不倫相手との再婚は上手くいくのでしょうか。
結婚している身であっても、不倫相手との再婚を考えているという方もいらっしゃるかもしれません。
今愛している不倫相手と再婚できれば、全てが丸くおさまり幸せになれると思っている人が多いですが、簡単には片付けられないのが現実です。
今回は、不倫相手との再婚で後悔しないように、不倫相手と再婚でトラブルを回避するための対処法などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
目次
1、不倫相手との再婚を考える瞬間
まずは、どんな瞬間に不倫相手との再婚を考えるかについて、確認していきましょう。
(1)不倫相手との間に子供ができたとき
不倫相手との間に子供ができると、既婚男性にとっても1つの区切りとなります。
不倫相手に子供ができたことによって、不倫相手との再婚を真剣に考え出す男性は、珍しくありません。
不倫相手を本気で愛していればいるほど、既婚男性は「子供を生んでほしい」、「不倫相手との子供を一緒に育てたい」と感じる傾向にあります。
(2)夫婦関係が悪化したとき
夫婦関係が悪化してくると、これ以上結婚生活を継続する必要性があるのかについて、男性は疑問を持ち始めます。
悪化した夫婦関係を継続するよりも、妻とは離婚して不倫相手の女性と再婚したほうが、幸せになれるのではないかと考える男性もいます。
(3)不倫相手を他の人に取られたくないと思ったとき
不倫相手を愛するほど、不倫相手を他の男性にとられたくないという独占欲が男性の中に芽生えてきます。
不倫の関係では、不倫相手の女性を他の男性に奪われてしまうかもしれないですよね。
そのため、独占欲が強い男性は、思い切って不倫相手と再婚して不倫相手を自分のものにしたいと考える場合があります。
(4)結婚生活を新しくやり直したくなったとき
夫婦関係が悪化し、これ以上の修復が難しい場合、別の女性と結婚生活をやり直したいと考える男性もいるでしょう。
今の妻と結婚生活を修復していくことが難しい場合は、不倫相手など新しい女性と再婚して、結婚生活を新しくやり直すことを考えるのではないでしょうか。
2、不倫相手と再婚してもうまくいかないことが多い理由
ここからは、不倫相手と再婚してもうまくいかないことが多い理由について見ていきます。
いくら不倫相手のことを愛していても、不倫相手と再婚すれば全てが解決するというわけではないので、以下のポイントを確認してみてください。
(1)略奪婚は長く続かない傾向にある
妻との結婚生活がうまくいっていないとき、不倫相手と再婚すれば幸せな結婚生活が手に入ると勘違いしている男性がいます。
しかしながら、既婚男性の立場でありながら妻以外の女性と不倫し、その不倫相手と再婚するということは、不倫相手にとっては略奪婚となります。
略奪婚は、長く続かない傾向にあります。誰かのことを裏切ったり、傷つけたりすることで得た不倫相手との再婚は、必ずしも幸せになれるわけではないということを、冷静に意識しておきましょう。
(2)お互いに不倫に関して経験済みである
不倫相手と再婚するということは、お互い不倫を経験済みの上で結婚生活を送ることになります。
再婚したてのときは、愛情も大きくようやく再婚できた幸せに包まれるかもしれません。しかしながら、お互いに不倫を経験済みであると、何かの拍子で信頼関係を失いやすいと考えられます。
(3)不倫体質である可能性
不倫相手の女性と再婚までする男性は、不倫にあまり抵抗がない可能性もあります。女性側も、妻がいる男性を妻から奪って結婚するくらいですから、不倫に対して抵抗が少ない場合もあるでしょう。
不倫が倫理的に良くないことだということは、世間一般の認識です。不倫をして結婚までするということは、両者とも、もしくは不倫をしたどちらか一方が不倫体質である可能性もあります。
(4)再度の不倫を繰り返すリスク
不倫に抵抗がなかったり不倫の刺激を好んだりする人は、一度の不倫では満足できず、再度刺激を求めて不倫を繰り返す可能性があります。
