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退職金がもらえない?退職金を確実にもらうための方法を弁護士が解説

退職金 もらえない

退職金を老後資金や次の仕事が見つかるまでの生活費として利用をしたいと考えている方は多いかと思います。
そのような大事な退職金ですが、残念ながら、企業によっては支払いがないというケースもあります。

この記事では、

  • 退職金がない会社が直ちに違法ではないこと
  • 退職金不支給の際に確認をすべきこと
  • 退職金の請求方法

について、解説をいたします。

この記事が参考になれば幸いです。

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目次

1、退職金がもらえない!この会社、違法では?

退職金がもらえない!この会社、違法では?

退職金はもらえて当然と考えられている方が大半では無いでしょうか。
従来型の大企業などでは、退職金の支給が当然とされておりました。しかし、退職金を支払わない会社であっても違法とはいえない場合があります。

(1)退職金は法律上支払を強制されているものではない

実は、退職金を必ず支払わなければならないという規定は、法律上ありません。
労働基準法89条では、「退職手当の定めをする場合においては」という記載になっており、退職金の定めが就業規則の絶対的記載事項にはなってないことが分かります。
このように、退職金の定めというものは、法律上支払を強制されているものではないということになります。

(2)約8割の会社で退職金が支払われている

しかしながら、日本では、約8割の会社で退職金制度があるとの調査結果が出ています。

企業が退職金を支払う運用にしている理由としては、様々なことが考えられます。
その中でも、退職金は、長期間勤務している方ほど多く支給をされるという定めになっているため、労働者の長期勤務を促進するためのインセンティブになっていたということが挙げられます。

参考:平成30年就労条件総合調査参照

(3)退職金が無い会社の特徴とは

退職金がない会社は、長期雇用を前提にしていないベンチャー企業や経営的な体力の低い中小企業に多いようです。

なお、公務員の場合は、法律や条令の規定があり、例えば国家公務員であれば、国家公務員退職手当法等に規定があります。

2、退職金がもらえないときに確認すべき!退職金の発生条件

退職金がもらえないときに確認すべき!退職金の発生条件

退職金の支払が無い時、まずは自社の退職金規程がどのようになっているのかを確認する必要があります。
退職金が支払われない場合に確認すべき事柄について解説をします。

(1)就業規則等に記載をされている

就業規則の規定は必ず確認をしましょう。
退職金制度を設ける場合は、就業規則に「適用される労働者の範囲」「退職手当の決定、計算及び支払方法」「退職手当の支払時期」を定めることとされています(労基法89条3号の2)。

就業規則を確認して退職金についての定めがあり、その要件に該当しているにもかかわらず、支払がない場合は、後述するように、会社に対して支払を請求できる可能性があります。

(2)慣習として支払われてきた

就業規則を確認しても、退職金に関する規定がない場合、退職金の支払いを求めることが出来ないのが原則です。

しかし、例外として、退職金の支払いが労使慣行、個別合意、従業員代表との合意などにより、支給金額の算定が可能な程度に明確に定まっていれば、労働契約の内容といえ、退職金請求をすることが出来ます。

日本段ボール研究所事件(東京地判昭和51年12月22日判時846号109頁)は、退職金に関する規定は就業規則などに定められていなかったものの、退職金の支払いを認めた事例です。

本事例では、会社がある従業員からの申出に基づいて、

  • 勤務年数が1年未満の者には退職金を支給しない
  • 2年未満の者に対しては、1ヶ月分の給与相当額を支給する
  • 2年以上の者に対しては勤務年数から1を控除した数に退職時の1ヶ月分の給与相当額を乗じた額を支給する

という内容の退職金支払基準を定めました。

そして、他の労働者もこの基準で退職金が支払われることを認識しており、実際にもそのような基準で退職金が支払われていたことから、会社の退職金支払基準は確立した慣行になっていたと認定し、退職金の支払いを認めました。

