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離婚問題の弁護士費用の内訳と相場

離婚を円滑に進めるために、多くの方が弁護士の協力を求めています。

しかし、離婚事件の弁護士費用について不安を抱く方もいるでしょう。

一般的に、離婚手続きのみを希望する場合(または要求される場合)、平均的な費用は約50万円から100万円程度です。ただし、離婚に関する争点や弁護士の依頼タイミングによって費用は異なることがあります。

この記事では、以下の内容について詳細に説明します。

  • 離婚問題における弁護士費用の一般的な相場
  • 離婚問題で適切な弁護士を選ぶ際のポイント
  • 離婚問題における費用削減の方法
  • 弁護士費用を抑えるための効果的なアプローチ

離婚に関する問題に取り組む際に、費用と弁護士の選択に関する情報が皆様の役に立つことを願っております。

なお、離婚問題に強い弁護士の探し方や選び方は以下の記事をご参照ください。

さらに、YouTubeでも離婚事件に強い弁護士の探し方についてお伝えしているので併せてご参考ください!

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1、離婚事件の弁護士費用の内訳

離婚の弁護士費用の内訳

離婚問題の解決を弁護士に依頼するうえでは、一般的に次のような費用がかかります。

(1)着手金

弁護士が事件に着手するためにかかる費用です。そのため、支払時期は依頼時であることが原則です。

一般的には、着手金を支払ってからでないと弁護士は事件に着手しません。

事件処理の結果に不満があったとしても、また、依頼者が途中で弁護士を解任したとしても、原則として支払った着手金は返ってこないことが多いです

なお、交渉から引き続き調停を依頼する場合や、調停から引き続き訴訟を依頼する場合には追加で着手金がかかりますが、それぞれ本来の金額の半分程度に減額されるのが一般的です。

(2)報酬(基礎報酬・成功報酬)

事件終了時点で弁護士に支払う費用です。そのため、支払時期は解決時であることが原則です。

事件が終了した時点で発生する基礎報酬の他、要求を実現したことや相手方から実際に得られた経済的利益に対する成功報酬がかかることが一般的です。

慰謝料等相手方から金員を得られる場合、通常は一旦弁護士の銀行口座に振り込まれますので、そこから成功報酬を差し引いた金額が依頼者の手元に支払われることになります。

(3)その他

その他にも、以下の費用がかかります。

①相談料

離婚事件を弁護士に依頼する前の段階での法律相談にかかる費用です。
現在の状況を弁護士に伝え、今後どのように離婚の手続きを進めたら有利な結果を得ることができるか相談するために必要な費用です。

②事務手数料

弁護士が依頼を受けた事件を解決するために必要となる、様々な事務処理に要する費用です。

③日当

弁護士が事務所を離れて事件に対応した場合に支払う費用です。
相手方の元に交渉に赴いたり、裁判所に出頭したりした場合などに支払う必要があります。

所要時間によっては日当が発生しないこともありますし、所要時間が半日かかるのか丸一日かかるのかによっても金額は違ってきます。

日当は、事件処理終了後に相手方から支払われたお金(慰謝料や財産分与など)から差し引かれることが多いのですが、月ごとに計算して請求されることもあります。

④消費税

以上の弁護士費用には、消費税がかかります。

⑤実費

弁護士費用ではありませんが、弁護士が事務所を離れて移動した場合の交通費、依頼者や相手方への郵便物を送付した場合の切手代、裁判所に収める印紙代、依頼者等にお金を振り込む際の振込手数料などの実費は依頼者が負担します。

2、離婚の弁護士費用は「何を依頼するか」で決まる

離婚の弁護士費用は「何を依頼するか」で決まる

離婚問題の解決を弁護士に依頼するといっても、具体的に何を依頼するのかはケースによって異なります。

一般的にはまず、相手方との

  • 交渉
  • 離婚調停
  • 離婚訴訟

のうち、どの手続きを依頼するのかによって決まります。

基本的には、交渉<調停<訴訟と金額が上がっていくイメージになります。

もちろん、トータルで依頼することも可能であり、トータルでの依頼は個別での合計より安く設定されていることが一般的でしょう。

相手方の不貞で離婚する場合はいくら、DVやモラハラで離婚する場合はいくら、というように離婚原因によって費用が決まるわけではありません

委任期間が長引くと弁護士費用が増額されるのではないかと心配する方も多いですが、基本的にはそのようなことはありません。

ただし、「交渉は○時間まで」「調停は○期日まで」という前提で基本料金を設定し、長引いた場合には超過料金がかかる事務所もあります。
その場合でも、超過料金については事前に弁護士から説明がありますので、依頼前にしっかりと確認しておきましょう。

