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【弁護士が解説】相続財産管理人とは?概要をまるっと解説!

相続財産管理人

日本人の平均寿命は年々延びており、日本は世界的にも長寿大国として有名です。日頃から健康に気を付けている人も多いと思いますが、新型コロナウィルスが猛威を振るう昨今においては、今まで以上に健康の大切さを実感した人も多いことでしょう。
そんな中、人生の終わりについて考えさせられた人も少なくないはずです。

特に、未婚で子どもがおらず、両親も既に他界しているなど、自分が亡くなった際に法定相続人がいない可能性がある方は、自分が亡くなった際に自己の財産がどのようになるのだろうか?とお考えになることもあるかもしれません。

そこで今回は、

  • 法定相続人がいない場合の相続財産の行方
  • 相続財産管理人が選任されるケース
  • 法定相続人以外の特定の人に相続させるためにできること

などを中心に相続問題に詳しいベリーベスト法律事務所の弁護士が解説していきます。

自分が亡くなった際の自分の財産の行方をお考えの方のお役に立てれば幸いです。

相続の基本については以下の関連記事をご覧ください。

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1、相続財産管理人とは

相続財産管理人とは

相続財産管理人とは読んで字のごとく、相続財産を管理する人のことです。相続財産管理人に資格は求められませんが、弁護士のような専門家が選ばれることも多々あります。

通常は相続人が遺産分割協議を経て遺産を分配しますが、相続人がいない場合もあります。特に少子高齢化社会や高い未婚率が問題となっている日本では、亡くなるときに身寄りがいないケースも増加しており、今後も増える傾向にあると言われています。

このように相続人がいない場合や、不存在が明らかでないとき(相続人全員が相続放棄をして結果として相続する者がいなくなった場合も含まれます)に、選任され、相続財産の管理を行うのが相続財産管理人です。

(1)【民法940条】相続放棄者の財産管理義務との関係

相続遺産に借金しかない場合や、プラスの財産はあるもののマイナスの財産の方が多い場合などには、相続放棄をすることができます。相続放棄をした人はもともと相続人でなかったとみなされます(民法939条)。

ここで注意しなければならないのは、相続を放棄したからといって直ちに相続財産の管理をしなくてよいとはならないことです。相続放棄をしても、それによって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、相続財産の管理をしなければなりません(民法940第1項)。

相続人が被相続人の子1人で、その子が相続放棄をした場合、相続権は次の順位の法定相続人(被相続人の両親、祖父母)へ移ります。
しかし、相続放棄したことを次の順位の法定相続人へ伝えない限り、新たに相続人となった者は自身が相続人になったことを知らず、相続財産の管理もできません。そのため、次の順位の法定相続人が相続放棄の事実を知り管理を始めるまでは、相続放棄をした子が相続財産の管理をしなければなりません。

では、具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか?

代表的には、相続財産に空き家が含まれる場合が考えられます。

相続財産に古い空き家が含まれ、被相続人の配偶者も子ども全員も同時に相続放棄をしたとします。この場合、相続権は被相続人の直系尊属(父母、祖父母)に移りますが、新たに相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまでは、配偶者と子どもらが相続財産である空き家の管理をしなければならず、その間に空き家から生じた損害の責任を負うことになります。具体的には、古い空き家の場合には、倒壊や火事などのおそれがありますが、それが現実化し、隣家に損害が生じた場合には、その責任は配偶者と子どもらが負うことになります。

相続財産を管理する義務や上述のようなリスクから逃れるためには、まずは自分よりも後順位の相続人に連絡すればよいですが、自分よりも後順位の相続人がいない相続人は、相続財産管理人を選任する必要があります。

(2)相続財産管理人を選任する場面

①法定相続人が当初よりいないケース

相続人不存在の場合、最終的に相続財産は国庫に帰属します。
しかし、財産放棄をしたからといって、勝手に国が財産を国庫に帰属させる手続きを行うわけではありません。
つまり、国庫に帰属する手続きが取られるまでの間は、財産が誰からも管理されず放置された状態になり、債権者への支払いなどが行われなくなるのです。
そのような状態を避けるために、債権者等の利害関係人などが相続財産管理人を選任する必要があります。

②法定相続人はいるが、その全員が相続放棄したケース

遺された財産が必ずしもプラス財産であるとは限りません。多額の借金を残して亡くなる場合も珍しくありません。
このように多額のマイナス遺産が残された場合には、被相続人の事業を引き継ぐ必要があるとか、どうしても相続したい財産があるなど特別な事情がない限り、相続放棄を選ぶ方も多くいらっしゃいます。

推定相続人の一部が相続放棄をすると、他の相続人や、新たに相続人となる人の負担が増えてしまうため、相続放棄をする場合には、法定相続人で連絡を取り合うなどして、なるべく法定相続人全員が相続放棄をします。
このように相続人全員が相続放棄をしてしまったら、相続財産を管理する人がいなくなるため、上記の①と同様に相続財産管理人の選任が必要となります。