このように慣習として退職金請求権が生じるためには、就業規則こそないものの、それに近い内容が会社内では当然の前提となっていたといえることが必要です。

そのため、退職した場合に使用者の裁量などで退職金が支払われた従業員がいるという程度では労使慣行とまではいえない可能性があります。
退職金支払いの有無を退職者に確認することが難しければ、在職中に人事や総務に確認をするしかないでしょう。

3、退職金支給規定が定められているのに退職金が支給されないケースとは

退職金支給規定が定められているのに退職金が支給されないケースとは

退職金が就業規則等で定められていたとしても、退職金が支給されないことがあります。

(1)勤務年数が浅い

退職金は勤続年数に比例する計算方式をとっているケースがほとんどです。場合によっては、複数年の勤務が退職金発生の条件となっていることもあります。そのため、勤務年数が浅いと退職金の支給がないこともあります。
この点は、就業規則を確認しましょう。

(2)退職事由に問題がある

退職事由に問題がある場合や懲戒解雇となった場合には、退職金が支給されない、あるいは、減額となってしまうことがあります。
しかし、退職金の不支給は例外的な場合にしか許されません。

例えば、トヨタ工業事件(東京地判平成6年6月28日労判655号17頁)では、「退職金は、功労報奨的性格とともに、賃金の後払的性格をも併せ持つものであることからすると、退職金の全額を失わせるような懲戒解雇事由とは、労働者の過去の労働に対する評価を全て抹消させてしまう程の著しい不信行為があった場合でなければならない」と判示されており、著しい不信行為といえる場合にのみ、退職金を支給しないことができるされています。

実際、多くの事例では、同様の判示をして、退職金の不支給を認めていません。

①ヤマト運輸事件(東京地判平成19年8月27日労経速1985号3頁)

帰宅途中の酒気帯び運転により懲戒解雇され、退職金が不支給となってしまった事案ですが、退職金の3分の1の支払いを認めています。

②NTT東日本(退職金請求)事件(東京高判平成24年9月28日労判1063号20頁)

私生活上の強制わいせつ致傷を犯したことを理由に退職金が不支給となってしまった事案ですが、退職金の3割の支払いを認めています。

③東京貨物社(解雇・退職金)事件(東京地判平成15年5月6日労判857号64頁)

在職中の競業行為があったことを理由に退職金が不支給となってしまった事案ですが、退職金の55%の支払を認めています。

なお、退職金の不支給を認めた事例としては、次のようなものがあり、悪質性が極めて大きなものでした。

①日音(退職金)事件(東京地判平成18年1月25日労判912号63頁)

本件は、従業員が、業務の引継ぎや事前の連絡なく一斉に退社した上、在庫や顧客データを持ち出したり、パソコン内のデータを消去するなどして、使用者に多大な損害を与えた事案です。本件では、退職金の不支給は適法とされました。

②ピアス事件(大阪地判平成12年3月30日労判987号60頁)

本件は、労働者が在職中に競業会社を設立して、取締役に就任し、開業準備を行っているといました。また、勤務先の会社が、高額な対価を支払うことで、米国企業の技術サービスを労働者に習得させて、同社製品販売の独占的権利を取得していたという事情があったのですが、労働者が勤務先の費用で習得した米国企業の技術を競業会社に提供していました。
本件でも、退職金の不支給は適法とされました。

4、業績不振による退職金不支給・減額は認められるのか

業績不振による退職金不支給・減額は認められるのか

会社が業績不振となった場合、そのことを理由に退職金を支給しない、減額するということが考えられます。
使用者としては、業績が悪化していることから仕方がないと考えてのことですが、一度定められた退職金を簡単に変更されては、労働者の生活に大きな影響が生じてしまいます。
このような不支給・減額は認められるのでしょうか。