なお、離婚協議書などについて公正証書の作成のみを依頼する場合や、相手方から慰謝料・養育費等を回収するために強制執行手続きのみを依頼する場合には、比較的低料金でおさまります。

弁護士費用の料金体系の一例をご紹介しますので、詳細はこちらのページでご確認ください。

ベリーベスト法律事務所|弁護士費用

3、離婚の弁護士費用|ケーススタディ

離婚の弁護士費用|ケーススタディ

離婚の弁護士費用がどのような場合にいくらかかるのかを具体的にイメージしていただくために、よくある事例を挙げて実際に弁護士費用を計算してみましょう。
一例として前記「2」でご紹介した料金体系に基づき計算してみますので、ひとつの目安として参考になさってください。

(1)離婚の話し合いを拒む夫との離婚成立を目指す場合

依頼者は夫との離婚を望むものの、夫が離婚に反対して話し合いが進まないケースでかかる弁護士費用をみていきましょう。

①交渉のみ

調停や訴訟を行うよりは、協議離婚した方が時間・労力・費用の点で望ましいので、通常はまず相手方との交渉を弁護士に依頼することになります。
弁護士が交渉することによって協議離婚が成立した場合と成立しなかった場合の弁護士費用は、それぞれ以下のようになります。

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚が成立しなかった場合の金額

着手金(交渉のみ)

16万5,000円

16万5,000円

事務手数料

1万1,000円

1万1,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

0円

合計

50万6,000円

39万6,000円

②交渉+調停

弁護士が介入しても交渉がまとまらなかった場合は、引き続き調停を依頼することが一般的です。
この場合の弁護士費用は、以下のようになります。

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚が成立しなかった場合の金額

着手金(交渉+調停)

33万円

33万円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

0円

合計

68万2,000円

57万2,000円

③調停のみ

当事者間での交渉が完全に決裂していて、もはや交渉での解決がほぼ見込めない場合には、調停から弁護士に依頼することもあります。
この場合の弁護士費用は、以下のようになります。

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚が成立しなかった場合の金額

着手金(調停のみ)

27万5,000円

27万5,000円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

0円

合計

62万7,000円

51万7,000円

④調停+訴訟

調停でも解決できなかった場合は、引き続き訴訟を依頼することが一般的です。
この場合の弁護士費用は、以下のようになります。

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚が成立しなかった場合の金額

着手金(調停+訴訟)

46万7,500円

46万7,500円

事務手数料

4万9,500円

4万9,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚)

11万円

0円

合計

95万7,000円

84万7,000円

⑤訴訟のみ

中には、調停までは自分で行い、訴訟のみを依頼する方もいらっしゃいます。
この場合の弁護士費用は、以下のようになります。

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚が成立しなかった場合の金額

着手金(訴訟のみ)

33万円

33万円

事務手数料

3万8,500円

3万8,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚)

11万円

0円

合計

80万8,500円

69万8,500円

(2)離婚の成立とともに、不倫慰謝料の獲得も同時に目指すケース

次に、離婚の成立に加えて、不倫慰謝料の請求も弁護士に依頼した場合についてみていきましょう。
離婚が成立して慰謝料200万円を獲得したケースと、離婚は成立したものの慰謝料を獲得できなかったケースとについて、それぞれ(1)と同じように弁護士費用の金額を計算していきます。

①交渉のみ

弁護士費用の種類

離婚成立+慰謝料200万円

離婚成立、慰謝料獲得できず

着手金(交渉のみ)

16万5,000円

16万5,000円

事務手数料

1万1,000円

1万1,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(慰謝料)

22万円

0円

合計

72万6,000円

50万6,000円

②交渉+調停

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚成立、慰謝料獲得できず

着手金(交渉+調停)

