離婚を望む瞬間はどんなときなのでしょうか?パートナーが離婚を考えているのではないかと不安に感じる瞬間や、自分の離婚願望が一般的なものなのかについての疑念が湧いたりすることがあります。
そのようなとき、他の人々がどのような状況で離婚を考えるのか知りたくなることでしょう。
この記事では、多くの離婚ケースに関与してきた弁護士監修により、「離婚したいと思う瞬間」に焦点を当てて説明します。
1、離婚したいと思う時~妻目線
まず、離婚したい妻目線での「離婚したいと思う時」から、詳しくチェックしていきましょう。
(1)浮気・不倫されていたことが分かった時
これには1番「分かる!」と共感できる女性も多いのではないでしょうか。
一気に相手のことが信用できなくなった、家族を裏切っていたことが許せない… などなど、浮気・不倫が発覚したときにはやっぱり大きなショックを受けてしまう人がほとんどのようです。
はっきり浮気の証拠をつかんだわけではなくても、夫がスマホにロックをかけるようになったり、不自然な休日出勤や残業が増えたことから「アヤシイ…」と疑惑の目を向け始め、そうなると夫の行動の一部始終が気になり出して精神的に疲れてしまった、というパターンもあります。
平和で穏やかなはずの結婚生活が急に不安や疑いだらけになれば、強いストレスを感じてしまうのも当然です。
(2)夫が家事に無関心な時
夫婦共働きなのに夫がちっとも家事を分担してくれなかったり、専業主婦でも子供が小さくて世話に追われているようなときには、夫が家のことに無関心だとついイライラが募ってしまいます。
それでもまだ夫が激務に追われている!というのであれば「私がしっかり支えなきゃ」とも思えるかもしれませんが、明らかに自分よりも仕事量が少ないのに家に帰ってきても何もしない…というのではさすがに失望が隠せなくても無理はありません。
(3)夫の給料が減った時
直接夫が悪いわけではなくても、夫の給料が減らされてしまったことで生活に対する不安を感じ、このままではやっていけなくなるのではないか…と離婚が頭をよぎる女性もいます。
お金がすべてではありませんが、お金がないと結婚生活を維持することができないのもまた事実。
豊かな生活を理想としている女性にとっては、夫が勝手に転職したことでガクンと収入が減ってしまったようなケースでも相手に対して憤りや失望を感じるでしょう。
(4)夫が酔いつぶれて帰ってきた時
普段から口を酸っぱくして「飲みすぎないでよ」と言い聞かせているのに、飲み会があればいつも酔いつぶれて帰ってくる夫…だらしないその姿を見て「あぁーもう離婚したい!」と思ってしまうその気持ち、お察しします。
女性1人で大の男を介抱するのも大変ですし、場合によってはお店で寝落ちしたまま帰ってこない…なんていうこともあるでしょう。
連絡なしで家を空けられると単純に心配になりますし、そういった外泊が度重なることで夫に嫌気がさしてしまう女性も多いようです。
(5)生活がすれ違っている時
夫が夜勤、自分が昼勤の仕事で生活リズムが完全にすれ違っているなど、一緒に暮らしていてもほとんど顔を合わせる機会がないような場合には、「夫婦でいる意味があるのかな…」と悩んでしまうのも無理はありません。
頼りたいときにすぐに頼れない、休みが合わず一緒に出かけることができないといった不満がどんどん溜まり、夫婦として一緒にいる時間を持てないことでお互いの気持ちにも溝が生まれやすくなります。
(6)暴力を振るわれた時
たとえケンカ中にカッとしたタイミングでのことだったとしても、夫から暴力を振るわれて平気な女性はいません。
カッとしたときに暴力という手段を選ぶような男性であることに対するショックも大きいですし、そのあとすぐに謝ってもらえたとしても、動揺は隠せません。
2、離婚したいと思う時~夫目線
続いて、離婚したい夫目線での「離婚したいと思う時」についてもピックアップして見ていきましょう。
(1)家事をしてもらえない時
仕事から疲れて帰ってきたのに食事が用意されていなかったり、専業主婦で1日家にいるはずなのに掃除や洗濯ができていなかったり…そういった「当然済ませておくべき家事」が終わっていない(もしくは放棄されている)のを目の当たりにしたとき、男性は妻に対して失望を感じてしまいます。
普段ハードワークをこなす男性にとって、家庭はかけがえのない安らぎの場所。
その自宅にまでやり残された家事が山積み…というのは、さすがに精神的にキツイものがあります。
(2)すぐにイライラされる時
妻が短気だったり、ちょっとしたことですぐに不機嫌になってしまうことに頭を悩ませている男性も多いです。
特に女性の場合、生理前にはホルモンバランスの関係でどうしてもイライラが募りやすく、それは仕方のないことだと理解していてもやっぱり毎月のこととなると耐えがたいもの。
罪のない子供にまで当たり散らしている姿を見て、本気で離婚を考えたという男性も実際にいます。
(3)自分の両親と仲が悪い時
