浮気を犯すと、罪悪感に襲われることは避けられません。
「殴られたほうよりも、殴った手のほうが痛い」という言葉があるように、浮気をされた側よりも浮気をしてしまった側のほうが、その後の罪悪感を深く感じ、悩みや苦しみに囚われることがあります。
こうした「浮気の罪悪感」に悩む皆さんが、再びパートナーとの関係を修復し、向き合うために必要な情報を提供いたします。以下のポイントを知っておくことで、より良い方向へ進むことができるでしょう。
罪悪感を感じる人と感じない人の違い
罪悪感を感じた場合の適切な対処法
パートナーから慰謝料請求された際の対処法
これらの内容は、多くの浮気事件を解決してきたベリーベスト法律事務所の弁護士の監修のもと、詳しく解説します。
万が一浮気がパートナーに発覚し、慰謝料請求を受ける状況に直面した場合についても、適切な対処法をご紹介いたします。どうぞ最後までお読みいただき、浮気の後に向き合うための手助けにしてください。
不倫してしまったときに関してはこちらの記事をご覧ください。
目次
1、浮気してしまい罪悪感を覚える人は多い?
- ついその場の感情に流されて…
- 自分に自信を取り戻したくて…
などなど、浮気をしてしまう理由は人それぞれですが、浮気をしたあと夫や妻などのパートナーに対して抱く罪悪感はみんな同じ。
中にはほぼ罪悪感を覚えない人もいますが、個人差はあるものの多かれ少なかれ後ろめたい気持ちになってしまうことがほとんどです。
そもそも罪悪感は、私たちの中にある善悪の基準がもとで生まれます。
「浮気は悪いことだ」と思っているからこそ、どんな理由があっても一時的な欲に負けてしまった自分のことを責めたり、情けなく思ったりする感情が湧いてくるのです。
そして、「自分は悪いことをしたのだから、罪を償わなければならない」という気持ちが無意識のうちに芽生えます。
これがまさに罪悪感で、実際にその償いを実行できていないときには、さらに「本当は償わないといけないのに、自分は何もできていない…」という罪悪感のループにハマってしまうことも珍しくありません。
2、罪悪感を覚える人とそうでない人の特徴
先ほどチラッと「ほぼ罪悪感を覚えない人もいる」という話をしましたが、この罪悪感を覚える人とそうでない人の違いは一体どこにあるのでしょうか。
(1)「浮気されて当然」な状況かどうか
たとえば、すでにパートナーが他の相手と浮気していることを知っている場合は、そのあと自分が浮気に走ってしまってもそこまで罪悪感を感じません。
「それなら私も浮気してやる!」と、むしろ復讐のつもりで浮気を始める人もいるくらいです。
そういった「目には目を歯には歯を」の心理に限らず、自分が浮気したくなる原因がパートナーにあると考えている場合(=仕事ばかりで構ってくれない、結婚後激太りして異性としての魅力がないなど)には、「浮気されて当然だ」という気持ちから罪悪感が薄くなる傾向があります。
(2)どのレベルで浮気を悪いと思っているか
「浮気は悪いことだ」と思っていても、そう思う理由が「社会のルールだから」程度であれば、本当に自分の中では悪いことだと思っていない可能性があります。
罪悪感は文字通り自分の中の罪の意識から生まれるものなので、そもそも浮気を悪いと思っていなければ芽生えることもありません。
一方、「社会にそういうルールがなくても、やっぱり浮気はパートナーを傷つけるしダメなことだと思う」と、自分なりに浮気が悪いことだと思う根拠を持っている場合は、それだけ罪の意識も深くなります。
浮気したことの罪悪感に苦しんでしまうのは、それだけ自分の中のモラルがきっちりしていることの表れでもあるのです。
3、罪悪感に襲われた場合に心を落ち着かせる方法
ここからは、みなさんの罪悪感を少しでも軽くするために、今すぐ取り入れられる対処法をご紹介していきます。
「罪悪感が強すぎてパートナーの顔を見るのも辛い…」というときには、ぜひ次の方法で気持ちを切り替えてみてください。
(1)過去は変えられないことを理解する
「どうして浮気なんかしてしまったんだろう」と自分を責めても、過去は絶対に変えることができません。