33万円

33万円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(慰謝料)

22万円

0円

合計

90万2,000円

68万2,000円

③調停のみ

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚成立、慰謝料獲得できず

着手金(調停のみ)

27万5,000円

27万5,000円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(慰謝料)

22万円

0円

合計

82万7,000円

62万7,000円

④調停+訴訟

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚成立、慰謝料獲得できず

着手金(調停+訴訟)

52万2,500円

52万2,500円

事務手数料

4万9,500円

4万9,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(慰謝料)

22万円

0円

合計

134万2,000円

101万2,000円

⑤訴訟のみ

弁護士費用の種類

離婚が成立した場合の金額

離婚成立、慰謝料獲得できず

着手金(訴訟のみ)

38万5,000円

38万5,000円

事務手数料

3万8,500円

3万8,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(慰謝料)

22万円

0円

合計

119万3,500円

86万3,500円

(3)離婚の成立とともに、親権の獲得も同時に目指すケース

離婚の成立に加えて、親権の獲得も弁護士に依頼した場合についても、離婚が成立して親権も獲得したケースと、離婚は成立したものの親権を獲得できなかったケースとに分けて、同じように弁護士費用をみていきましょう。

①交渉のみ

弁護士費用の種類

離婚成立+親権獲得

離婚成立、親権獲得できず

着手金(交渉のみ)

16万5,000円

16万5,000円

事務手数料

1万1,000円

1万1,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(親権)

11万円

0円

合計

61万6,000円

50万6,000円

②交渉+調停

弁護士費用の種類

離婚成立+親権獲得

離婚成立、親権獲得できず

着手金(交渉+調停)

33万円

33万円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(親権)

11万円

0円

合計

79万2,000円

68万2,000円

③調停のみ

弁護士費用の種類

離婚成立+親権獲得

離婚成立、親権獲得できず

着手金(調停のみ)

27万5,000円

27万5,000円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(親権)

11万円

0円

合計

73万7,000円

62万7,000円

④調停+訴訟

弁護士費用の種類

離婚成立+親権獲得

離婚成立、親権獲得できず

着手金(調停+訴訟)

46万7,500円

46万7,500円

事務手数料

4万9,500円

4万9,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(親権)

11万円

0円

合計

106万7,000円

95万7,000円

⑤訴訟のみ

弁護士費用の種類

離婚成立+親権獲得

離婚成立、親権獲得できず

着手金(訴訟のみ)

33万円

33万円

事務手数料

3万8,500円

3万8,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚)

11万円

11万円

成果報酬(親権)

11万円

0円

合計

91万8,500円

80万8,500円

(4)離婚は同意しているものの、財産分与についてのみ合意を目指すケース

当事者間で離婚については同意が得られており、財産分与の請求のみを弁護士に依頼した場合についても、財産分与として500万円を獲得したケースと、財産分与を獲得できなかったケースとに分けて、同じように弁護士費用をみていきましょう。

①交渉のみ

弁護士費用の種類

財産分与500万円

財産分与獲得できず

着手金(交渉のみ)

16万5,000円

16万5,000円

事務手数料

1万1,000円

1万1,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(財産分与)

55万円

0円

合計

94万6,000円

39万6,000円

②交渉+調停

弁護士費用の種類

財産分与500万円

財産分与獲得できず

着手金(交渉+調停)

33万円

33万円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(財産分与)

55万円

0円

合計

112万2,000円

57万2,000円

③調停のみ

弁護士費用の種類

財産分与500万円

財産分与獲得できず

着手金(調停のみ)

27万5,000円

27万5,000円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(財産分与)

55万円

0円

合計

106万7,000円

51万7,000円

④調停+訴訟

弁護士費用の種類

財産分与500万円

財産分与獲得できず

着手金(調停+訴訟)

52万2,500円

52万2,500円

事務手数料

4万9,500円

4万9,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(財産分与)

55万円

0円

合計

145万2,000円

90万2,000円

⑤訴訟のみ

弁護士費用の種類

財産分与500万円

財産分与獲得できず

着手金(訴訟のみ)

38万5,000円

38万5,000円

事務手数料

3万8,500円

3万8,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(財産分与)