まず、業績不振を理由とする退職金の不支給・減額方法として、次の3つの方法があります。

①就業規則の変更

②労働者の個別の同意を得る方法

③労働協約を締結する方法

以下、順に注意すべき点をみていきましょう。

(1)就業規則の変更

退職金は、就業規則で定められていることがほとんどです。

そのため、就業規則の変更により、退職金支給規定の廃止や、退職金の減額をされてしまうことが考えられます。

しかし、労働者の同意なく就業規則を変更することは、原則としてできないこととされており(労働契約法9条)、労働者の同意なく就業規則を変更するためには、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、次の事情に照らして就業規則の変更が合理的と認められることが必要です(同法10条)。

  • 労働者の受ける不利益の程度
  • 労働条件の変更の必要性
  • 変更後の就業規則の内容の相当性
  • 労働組合等との交渉の状況
  • その他の就業規則の変更に係る事情

実際に、就業規則変更による退職金減額が問題となった事例としては、次のようなものがあります。

①三協事件(東京地判平成7年3月7日労判679号78頁)

本事例は、業績悪化などを理由に退職金支給率が改訂された事案です。

売上は悪化していたものの、営業利益、経常利益は上昇しており、従業員代表者からの意見聴取も不十分であったとして、支給率の改訂は無効とされました。

②月島サマリア病院事件(東京地判平成13年7月17日労判816号63頁)

業績悪化を理由に退職金が5割ほど減額された事案ですが、倒産の危機に瀕しているとはいえないことや、代償措置も講じられていないことなどを理由に退職金支給規定の変更を無効としました。

③新潟鐵工所管財人事件事件(東京地判平成16年3月9日労判875号33頁)

本件は、会社更生手続が開始し、その後、就業規則変更により、退職金が8割削減された事例です。会社更生時に退職した社員への退職金は、満額支払われましたが、会社更生手続開始決定後も会社の更正のため尽力した社員への退職金は減額されてしまいました。

判決では、変更がなければ、破産になっていたとして、就業規則変更を有効としました。

④名古屋国際芸術文化交流財団事件(名古屋高判平成17年6月23日労判951号74頁)

本件は、使用者が美術館を開館しましたが、4年間で15億円の赤字を発生させるなど、美術館存続の危機になったため、賃金体系変更により、賃金を1割程度、退職金を7割程度減額した事例です。

判決では、人件費が、支出に占める割合が3%程度に過ぎないことなどを理由に、就業規則変更を無効と判断しました。

⑤中谷倉庫事件(大阪地判平成19年4月19日労判948号50頁)

本件は、売上高の3分の2を構成する取引先2社が倒産したことを受けて、連鎖倒産を回避するため、希望退職者の募集など、様々な対策も講じていました。

判決では、会社が、経常利益を生じさせているものの、安定したものではなく、退職金を減額しなければ、倒産の危険であったとして、変更を合理的なものとしました。

⑥日刊工業新聞社事件(東京高判平成20年2月13日労判956号85頁)

本件は、企業再建のためとして、退職金が半額に削減された事案です。
会社側は、企業再建のため、不動産の売却や、支店の閉鎖などをしましたが、倒産の危機から脱することは出来ませんでした。
そこで、会社は、銀行からの緊急融資を得るため、外部企業の提案に基づき、退職金の削減を含む再建計画案を策定し、ようやく緊急融資を得ることができたというものです。
なお、会社が破産した場合、労働者が支払いを受けられる額は25%程度に過ぎませんでした。

判決では、倒産の危機に瀕していたことが重視され、退職金の減額が有効とされました。

以上の裁判例の傾向からすれば、対象金支給規定による不利益が大きいのに代償措置もなく、かつ、単に業績が悪化しているというだけで、倒産の危機に瀕していないような場合については、退職金支給規定の変更については無効と判断される可能性が高いといえます。

また、退職金については、退職一時金だけでなく、退職年金が支給されることがあります。
退職年金には、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金、自社年金がありますが、特に自社年金の切り下げが問題となりやすいです。

自社年金については、就労中であれば、労働協約や適法な就業規則の変更によって減額や廃止が可能です(名古屋高判平成7年7月19日労判700号95頁(名古屋学院事件))。

