日常生活で起きた突然の交通事故。ケガなどの傷害、最悪の場合、死亡事故に繋がる恐ろしい事故です。もしも死亡事故の被害に遭遇した際には、弁護士に必ずすぐに相談すべきです。
妻や夫、子どもや家族が死亡事故に遭ってしまった場合、残されたご家族は突然の悲しみにおそわれながら、ご葬儀などさまざまな手続きに追われているのではないでしょうか。色々なことをこなさなければならない中、加害者とのやりとりなど慎重な対応が必要となるものもたくさんあります。
このような重要な事態においては、弁護士に相談をして、一旦気持ちをお楽にされてください。
弁護士は、加害者への対応について、ご家族と共に今後の道筋を立てていくことをお手伝いします。
今回は、
- 死亡事故に遭ってしまった場合の弁護士への相談
- 死亡事故に遭ってしまった場合の注意点
- 死亡事故事案に強い弁護士の選び方
について、ご案内していきます。ご参考になれば幸いです。
また、以下の関連記事では交通事故での弁護士で依頼すべきでない弁護士の特徴について紹介しています。納得する結果を得たい方は以下の関連記事もあわせてご参考いただければと思います。
ベリーベスト法律事務所で、
悩みを「解決」して「安心」を手に入れませんか?
- 保険会社との交渉が不安・負担
- 後遺障害について詳しく知りたい
- 示談金(慰謝料)の妥当な金額が知りたい
などどんな小さなことでもお気軽に!
交通事故専門チームの弁護士が、あなたに寄り添い、 有利な結果へ
と導くサポートを行います!
ベリーベスト法律事務所で、
悩みを「解決」して「安心」を手に入れませんか?
- 保険会社との交渉が不安・負担
- 後遺障害について詳しく知りたい
- 示談金(慰謝料)の妥当な金額が知りたい
などどんな小さなことでもお気軽に!
交通事故専門チームの弁護士が、あなたに寄り添い、 有利な結果へ
と導くサポートを行います!
目次
1、死亡事故の被害に遭ったら弁護士にすぐ相談を
(1)まず気持ちを落ち着かせましょう
事故死は病での場合と違い、何らの予兆や覚悟なくして降りかかります。
そのため、大切な人の死によるショックは計り知れないものでしょう。
そんな中、事故死の遺族は加害者との話し合いを避けることはできません。
葬儀などさまざまな手続きもある中で、加害者との対面、話し合いは大変なるストレスと苦労です。
こんなとき、事故における全ての手続きの見通しを立て、精神的なサポートにもなるのが弁護士です。
弁護士に相談し、まずは気持ちを落ち着かせましょう。
(2)加害者側との示談
①加害者が任意保険に加入している場合
死亡事故の被害に遭った際、一般的には相手方の保険会社が出てきます。
損害の賠償について決めるためです。
死亡事故の賠償の中でも慰謝料については各保険会社でその基準が決められており、その基準に従って各ケースに応じた金額を提案してくるでしょう。
しかし、この交通事故の慰謝料基準には、保険会社の基準以外にも2つあるのです。自賠責基準と裁判基準です。
自賠責基準は、自賠責保険における賠償の基準で、任意保険の基準より低い金額に設定されています。
しかしもう一つの「裁判基準」は、裁判になった場合に裁判所が利用する基準であり、金額としては一番高く定められています。保険会社の基準よりも一般的には高額とされています。
このことからもわかるように、保険会社の提示金額を鵜呑みにすることは避けるべきです。必ず弁護士に相談をしましょう。
②加害者が任意保険に加入していない場合
現在、10人に1人が自動車の任意保険に未加入というデータがあります。
【表:任意保険加入率】
引用 https://drivezine.com/kanyu-ritsu/
任意保険に未加入であれば自賠責保険が適用されますので、損害賠償も自賠責基準によってなされることが基本です。
しかし前述の通り、自賠責基準では金額が低く、その賠償金額は実際の損害に見合わないケースが大半でしょう。
任意保険未加入の理由は、保険料の支払いが経済的に難しい場合が多いため、自賠責の補償で足りない部分を加害者本人に請求しても、支払う能力があるというケースは少ないかもしれません。
とはいえ、そのまま加害者に何も請求せずに終わるのは、遺族の方はいたたまれないでしょう。
このようなとき、ぜひ弁護士にご相談ください。将来にわたって少しずつでも賠償してもらうなど、ご家族の納得のいく結論を導くよう尽力します。
③過失割合
交通事故では、過失割合がとても重要です。
過失割合とは、その事故が起きた原因について、どちらにどれだけの責任があるか、という割合です。
例えば、加害者に90%、被害者に10%、というように決められます。
被害者にも過失が認められる場合、その分損害賠償の額から減額されてしまいます(過失相殺)。そのため、事故の被害者にどれだけの過失が認定されるか、とても重要なのです。
