マッチングアプリは気軽に出会えるツールとして近年人気が高まっています。マッチングアプリは独身の男女が出会いを探すなどの目的を掲げているものが多いですが、実際には既婚者も利用していることが多いと言われています。
夫のスマホ画面が見えた時に、マッチングアプリが入っていることに気付いてしまったというような方もいるかもしれません。
もし夫がマッチングアプリを使って不倫をしていた場合、夫や不倫相手に慰謝料を請求することはできるのでしょうか?
ここでは、
- マッチングアプリで不倫をしていた場合の証拠の押さえ方
- 不倫慰謝料を請求するための条件
などをご紹介します。
本記事がお役に立てば幸いです。
目次
1、マッチングアプリを使った不倫の見逃せない特徴とは
不倫が始まるきっかけには
- 職場
- お酒の席
などさまざまなものがありますが、マッチングアプリでの不倫は他の不倫のきっかけとは少し異なります。マッチングアプリによる不倫を見逃すべきではない理由は自ら出会い(不倫)を求めているからです。職場やお酒の席などのように自然と出会い、徐々に不倫関係になってしまったというわけではありません。
つまり、マッチングアプリの不倫関係は、自然とカップルになったわけではないという特徴があります。
配偶者が自ら進んでマッチングアプリに登録して不倫を求めていたことになるため、配偶者の不倫に対する積極性が見受けられ、結婚生活に何らかの不満を抱いている可能性があります。
2、マッチングアプリで不倫を求める動機や目的
マッチングアプリの利用者は増加しているため、会社や友人間で話題になって面白半分で始めてみたというケースも多いでしょう。
しかし、面白半分で始めてみた場合でも、その根底には次のような動機や目的が隠れていると考えられます。
(1)セックスフレンドを求めている
夫の年齢が若い場合や、精力がみなぎっている場合、セックスフレンドを探したいと考えてマッチングアプリを始めていると考えられます。
この場合、配偶者が夫の欲求を満たすなどの行動改善することで解消されるでしょう。しかし、セックス依存症やそれに近い症状などがある場合には、繰り返される可能性もあるので注意が必要です。
(2)現状の配偶者に不満がある
夫が何らかの不満を妻に対して抱えていることで、その不満を発散するためにマッチングアプリで不倫しようとしているケースもあります。
この場合、その不満が配偶者の行動改善によって解消されればマッチングアプリによる不倫も解消されると考えられます。
しかし、不満が解消されない場合には不倫を求める気持ちも引き続き残ってしまう恐れがあるため注意すべきでしょう。
(3)恋愛体質である
恋愛している時の脳の状態は、日常生活において特殊な状態になっていると言えます。幸福感に満ち足りており、心も落ち着いた状態になります。
しかし、夫婦になれば恋愛している時の脳の状態を維持することは難しくなります。配偶者のことは大切だと考えていても、恋愛の幸福感や快感を得続けていたいと考える方は少なくありません。
こうした恋愛体質の人は、不倫をすることで恋愛による幸福感や快感を得たいと考えてマッチングアプリを利用してしまいます。
3、マッチングアプリによる不倫で見える「セカンドパートナー」とは
夫がマッチングアプリをしているからといって全てが「不倫」に繋がるわけではありません。
最近では、「セカンドパートナー」とも呼ばれる存在になっています。セカンドパートナーとはどんな存在なのでしょうか?
(1)セカンドパートナーとは
セカンドパートナーとは、配偶者とは別の二人目のパートナーの事を指します。異性の友人とも異なり、恋愛感情を互いに持つ相手になります。
ただし、一般的にはセカンドパートナーは肉体関係を持たないことがルールになっていることが多いです。
あくまでも恋愛をしている時の幸福感などを満喫させるための関係であり、性的な欲求を満たすための関係とは異なります。
(2)セカンドパートナーと不倫との違い
セカンドパートナーと不倫は法的な意味で大きく異なります。
夫婦には貞操義務があり、配偶者以外の人と肉体関係をもつことが禁じられています。不倫は法律では「不貞行為」と呼ばれ、配偶者以外の人と肉体関係を持つ「不法行為」です。
不法行為があった場合、加害者は被害者に対して損害を賠償する責任が生じます(民法第709条)。
不貞行為があった場合、不貞によって受けた精神的苦痛を損害賠償として不貞行為を行った配偶者と不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
4、配偶者にマッチングアプリでの不倫の可能性がある場合の対処法
配偶者がマッチングアプリで不倫をしているかもしれないという可能性がある場合には、どのように対処すべきなのでしょうか?