これに対し、退職後については、労働協約や就業規則変更による切り下げはできません(大阪高判平成18年7月13日労判923号40頁(港湾労働安定協会事件))。
ただし、年金規定上に改廃条項が設けられている場合には、改廃条項を根拠として、合理的範囲での変更が認められます(大阪高判平成18年11月28日労判930号13頁(松下電器産業事件))。

(2)労働者の個別の同意を得る方法

一方的な退職金支給規定の変更が困難な場合、使用者から、退職金支給規定の変更あるいは退職金減額についての同意書に署名をするよう求められることがあります。

当然、同意書に署名しないことが望ましいですが、判例上は、賃金や退職金などの重要な就業条件については、労働者が同意書への署名など、労働条件の不利益変更を受け入れるかのような行動をしたとしても、直ちに同意があったとはされません(最二小判平成28年2月19日民集70巻2号123頁(山梨県民信用組合事件))。

同判例によれば、次の事情等を考慮して、労働者が自由な意思に基づいて同意しているといえる合理的な理由が客観的に存在するかという点から、同意の有無を判断することとなります。

  • 労働者の不利益の内容及び程度
  • 労働者が労働条件の不利益の変更を受け入れる旨の行為を行った経緯及び態様
  • 労働者への情報提供及び説明の内容

同判例の事案では、退職金支給規定変更による不利益の程度について具体的な説明がないことなどを理由に、同意があったとはいえないとされました。

(3)労働協約を締結する方法

労働組合が、労働協約(労働組合と使用者の合意)を締結して、加入する組合員の退職金の計算方法等を変更することがあります。

労働協約で契約条件を定めた場合、労働協約の内容が合理的でなかったとしても、特定の組合員を殊更不利益に取り扱うことを目的として労働協約を締結するなど労働組合の目的を逸脱するような限定的なケースを除いて、労働協約は無効とはなりません(最一小判平成9年3月27日朝日火災海上保険(石堂)事件集民182号673頁)。

もっとも、労働組合の規定などで、労働協約の締結には、組合総会などの決議が必要とされていることも多く、そのような手続きを経ずに締結された労働協約は無効となります(東京高判平成12年7月26日労判789号6頁(中根製作所事件))。

そのため、労働協約が既に締結されてしまっている場合には、組合の規定を確認しましょう。

また、労働協約の効力は、原則として組合員にしか及びませんが、1つの事業所に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が1つの労働協約の適用を受けるに至ったときは、その事業所に使用される他の同種の労働者に関しても、労働協約の効力が拡張されます(労組法17条)。
ただし、別の組合に加入している労働者には効力は拡張されないとする見解が有力です(大阪地判昭和54年5月17日労民集31巻2号524頁(佐野安船渠事件))。

そのため、労働組合が退職金支給規定の変更に合意しようとしている場合には、移籍等を検討する必要があります。

5、会社が倒産した場合

会社が倒産した場合

会社が倒産(破産、特別清算、民事再生、会社更生)をしてしまった場合であっても退職金の請求を諦めないようにしましょう。

(1)独立行政法人労働者健康安全機構による立替払い

会社が倒産をした場合、独立行政法人労働者健康安全機構(「機構」)に対して、退職金の8割まで、立替払いを求めることができます(賃金の支払いの確保等に関する法律7条、同法施行令2条、4条)。

ただし、機構の立替払い金額には、給料の立替払いと合わせて、次の上限があります。

45歳以上:296万円

30歳以上:176万円

30歳未満:88万円

立替払いを申請するためには、倒産手続開始の申立日(又は、事実上の倒産の認定申請日)の日の6ヶ月前の日から2年以内に退職していることが必要です(同法施行令3条)。

また、未払い賃金額について、破産管財人、清算人、再生債務者、更生管財人又は労働基準監督署長の確認を受けることも必要となります。

立替払いを受けられない金額については、倒産した会社に請求することになりますが、次のとおり、各手続きで、一般の債権と比べて、優先して弁済がされることとなっています。