(3)相続管理人には特別な資格は必要ナシ

相続財産管理人には弁護士や司法書士のような特別な資格は必要ありません。
被相続人との利害関係の有無や関係などを考慮して、適任と認められる人が選任されます。
申立ての際に相続財産管理人候補者を推薦することも可能ですが、最近の傾向では、申立人による財産管理人候補者から相続管理人が選任されることはなく、あらかじめ家庭裁判所が保有する候補者リストの中から、弁護士や司法書士などが選任されることがほとんどです。

2、相続財産管理人を選任した方がいいパターン

相続財産管理人を選任した方がいいパターン

以下では、相続財産管理人の選任申立てをすべき場合を具体的にご説明します。

今後起こりうるトラブルを避けるために選任申立てをすべき状況((1))と自分が利益を得るために選任申立てをすべき場合((2)、(3))があります。

(1)法定相続人全員が相続放棄をした場合(相続放棄をした者が選任申立てをする)

前述したとおり、相続放棄をしても他の相続人や次の順位の相続人が相続財産の管理をすることができるようになるまでは遺産の管理義務が生じます。
法定相続人全員が相続放棄をした場合には、最後に相続放棄をした者が相続財産管理人の選任申立てを行わなければ、国庫に帰属するまでずっと管理義務を負います。
そして、空き家の倒壊や倒木によって隣家などに損害が生じた場合には、その損害を賠償する義務を負うことになります。

このような管理義務やリスクから早期に逃れるためには、相続財産管理人を選任する必要があります。

[nlink url=”https://best-legal.jp/all-inheritance-abandonment-7646/”]

(2)故人に借金がある場合(債権者が選任申立てをする)

亡くなった方に借金がある場合、法定相続人は相続放棄を行うことが多くなります。

その場合、債権者は相続人から取り立てることができなくなります。
支払いをうけるためには、自ら相続財産管理人の選任申立てを行う必要があります。
そのうえで、選任された相続財産管理人によって相続財産の限度で支払いを受けます。

(3)特別縁故者がいる場合(特別縁故者が選任申立てをする)

法定相続人ではないものの、被相続人と生計を同じくしていたり介護をしてきたなど特別の縁故がある者は、特別縁故者として、相続財産の全部又は一部を請求することができます(民法第958条の3)。

具体的には、被相続人と内縁関係にあった場合や、被相続人が養子縁組はしていないものの一緒に暮らしてきた親の再婚相手であった場合などに特別縁故者にあたると判断される可能性があります。

特別縁故者として相続財産を相続するためには、まず相続財産管理人の選任申立てを行い、選任された相続財産管理人が被相続人の債務を弁済するなどして清算を行い、さらに相続人であるとして権利を主張する者がいない場合に、特別縁故者に対する相続財産分与請求を家庭裁判所に対して申し立てます。

家庭裁判所が特別縁故者に該当すると判断した場合には、相続財産管理人による清算後に残った相続財産の全部又は一部が特別縁故者に与えられます。

3、相続財産管理人を選任するまでの流れ

相続財産管理人を選任するまでの流れ

財産放棄をしても相続財産管理人は自動的に選任されません。申込人が家庭裁判所に相続財産管理人の選任申し立てを行うことにより、初めて相続財産管理人が選任されるのです。

ここでは相続財産管理人を選任するまでの流れを解説していきます。

(1)相続の開始

被相続人の死亡により相続が開始します。

まず遺言書の有無を確認し、同時に相続人や相続財産の調査を行います。

法定相続人がいる場合には、当該法定相続人が相続をするのか、相続放棄をするのか検討します。
相続する場合で、遺言書がない場合には法定相続人全員で遺産分割協議を行います。
相続放棄をする場合には、自らのために相続が開始したことを知った時から3か月以内に相続放棄の手続きを取らなければなりません。

(2)利害関係人もしくは検察官が家庭裁判所に申立てを行う

法定相続人がいない場合や、法定相続人全員が相続放棄をした場合には、必要に応じて、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に相続財産管理人選任申立てを行います。

相続財産管理人選任申立てを行うことができるのは、利害関係人と検察官です。
被相続人の債権者や特別縁故者、特定遺贈の受遺者などが「利害関係人」に該当します。

①申立てに必要な費用

相続財産管理人の選任申し立てには、申立手数料800円、郵便切手(申立先の家庭裁判所により異なります)、官報広告費用4230円がかかります。
また、相続財産の内容から、相続財産管理人が相続財産を管理するために必要な費用(相続財産管理人に対する報酬を含む。)に不足が出る可能性がある場合には、相当額を予納金として納付しなければならないことがあります。

②申立てに必要な書類

  • 相続財産管理人選任申立書(裁判所のホームページからダウンロード可能です)
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本のほか、相続人不存在が分かる戸籍謄本すべて
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 財産を証する資料(不動産登記事項証明書、預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し、残高証明書等)等)
  • 利害関係を証する資料(利害関係人からの申立ての場合)
  • 財産管理人の候補者がある場合にはその住民票又は戸籍附票