55万円

0円

合計

130万3,500円

75万3,500円

(5)離婚したがる夫との離婚の阻止を目指すケース

最後は、夫から離婚を突きつけられ、離婚の阻止を弁護士に依頼したケースについて、離婚を阻止できた場合とできなかった場合とに分けて、同じように弁護士費用を見ていきましょう。

①交渉のみ

弁護士費用の種類

離婚を阻止できた場合

離婚を阻止できなかった場合

着手金(交渉のみ)

16万5,000円

16万5,000円

事務手数料

1万1,000円

1万1,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚阻止)

11万円

0円

合計

50万6,000円

39万6,000円

②交渉+調停

弁護士費用の種類

離婚を阻止できた場合

離婚を阻止できなかった場合

着手金(交渉+調停)

33万円

33万円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚阻止)

11万円

0円

合計

68万2,000円

57万2,000円

③調停のみ

弁護士費用の種類

離婚を阻止できた場合

離婚を阻止できなかった場合

着手金(調停のみ)

27万5,000円

27万5,000円

事務手数料

2万2,000円

2万2,000円

基礎報酬

22万円

22万円

成果報酬(離婚阻止)

11万円

0円

合計

62万7,000円

51万7,000円

④調停+訴訟

弁護士費用の種類

離婚を阻止できた場合

離婚を阻止できなかった場合

着手金(調停+訴訟)

46万7,500円

46万7,500円

事務手数料

4万9,500円

4万9,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚阻止)

11万円

0円

合計

95万7,000円

84万7,000円

⑤訴訟のみ

弁護士費用の種類

離婚を阻止できた場合

離婚を阻止できなかった場合

着手金(訴訟のみ)

33万円

33万円

事務手数料

3万8,500円

3万8,500円

基礎報酬

33万円

33万円

成果報酬(離婚阻止)

11万円

0円

合計

80万8,500円

69万8,500円

4、所持金0では離婚の弁護士費用は払えない?

所持金0では離婚の弁護士費用は払えない?

上述の通り、成功報酬は獲得金額(あれば)から支払うことが可能としても、まず弁護士に依頼する時点で原則として着手金を支払う必要があります。

ただ、所持金0では弁護士に依頼できないというわけではありません

着手金の分割払いに対応している事務所も少なくありませんので、相談時に着手金の支払い方法についても相談してみるとよいでしょう。
また、最近では弁護士費用のクレジットカード払いに対応している事務所も増えてきています。
クレジットカードの分割払いで着手金を支払うことも考えられるでしょう。

なお、着手金の後払いに応じてくれる事務所もありますが、成功報酬が割高となっていることが多いので注意が必要です。
依頼時には、トータルで必要となる弁護士費用について見積もりをとり、検討することが大切です。

5、離婚の弁護士費用の考え方~弁護士費用は何への対価か

離婚の弁護士費用は高い?安い?弁護士費用は何への対価か

「3」でご紹介した弁護士費用の計算例をご覧になって「高い」と感じた方は多いことでしょう。
たしかに、数十万円〜100万円を超える金額となれば、絶対的に見ると決して安い金額とはいえません。

ただ、大切なのはその費用で何を得るかということです。「高い」か「安い」かは、相対的に考えるべきことといえます。

弁護士に依頼するメリット(目的)は、「知識からの権利」「時間」「安心感」そして「代理人」を得ることにあるといえるでしょう。
以下で、分かりやすく解説していきます。

(1)知識を得て権利を行使する

慰謝料、財産分与、親権、養育費など、離婚における権利を主張したくても、正確な知識がなければ主張が通らないこともあります。
どんな権利に基づきいくら請求できるのか、この知識がなければやみくもに交渉をしても応じてはもらえません。

あなたがほしい金額には、きっと根拠があるはずですたとえば高い慰謝料が欲しいなら、誰にも言えない「我慢」があったからではないでしょうか。
それらを法律上の権利と結びつける知識を得るには、弁護士を味方につけることです。

