後遺障害13級の認定方法は?後遺症状や賠償金の相場など5点解説

後遺障害13級とは、いったいどのような状態でどれくらいの損害賠償額を受け取れるのでしょうか。

交通事故による負傷で後遺症が残ってしまっても、常に相手方に対して後遺症に対する損害賠償ができるとは限りません。

損害賠償をするためには、後遺障害として等級が認定される必要があります。
また等級認定されても低い等級しか認定されないと損害額が少なくなってしまう可能性もあります。

ここでは、後遺障害のうち13級に該当する後遺症にはどのようなものがあるか、また、13級に認定されるとどの程度の損害賠償を受けることができるか等、後遺障害13級について知っておくべきポイントについて説明します。

交通事故に遭いお悩みの方のご参考になれば幸いです。

交通事故の後遺障害については以下の関連記事もご覧ください。

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1、後遺障害13級を含めた「後遺障害が残る」とはどのような状態か?

(1)後遺障害とは?

交通事故によるケガが治療を行っても完治せず、痛みや機能障害などの後遺症が残ってしまうことがあります。
そして、痛みや機能障害などの後遺症が残ってしまうと、その後の生活や労働に悪影響を及ぼします。

ただ、後遺症による悪影響を損害賠償として事故の相手方に請求するためには、その後遺症が後遺障害として認定される必要があります。

(2)後遺障害等級認定とは?

後遺症が、交通事故の損害賠償の対象となる後遺障害かどうか、また、損害賠償の対象となる後遺障害であるとしても、どの程度の後遺障害か、ということは、損害保険料率算出機構という機関によって認定されます。

この損害保険料率算出機構による認定を、後遺障害等級認定といいます。
損害保険料率算出機構は東京に本部がありますが、各地方に自賠責調査事務所を設置しており、具体的な調査は自賠責調査事務所が担当しています。

後遺障害には、重い方から軽い方まで、1級から14級までの等級があり、1級が最も重く、14級が最も軽い後遺障害となります。
どの等級に該当するかによって、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額が変わってきます。重い後遺障害(高い等級)と認定されれば、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額は高くなることになります。

後遺障害等級認定は、一定期間治療をしてもこれ以上改善しないという状態(これを「症状固定」といいます)になった後、損害保険料率算出機構に後遺障害等級認定申請をするという方法によって行います。

2、後遺障害等級13級の認定を受けることができる後遺障害の症状とは?

どのような後遺障害が13級として認定されるかは、自動車損害賠償保障法施行令の別表第2(下記の表)に定められた後遺障害等級表に部位ごとに定められています。

1号

1眼の視力が0.6以下になったもの

2号

正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

3号

1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

4号

両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

5号

5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

6号

1手のこ指の用を廃したもの

7号

1手のおや指の指骨の一部を失ったもの

8号

1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

9号

1足の第3の足指以外の1又は2の足指を失ったもの

10号

1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの

11号

胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

3、後遺障害等級13級認定の場合に獲得できる損害賠償額について

(1)損害賠償総額の計算方法について

①慰謝料

後遺障害が認定されたときに相手方に請求できる損害は、慰謝料と逸失利益です。
慰謝料は、後遺障害が残ってしまったことに対する精神的損害を金銭で評価したものです。
慰謝料は、後遺障害の等級を基準として金額が決められます。

②逸失利益

逸失利益は、後遺障害による労働能力の低下によって減少してしまう(可能性のある)将来の収入を損害としてみるもので、後遺障害が無かったら得られたはずの利益という意味で、得べかりし利益とも呼ばれます。

③逸失利益の計算方法

逸失利益は、実際に将来に渡って収入の減少があるかどうかを個別に判断するのは困難であることから、被害者の事故当時の収入(基礎収入)に、後遺障害の等級に従って定められた労働能力喪失率(後遺障害によって労働能力が失われる割合)をかけ、それに被害者が残りの人生で働くことが可能な年数(労働能力喪失年数)をかけて算出し、最後に、中間利息を控除するという方法で行われます。

具体的には、

基礎収入 × 労働喪失率 × 労働能力喪失期間 - 中間利息

という計算式によって算定されます。

なお、実務上は、中間利息を控除するかわりに、ライプニッツ係数が用いられ、下記のように計算されます(計算結果は、上記の計算式と同じになります)

基礎収入 × 労働喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

④労働能力喪失率について

労働能力喪失率は、後遺障害の等級に従ってその割合が定められています。

ただ、被害者の職業と傷害の具体的状況により、等級に従って定められた労働能力喪失率以上に収入の減少を生じる場合には、実際に減少するであろう収入に基づいて逸失利益を計算することも認められています(最高裁判所昭和48年11月16日判決)