また、人間には悪いと分かっていても自分の気持ちを抑えられないときや、過ちを犯してしまうときが誰にでもあります。
大切なのは、その過去から何を学び取るかです。
「もう二度と同じ失敗はしたくない」と思うなら、今回浮気してしまったときのシチュエーションや、自分の心の動きを細かく分析してみましょう。
もしお酒を飲んでいたことで判断能力が落ちていたのなら、今後異性と2人のときにはお酒を飲まないようにする、そもそも2人っきりになる状況は避けるなど、過去から今後の教訓を導き出すことで気持ちに区切りをつけることができます。
(2)パートナーにとことん尽くす
罪悪感を消すために最も効果的なのは、パートナーに罪滅ぼしを行うことです。
とはいえ「浮気をしてしまいました」と正直に打ち明けても、かえってパートナーを苦しめるだけ。
それ以外でパートナーに対してできることはないか、よくよく考えてみましょう。
たとえばみなさんが家庭の主婦なら、これまで以上に家事を頑張る、食卓に夫の好きなものを並べる、
仕事で疲れている夫にマッサージをするなど、夫が日々の生活を心地よく送るためのサポートに力を入れることが1番の罪滅ぼしになります。
そうした行動の積み重ねが、みなさんの罪悪感を確実に軽くしてくれるでしょう。
(3)パートナーのダメなところを受け入れる
「私が浮気をしたのは悪かったけれど、夫にだって悪いところはある」と考えることで、心の負担を減らすこともできます。
特に自分が許されたいときには、相手のことも積極的に許すようにするのがポイントです。
みなさんのパートナーも人間ですから、短所や欠点が色々とあるはず。
たとえば脱いだ服をそのままにしておく、酒癖が悪い、時間にルーズなど、つい「いいかげんにしてよ!」と怒ってしまいたくなるようなところがあっても、グッとこらえて受け入れましょう。
相手のことを許せば許すほど、浮気をしてしまったという自分の欠点も次第に気にならなくなっていきますよ。
(4)自分にとって必要なステップだったと考える
今回の浮気は、みなさんにどんなものを与えてくれましたか?
「夫には申し訳なかったけど、女性としての自信が取り戻せた」「一時的にせよ寂しさを埋めることができた」そんなふうに少しでもプラスに捉えられる面があったなら、それはきっとそのときのあなたにとって必要なステップのひとつだったのです。
逆に言えば、浮気をしないという選択をすることで寂しさや不満が爆発して、取り返しのつかない一言をパートナーに放ってしまったり、自分の心が壊れてしまったりと、もっと悲惨な状況を招いていた可能性だってあります。
それに比べれば、今の状況はまだマシなほうなのではないでしょうか。
(5)浮気相手と罪悪感を共有する
罪悪感は、1人で抱え込んでいると必要以上に大きく膨れ上がってしまうことがあります。
とはいえ浮気が原因の罪悪感ですから、友達や家族に相談しても軽蔑されてしまったり、自業自得だと責められて終わってしまうのでは…と思うとなかなか誰かに話すこともできません。
そんなときに1人で頭を抱えるくらいなら、いっそのこと浮気相手と罪悪感を共有してしまいましょう。
罪悪感があるのは浮気相手も同じなので気持ちを理解してもらいやすいですし、ひとまず誰かに悩みを告白するだけでもだいぶ気持ちが軽くなります。
(6)浮気の証拠隠滅を徹底する
あなたの罪悪感が強いのは、万が一浮気がパートナーにバレてしまったときに、どれほどパートナーが傷付くだろう…ということをリアルに想像しすぎているからかもしれません。
バレると相手を深く傷付けることになるという恐怖が、罪の意識をさらに深くしているのです。
その場合は、浮気がバレるリスクをひとつひとつ取り除いていくことで、気持ちも次第に落ち着いていきます。
浮気相手とのメールのやり取りや連絡先を消す、浮気に使ったお店のレシートをシュレッダーにかける、浮気した日に身に着けていた服やコートを一旦すべてクリーニングに出すなど、思いつく限りの消去隠滅を実行しましょう。
「これでもうバレるはずがない」と思うことができれば、パートナーとも安心して向き合うことができます。
(7)セルフヒーリングを試してみる