(2)時間を得る

相手方があなたの要求をスムーズに呑むのであれば苦労はしませんが、そうでない場合は交渉自体、また交渉の前提としての交渉戦略の検討に時間を要することでしょう。

交渉が決裂した場合には、調停や訴訟を起こすための証拠集めなどの準備に時間がかかりますし、裁判所へ出頭するための時間も必要となります。

これらの手続きは弁護士が代理人として行ってくれるので(調停の場合は基本的に本人の出席が必要ですが、体調不良等の場合は弁護士のみに出席させることもできます)、あなたはその時間を好きなことに使うことができます。

(3)安心感を得る

一人で離婚問題に立ち向かうと、どうすればよいのかという不安や疑問、いつになれば離婚できるのかという焦り、本当に離婚できるのかという悩み、さらには孤独感にも襲われるものです。

しかし、弁護士はいつでもあなたの味方として相談に乗ってくれます
一人で戦うのではなく、相談できる味方がいると精神的な安心感を得ることができるので、本気で離婚問題を抱える人には大きな支えとなります。

あなたは一人ではないのです

(4)代理人を得る

相手方からDV等の被害を受けている場合、自分で正面から戦うことはとても危険です。
しかし、弁護士という代理人を立てることにより、もうあなた自身が直接に相手方と対峙する必要はありません

そこまで危険なケースでなくても、全く話が通じない、同じことを繰り返しているといった夫婦にとって、第三者が間に入ることはかなり有効な解決に向けた手段といえます。

また、調停や訴訟では代理人である弁護士から意見を述べることで、裁判所から信用されやすくなるという事実上の効果も期待できます。

6、弁護士に依頼せず自力で離婚手続きを進めたエピソード3選

弁護士に依頼せず自力で離婚手続きを進めたエピソード3選

多くの方にとって弁護士費用の負担は軽いものではありませんので、自力で離婚手続きを進める方もいます。

ここでは、弁護士に依頼せずに離婚手続きを進めた方のエピソードを3つご紹介します。

(1)時間をかけても離婚が成立しないケース

相手方が離婚に反対している場合、離婚を成立させるためには調停や訴訟を的確に進めるための専門的な知識も要求されます。

的確に対応できなければ、いつまで経っても離婚できないということにもなりかねません。

私も数回で終わるもんだと思っていましたが、全然でした。

離婚調停そのものに失望しました。

まず、一回目は私も緊張しながらいろいろ考えて臨んだのに旦那は欠席。裁判所には連絡があったらしいのですが、私には裁判所からその連絡がなかったので、行きましたが申立書の内容確認だけで終わりでした。

仕事も休み取って、電車乗り継いで、子供の一時託児も探して臨んだのに!

それから4回、旦那の頑な離婚拒否。(原因はお金と性格不一致です。)

調停員には強制力はないとかで結局離婚できませんでした。

しかも離婚調停不成立なのに、後から送られてくる書類には「別居調停成立」になってました。

調停始める前から別居してたっつーの。

おそらく、調停員としての成立件数を増やすためかと・・・。

そんなわけで弁護士がいたら違ってたかも、と思いました。

私は別居して2年、いまだ離婚はできていませんが、離婚っていろいろ時間もかかるし、

精神的にあきらめつつあります・・・。

引用元:YAHOO!JAPAN知恵袋

たしかに、性格の不一致だけが理由であれば、調停で離婚を成立させることは容易でないことも多いものです。

しかし、中には相手方の言動がモラハラに該当するケースもありますし、その他にも相手方の浪費や借金、家庭を顧みない生活状況など、離婚につながる事情があることも少なくありません。

この方も仰っているように、弁護士に依頼していれば展開が異なっていた可能性はあります。

(2)調停委員に言い分を聞いてもらえなかったケース

家庭裁判所の調停委員は中立・公平な立場で離婚調停を進めますが、弁護士に依頼せず離婚調停を進めた方から「言い分を聞いてもらえなかった」という声を聞くことが少なくありません。

離婚調停の経験はありますが、最後は協議離婚でした。(あまりに長すぎて・・・)

大体、月1回しか行われないので(大分前の事なので今は変わってるかも)なかなか前には進みませんでした。

調停員がとても理不尽な事を言い出したので(元旦那が慰謝料、養育費も支払わず高級車に乗り回している事を指摘したら元旦那に賛成したので)次に調停の時に相談していた弁護士さんを連れて行ったら態度が180度変わったのにはビックリしました。(あまりのいい加減さに)