一度不倫を経験して結婚までできたという経験から、不倫をすることによる刺激を再度求めても不思議ではありません。
(5)結婚相手を変えれば幸せになれると勘違いしている可能性
不倫相手と再婚する人は、結婚生活を守ろうとせず、結婚相手を変えれば幸せになれると勘違いしている可能性があります。
しかしながら、不倫体質であったり恋愛にだらしなかったりすると、結局は結婚相手を変えても再び不倫したり、結婚生活がうまくいかなかったりします。自分に問題がある場合は、結婚相手を変えても結婚生活はうまくいかない可能性が高いでしょう。
3、不倫相手と再婚して幸せになれる人の特徴
ここまでのポイントをふまえても、不倫相手と再婚したいと考える男性もいるでしょう。
どうしても不倫相手と再婚したい場合、不倫相手と再婚して幸せになれる人の特徴について、以下で確認してみてください。
(1)結婚相手との夫婦関係がすでに破綻していた
まずは、結婚相手である妻との夫婦関係がすでに破綻していた場合です。
一度結婚した夫婦は、離婚の手続をとらない限り形式的には夫婦ですが、実質的には、夫婦関係が破綻しているケースは珍しくありません。不倫を始めたかどうかとは関係なく、元々夫婦関係が冷めきっていたのなら、離婚するかどうかも、時間の問題であるケースが多いでしょう。
この場合は、お互いに結婚生活の継続に強い意志があるわけではないので、不倫して再婚したとしてもうまくいく可能性があります。
(2)結婚相手との離婚に真剣に対応した
不倫相手と再婚するには、結婚している妻と離婚しなければなりません。
配偶者に不満があったり、結婚生活がうまくいっていなかったりしても、離婚するときは配偶者に真剣に向き合う必要があります。
離婚した後の妻の生活や妻の精神状態などに真剣に向き合い対応すると、その後不倫相手と再婚しても、妻や周囲からの風当たりが弱くなります。
(3)離婚してから再婚するまで期間を開けた
不倫相手との再婚だけを考えて、離婚後すぐに再婚すると、世間の風当たりも強くなります。
一方、離婚してから再婚するまでにある程度の期間を設けると、不倫相手との再婚だけを目指して離婚したようには見られにくく、風当たりも弱まります。
(4)子供がいる場合、子供の幸せをしっかり考えた
不倫相手との再婚を考えるとき、妻のことよりも子供のことが気になる人は少なくありません。妻は大人ですから、離婚後も生きていけるとしても、子供が健康で幸せに生きていくことができるかは既婚男性としても気になるところでしょう。
妻と離婚して不倫相手と再婚するにしても、子供がいる場合は子供の幸せをしっかり考えましょう。養育費や子供との面会など、子供が困らないように誠実に対応することが必要です。
(5)相手にばかり求めすぎない
結婚生活は夫婦のどちら一方の努力で成り立つものではなく、2人で協力して作り上げていくものです。相手にばかり求めすぎると、どれだけ相手を変えても結婚生活はうまくいきません。
不倫相手との再婚を長続きさせるには、相手にばかり求めすぎず、お互いに結婚生活継続に向けて努力していくことが大切です。
4、不倫相手と再婚するリスク
ここからは、不倫相手と再婚するリスクについて見ていきましょう。
(1)通常の離婚より慰謝料の金額が増額する
不倫相手と再婚することを望んでいる場合、通常の離婚に比べて慰謝料の金額が増額する傾向にあります。
結婚生活を続けながら妻以外の女性と不倫していたことは、妻に精神的苦痛を与えているケースがほとんどでしょう。
不倫相手と再婚する場合、通常の離婚よりも多くの慰謝料を支払わなければならないことを、覚悟しておいてください。
(2)不倫相手が同じ職場の場合、退職を迫られるリスクがある
不倫相手の女性と職場が同じ場合、不倫の事実や離婚理由が職場に知れ渡ってしまったら、最悪の場合退職を迫られるリスクもあります。
退職を迫られなかったとしても、左遷されたり周りから冷たい視線を浴びたりすることは覚悟しておく必要があります。