妻と自分の両親との折り合いが悪かったり、妻が自分の母親を泣かせてしまうような言動を取っているのを見て、「こんなに冷たい女性だとは思わなかった!」とショックを受けてしまう男性もいます。
中でも両親と同居している場合は、毎日のように妻からも両親からも愚痴を聞かされ、その板挟み状態に大きなストレスを感じてしまうことが多いでしょう。
(4)趣味を理解してもらえない時
趣味で作った作品を部屋に飾ろうとしたら怒られた、友達と出かけようとするといつも渋い顔をされる…などなど、趣味への理解が得られないことで悲しさや息苦しさを感じ、離婚を考えるようになる男性もいます。
趣味にお金をかけすぎていることを指摘されて憤慨してしまうパターンや、休日に家族サービスを強要されて「休日くらいは好きなことをさせてほしい…」とうんざりしてしまうパターンも多いでしょう。
3、離婚したいと思う時の対処法~妻目線
では次に、離婚したいと思う時の対処法をみていきましょう。まずは妻編です。
(1)浮気・不倫されていたことが分かった時
夫に浮気・不倫されていることが分かってどれだけショックでも、衝動的に離婚してしまうと後悔することになりかねません。
まずは夫と冷静に話し合いましょう。夫の浮気・不倫の理由などについて、夫の考え、気持ちを確認します。
次に、夫の浮気をどうすれば許せるのか、自分の中でじっくり考えてみる必要があります。
たとえ「絶対に許せない」という結論に至ったとしても、離婚を決めるのはまだ早いです。
みなさんに子供がいて夫によくなついている場合や、夫の稼ぎが良くて余裕のある生活ができている場合など、夫を許せなくても一緒にいることのメリットのほうが大きいケースもあります。
1度冷静にこのまま結婚生活を続けることと離婚することのメリット・デメリットをそれぞれ書き出してみて、最後はトータル的な損得勘定で身の振り方を決めるのもひとつの方法です。
(2)夫が家事に無関心な時
まずは夫に家の中での役目を与えましょう。
「必要な家事が何かくらい自分で判断してほしい」と思う方もいるかもしれませんが、男性の中には「家事をしたい」「家事をすることに抵抗はない」という思いがあっても「具体的にどうすれば良いのか」が分からなくてなんとなく手を出せずにいる…という人も案外多いものです。
ここはひとつ「自分より能力もスキルもない新人」を教育するつもりで、「洗濯機が止まるまでに洗濯物を畳んでおいてもらえない?」「畳み方はまず1枚やってみるから、見て覚えてね」というように、手取り足取り教えてあげてください。
そしてどのようなやり方をされても、継続して夫の担当家事にさせたい場合には特に、初めはとにかく「ありがとう」「私よりできるんだね」などの肯定的な言葉がけが必須です。新人と同じように。
(3)夫の給料が減った時
転職で収入がアップする見込みがある場合、夫に転職をすすめるのもひとつの方法ですが、一般的なサラリーマンではそれも難しいケースが多いです。
となれば、残る選択肢はあなた自身の収入をアップさせること。
もし専業主婦で収入がゼロなら、短時間働きに出るだけでも確実に家計の足しになります。
現在もパートやアルバイトで収入を得ている場合は、この機会にフルタイム勤務へのステップアップを検討してみるのも良いでしょう。
(4)夫が酔いつぶれて帰ってきた時
お酒の飲みすぎは、身体にとっても良くありません。
「あなたの健康が心配なの」という切り口で真剣にお酒を控えてほしい旨を伝えたり、それでも態度を改めなければ1度ガツンと怒ってみるのも効果的です。
毎回のように酔いつぶれて帰ってくるのは、結局のところあなたの優しさに甘えているから。
「正直迷惑!子供にも悪影響!」「もう次にやったら離婚も考えるよ!」とハッキリ釘をさし、こちらの本気を見せましょう。
(5)生活がすれ違っている時
どちらかが仕事を辞めたり転職したりすることですれ違い生活自体を改善することができれば言うことなしですが、そうもいかない場合は気持ちの上だけでもつながっていられるよう、こまめに連絡を取り合いましょう。
メールやLINEなどでメッセージをやり取りするのはもちろん、毎日自分が家を出る前にちょっとした置き手紙を残しておくというのも温もりが感じられておすすめです。
(6)暴力を振るわれた時
本当に1度きりの暴力だった場合は、夫も人間なので過ちを犯してしまうことはある…と割り切るのもひとつの考え方です。
でも、2度3度と続くようであればそれは正真正銘のDV。
どんな言い訳があったとしても許されることではありません。
今すぐ自分の身を守ることだけを考え、実家や信頼できる友人の家に避難しましょう。
4、離婚したいと思う時の対処法~夫目線
次は、離婚したいと思う時の対処法の夫目線です。
(1)家事をしてもらえない時
共働きの場合、まずは家事の分担を見直してみましょう。
知らず知らずのうちに、妻の負担ばかりが大きくなってしまっていませんか?