言いたい事はその時には頭が真っ白になってしまうので箇条書きにメモして行くといいと思います。

引用元:YAHOO!JAPAN知恵袋

もちろん、弁護士の言うことは聞き、当事者本人の言うことは聞かないという調停委員ばかりではありません。

ただ、当事者本人の話が要領を得ない場合には「感情論に過ぎない」として片付けられ、弁護士が事実と証拠に基づいて意見を述べた場合には受け入れられる、というケースは数多くあります。

(3)請求できるものを請求し損ねたケース

離婚調停の手続きは自分で行うことも可能ですが、何を請求するのかは自分で決める必要があります。

その際に専門的な知識がなければ、請求できるはずのものを請求せずに手続きを進めてしまうことになりかねません。

特に、慰謝料の請求はしても財産分与の請求をし忘れているケースや、別居中の婚姻費用を請求し忘れているケースが多いものです。

調停から立てたほうがいい理由について。調停はご自身でも可能ですが、素人だと、とりこぼし(請求できるのに知らなくて請求できなかった)がいろいろ出てくる可能性があります。

きっちり損をしないように、思い切って専門家に立ってもらうのがベストです。

自分でやると、お仕事・育児などもあり、精神的に大変です。

引用元:YAHOO!JAPAN知恵袋

自分一人で調停期日に出頭した場合は、緊張して思うように話せなかった、言いたかったことを言い忘れた、といったことも起こりがちです。
弁護士がついていれば、自分の主張を十分に調停委員に伝えることが可能となります。

7、離婚の弁護士費用は誰が払う?夫婦の財産から出しても良い?

離婚の弁護士費用は誰が払う?夫婦の財産から出しても良い?

離婚の弁護士費用は、原則として自分で支払う必要があります
日本の法律では、法的トラブルの解決を弁護士に依頼するかどうかは自己責任とされているため、依頼した人自身が支払わなければならないのです。

預貯金など夫婦の財産から出すことも要注意です。
なぜなら、夫婦の財産は財産分与の対象となるからです。離婚が成立しても、財産分与の際に弁護士費用に相当する金額を差し引かれる可能性があります。

以上の原則は、相手方が有責配偶者である場合とそうでない場合とで変わりません。

ただし、訴訟を起こして判決で慰謝料を獲得した場合には、相手方(慰謝料を支払う側)が慰謝料額の10%を弁護士費用として支払うように命じられるのが一般的です。

誰が離婚の弁護士費用を支払うのかについて、詳しくは以下の記事をご参照ください。

8、離婚の弁護士費用の負担を軽くする4つの方法

離婚の弁護士費用の負担を軽くする4つの方法

弁護士に依頼したいけれども、一括で費用を工面するのは難しい方もいらっしゃることでしょう。

本項では、できるだけ弁護士費用の支払いの負担を軽くする方法をご紹介します。

(1)早期決着

裁判から依頼する、など、離婚問題が佳境に入ってしまうと、弁護士がこれまでの状況を把握するのに時間がかかってしまうこともあり、費用がぐんと上がってしまいます。

そのため、もめている場合、もめそうだという場合はなるべく早期に相談に行きましょう

早ければ早いほど決着をつける時間も短く済み、お互いの傷も浅くて済みます。

さらに、弁護士費用も比較的低料金で済むでしょう。

(2)複数の事務所をみて回り比較考量

弁護士費用は、事務所によって異なります。

そのため、費用対効果を事務所ごとに感じることが大切です。

無料相談を活用して複数の事務所を見て回り、比較考量されることをお勧めします。

(3)分割払いが可能か確認

弁護士費用は、相談料は相談時、着手金は依頼時、成功報酬は解決時、というように、支払うタイミングが何段階かに分かれていることが多いでしょう。

そのため、一括で総額を支払うということは少ないかと思いますが、基本的に事務所ごとに支払い方法を自由に定めることができますので、まずは確認することが大切です。

相談料と着手金については、離婚成立前に支払うことが原則ですが、もし専業主婦などで固有の財産がない(すべて夫婦の財産である)場合は、弁護士に相談してください。

また、成功報酬が高額となってくるケースもありますが、プラスに経済的利益を得た(慰謝料や財産分与を受けたなど)場合はこの中から支払うことができます。

それ以外のケースでは分割払い等柔軟に対応してくれる事務所も増えていますので、無料相談の際に確認してみましょう。

(4)法テラスを活用

一定の所得制限がありますが、法テラスでは弁護士費用の立替払いをしてもらえます。

こちらのページで詳しく解説していますのでご覧ください。

9、離婚に強い弁護士の見分け方

離婚に強い弁護士の見分け方

弁護士に依頼しようと決意したところで、ではどこの弁護士に依頼するのが良いのでしょうか? 

