婚約中に起こる浮気は、信頼関係に大きな傷を残すことでしょう。結婚を前にしたこの時期に浮気が発覚すると、結婚に進むべきか否か、迷いが生じることは自然なことです。また、周囲の人々への体面や社会的なプレッシャーも感じることでしょう。しかし、一度揺らいだ信頼関係を回復するのは容易ではありません。
驚かれるかもしれませんが、婚約中に浮気が発覚した場合、実は慰謝料を請求することも可能です。この記事では、婚約中に浮気を考えている方々に向けて、以下の内容をご紹介します。
・なぜ婚約中に浮気をするのか?
・婚約中の浮気による慰謝料請求の可能性はあるのか?
・結婚を続けるべきか、婚約を解消すべきか?
心が傷ついた状況であっても、少しでも癒され、前に進むための情報をお届けできれば幸いです。婚約中の浮気に関する疑問や悩みを解消し、より良い選択ができるようにサポートいたします。
目次
1、婚約者が浮気した対処法を知る前に|そもそも婚約とは?
そもそも婚約とは、婚約の事実を当事者の二人以外の第三者に知らせることをいいますが、実は法的に明確な定義はありません。
将来を約束し、お互いを結婚相手にすると約束するだけで婚約は成立します。
大辞林第三版では、婚約とは「結婚の約束をすること。また、その約束。」としています。つまり、お互いの心だけで婚約は成立するということです。
婚約の記念品として女性は婚約指輪をもらったり、男性は時計を贈られたりするのが一般的です。
中には家族にも婚約の意思を知らせるために結納を行うカップルもいることでしょう。
2、婚約しているのにパートナーが浮気をするのはなぜ?
婚約しているのに、パートナーが浮気をするのはなぜなのでしょうか。
タイプによってさまざまな理由があるかもしれません。
下記いずれかの理由が該当するのではないでしょうか。
(1)マリッジブルー
男性でもマリッジブルーになるケースがあります。
本当にこのパートナーでいいのか?このまま結婚に至っても後悔はしないのか?と感じてしまうと、他の異性に癒しを求めるケースがあります。
結婚の準備でお互いに忙しく余裕がない状態の場合には、マリッジブルーになりがちです。
忙しくても結婚までは恋人として接した方が、お互いにマリッジブルーにならずに済むでしょう。
(2)結婚という責任から逃げたい
結婚が重圧となり、プレッシャーから逃げたいために浮気をするケースです。
結婚したら自由に遊ぶことができないと感じると、結婚前に遊んでおきたいという動機などが考えられます。
この手のタイプは責任感が欠落していて、相手の気持ちを考えることができません。
このまま結婚しても幸せにはなれない可能性があり、結婚後も浮気を繰り返すことが考えられます。
(3)婚約相手がいてもいいと浮気相手から誘われた
婚約相手がいたとしても、浮気相手の異性から交際を続けたいと迫られるケースがあります。
意思の弱いタイプなら「バレなければ少し遊ぼう」と感じてしまう可能性があるでしょう。
この手のタイプも結婚後は同じように「配偶者がいても構わない」という誘いに弱く、不倫しがちです。
(4)結婚して不倫となる前に遊んでおきたい
結婚の責任逃れと同様に、結婚して不倫になっては余計に重い責任が課せられると感じるため、婚約中の最後の機会に遊んでおきたいタイプです。
この手のタイプは婚約中に複数人と浮気をしている可能性があります。
ただし、相手の女性はあくまでも遊びで、本当に好きなのは婚約者というケースが多いです。
(5)仕事の悩みなどを聞いてもらううちに浮気へ発展した
仕事の悩みや結婚の悩みを聞いてもらううちに浮気に発展するケースも少なくはありません。
結婚準備で忙しく婚約者があまり話を聞いてくれる雰囲気ではない場合に起こりがちなハプニングです。
男女共に起こりがちなので注意しておきましょう。
大切な人は誰なのか今一度自問自答した上で慎重な行動が必要です。
(略)今日、思い切って問いただすと浮気を認めました。
学生時代の先輩に再会し、仕事の悩みなどを聞いてもらっているうちに癒され、支えられてしまったと。職場に近いところにその人は住んでいるらしく、度々泊まっていたと。
彼はその人のことを、彼女と呼びました。
頭が、真っ白になりました。
すごくショックです。悩みを話す相手は私を選んで欲しかった。(略)引用:Yahoo!知恵袋
(6)性依存症など性欲に問題がある
彼のスマホ内の写真で浮気相手との性的写真を発見してしまった-などというケースもあります。
浮気相手との性的写真を残しておくことは、あまり多くの人がする行為ではないでしょう。
「面白がって」「浮気相手が大好きで」ということもあるかもしれませんが、性欲に問題を抱えている可能性も考えられます。
このような場合は、本気である婚約中のあなたにだけは本当のことは言えなかった、などという彼なりの後ろめたさはあるでしょう。
3、婚約中に浮気された場合、慰謝料は取れる?相場は?