家事は決して女性だけの仕事なわけではなく、2人で協力してこなしていかなければならないものです。
妻が専業主婦のケースでも、子供がいる場合は子育てだけで十分な重労働。
「そんなはずはない」という攻撃的な考えは害あって一利なし。
乳幼児の慣れない世話、幼児については送り迎え、食料や日用品の買い出し等、子育ては時間と体力をとても使います。
「でも職場のように気を遣うことはないだろう」という考えも一利もありません。
現代では特にママ友たちとのやりとり等、職場に匹敵する気遣いが渦巻いています。
主婦業は生活に密着しているだけに、「仕事」と違って物理的な切り替えもありません。
このような育児に加え、家事まで完璧にこなすというのはほぼ不可能な話です。
「俺は外で稼いできているんだから家事はすべて妻に任せるのが当然だろう」という考えは一旦捨てて、自分が気になる家事のやり残しは自分でサッサと済ませてしまいましょう。
(2)すぐにイライラされる時
妻のイライラが生理前後に集中しているなら、それは月経前症候群(PMS)かもしれません。
きちんと病院を受診し、しかるべき治療をスタートさせましょう。
自分の意志とは関係なく襲ってくるモヤモヤとした気持ちに、妻自身も戸惑ったり苦しんだりしている可能性が高いです。
月経前症候群ではなくても、なぜイライラしてしまうのか、どんなときにイライラしやすいのかなど、妻から1度ゆっくり話を聞いてみると良いでしょう。
(3)自分の両親と仲が悪い時
「家族なのになぜ仲良くできないのか?」と不思議でしょうがないかもしれませんが、みなさんの両親と妻自身はそもそも赤の他人です。よほどの古嫁とならない限り、嫁姑間に「阿吽の呼吸」はあり得ないでしょう。
そして一方、他人ではあるものの親族となったのです。
お互いに無関係の他人に対するような遠慮や気遣いをいつまでもしているわけにはいかないのでしょう。
そのような複雑な関係性においては「仲良くできないことも十分あり得る」間柄であることをまず忘れないようにしましょう。
その上で、両親と妻の間を仲良く取り持つためには、あなた自身が積極的に間に入ってコミュニケーションをサポートする必要があります。
たとえば両親に対して「妻が母さんの料理すごくおいしいって感動してたよ」と伝えたり、妻に対しては「両親から○○さんはお前にはもったいないくらい素敵な女性だって言われちゃったよ」と、さりげなく妻を持ち上げるような話をしておいたり、お互いの印象を良くする工夫を積み重ねるのが効果的です。
(4)趣味を理解してもらえない時
妻がみなさんの趣味に渋い顔をするのは、妻にも本当はやりたい趣味があって、「でも○○のために我慢しているのに…」という思いがあるからかもしれません。
○○には子供や家事、節約などの言葉が当てはまり、「あなたばっかり楽しんでいる!」「私ばっかり我慢している!」という不満からあなたの趣味に対してもつい厳しい視線を向けてしまうのです。
この場合、たまには「子供は俺が見ておくから好きなことしておいでよ」と提案したり、妻が自由に使えるお金を増やしたりして、妻の不満を解消するのが最も手っ取り早い解決策です。
逆に夫と共に楽しむことを望んでいる妻に対しては、子供を預けて妻の興味のある場所へ一緒に出かけることを提案してみてはどうでしょうか。
子供を想って断られたとしても、その気持ちだけでも伝わるはずです。
妻自身の気持ちが満たされれば、みなさんの趣味にも理解を示してくれるようになったり、これまでよりも寛大な姿勢を見せてくれたりするようになるでしょう。
5、離婚したいと思う時に離婚を切り出す方法
ここまでご紹介してきた対処法でも離婚したい理由を取り除くことができず、最終的に離婚を選ぶことになった場合は、その切り出し方がとても重要です。
具体的には以下のポイントに気を付けて、なるべく冷静に話すようにしましょう。
- 2人きりで落ち着いて話せるタイミングを選ぶ
- 感情的にならない
- 離婚したい理由も含めて話す
- 本当の理由が相手の感情を逆撫でしそうな場合、他の理由をメインにもってくるのもアリ
- 話し合いがこじれたときのために、あらかじめ家を出る準備をしておく
また、当事者同士の話し合いで決着がつかない場合は、離婚調停→離婚裁判というステップを経ることになります。
離婚するにあたって明らかに相手に落ち度がある場合には、離婚を切り出す前にその証拠を揃えておくことも大切です。
証拠が認められれば自分にとって有利な条件で離婚を成立させることもできますので、覚えておいてください。
まとめ
離婚したいと思う時には、妻側から見るか・夫側から見るかによって少しずつ違いがあります。
ケンカをした時など、衝動的に「離婚したい!」と感じるケースもありますが、今回見てきたように日頃の生活の中でじわじわと離婚したい思いが募っていくようなケースもあります。
今回ご紹介した対処法を参考に、ぜひみなさんも問題解決への一歩を踏み出してみてください。