弁護士ならどの弁護士に依頼しても結果は同じでしょうか?

実は、弁護士にも得意・不得意な分野があります。

本項では、離婚事件に精通している弁護士とそうでない弁護士の見分け方をご説明します。

(1)離婚問題に関する知識と経験

まず、離婚問題に関する知識をしっかりと持ち合わせていることが重要です。

弁護士は法律の知識はありますが、細かい法律についてすべて熟知しているわけではありません。

そのため、弁護士になってからの数年は特に、案件に当たってから調べていくこととなります。

ですので、離婚問題の実績が、そのまま知識となっていくわけです。

細かい相手方の気持ちの動きや出方など、経験があればあるほど読めてくることになります。

(2)離婚問題に真摯に取り組む気持ち

もしその弁護士自身は経験が浅くても、事務所自体で離婚事件を積極的に扱っている場合は、これは大きなメリットです。

弁護士であれば法律の基礎はありますから、離婚実務の先輩や資料がそろっていれば、問題なくフォローされていくことでしょう。

こういう場合に大切なのは、その弁護士に離婚問題に真摯に取り組む姿勢があるかどうかです。

弁護士の中には、刑事事件しか興味がない、企業の不祥事問題しか興味がないなど、興味が偏っている人も。

そのため、デリケートな離婚問題に細やかに対応する姿勢があるかどうか、見極めることが大切です。

10、離婚に強い弁護士の探し方は?

離婚に強い弁護士の探し方は?

では、離婚問題に精通している弁護士はどのように探せばいいでしょうか。

(1)親族や知人等の紹介

親族や知人などに弁護士を紹介してもらうというのも一つの手段です。

実際に親族等が利用した弁護士であれば信頼できるでしょうし、弁護士も、紹介の場合、より丁寧な対応をしてくれることもあります。

(2)インターネットで検索する

離婚に強い弁護士を探すためには、離婚に関して詳しく情報が載っているウェブサイトを持っている法律事務所を当たってみるのもよいでしょう。

インターネットで離婚に関する事項を検索して、表示された法律事務所のウェブサイトを確認してみるといいでしょう。

離婚の弁護士費用のQ&A

Q1.所持金0では離婚の弁護士費用は払えない?

成功報酬は獲得金額(あれば)から支払うことが可能としても、まず弁護士に依頼する時点で原則として着手金を支払う必要があります。

ただ、所持金0では弁護士に依頼できないというわけではありません。

Q2.離婚の弁護士費用は誰が払う?

離婚の弁護士費用は、原則として自分で支払う必要があります。
日本の法律では、法的トラブルの解決を弁護士に依頼するかどうかは自己責任とされているため、依頼した人自身が支払わなければならないのです。

Q3.離婚に強い弁護士の見分け方は?

弁護士に依頼しようと決意したところで、ではどこの弁護士に依頼するのが良いのでしょうか? 

弁護士ならどの弁護士に依頼しても結果は同じでしょうか?

実は、弁護士にも得意・不得意な分野があります。

本項では、離婚事件に精通している弁護士とそうでない弁護士の見分け方をご説明します。

まとめ

本記事では、弁護士費用の相場、内訳、また支払い方法などについてご説明いたしました。

離婚の弁護士費用は安いものではありません。それだけに、弁護士費用を支払うことで何が得られるのかを見極めることが大切です。

ご自身が目指す結果と、そのために要求される労力と問題点を明らかにした上で、検討してみるとよいでしょう。

弁護士に依頼すれば、ご希望の結果を共に全力で目指します。

全国の離婚に精通した弁護士が、最高の味方としてあなたのお役に立つことでしょう。

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