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【弁護士監修】肝炎訴訟の流れと給付金獲得の3つの方法とは?

C型肝炎やB型肝炎に感染してしまい、国に対して肝炎訴訟を提起される方が増えています。

肝炎訴訟という言葉を聞いたことはあるものの、具体的にどのようなものなのかを正確にご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

集団予防接種での注射器の連続使用により、B型肝炎の感染被害に遭われた方は多くいらっしゃいます。最悪の場合、死亡に至るケースがある感染症なので、国が責任を持ち、対象者である方々に対して給付金を支給する制度が成立しています。

もし、あなたが国からの給付金の対象者である場合には、肝炎訴訟について正確に理解していることが重要です。

そこで今回は、

  • 肝炎訴訟とは
  • B型肝炎訴訟で給付金を獲得する方法

などについて掲載していきます。

ご参考になれば幸いです。

また、こちらの関連記事ではB型肝炎訴訟での給付金獲得のための知識についても解説しております。B型肝炎訴訟でお困りの方はこちらの記事も参考にしていただければと思います。

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1、肝炎訴訟とは

予防接種や薬害などによってウイルス性肝炎に感染した場合、被害者の方々が国や製薬会社の責任を追及する訴訟を肝炎訴訟といいます。

(1)B型肝炎訴訟とは?

B型肝炎訴訟とは、B型肝炎ウイルスを原因とする肝炎に関する訴訟です。

集団予防接種を原因とするB型肝炎について、国に対する損害賠償請求が認められた最高裁平成18年6月16日判決が有名です。

(2)C型肝炎訴訟とは?

C型肝炎訴訟とは、C型肝炎ウイルスを原因とする肝炎に関する訴訟であり、薬害肝炎訴訟が有名です。

2、B型肝炎訴訟で給付金を獲得する方法

(1)給付対象者

給付対象者となるのは以下の3つの要件を満たした方です。

  • 幼少期に集団予防接種を受けて(①原因)
  • それにより(②因果関係)
  • B型肝炎の持続感染者となった方(③結果)

以上を証明する書類は、「(3)必要書類」の通りです。

また、幼少期に集団予防接種を受けたことを証明する関係で,昭和16年7月2日以降に生まれた方でなければ,給付対象となりません。

なお、直接の感染原因が母子感染であっても、お母様が集団予防接種によりB型肝炎に感染したことが証明できれば請求が認められる可能性があります。

(2)給付金の金額

給付金の金額は以下の通りです。

  • お亡くなりになった方 3,600万円
  • 肝がんの方・重度の肝硬変の方 3,600万円
  • 肝硬変の方 2,500万円
  • 慢性肝炎の方  1,250万円
  • 20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方(現在も慢性肝炎の状態にある方等) 300万円
  • 20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方(現在は治癒している方) 150万円
  • 発症していない方 50万円

(3)必要書類

さらに実際にB型肝炎訴訟をするにあたり必要な書類は、以下の通りです。

①集団予防接種を受けたことを証明する書類

集団予防接種を受けたことを証明する方法としては,以下の3つのいずれかが必要となります。

  • 母子手帳
  • 接種痕意見書
  • 予防接種台帳

この通り、母子手帳がなければ請求できないわけではありません。

②因果関係を証明する書類

集団予防接種によってB型肝炎ウイルスが体の中に入ったかどうかを、本当の意味で今から確認することはなかなか困難といえます。

そこで、他の感染原因を否定して集団予防接種以外にB型肝炎になる原因がないことを立証することで、集団予防接種が原因であることを推認していくことになります。

  • お母様の血液検査の結果(お母様がお亡くなりで,生前の血液検査も残っていない場合は,年長のごきょうだいの血液検査の結果)

B型肝炎は母子感染による垂直感染も多いため、集団予防接種が原因であることを証明するためには他の感染原因としての母子感染を否定する必要があります。

そのため、原則として、お母様がB型肝炎の持続感染者でないという血液検査の結果が必要となります(ただし、母子感染であっても、お母様が集団予防接種によってB型肝炎になったことが証明できれば請求は認められます。)。

お母様が亡くなられていて、血液検査の結果を取得するのが困難な場合は、年長のごきょうだいに血液検査をしていただいて、B型肝炎の持続感染者でないことが確認できれば、お母様もB型肝炎の持続感染者でなかった可能性が高いということになり、母子感染でないことが証明できます。

  • (お父様がご存命であれば)お父様の血液検査の結果
  • 本人の医療記録

③B型肝炎の持続感染者であることを証明する書類

  • 本人の血液検査の結果
  • 本人の医療記録

※カルテがない場合は請求できない?

昔のカルテが残っていない場合でも請求はできます。

もっとも、数十年前にお亡くなりになった方などそもそもB型肝炎に感染している記録が全くない場合には、訴訟でB型肝炎であったことの証明が難しくなります。

④その他

他に子供の頃の戸籍などが必要となります。

3、B型肝炎訴訟の流れ

B型肝炎訴訟の流れは以下の通りです。

(1)調査

ご自身の血液検査、ご家族の血液検査の結果で集団予防接種によりB型肝炎になったことを訴訟で証明できるか確認します。

この時点で、請求できるかどうかが分かることが多いです。

(2)訴え提起

次に、他の医療記録や戸籍の取得を取得して訴えを提起します。

(3)訴訟→和解

訴訟は基本的には、最判平成18年6月16日、その後の集団訴訟に基づく基本合意書及びB型肝炎特措法に則って手続が進み、早ければ8か月ほどで国から給付金を給付するとの回答が来ることになります(案件により解決までの時間はまちまちです。)。

まとめ

今回は肝炎訴訟(主にB型肝炎訴訟)について書いていきましたがいかがでしたでしょうか?

ご参考になれば幸いです。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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