⑤労働能力喪失期間について

労働能力喪失期間は、就労可能な年齢を67歳と仮定し、後遺障害の症状固定時から67歳までの年数を労働能力喪失期間とするのが一般的です。

ただ、事故当時未成年者であった者は、事故当時に就労していないことが多いことから、18歳から就労すると仮定して、労働能力喪失期間を49年(67歳―18歳)として計算します。

また、この計算方法によると、事故当時に68歳以上であった高齢者には逸失利益が認められないことになりますが、68歳以上の高齢者でも就労している場合は、症状固定時の年齢から平均余命までの期間の2分の1を労働能力喪失期間として計算されます(67歳未満の高齢者の場合も、症状固定時から67歳までの年数より症状固定時から平均余命までの期間の2分の1のほうが長い場合は、後者の方法によって計算されます)。

なお、むち打ち症に基づく後遺障害の場合は、むち打ち症による神経症状がそれほど長期間は継続しないと考えらえているため、労働能力喪失期間が一定年数(5年程度)に制限される場合があります。

(2)後遺障害等級13級が認定された場合の慰謝料の金額について

後遺障害等級13級が認定された場合の慰謝料は,算定に用いられる基準によって異なりますが,概ね下記の表に記載の金額の慰謝料を受け取ることができます。

自賠責保険基準

57万円

任意保険基準

70万円前後

裁判基準

180万円前後

(3)後遺障害等級13級が認定された場合の逸失利益について

後遺障害等級13級が認定された場合、労働能力喪失率は「9%」と定められています。
ですから、逸失利益は、

基礎収入 × 9%× ライプニッツ係数

で計算されます。

(4)損害計算シミュレーション

仮に、40歳の会社員(事故前の年収600万円)が交通事故によるケガで、後遺障害13級に該当する後遺障害を負ったとします。

この場合、慰謝料は、

  • 自賠責保険基準であれば57万円
  • 任意保険基準であれば70万円前後
  • 自賠責保険基準であれば180万円前後

となります。

また、逸失利益は、

基礎収入600万円 × 労働能力喪失率 9% × 14.643(就労可能年齢を67歳と仮定し、就労可能年数を27年とした場合のライプニッツ係数)=790万7220円

となります。

4、適切な後遺障害等級の獲得方法

(1)申請手続きは被害者請求で

損害保険料率算出機構において、後遺障害の等級を認定してもらうには、事前認定と被害者請求という2つの方法があります。
事前認定とは、相手の保険会社に等級認定の手続きを任せる方法です。

これに対し、被害者請求とは、被害者自身が相手の自賠責保険に対し、直接等級認定の請求をする方法です。
事前認定の方法で等級認定申請を行う場合、相手方の保険会社に手続きを行ってもらえるので、被害者請求よりも楽です。

しかし、相手方の保険会社は、あくまで相手方の加入する保険会社ですから、手続きの代行はしてもらえるものの、適切な等級認定を受けるためのアドバイス等は期待できない点に注意が必要です。
そのため、等級認定の申請は被害者請求の方法で行うことをおすすめします。

ただ、この場合、手続きを全て自分で行わなければならないという不便さがあるので、弁護士に依頼をして手続きを代行してもらうとよいでしょう。
弁護士であれば、手続きの代行だけでなく、適切な等級を認定してもらうためにどのような資料が必要か等のアドバイスを受けることもできるからです。

(2)適切な後遺障害等級認定を受けるためのポイント

損害保険料率算出機構が後遺障害の認定を行う際には、原則として、主治医の作成した診断書(後遺障害診断書)を元に行います。
そのため、診断書の記載次第で、後遺障害として認定されるかどうかが決まるといっても過言ではありません。

ただ、診断書を作成する医師は、怪我を治すことの専門家ではありますが、交通事故についての専門家ではなく、後遺障害を認定する専門家でもありません。

また、医師は、そもそも、後遺障害として認定してもらうことを目的に診断書を書いているわけではないので、診断書に細かい症状が記載されていなかったり、認定のために必要な検査を行っていなかったりする場合もあり、後遺障害の認定につながらないことがあります。

例えば、普段は痛みや痺れがひどいのに、通院した日はたまたま痛みがひどくなかったために、普段痛みや痺れがひどいといった状況が診断書に記載されないといったことや、むちうちのような他覚症状のない後遺障害の場合に、認定に必要な検査(ジャクソンテストやスパークリングテスト等)が行なわれなかったといったことがあった場合、適切な後遺障害等級が認定されないおそれがあるのです。