(3)経済的に困窮する可能性がある
妻と離婚するにあたり、慰謝料や養育費の支払いが必要になるケースが多いので、それだけでも多額の支払が発生します。
また、不倫が発覚したり職場にいづらくなったりする場合、職を失うケースも考えられます。
職を失って無職になれば収入がなくなるわけですから、不倫相手と再婚することによって、経済的に困窮する可能性もあるでしょう。
(4)周囲から冷たい目で見られやすい
どれだけ夫婦関係が冷めきっていたとしても、不倫をすれば周囲から冷たい目で見られやすいでしょう。
不倫をしただけでなく、妻と離婚して不倫相手と再婚するとなれば、味方になってくれる人は、ほとんどいないと考えた方が良いかもしれません。
(5)元配偶者から憎まれる辛さがある
夫婦関係が冷めきっていたり、実質的に破綻していたりする場合は別ですが、不倫相手と再婚すると妻から憎まれる可能性が高いでしょう。
たとえ愛している不倫相手の女性と再婚できたとしても、妻から憎まれ続けることは、それなりの辛さを伴うものです。
(6)再度不倫を繰り返すのではないかという不安を抱えやすい
不倫相手と再婚したということは、お互いに不倫を体験済みであるということになります。
不倫を体験したことがお互いわかっているので、たとえ再婚できても、再度不倫を繰り返すのではないかという不安を抱えやすいでしょう。
5、離婚をする前に考えるべきこと
どれだけ不倫相手の女性を愛していたとしても、妻と離婚する前に以下のことを考えましょう。
(1)感情にまかせず冷静に考える
不倫相手の女性と恋愛関係が盛り上がっていると、現実的な状況を冷静に考えられなくなる危険性があります。
不倫相手の女性と一緒にいられればそれで良く、妻や子供のことまで頭が回らない男性もいます。不倫相手と再婚するにしても、感情に任せず一度落ち着いて冷静に考えましょう。自分1人で冷静になれない場合は、客観的視点を持っている知り合いや専門家に相談するのも1つの手段です。
(2)離婚してまで一緒になりたい相手なのか考える
不倫相手の女性と恋愛関係が盛り上がっているときはいいですが、その恋愛感情が冷める可能性も十分あります。一時の感情に任せて離婚するのではなく、不倫相手の女性は妻と離婚してまでも一緒になりたい相手なのかを、落ち着いて考えましょう。
一度離婚してしまえば、妻との結婚生活や子供と一緒に暮らす生活を取り戻すことはできません。後悔してからでは遅いので、離婚前に真剣に考える必要があります。
(3)周囲からの冷たい視線に耐える覚悟があるか考える
不倫相手の女性と再婚すれば、周囲からの冷たい視線を浴びることは覚悟しておく必要があります。
不倫は、世間的なイメージが悪いので、その冷たい視線に耐えられないのであれば、離婚して不倫相手と再婚することは諦めた方が良いでしょう。
(4)再び不倫をしない自信があるか考える
一度不倫をしてそれが再婚にまで結びついた場合、再度不倫を繰り返してしまうリスクがあります。
妻と離婚して、不倫相手と再婚する場合、自分が再度不倫を繰り返してしまわないかどうかも、自分で確かめる必要があります。
6、不倫相手との再婚を検討している場合は、弁護士に相談を
不倫相手との再婚を検討している場合は、慎重に判断する必要があります。不倫相手と再婚したいという自分の感情だけで動いてしまうと、後から取り返しのつかないことになる可能性があります。
不倫相手との再婚を考えている方は、一度弁護士にご相談ください。どのような選択があなたにとってベストなのか、第三者の視点から弁護士がアドバイスします。
まとめ
今すぐにでも妻と離婚して、不倫相手と再婚したい人は、冷静に物事を考えられないこともあるでしょう。
今は不倫相手の方が大切に思えても、妻はあなたが一度は結婚した女性です。妻の気持ちや今後の人生も踏まえ、妻に対しても誠実に対応していきましょう。
弁護士など第三者の観点からのアドバイスをもらいながら、ぜひ後悔のない判断をしてください。