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生前贈与は遺留分に注意!相続トラブルにならないために知っておきたいポイント4つ

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生前贈与 遺留分

近年では、さまざまな方法で生前贈与を行う人が増えているようです。
その原因としては、相続税の基礎控除が引き下げられたことや、若い世代の所得が減っていることなどが考えられます。

しかし、生前贈与は、慎重に行わなければ、逆に相続トラブルの原因となってしまうことがあります。
生前贈与を行えば、相続の対象となる財産が目減りしてしまうからです。

特に、特定の相続人のみに多額の生前贈与をすれば、他の相続人の遺留分を侵害することになり、後に相続人間のトラブルが生じやすくなります。

そこで、今回は、生前贈与と遺留分との関係について特に知っておかなければならない重要ポイントをまとめてみました。

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1、生前贈与と遺留分~相続法改正による基本ルールの変更に注意!

生前贈与と遺留分~相続法改正による基本ルールの変更に注意!

冒頭でも触れたように、生前贈与は、特定の相続人のみに対する多額の財産贈与となりやすく、他の相続人の相続分を大幅に目減りさせてしまう結果となることが少なくありません。

特に、生前贈与によって、民法が法定相続人に対して認めている遺留分を侵害してしまったときには、残された家族に訴訟などのトラブルが生じる可能性もあるので注意しておく必要があります。

(1)遺留分の基本を確認 

まずは、遺留分の基本的なポイントを簡単に確認しておきましょう。

遺留分とは、民法が認めている相続人ごとの「最低限の相続分」のことをいいます。

遺留分として保障されている相続分は、「法定相続分の1/2」です。

たとえば、相続人が被相続人の配偶者と子2人というケースであれば、法定相続分と遺留分は下記のようになります。

配偶者

法定相続分の1/2

遺留分は相続財産の1/4

子(2人)

法定相続分の1/4ずつ

遺留分は相続財産の1/8ずつ

なお、「第三順位の相続人(被相続人の兄弟姉妹)」は法定相続人ではありますが、遺留分が認められていません。
以下の関連ページでは遺留分について詳しく解説していますので、遺留分についてより詳しく知りたいという方は是非ご覧下さい。

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(2)遺留分が問題となる生前贈与の具体例

財産は、「所有者が自由に処分できる」というのが大原則です。
その意味では、自分が生きている間に自分の財産を誰に分け与えるかは、本来的な自由な行為といえます。

とはいえ、相続人にはそれぞれ将来の相続分という法的な期待権があるので、それを侵害することは好ましくない(相続人間の最低限の平等公平は守られるべき)と考えることもできます。

そこで、実際の生前贈与の際には、残された相続人の間にトラブルを生じさせないために、遺留分について十分配慮することが大切となります。

たとえば、次のような生前贈与は、生前贈与が他の相続人の遺留分を侵害する可能性が高いので特に慎重に行う必要があるといえるでしょう。

  • 相続財産の大部分を占める自宅を特定の(推定)相続人のみに贈与する
  • 特定の(推定)相続人のみに、長期間にわたって暦年贈与を行う
  • 特定の(推定)相続人のみに住宅購入費・教育費などの金銭的支援をする
  • 被相続人が行っている事業を特定の相続人のみに承継させる

2、遺留分を侵害する範囲の計算方法

遺留分を侵害する範囲の計算方法

生前贈与による遺留分の侵害は、以下の3つのケースに該当する(生前)贈与が行われたときに発生します。

  • 相続開始前の1年間に行われたすべての贈与(民法1044条1項前段)。
  • 贈与者(被相続人)と贈与の受贈者とが共に、遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与(民法1044条1項後段)。
  • 相続開始前10年以内に行われた(相続人に対する)特別受益に該当する贈与(民法1044条3項)

(1)相続開始直前の贈与

相続が開始される(被相続人が死亡する)直前に行われた贈与は、「誰に対するものかを問わず」、そのすべてが遺留分侵害の対象となります。

たとえば、自分の死期を察した被相続人が、内縁者などに多額の財産を生前贈与した場合などは、残された法定相続人の遺留分を侵害するケースの典型例といえます。

(2)遺留分を侵害する目的で行われた贈与

特定の相続人の相続分を減らす目的で行われた贈与は、「いつ」、「誰に」対して行われたものかどうかを問わず、遺留分侵害の対象となります。
遺留分侵害を目的に行われた贈与であれば、「いつ」、「誰に」行われたものかという態様(受贈者の自由処分に含まれるか否か)を考慮する必要はないからです。

(3)相続開始前10年以内の相続人に対する特別受益 

特定の相続人に対する金銭の授与・支援といった行為は、「特別受益」に該当する場合があります。

特別受益はその名のとおり、特定の相続人だけを特別扱いする贈与のことを意味するもので、次のような贈与を典型例としてあげることができます。

  • 相続人の住宅購入のための資金援助
  • 扶養義務を超えた生活費の援助
  • その家庭の経済レベルを超える教育費の援助

これらの特別受益をそのまま無条件で認めてしまえば、遺留分という仕組みを残したことと矛盾してしまいます。

したがって、特別受益があった場合には、原則として遺留分侵害の対象として算入することになります。

ただし、過去の特別受益のすべてを遺留分侵害の基礎として算入することも、特別受益を受けた相続人の地位や、自分の財産は自由に処分できるという大前提との関係で適切とはいえません。