ここまでご紹介した方法をすべて試してもやっぱり気持ちが沈む、ソワソワしてしまって落ち着かないというときには、セルフヒーリングという手法を使って心の浄化を試してみるのもおすすめです。
セルフヒーリングには様々な方法がありますが、ハワイの伝統的なトレーニング法のひとつに「ホ・オポノポノ」というものがあり、「ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛しています」という4つの言葉を繰り返し自分の中で唱え続けるだけで、心に溜まった不安や迷いを洗い流す効果があると言われています。
コツはとにかくこの4つの言葉以外は頭の中に浮かべないようにすることで、何のために唱えるのかという目的もなるべく意識しないようにします。
ひたすら無心になることで、心が癒され罪悪感もだんだん薄まっていくことを実感できるでしょう。
4、浮気がバレてパートナーから不倫慰謝料請求されてしまった場合の対処法
万が一浮気がバレてしまった場合、パートナーから不倫の慰謝料を請求される可能性があります。
ここでは、不倫慰謝料請求されたときの対処法を、次の3つのステップで詳しくチェックしていきましょう。
(1)慰謝料を支払う義務があるか確認する
慰謝料は請求されたら必ず支払わなければならない!と思っている人も多いかもしれませんが、実はそうとも限りません。
慰謝料を支払う必要があるのは次の条件を満たしている場合のみで、それ以外(=法律上の義務が発生しないケース)の場合は、支払いを拒否することもできるのです。
<慰謝料の支払い義務が発生する条件>
- 浮気・不倫であると分かって付き合っていた
- パートナーが浮気を知ってから3年以内(かつ浮気の事実から20年以内)
自分が既婚者の場合、「1.浮気・不倫であると分かって付き合っていた」場合には自動的に当てはまってしまいますが、自分が独身の場合はたとえば相手が結婚していることを隠していた、などのケースがあるためこの条件を満たさないこともあります。
しかし、浮気する前から夫婦関係が破綻していた・別居中だった場合には支払いの義務は発生しませんから、慰謝料請求をされてもこのような事情がなかったか確認するべきでしょう。
このように、3つのうちひとつでも当てはまらないものがあれば慰謝料の支払いは回避できるため、不倫慰謝料を請求されてしまったときには必ず確認するようにしましょう。
(2)パートナーに証拠の提出を求める
「ダメだ、全部当てはまってる…」と思っても、まだ慰謝料の支払いを避けられるチャンスはあります。
特にこの場合の浮気とは主に肉体関係を持ったことを指しているため、パートナー側がそう訴える根拠=証拠の提出を求めましょう。
証拠がホテルに2人で入る様子の写真であっても、それがビジネスホテルであれば「仕事の打ち合わせだ」と主張することで支払いの義務を免れる可能性があります。
また、もし浮気がスタートしたときにはすでに別居中だったなどの事実があるなら、その証拠をこちらから提出することで支払いの義務はないと反論することもできます。
(3)支払う義務があれば減額の交渉をする
証拠が出そろった結果、やっぱり支払いの義務があるということになっても、はじめから相手の請求通りの金額を支払う必要はありません。
交渉次第で減額できることがあり、実際の相場にも100~300万円ほどと幅があります。
特に相手が相場を大きく上回る額を要求してきた場合は、減額の主張も通りやすいので必ず交渉しましょう。
このほか、詳しくは以下の記事が参考になります。
条件の具体例など、さらに細かくチェックしたい方は「不倫慰謝料請求された場合に支払いを回避する方法【示談書雛形付き】」参照してください。
まとめ
浮気の罪悪感が強いと、「いっそのことパートナーにすべて打ち明けてしまおうか…」と思う人もいるかもしれませんが、浮気してしまったことを話せば2人の関係は確実に変わってしまいます。
「パートナーを傷付けたくない」「今度こそパートナーのことを大事にしたい」という思いがあるなら、罪悪感を消すためにパートナーを利用するのではなく、きちんと自分の中でケリをつけましょう。
またパートナーと向き合えるようになるためにも、今回ご紹介した方法を参考に今の罪悪感を乗り越えてみてください。