では、婚約中に浮気された場合に慰謝料は取れるのか?について解説します。
(1)慰謝料が取れる場合
婚約中の浮気による慰謝料請求は簡単ではありませんが、下記2つのことが証明できれば慰謝料を請求できる可能性があります。
①結納や婚約指輪をもらっているなど婚約した証明がある
当事者同士の口約束だけでは婚約の事実を証明するのは困難ですが、結納している事実を第三者が証明できる場合や、その証拠がある場合には、慰謝料を請求できる可能性が高まります。
プロポーズをした動画や証拠、第三者の前で婚約を交わしたなどの証拠を見つけてみましょう。
また、結婚式目前で式場を予約している書面があるなども有効です。
結婚式の招待状を送った後なら、その書面も証拠になります。
名前などを刻印した婚約指輪の存在も有効ですので、やけになって指輪を捨てたり返したりはしない方が賢明です。
その他、同棲していたなどの事実婚状態の場合には婚約を認められやすくなります。
内縁関係を証明できれば婚姻関係になくても浮気による慰謝料は認められやすいでしょう。
②浮気の証拠がある
婚約の証拠に加えて確かな浮気の証拠も必要です。
ここでいう浮気の証拠とは、自分以外の異性と肉体関係があったことを証明できるもので、単なる異性とのデートでは浮気とは認定されません。
浮気の事実を確認できるような確たる証拠が必要です。
(2)婚約中、浮気された場合の慰謝料の相場
婚約中の浮気の慰謝料相場は、おおよそ50万円から200万円でしょう。
この数字は婚姻中の浮気と同じ程度ですが、浮気の悪質さなどにより慰謝料額は変動します。
(3)より高額な慰謝料が取れる場合
婚約破棄の代償として、次のようなケースではより高額な慰謝料を請求できる可能性があります。
- 婚約期間が長期にわたっている
- 妊娠あるいは既に出産している
- 浮気相手が妊娠・出産した
- 婚約を期に仕事を退職した
- すでに結婚式場の手配や招待状を送付しキャンセル料がかかる場合や著しく名誉を傷つけられた場合
- 婚約破棄の理由が不貞や暴力であること
婚約期間が長期間に及び事実婚関係が認められる場合や、妊娠や出産をしているケースでは慰謝料額も高額になります。
婚約中に浮気相手が妊娠した場合も同様です。
さらに、婚約を機に仕事を退職したケースでは、これからの生活基盤が全て台無しになってしまいます。
その場合にも慰謝料は高額になる傾向があります。
また、すでに式場予約をしてキャンセル料がかかってしまう場合や、社内に結婚式の招待状を送付してしまい、著しく名誉を傷つけられた場合の慰謝料は高額です。
その他、婚約破棄の理由が不貞や暴力のケースでも慰謝料は高額になる可能性が高くなります。
4、婚約破棄の慰謝料の請求方法
婚約破棄の慰謝料の請求方法は次の手順です。
(1)まずは話し合い
まずは当事者同士の話し合いで慰謝料の額を相談してください。
合意が取れたらそれだけで慰謝料の受け取りが可能です。
その際には不払いを防ぐために、書面に残して証拠をとっておきましょう。
さらに、浮気相手が婚約中であるとわかったうえで婚約者と肉体関係を持っていた場合、その証明ができれば浮気相手にも慰謝料を請求できます。
話し合いで解決できるなら、浮気相手にも書面で合意を残しておきましょう。
(2)うまくいかなかったら裁判
慰謝料請求の最終手段は家庭裁判所に訴訟を提起することです。
確たる婚約や浮気の証拠があるなら、婚約破棄をする相手や不倫相手双方を訴え、慰謝料の請求が可能です。
ただし、証拠が揃わずに裁判に持ち込んでも、慰謝料請求が認められない場合がありますので慎重に行動してください。
5、浮気の証拠の集め方と浮気内容の確認
では、慰謝料請求のために必要となる浮気の証拠の内容と集め方を見ていきましょう。
(1)どんなものが浮気の証拠になる?