マッチングアプリにおける不倫の対処法をご紹介します。
(1)不倫の証拠を押さえる
マッチングアプリをスマホにインストールしているだけでは不倫になりません。
インストールしているマッチングアプリを利用して相手を探し、肉体関係を持った時に不倫が成立します。夫ときちんと話し合いを行うためにも、まずは不倫の証拠を押さえることが大切です。
①マッチングアプリでのやり取りを確認する
まずは夫のスマホでマッチングアプリを起動し、不倫相手とのやり取りを確認しましょう。
ただメッセージを取り合っているだけの関係であれば、不倫関係とは呼べません。
しかし、会う約束をして会ったようなやり取りを確認できた場合や、マッチングアプリからLINEなどに連絡手段を移行するような内容が書かれている場合には不倫関係になっている可能性があります。LINE交換している可能性があるので、LINEで不倫相手を探してみましょう。
ただし配偶者と言えども相手の携帯を勝手に覗くことはトラブルにつながる可能性もあります。事前に第三者などに相談して冷静に不倫の可能性を検討してみることをおすすめします。
②写真や動画を確認する
スマホの写真や動画には浮気の証拠が隠れている可能性があります。ツーショット写真や肉体関係があることの分かる写真や動画などが残されていないか確認してみてください。
ただし、夫のスマホを確認する際には注意しなければならない点があります。それは、不正アクセスになってしまわないようにしなければならないという点です。
夫のパスワードやIDを知っているからといってネットワークにアクセスすれば違法行為になってしまう可能性があります。
またホテルの領収書などがゴミ箱に捨てられていることもあります。こういったものも不倫の証拠になる場合があるので確保しておきましょう。
(2)徹底的に話し合う
マッチングアプリで不倫をしている証拠を押さえたら、配偶者と徹底的に話し合いを行いましょう。
冒頭でもお伝えしたように、マッチングアプリの不倫は配偶者が自ら出会い(不倫)を求めているという特徴があります。なぜ配偶者が自ら出会いを求めたのか知ることで、夫婦関係で改善すべき点や配偶者に対して今後求めることも変わってくるでしょう。
お互いに本音で話し合えるように努力してみてください。
(3)配偶者の考えに従いあなた自身が変わること
配偶者と話し合った上で、配偶者が自ら出会いを求めた原因があなたにある場合には、あなたがその原因を努力で払拭できるのか検討する必要があります。
夫婦関係をこのまま続けたいと考えているのであれば、あなた自身にも改善が必要になります。不倫した配偶者を責めるだけではなく、あなた自身も変わる努力が必要になるでしょう。
(4)配偶者の考えを受け入れられない場合は離婚も
配偶者の考えが思いも寄らないものの場合には、その考えを受け入れられるのか検討しなければなりません。どうしても配偶者の考えを受け入れられないという場合には、離婚という選択肢が出てくるでしょう。
肉体関係を持つ不倫だった場合には、法的に離婚請求をすることができます。相手の離婚に対する意思とは関係なく裁判での離婚及び慰謝料請求が可能ですので検討してみてください。
5、マッチングアプリの不倫で不倫相手に損害賠償請求は可能?
マッチングアプリの不倫が発覚した場合、不倫相手に損害賠償として慰謝料を請求したいと考える方も多いでしょう。
マッチングアプリの不倫相手に慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?
(1)セカンドパートナーにとどまる場合は難しい
不倫相手と思っていた相手がセカンドパートナーの場合、慰謝料の請求は難しくなります。
セカンドパートナーとはプラトニック不倫になるケースが多いため、肉体関係がありません。不貞行為の基準は肉体関係の有無になってくるため、肉体関係のないセカンドパートナーへの慰謝料の請求は認められない可能性が高いです。
ただし、セカンドパートナーとプラトニックな関係だったとしても、夫婦関係を破綻させるほど二人の関係性が深いものであることを証明できた場合には慰謝料が認められることもあります。セカンドパートナーに慰謝料が請求できないものの関係を清算してもらいたいという場合には、次の記事を参考にしてください。
(2)肉体関係をもっている場合は証拠を掴め
不倫相手と肉体関係がある場合には、証拠を集めましょう。証拠がない状態で慰謝料を請求しても、相手は不倫を認めない場合や、慰謝料の支払いを拒否する場合があります。
また、裁判になった場合にも証拠がなければ請求は認められません。そのため、慰謝料を請求する前に肉体関係があったことの分かる証拠を集めておくことが大切です。
- ホテルに出入りしている写真
- 肉体関係があることの分かるメッセージ内容
- 性行為の動画や写真
こうした証拠が確実に不倫を立証できます。
確実な証拠がない場合でも、ホテルや旅行の領収書やメッセージ内容など証拠を複数組み合わせることで不倫を立証できることもあるので、証拠はできるだけ多く集めておきましょう。
6、マッチングアプリ不倫でお困りの際は弁護士に相談を
マッチングアプリを使った不倫は、興味や面白半分で出会いを求めたという軽いケースもあれば、根底には深い問題を抱えていてマッチングアプリで不倫を始めたというケースに分けられます。夫婦としてお互いに将来を共にしたいという意思があっても、相手の考えを受け入れられないような場合には苦しい状況になっていくでしょう。
このような場合には、ぜひ弁護士を相談相手に話をしてみてはいかがでしょうか。弁護士に相談してみることで解決策が見つかることもあれば、今後の見通しが立てやすくなることもあるでしょう。
何よりも、話を聞いてもらうことで自分の中の考えもまとまるはずです。そこから法的なアドバイスなども得られるので、慰謝料問題や離婚問題に発展した場合もサポートを受けられます。
まずは一人で悩みを抱え込まずに、無料相談などを利用して弁護士に相談してみてください。
まとめ
マッチングアプリは出会いのツールとして普及しており、独身の男女だけではなく不倫のきっかけにもなっています。
配偶者がマッチングアプリをダウンロードしていることが判明した場合には、まずは不倫関係にあるのかどうか探ってみましょう。
そして、肉体関係のある不倫をしている場合には、証拠を押さえて今後の対応について検討してみてください。
不倫問題は慰謝料や離婚などの問題に発展することも多いため、専門家である弁護士に話を聞いてもらうことをおすすめします。