(2)破産をした場合

破産手続終了前に発生した退職金請求権のうち、退職前3ヶ月間の給料に相当する金額(破産手続開始前3ヶ月間の給料の総額より少ない場合には、破産手続開始前3ヶ月間の給料の総額)は、財団債権となり(破産法149条2項)、その余の退職金請求権は優先的破産債権に該当します(同法98条1項、民法306条2号)。
なお、退職年金については、現在の価値に引き直されて計算されます(破産法103条3項)。

財団債権とは、破産手続によらずに随時弁済を受けることができる債権のことで、破産債権よりも優先して弁済を受けることができます。
また、優先的破産債権とは、破産手続きにおいて、破産をした会社の財産(破産財団)から優先的に弁済を受けることができる債権になり、財団債権に次いで、弁済を受けることができます。
そのため、会社に全く債権がなく破産をした場合は、難しいかもしれませんが、そうでない場合は、特に財団債権部分について、退職金の支払をしてもらえる可能性があります。

なお、上記の「機構」によって退職金や給料が立替払いされている場合には、立替払いは、給料分よりも先に退職金から先に支払われ、退職金や給料の中に、財団債権部分と優先的破産債権部分がある場合には、財団債権や優先的破産債権などの各区分の額に案分して支払われます。
他方で、会社から一部退職金が支払われている場合には、先に財団債権部分の退職金が支払われたものとして扱われます。

また、使用者が法人ではない場合、免責手続がとられることがありますが、労働債権は免責されません(破産法253条1項5号)。

(3)破産以外の倒産手続をした場合

破産以外の倒産手続きであっても、以下のように、退職金については、優先的な取り扱いがなされています。

特別清算

・手続外で随時弁済(会社法515条1項)

民事再生

・手続外で随時弁済(民事再生法122条:一般優先債権)

会社更生

・以下のものについては、手続外で随時弁済(共益債権)

 ①退職前6ヶ月間の給与に相当する金額又は退職金の3分の1に相当する金額のいずれか大きい額(会社更生法130条2項)

 ②退職年金については、各期の年金の3分の1に相当する金額が(同3項)

 ③生手続開始後に会社都合(定年退職を除く)で退職した場合の退職金(会社更生法130条4項、同法127条2号)

・その余の退職金は、更生計画上、一般の更生債権より優位に取り扱われ、全額支払われることも多い(同法168条1項2号、3項)

6、退職金未払の場合の請求方法について

退職金未払の場合の請求方法について

退職金が未払の場合、どのように請求をするべきか解説をします。

退職金の請求権は、労基法上5年と定められております(労基法115条、143条3項)。そのため、会社が任意に支払をしない場合、5年以内に時効を中断しなければなりません。

(1)請求の前に証拠収集をしっかりとする

請求前には、就業規則、退職金規定、労働協約、雇用契約書などの退職金についての明文の規定が必要となります。
また、勤続年数を満たしているということを証明する証拠にもなります。
退職金の支払時期についても規定があるか確認をして下さい。

加えて、給与明細、退職届、離職票なども退職金請求の前に揃えておきたい証拠といえます。

(2)会社との任意交渉から始める

退職金について支払が無い場合は、その理由について会社の担当者から説明を受けることになります。
前述したとおり、退職金規定がある場合、退職金は支払われることが原則ですので、不支給の場合はその理由を会社側がきちんと説明をする義務があるといえます。

それでも、支払が無い場合は、内容証明郵便などで退職金を請求する方法が有効です。
内容証明郵便は、退職金の請求をしたことやその内容について、客観的に証拠として残すことができますので、今後、裁判になった時にも有効です。

(3)少額訴訟、支払督促、ADR手続きも利用しよう

内容証明郵便などで支払を請求しても支払が無い場合は、裁判上の手続きやあっせん制度を利用することが考えられます。

少額訴訟とは、60万円以下の金銭支払請求について利用できる制度です(民事訴訟法368条1項)。基本的に1回の裁判で終了するため、早期解決が見込めます(同法370条)。