浮気の証拠とは、婚約者と浮気相手の肉体関係を証明できるものです。
キス写真や抱き合っている写真は浮気を直接証明できる証拠になりませんのでご注意ください。
例えば、情事中の画像や動画、音声など、また、ラブホテルに2人で入る画像や動画などはそれだけで浮気を証明できる証拠として認められます。
しかし、それらを素人が集めるのは不可能に近く、手間も時間もかかって難しいでしょう。
運良く相手のスマホなどに収録されているなら、それらを押さえられると証拠になります。
メールやLINEなどに肉体関係を示唆するような内容があるならそれも証拠になるかもしれません。
または探偵などに頼んで証拠を集めるといいでしょう。
(2)浮気相手の妊娠の有無
浮気相手が妊娠し、婚約者が認知したなら、間違いなく浮気の証拠になります。
(3)プロに任せることが確実
浮気の問題や慰謝料請求を自分だけで解決しようとすることは、手間も時間もかかる上に、肉体的・精神的にも負担がかかります。
そんな場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すれば、信頼できる探偵を紹介してくれることもありますし、証拠について詳しいサポートをしてもらえるでしょう。
6、弁護士へ相談する場合の費用
婚約者の浮気で慰謝料を請求する場合の弁護士費用ですが、まずは無料相談を利用することがおすすめです。
そこで慰謝料が請求できそうか相談してみて、可能性がある場合に詳しいお見積もりをもらうようにしましょう。
7、パートナーの浮気を機に、改めて考えよう
ここで一度パートナーの浮気を機に、改めて考えてみましょう。
本当にこのまま結婚をしていいのか、それとも婚約破棄をして慰謝料を請求した方が得策なのか。
これを考える上での軸は、浮気が過ち(あやまち)なのかどうかを見極めること、ではないでしょうか。
(1)浮気が一時の過ちである場合
過ちの浮気では、もし、あなたを下にみているようなことがあり、許されて当たり前、という空気があるようであれば、ここで一度、冷静に彼について考えてみる必要があります。
上記のような雰囲気のある彼は、頼りになる一面があるのかもしれません。あなたはそこに惹かれた可能性もあるでしょう。
しかし、時代は男女平等です。
この時代に育ったあなたの中には、たとえ古風に男女の上下関係を認めているつもりでも、いつか、どこかに平等を求める場面が出てくる可能性は高いでしょう。
もちろん一概に言えることではありませんが、一方的な男女の上下関係感をもつタイプの男性は将来モラハラへ繋がる恐れが否めません。
他方、そのようなことがなければ、一時の過ちの浮気であれば、将来お互いに気をつけていれば予防できるタイプの浮気ともいえます。
そのような男性である場合には、男性にお灸をすえることも必要ですが、あなたを原因とした浮気が起きないよう、あなた自身も気を引き締めていくことで、二度と同じことが起きないようできる可能性は高いでしょう。
(2)そうではないタイプの浮気の場合
一方、一時の過ちではないタイプの浮気も2つに分かれ、1つは「本気」です。
彼が本気で誰かを好きになってしまった場合は、苦しいですが、迷わず別れることをおすすめします。
他方、本命はあなただけれども浮気癖がある、性欲に問題があるなどの場合では、なかなかそういうわけには行きません。多くの方が苦しいのは、浮気以外の性格が大好きだからです。
こんな男性とうまくやっている方に見られるのが「許容力」「受容力」でしょう。
相手をどれだけ受け入れるか。
といっても、器が大きい女性に成長しなければならないとか、そういうことではありません。
一般的に、自分にすでに内在している「許容力」「受容力」ならば、そこまで深く考え込まずとも許容、受容することができることでしょう。
しかし、「許容しなきゃ嫌われてしまう」「受容しなきゃ一人になってしまう」と悩み抜いた末の許容や受容では、将来自らを苦しめることになりかねません。
モテる彼を、あなたはどう受け止めるのか。これはあなた自身の問題です。
彼と共に歩む人生についてもう一度想像を広げ、あなた自身がどういう考えであるのか、見つめ直してみると良いかもしれません。
ただ、一人で考え込むのはおすすめではありません。
彼と二人ででも一人ででも、弁護士やカウンセラーなどの専門家へ相談し、まずは心の負担を減らすことが賢明です。
まとめ
婚約中の浮気は意外に多くあるものです。気持ちが安定しない時期なので当然かもしれません。
悩んでいるのはあなただけではありませんので安心してください。
しかし、大事な時期だからこそ浮気は決してあってはならないのは事実です。
もしも婚約破棄を考えるなら、きっぱりと別れた上で慰謝料請求までした方が割り切れるでしょう。
まだ気持ちが婚約者にあるなら、もう一度信じてみる選択もあります。
全てはあなたの気持ち次第ですので、どうすれば幸せになれるのかを慎重に考えてみてください。
あなたが幸せになれる決断ができることを願います。