そこで、今次の相続法改正によって、遺留分算定における特別受益は、過去10年分についてのみ持ち戻しを行うことが定められました。

(4)遺留分侵害額を具体例で計算してみる

実際の遺留分侵害の計算をイメージしやすくするために、次のモデルケースにおける遺留分侵害額を試算してみたいと思います。

【モデルケース】

・相続人は、配偶者A、長男B、次男C

・相続開始時の相続財産は、預貯金450万円

・被相続人は、生前(相続開始から5年前)に住宅購入資金の支援としてBに1000万円を贈与

上のケースにおける相続人それぞれの相続分は、A:B:C=1/2:1/4:1/4となります。遺留分は、その1/2となるので、A=1/4、BおよびC=各1/8です。 

相続開始時に残されていた財産は、預貯金(450万円)ですが、5年前に行われた1000万円生前贈与(Bへの住宅購入の補助)を相続財産に持ち戻した1450万円が計算の基礎となります。

したがって、それぞれの遺留分は、

A:1450万円×1/4=362万5000円

B:1450万円×1/8=181万2500円

C:1450万円×1/8=181万2500円

となります。

残された相続財産を法定相続分に基づいて相続した場合のそれぞれの相続人の相続分(および生前の特別受益)は下記の通りです。 

A:預貯金(300万円)=300万円

B:特別受益(1000万円)=1000万円

C:預貯金(150万円)=150万円

したがって、このケースにおいては、Aが実際に受け取れた相続分は、遺留分である362万5000円よりも62万5000円少なく、Cが実際に受け取れた相続分も遺留分より31万2500円少ないため、それぞれ遺留分の侵害が生じていることになります。

3、遺留分を侵害された場合の対処方法

遺留分を侵害された場合の対処方法

遺留分の侵害があった場合には、遺留分権者は、遺留分を侵害した者に対して、遺留分についての補償を求めることができます。 

遺留分についての補償は、それぞれの相続人・受遺者との任意の交渉で行うことも可能ですが、話し合いがまとまらないときには、民事訴訟(遺留分侵害額請求訴訟)によって支払いを求めることも可能です。

(1)遺留分侵害は「金銭請求」できるようになった

従来の手続きでは、遺留分の侵害に対して「減殺」という方法でしか対応できませんでした。
つまり、減殺の方法では、贈与を受けたものが、その贈与された部分を遺留分者に割り当てるという方法でしか、遺留分侵害に対する裁判上の補償を受けることができなかったということです。

たとえば、不動産や事業の贈与が原因で遺留分侵害を受けたという場合に不動産の持ち分などによる減殺を受けることは、受贈者だけでなく遺留分権者にとっても好ましくない結論になる場合が少なくありません。

実際に、他人が占有(使用)している不動産の一部や会社(経営権・非上場株式)の一部だけを譲られてもメリットが大きくないでしょう。

この点について、新しい相続法では、遺留分侵害に対する請求は、どのような方法(贈与)による遺留分侵害であっても「金銭の支払い」を求めることができるように改められたので、より現実的な対処がしやすくなったといえます。

(2)遺留分侵害の負担の順序 

裁判で遺留分の侵害に対する補償を求められたときには、受遺者や受贈者は、次の順序の通りに侵害額を負担します。

  1. 遺贈
  2. 死因贈与
  3. 生前贈与

つまり、「法定相続人以外(内縁者など)への遺贈」があるときには、(法定相続人への)多額の生前贈与があった場合でも、まずは遺贈(や死因贈与)を受けた者が、遺留分侵害額を負担しなければならないということです。

したがって、遺贈・死因贈与を受けた者が負担した金額によって遺留分侵害額が満たされたときには、生前贈与を受けた者は遺留分侵害額を負担する必要がありません。

なお、複数の遺贈(死因贈与)があるときには、それぞれの贈与の目的物の価額に応じて負担し、複数の生前贈与があるときには後の贈与(相続開始の時に近い贈与)を受けた者から順に負担していくことになります。

(3)遺留分侵害額請求をすることのできる期限~除斥期間と消滅時効

遺留分の侵害額請求は、いつまでも行えるというわけではありません。
他の請求権の場合と同様に、遺留分の侵害額請求権にも時効や除斥期間が定められているからです。 

したがって、遺留分侵害額請求は以下の時期までに行う必要があります。

  • 贈与(遺贈)が行われたことで遺留分が侵害されたことを知った日から1年(時効)
  • 相続開始から10年(除斥期間)

時効と除斥期間との違いは、消滅時効は一定の行為によって中断させることができますが、除斥期間は、どのような事情があっても中断することはありません。

4、相続の内容に不満・疑問があるときには弁護士に相談しましょう

相続の内容に不満・疑問があるときには弁護士に相談しましょう

相続の問題は、専門知識のない人にとってはわかりづらいケースが多いです。
また、家族間の問題ということで「不満・疑問を感じたとき」でも相談しづらいという事情があると思います。

しかし、遺留分を侵害されたまま放置してしまえば、時効で請求権を失ってしまうリスクだけでなく、受遺者が財産を使い切ってしまうことで、請求しても補償してもらえなくなるリスクも大きくなります。
民法1047条4項は、受遺者の無資力によるリスクは、遺留分権者が負担すると定めているからです。

遺留分をめぐるトラブルが生じるときには、当事者のどちらもお金を必要としている場合がありますから、不満・疑問に感じたときには、できるだけ早く対応した方がよいといえるでしょう。

まとめ 

生前贈与は、特定の相続人に法定相続分よりも多い財産を受け継がせることになる場合が多く、その意味で「遺留分の侵害」に細心の注意を払う必要があるといえます。

また、相続する側にとってもみても、他の相続人に対する生前贈与が行われたときには、自分の遺留分が侵害されていないかどうか強い関心をもって確認した方がよいでしょう。
後になって「こんなはずではなかった」と感じたときには、侵害分を補償してもらえないリスクもあるためです。

相続に関する相談は、無料相談を実施している弁護士事務所も増えていますから、わからないことなどがあるときには、気軽に問い合わせしてみるとよいでしょう。

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