また、支払督促は、書類審査だけで決定するため、裁判所に赴く手間もかかりません。
しかし、支払督促では会社側から異議が出された場合は、通常の民事訴訟をしなければなりません。

裁判手続き以外にもあっせん手続きなどのADR手続きを利用することが考えられます。
ADR手続きでは、第三者が労働者と会社の双方から話を聞き、問断点を整理して和解が成立するように助言をしてくれます。会社と労働者では話し合いが出来ない場合には利用をすることで解決に進むことが期待できます。

(4)話し合いが難しければ労働審判を申し立てることも

会社との対立が激しい場合などは、労働審判を申し立てることが考えられます。
労働審判では、裁判官1名と労働審判員2名の下に話し合いが行われ、原則として3回の期日内に解決をさせることになります(労働審判法15条2項)。

労働審判では、実際に裁判官がいる中でお互いが話し合いをすることができ、退職金の支払についてもより実効的な内容のものが期待できます。また、訴訟と異なり、早期解決になりますので、純粋に退職金請求のみである場合は、訴訟を提起する前に労働審判を申し立てることがおすすめです。

 (5)最終手段は訴訟提起

労働審判などを行っても話し合いが出来ない場合は、訴訟提起が必要になるでしょう。
また退職金以外にも未払賃料や解雇の有効性を争うなど、争点が多岐にわたる場合は、訴訟により一つずつ解決をすることが必要となります。

訴訟では、終局的な解決をすることが出来るというメリットがある一方で、解決までは最低でも半年はかかり、数年かかることもあります。また、弁護士費用等も訴訟の場合は高額になりますので、弁護士に依頼する際には、費用についてもしっかりと確認をしましょう。

(6)退職金共済制度なら中退共への直接請求が可能

中小企業共済制度とは、事情主が中小企業退職共済事業本部(中退共)と退職金共済契約を締結することで、掛け金の一部を国が助成してくれる制度です。

また、退職金を請求する際は、労働者に中退共から直接支払がされますので、仮に退職金の支払いが未払の場合は、中退共に直接請求をすることになります。

退職金共済制度であっても懲戒解雇をされた場合などは、退職金が減額される可能性があります。
この場合は、厚生労働大臣の認定が必要となります(中小企業退職金共済法10条5項)。
ただし、退職理由が自己都合か会社都合かで退職金金額が変わることはありません。

7、退職金がもらえずトラブルになっているなら弁護士へ相談!

退職金がもらえずトラブルになっているなら弁護士へ相談!

退職金がもらえない場合、証拠の保全などもありますので、専門家への早期相談が大切になります。
初動を間違えると争いが長期化してしまうおそれがあります。ここでは考えられる相談先を紹介します。

(1)労基署では全て解決できない可能性がある

労基署とは、労働基準監督署のことをいい、厚生労働省の機関の一つとして全国に設置をされております。労基署では、労基法等を遵守するように会社に対して指導監督を行っています。

労基署では、労働者からの相談を受け、会社を調査することはあるかもしれませんが、労働者の代理人ではありませんので、適切な退職金の請求まではしてくれません。そのため、労基署に相談をし、法律問題について聞くことはできますが、問題を解決するためには、ご自身で動かざるを得ないということを覚えておきましょう。

(2)社労士は訴訟の代理人になれない

社労士は、労働問題の専門家であり、労働相談をすることができます。
しかし、社労士は、労働審判や訴訟の代理人になることはできません。
そのため、最終的には、弁護士への相談も検討をしておかなければなりません。

(3)おすすめは弁護士への早期相談

おすすめは、弁護士に対して早期相談をしておくことです。
法律問題では初動対応がとても大切になります。弁護士に早期相談をしておくことで、会社側の回答に対してあらゆる対応ができますし、訴訟の準備などもスムーズに進めることが可能となります。

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まとめ

本記事では、退職金が未払いの違法性の有無やその場合どのように請求をするべきかについて解説を行いました。
退職金請求は、生活に直接かかわるものですので、労働問題に詳しい弁護士に相談をし、早期解決に向けて行動を行いましょう。

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