(3)家庭裁判所による審理・審判が行われる

家庭裁判所に申立てがなされると、相続財産管理人の必要性について審理が始まります。
裁判所が相続財産管理人を選任する必要がないと判断すれば、申立てを却下することもあります。

相続財産管理人の選任が必要だと判断すれば、財産の内容や利害関係人との関係性を考慮したうえで、相続財産管理人を選任します。
家庭裁判所は、相続財産管理人選任の審判をしたときは、相続財産管理人が選任されたことを知らせるための公告をします。
官報はインターネットから閲覧することができます。

(4)報酬・予納金は家庭裁判所によって算出される

相続財産管理人の報酬額は、家庭裁判所が決定します。

①相続財産管理人の報酬は遺産から支払われる

相続財産管理人の報酬は相続財産から支払われることになります。
しかし相続財産が不動産など、申立時点では価値が不明な場合には報酬が確保できなくなることを避けるため、家庭裁判所が申立人に対して予納金の納入を指示することもあります。

②相続財産が少なければ予納金を納める

相続財産が少なく、報酬が相続財産を上回ることが予想される場合には、家庭裁判所は申立人に対して予納金の納入を指示します。
予納金の額は、20万円~100万円が相場ですが、事案に応じて変動します。

③予納金が余れば返還される

予納金を納めた場合に、結果として相続財産が多く、相続財産の中で相続財産管理人の報酬やその他の費用を支払えた場合には、予納金は返還されます。
相続遺産が多ければ、申立人は申立ての必要書類を準備する費用の他は、自分の持ち出しをすることなく手続きを終えることができる可能性があります。

4、相続財産管理人の権限とは

相続財産管理人の権限とは

相続財産を保存したり管理する行為については、相続管理人の権限で行うことができます。
しかし、不動産や株式を売却したり期限未到来の債務を弁済したりするなど財産を処分する行為については、家庭裁判所の許可が必要となります。

5、相続財産管理人の仕事の流れ

相続財産管理人の仕事の流れ

財産管理人は、不動産や株式を売却するなどして、債権者や受遺者への支払いを行います。
そのうえで相続人がいないことが確定した場合には、特別縁故者に対する相続財産分与の審判にしたがって特別縁故者に相続財産を分与するための手続をします。
これらの手続きが終了した後に、相続財産が残った場合には、相続財産を国庫に引き継いで手続が終了します。

6、相続財産管理人を不要とするためのテクニック

相続財産管理人を不要とするためのテクニック

相続財産管理人を選任するには費用が発生するだけでなく、申立てに必要な書類も多いなど手続きは煩雑で面倒です。

自分が亡くなった後の自己の財産の行方には興味がないということであれば特に対策は必要ありませんが、国庫に帰属させるくらいなら身近な人に相続させたいと考えられる方もいらっしゃるでしょう。
対策を間違えると、財産を残してあげたいと思っている方が実際に相続するためには相続財産管理人を選任しなければならないなど思いもよらない不利益を被らせてしまう可能性があります。
生前に適切な対策を行っておくことが重要です。

(1)遺言で特定の人に包括遺贈をする

法定相続人はいないけれど、内縁の妻や一緒に暮らしてきた再婚相手の子どもに財産を遺してあげたいという場合には、遺贈する旨の遺言書を作成しておく必要があります。

特定の財産を遺贈する内容(特定遺贈)にすると、受遺者が相続するためには相続財産管理人を選任しなければならなくなってしまいますので、相続財産管理人選任の手続きを省くためにはすべての相続財産を遺贈する内容(包括遺贈)にしたうえで遺言執行者を選任する必要があります。

遺言書の書き方を間違ってしまうと無効になってしまいますし、結局相続財産管理人の選任をしなければならない事態になってしまうリスクもありますので、相続に強い弁護士と一緒に遺言書を作成することをおすすめします。

[nlink url=”https://best-legal.jp/bequest-6848/”]

(2)養子縁組を視野に入れる

普通養子縁組でも特別養子縁組でも養子縁組をした場合には、養親が亡くなった際には、養子は被相続人の子として相続権が認められています。
これまで養子縁組をしていなかった再婚相手の子どもに財産を遺したいとお考えの場合には、養子縁組を行うという方法があります。
この方法を採った場合には、相続税の基礎控除も適用されます。
内縁関係にある方については、様々なご事情があって法律婚としていない方も多いと思いますが、相続という点に限れば、婚姻届を提出して法律婚の夫婦としておくことがベストです。

[nlink url=”https://best-legal.jp/adopted-child-inheritance-9012/”]

まとめ

ご自身が亡くなられる際に法定相続人に該当する人がいない場合には、自分が築き上げた財産がどのようになるのだろうかと不安に感じられている方もいらっしゃることと思います。

法定相続人となる人はいないけれど、財産を遺したい人はいるという方は、生前にそのための対策を取っておく必要があります。その対策が誤っていたり、抜けがあったりすると、親切心があだになってしまう可能性もありますので、対策を検討され、遺言書を作成する際などには、事前に弁護士にご相談されることをおすすめします。

ご自身の意思を叶えるために、ぜひ一度ご相談ください。

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