強制執行されたらどうなる?強制執行を防ぐ方法とは

強制執行されたら

借金や利用料金等の債務を滞納していると、債権者から強制執行が行われてしまうおそれがあります。

強制執行が行われた場合、ある日突然、財産が失われてしまい、生活に窮するという事態にもなりかねません。

強制執行を防ぐためには、債務整理等の方法を活用して、債務不履行の状態を解消することが大切なポイントになります。

この記事では、債務支払いの滞納により、強制執行されたらどうなるかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

借金を返せない場合の対処法は、以下の関連記事をご覧ください。

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1、強制執行されたらどうなるの?

強制執行されたらどうなるの?

まずは、強制執行という法的な手続に関する基本的な事項について解説します。

債権者に強制執行されたら、どんなデメリットが生じるのかについて、正しい理解を持っておきましょう。

(1)ターゲットにされた財産を債権者に回収される

債権者が強制執行の手続をとる場合、差押えを行う債務者の財産を特定する必要があります。つまり、債権者から強制執行が行われたとしても、自動的にすべての財産が差押えの対象になってしまうわけではありません。

債権者は、債務者の財産を調査したうえで、金銭的な価値があるものに限定して差押えをかけてきます。差し押さえられた財産は、債務者の自由にはできず、換価処分や弁済充当の対象となります。

なお、66万円以下の現金や生活必需品等、一部の財産については、差押えが禁止されています(差押禁止動産、民事執行法第131条)。

(2)債務者が個人の場合、給与債権・預金債権を差し押さえられる

債務者が個人の場合、差押えの対象として真っ先に目を付けられるのが給与債権です。現状どんなに財産に乏しい債務者であっても、給与は毎月勤務先から振り込まれるので、債権回収の確実性が高いからです。

なお、給与債権の差押えが行われる場合、額面の4分の1に相当する金額が上限となります(民事執行法第152条第1項)。

給与債権以外にも、債務者が個人のケースでは、預金債権がよく差押えの対象となります。

なお、2020年に施行された改正民事執行法において、債務者の財産開示制度が強化されたことにより、債権者にとって給与債権や預金債権を特定することが容易になりました(民事執行法第196条以下)。そのため、強制執行の手続において、給与債権や預金債権が差し押さえられてしまう可能性は高いといえるでしょう。

(3)担保設定をしている場合には、担保物件がまず差し押さえられる

住宅ローンの場合は土地・建物、オートローンの場合は車等、滞納した債務に担保が設定されている場合には、まず担保物件が差押え・換価処分の対象となります。

担保物件を差し押さえる手続については、民事執行法第180条以下に定められる「担保権の実行としての競売等」の規定に基づいて行われます。

(4)めぼしい財産がない場合はどうなるのか

「金目の物は全く持っていないので、差押えを恐れる必要はない」という考え方をする人も時々いらっしゃいますが、債権者から強制執行の手続をとられることは、それ自体が大きなストレスです。

また、現時点で金銭的な価値のある財産を持っていないとしても、給与債権を差し押さえられる可能性は高いので、いずれにしても生活に影響が出ることは避けられません。そのため、早めに弁護士に相談して、後述する債務整理等の対策をとっておくことをお勧めいたします。

2、強制執行されるまでの流れ

強制執行されるまでの流れ

具体的に、債務が滞納状態に陥ってから、債権者により強制執行の手続がとられるまでの流れを見てみましょう。

(1)債権者から督促が行われる

債務者が借金や利用料金等を期限どおりに支払わず、債務不履行の状態が生じた場合、まず債権者から内容証明郵便等で支払いに関する督促が行われます。

もともとの債権者から連絡が来る場合もありますが、すでに債権が債権回収業者に譲渡されていて、債権回収業者から連絡が来ることも考えられます。督促を放置していると、事態はますます深刻化してしまうので、この段階で早急に対応しましょう。

(2)債権者から訴訟が提起される|仮差押えが行われる場合も

何度か行われる督促を放置していると、債権者が債務の支払いを求めて訴訟を提起してきます。

訴訟が提起された場合、債務者のもとに裁判所から訴状が送達されます。

訴状とともに第1回口頭弁論期日の案内が入っていますので、債務の支払い義務に関して反論がある場合は、答弁書を提出して反論しておかなければなりません。

なお、訴訟で争っている間に債務者の財産が流出するなどして、強制執行が不可能または著しく困難になるおそれがある場合には、「仮差押え」が行われることもあります(民事保全法第20条第1項)。

仮差押えが行われた場合、対象財産によって、以下の暫定的な処分が行われます。

  • 不動産

→仮差押えの登記または強制管理

  • 動産

→執行官が目的物を占有する

  • 債権

→債務者への弁済が禁止される

(3)訴訟で債務者敗訴の判決が言い渡される

裁判所によって債権者の言い分が認められた場合には、債務者に対して、債務の支払いを命ずる判決が言い渡されます。

上訴期間内に債務者が不服を申し立てなければ、判決内容は確定し、債権者は強制執行の権利を得ることになります。

なお、債務者が口頭弁論期日に出席せず、反論の書面も提出しないような場合には、債務者は請求を認めたものとみなされ、やはり債務者敗訴となるので注意しましょう。

(4)財産開示手続への対応を求められることがある

強制執行の前段階として、債権者が差押えの対象財産を特定するため、財産開示手続の実施が申し立てられる場合があります(民事執行法第196条以下)。

財産開示手続では、債務者に対して、裁判所への出頭命令が発せられます。

その場で債務者は、自らの所有する財産に関して陳述することが義務付けられます(同法第199条第1項)。

もし財産開示期日に正当な理由なく出頭しなかったり、陳述を拒んだり、虚偽の陳述をしたりした場合には、「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されてしまうので要注意です(同法第213条第1項第5号、第6号)。