また、事故直後は医師の治療を受けたけれどもその後は接骨院に通っていた、というような場合、医師は接骨院での治療の状況等がわからないため、診断書の作成を断られてしまうような場合もあります(接骨院で治療を行なうのは柔道整復師ですが、柔道整復師は診断書の作成はできません)。

このように、後遺障害を認定してもらうには、最終的に診断書に必要な事項をしっかりと記載してもらうために、治療の段階から注意しければならない点がいくつもあるのです。

5、弁護士に依頼した方がいい?依頼する場合のメリットとデメリットについて

(1)弁護士に依頼するメリット

①後遺障害等級認定について弁護士に依頼するメリット

交通事故で後遺症を負った場合に、後遺障害として適切な等級の認定を受けるためには、診断書が非常に重要な役割を担っています。

弁護士というと、治療後の示談交渉を依頼するもの、と思われがちですが、治療中も、医師にどのように症状を伝えるべきか、診断書に何を記載してもらうべきか等をアドバイスすることができるので、後遺障害の認定で不利にならないといったメリットがあります。

交通事故の被害者の方の中には、損害保険料率算出機構による認定が非該当になったり、思っていたより低い認定がなされたりして初めて弁護士に依頼する方も少なくないのですが、いったん認定された等級を異議申立てによって覆すのは困難な側面があるため、当初の認定申請の段階から、もっと言うと、治療中の段階から、後遺障害の等級認定申請を見据えて行動することが大切です。

そのためには、できるだけ早い段階で弁護士に相談した方がよいといえます。

②損害賠償の金額について弁護士に依頼するメリット

仮に、損害保険料率算出機構に後遺障害13級と認定された場合でも、相手方の保険会社は、できるだけ少ない額での示談を提示してきます。
このときに相手方の保険会社が利用する基準が、自賠責基準や相手方保険会社独自の任意保険基準です。

ところが、自賠責基準や任意保険基準は、実際に裁判になったときに用いられる裁判基準よりも金額が低いことの方が多いのです。
一般的に、保険会社は、裁判にならない限り、自賠責基準や任意保険基準に従った損害額を提案してくることが多いのですが、弁護士が代理人についている場合は、裁判を起こす前であっても、裁判基準かこれに近い基準で交渉をすることが可能で、実際にも、裁判基準に近い金額の損害額を提示してくる場合があります。
ですから、せっかく後遺障害の等級が認められたのに、少ない損害賠償額で示談してしまわないためにも、弁護士に交渉を依頼するメリットがあるのです。

(2)弁護士費用特約に加入していれば弁護士費用の負担が軽くなる

弁護士に相談したり、示談交渉を依頼したりすることについては、弁護士費用について心配な方も多いと思います。

ただ、交通事故に関する任意保険においては、弁護士特約がついている場合が多く、弁護士特約がついていれば、弁護士へ相談をしたり依頼をしたりした場合の費用に保険を利用することができ、弁護士費用を心配することなく相談や依頼をすることができます。

13級程度の後遺障害が残る事故であれば、多くの場合、弁護士特約の枠で弁護士費用が足りるため、自己負担が発生しない場合が多いです。

ですから、ご自身の加入している任意保険に弁護士特約が付加されているかどうか、一度確認されることをおすすめします。

また、弁護士特約を付加することによる保険料のアップは少額であることが多いので、弁護士特約が付加されていない場合は、次回の任意保険の更新の際に、付加することを検討されてみてもよいと思います。

(3)弁護士の探し方

弁護士に相談したい、依頼したいと思っても、なかなか弁護士の知り合いなんていない、と言われる方も多いと思います。

ただ、前述のように、加入している任意保険に弁護士特約が付加されている場合は、加入されている保険会社から弁護士を紹介してもらえることも多いと思います。

また、最近は、弁護士もホームページやSNS等で情報発信している人が多いので、ホームページ等を確認して、交通事故の事案について精通していると思われる弁護士を探されるのと良いでしょう。

なお、相談のみであれば無料の弁護士事務所も多いので、複数の事務所で相談をしてみて最も対応の良かった、あるいは、自分と相性の良さそうな弁護士に依頼をするというのも一つの方法です。

まとめ

交通事故による後遺障害の等級は、1級から14級までなので、13級はその中でも低い方の等級に位置付けられます。
ですから、等級認定申請の仕方次第では、本来13級よりも上の等級が認められてしかるべきであるのに、13級としか認定されない場合もあります。

適切な後遺障害の等級を認定してもらい、その等級に基づいた適切な損害賠償を受けるためにも、交通事故によって後遺障害が残りそうな怪我を負ってしまったときは、治療中の早い段階から弁護士に相談をされることをおすすめします。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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