過失割合にも基準があり、保険会社もそれを基準にして提示するのが基本です。
しかし、修正要素などの判断において、遺族の判断とは異なるケースもあるでしょう。
このような場合でも、弁護士が適切な割合を相手と交渉をいたします。精神的な面でも実務的な面でも、心強いサポートをしてくれることは間違いありません。
(3)被害者参加制度
交通事故で被害者が死亡した場合は、加害者は刑事手続に進むこともあるでしょう。死亡事故になった場合は、まずその場で逮捕されることが多いです。
交通事故の状況により、その後釈放になるのか、そして不起訴になるのかはまちまちですが、死亡事故であれば起訴されることは珍しくありません。
起訴された場合は、危険運転致死傷罪、自動車運転過失致死傷罪、業務上過失致死傷罪のいずれかで起訴されますが、これらの罪における裁判では「被害者参加制度」が設けられています。
① 被害者参加制度とは
刑事裁判に、被害者参加人として参加することができます。
② 死亡事故における参加人対象者
被害者の配偶者、直系親族(子、親など)、兄弟姉妹
③ 参加申し出の手続き
加害者が起訴された後、検察官に対して参加の申出をして、裁判所からの許可をもらいます。
④ 参加人の権利
- 公判期日に出席できる
被害者参加人は、公判期日に出席することができます。
被害者参加人は、法廷の中に入り、検察官の横に座ることができます。
- 検察官に意見を述べ、説明を受けることができる
被害者参加人は、検察官に対して意見を述べることができます。
また、検察官が被害者参加人の意見に従わない場合、検察官は、被害者参加人に対してその理由を説明しなければいけません。
- 証人に尋問をすること
被害者参加人は、証人に対して尋問をすることができます。
ただし、尋問できるのは情状に関する事項に限られており、犯罪事実に関する事項は認められていません。
- 被告人(加害者)に質問をすること
被害者参加人は、被告人(加害者)に対して、質問をすることができます。
- 事実関係や法律の適用について意見を陳述すること
被害者参加人は、裁判官に対して、事実関係や法律の適用について意見を陳述することができます。
論告・求刑(最も重要な意見陳述)の意見を陳述することができます。
以上、ご説明した「被害者参加制度」は、被害者およびその家族にとって、被害者の気持ちを裁判に反映させることができる大切な制度です。
ただ、裁判に積極的に参加していくことは、慣れていなければ思うように気持ちをぶつけられないこともあるでしょう。
そのようなときは、どうぞ弁護士にお任せ下さい。この参加制度は弁護士に委任することができます。被害者のご家族との入念な打ち合わせの上、ご家族の気持ちを代弁していきます。
2、死亡事故案件に強い弁護士の探し方とは?
このように、死亡事故の被害に遭った場合は、すぐに弁護士へ相談することが大切です。
しかし、弁護士は全国に数多く存在しているため、自分に合う弁護士を見つけるのは困難を極めるでしょう。
その弁護士はどんなジャンルを得意とするのか、そういった情報をわかった上で相談することはとても大切だからです。
ぜひこちらのページを参考に、現在の状況やお住まいの地域などと照らし合わせ、最も自分に適した弁護士にまずは相談を依頼してみましょう。
3、死亡事故被害を弁護士に依頼する際の6つの費用
それではここで、死亡事故被害を弁護士に相談した際に発生する費用について、解説していきます。
まず、交通事故被害を弁護士に相談すると、基本的に以下の費用が発生します。
(1)相談料
正式な依頼をする前にかかる費用のことです。相談をした段階で発生します。
(2)着手金
弁護士は基本的に、着手金が支払われた段階で、事件に着手します。
この着手金は、相手(加害者)に対してどれくらいの損害賠償を請求するかにより、変動してきます。
高額な損害賠償請求をするのであれば、その分弁護士へ支払う着手金も高額になります。
(3)成功報酬
加害者から得られた賠償金によって、弁護士へ支払う成功報酬も変わってきます。
多額の損害賠償を得ることに成功したのであれば、その分弁護士への報酬も高額になります。
一般的に、加害者から得た損害賠償は一度弁護士の口座に振り込まれ、そこから成功報酬を差し引いた額が被害者の口座に振り込まれます。
(4)日当
弁護士が実際に現場に出向き、事件に協力してくれたことに対して支払う費用です。
費やした時間や現場までの距離など、弁護士の労力を考慮してその額が変動します。
(5)実費
実費とは、弁護士が使った交通費や、さまざまな書類や郵便物の切手代、またはその用紙代などが含まれます。
(6)消費税
弁護士に実際に支払う費用には、別途消費税がかかります。