(5)実際に強制執行(差押え)が行われる

債権者勝訴の判決が確定した後、債権者は勝訴判決の正本を債務名義として、強制執行の開始を裁判所に申し立てます。

債務者は、強制執行に対する異議申し立てを行うこともできますが(請求異議の訴え、民事執行法第35条)、判決確定当時から事情が変わっていない場合には、そのまま強制執行の手続が進められてしまいます。

(6)財産の換価・弁済充当が行われる

強制執行の手続によって差し押さえられた財産は、民事執行法に定められる手続に従って換価・処分され、滞納状態となっている債務への弁済充当が行われます。

弁済充当後、処分代金に残額がある場合には、債務者に返還されます。

3、強制執行された場合の周囲への影響

強制執行された場合の周囲への影響

債権者により強制執行が行われた場合、債務者の自宅にある財産や給与債権が差押えの対象になりますので、必然的に家族や勤務先への影響が生じる可能性があります。

(1)家族への影響

強制執行によって差押えの対象となる財産は、債務者本人が所有しているものに限られます。

したがって、家族の所有物が差し押さえられることはありません。

しかし、自宅の土地・建物、車等、生活の基盤となる財産が差し押さえられてしまった場合、家族の生活に影響が出ることは必定です。

(2)勤務先への影響

給与債権が差し押さえられた場合、額面の4分の1を上限として、勤務先から債務者に対する支払いが禁止されます。

この場合、当然ながら、強制執行が行われた事実は勤務先の知るところとなります。

強制執行が行われたからといって、勤務先をクビになったり、懲戒処分を受けたりするわけではありません。しかし、勤務先で借金を滞納している等のうわさが経ってしまうと、仕事上の立場が悪くなるなどの事実上の影響が生じてしまうおそれは否定できないでしょう。

4、強制執行を回避する方法

強制執行を回避する方法

実際に差押えが行われてしまってからでは、債務者が対象財産を自由に処分することはできなくなってしまいます。

そうなる前に強制執行を回避する方法としては、以下のパターンが考えられます。

(1)債務を弁済する

もし滞納状態になっている債務を弁済することができるのであれば、根本的な解決になります。単に支払期限を忘れてしまっていたような場合であれば、滞納の事実に気づいた時点で、速やかに弁済しましょう。

(2)債権者と協議する

すぐには債務の弁済資金を用意できない事情がある場合は、強制執行の手続をとることを待ってもらえるように、債権者と交渉することも考えられます。

債権者としても、強制執行には一定の費用がかかるので、任意に支払ってもらえるのであればと協議に応じてくれる可能性もあります。

その際、いつまでに弁済できるかの見通しを明確に示すことができれば、強制執行を待ってもらえる可能性が高まるでしょう。

(3)銀行口座を解約する

差押えの対象になりやすい銀行口座を解約して、現金の形で持っておけば、債権者の側から差押えの対象財産を特定することが難しくなります。

しかし、債務自体がなくなったわけではないため、根本的な解決にはなりません。

また、財産開示手続が行われる場合には、現金を含めた財産の状況について陳述する義務が課される点にも注意が必要です。

(4)債務整理をする

債務を弁済する目途がどうしても立たない場合には、弁護士に相談して債務整理をすることをお勧めいたします。特に多重債務に陥っている場合は、債務整理が非常に効果的です。

債務整理については、次の項目でもう少し詳しく解説します。

5、債務整理で債務自体を圧縮できる可能性がある

債務整理で債務自体を圧縮できる可能性がある

どうしても債務が支払えない場合は、以下のいずれかの方法により、債務負担を軽減できる可能性があります。

  1. 破産:財産の大部分を換価処分して債権者に配当した後、債務を全額免除する法的倒産手続
  2. 個人再生:弁済計画について債権者の過半数の同意を得たうえで、債務の大部分をカットする法的倒産手続
  3. 任意整理:債権者との交渉によって、債務のカットや弁済スケジュールの延長について合意する手続

上記の各債務整理手続のうち、どの手続を選択するか、どのように準備をすればよいか等は、弁護士に相談することをお勧めいたします。

6、強制執行されたらどうしようと心休まらない場合は弁護士に相談を

強制執行されたらどうしようと心休まらない場合は弁護士に相談を

債務を滞納してしまい、債権者から取り立てが行われている状況では、精神的に大きなストレスがかかってしまいます。

強制執行に発展した場合には、突如として財産が取り上げられるというより深刻な事態となってしまうため、早めに弁護士に相談して債務整理を行いましょう。

弁護士に依頼をすれば、債権者とのやり取りは弁護士に任せることができますし、生活の再建に向けた準備を着実に進めることができます。

また、面倒な手続もすべて代行してもらえるので安心です。

借金や利用料金等の債務を支払えずに悩んでいる方は、ベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。

まとめ

強制執行により財産が取り上げられたり、給与債権が差し押さえられて収入が減ったりすることを考えると、「強制執行されたらどうしよう」と不安になるのも無理はありません。

債務整理によって状況を好転できる可能性がありますので、債務の滞納にお悩みの方は、お早めにベリーベスト法律事務所までご相談ください。

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