとめ
今回は復縁についてお話しましたがいかがでしたでしょうか。
復縁を考えているあなたにとって今回の記事が復縁のきっかけになれば幸いです。