基本的に発生する弁護士費用は以上のとおりですが、被害の大きさや担当する弁護士によって、その金額は変わってきます。
交通事故を弁護士に相談した際の費用相場や実際の事例、その他弁護士費用に関する詳しい情報については、こちらの記事も併せてご覧ください。
4、死亡事故の被害に遭った際の注意点|弁護士に相談する前の知識
ここまでお伝えしてきたように、死亡事故の被害に遭った際は弁護士に相談することが大切です。
それと同時に、必ず以下の2つにも注意するようにしましょう。
これらを怠ることで、満足のいく損害賠償が受け取れない可能性もあります。
(1)示談を急がない
死亡事故では刑事事件として起訴されることがあります。
被害者が死亡する、重傷を負うなどのケースや、道路交通法違反などの悪質な運転がなされていたり、反省がない場合などには、刑罰(懲役など)を求める裁判となります。
裁判では、被害者の加害者に対する処罰感情が薄いことをもって、刑が軽くなる傾向にあります。
そのため、加害者としては、裁判までには示談をしておくと有利になることがあるのです。
加害者のペースで示談を急いでしまうと、本来の被害者側の感情を貫くことができないまま、裁判を迎えてしまう可能性もあります。
もし、加害者に対する複雑な感情があるならば、示談について加害者のペースに巻き込まれないことが肝心です。
(2)証拠をたくさん集める
交通事故は、停車中の追突などのケースでない限り、加害者・被害者どちらにも責任が認められることが多いです。
もし、過失がないことを訴えたい場合は、被害者側がそれを立証しなければなりません。
過失があると認められてしまうと賠償額にも影響が出ます。
というのも、被害者に過失が認められると、その分過失相殺により損害賠償額が減額されてしまうからです。
そのため被害者の過失割合をできるだけ低く抑えたいところですが、そのためには、その立証が必要になるというわけです。
そこで、証拠が必要となります。
加害者側が一方的にぶつかってきたことや、被害者側が何ら法律違反なく走行していたことなど、加害者、被害者の事故当時の状況を詳しく証明するものが必要です。
タイヤ痕やブレーキの様子などからの科学的な立証は専門家に任せ、当事者として集められる主な証拠としては、
- 目撃者の証言
- ドライブレコーダー
が挙げられます。
5、死亡事故の被害に遭ったら請求できる損害賠償を弁護士が解説!
最後に、死亡事故の被害に遭った際に加害者に請求できる損害賠償についてご説明します。
損害賠償は、前述の慰謝料を含め、以下の項目を請求することができます。
①被害者本人・遺族への慰謝料
慰謝料とは、『精神的苦痛を賠償するためのもの』です。
額についてはその基準が3つあり、一番高額な基準が設けられている裁判基準で算出されるべきであることは前述の通りです。
被害者は事故により死亡しているため、被害者本人への慰謝料は受け取ることができません。
この場合には、相続人がその慰謝料請求権を相続することになります。
また、遺族においては近親者固有の慰謝料請求をすることもできます。
死亡事故で請求できる慰謝料の詳しい内容については、ぜひこちらの記事をご参照ください。
②逸失利益
逸失利益とは、事故が起きなければ本来得られていたであろう収入のことを指します。
交通事故で死亡した場合、もしくは後遺症が残ってしまった場合には、その後に本来の収入を得ることができなくなり、収入が減少、もしくは一切なくなってしまうことにもなりかねません。
そのため、死亡事故の被害に遭ってしまった場合には、この逸失利益を加害者に対して請求することができます。
逸失利益はどのように計算されるのか、また、実際にどのくらいの逸失利益を請求することができるのかについては、以下の関連記事に詳しく記載してあります。ぜひ併せてご覧ください。
③治療費・入院費
死亡に至るまでの間、病院で治療や入院をしていた場合には、その費用を請求することができます。
その他、入院雑費や付添看護費を請求できる場合もあります。
④葬儀費用
葬儀にかかった費用も、事故によって引き起きたものとして捉えられるため、葬儀費用も請求することが可能です。
原則として上限は150万円であり、それを下回った場合はその額を請求することになります。
死亡事故の被害に遭った際はこれらの損害賠償を請求することができますが、実際にはどれくらいの額になるのかを調べる際は、ぜひこちらのツールをご利用してみてください。
まとめ〜必ず弁護士への相談を〜
今回は、死亡事故が起きた際の弁護士への相談について、解説してきました。
弁護士に相談することで費用はかかりますが、その分早期の解決が望めたり、弁護士が精神的苦痛を和らげたりしてくれる存在になり得ます。
また、加害者に対して正当な額の損害賠償を払ってもらうためにも、法律のプロである弁護士に依頼して手続きを行っていくとよいでしょう。