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孫への生前贈与で相続税対策を行う際の5つのポイント

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相続税法が平成27年に大きく改正されたために、これまで相続税の申告の対象とならなかった方でも、申告して相続税を支払わなければならない場面が増えてきました。

そのため、相続人が相続税の支払いに困らないように、事前の対策として、生前贈与という方法を検討される方も増えてきています。

ただ、生前贈与もやり方を気を付けないと、かえって税金が増えてしまうこともあるので注意が必要です。

今回は、

  • そもそもなぜ生前贈与で相続税対策できるのか
  • 孫への生前贈与が有効である理由

そして特に、

孫に生前贈与する方法による相続税対策について、知っておくべきポイントを説明します。

ご参考になれば幸いです。

1、 生前贈与を行うと相続税を節税できる理由

まずはなぜ生前贈与を行うと相続税を節税できるのかということを説明していきます。

(1)生前贈与によって相続財産を減らす。

相続税対策のために生前贈与を行った方がよいということを聞かれた方も多いと思いますが、なぜ、生前贈与を行うと相続税対策になるのでしょうか。

簡単に言うと、生前に財産の一部を贈与することで、自身の財産を減らすことが目的です。

相続税の税率は、相続する財産が多いほど高くなっているので、生前に贈与することで、少しでも財産を減らしておくことが相続税対策となるのです。

(2)生前贈与と贈与税

生前贈与によって、相続財産を減らすと言っても、贈与した時点で贈与税がかかるのでは、と思われるかもしれません。

確かに、贈与を行うと、その時点で贈与税が発生しますが、1年に110万円までの贈与であれば贈与税がかからないとされています。

このような贈与の仕方を暦年贈与といいます。

そのため、仮に20年間で考えると、2200万円(110万円×20年)までの財産は、贈与税を払うことなく贈与できることになります。

(3)価値が上がることが見込める財産の生前贈与

また、贈与税は、贈与時点の価値を元に算出されます。

ですから、将来的に価値の上昇が見込める財産の場合、価値が上がる前に贈与した方が、仮にその時点でいくらか贈与税を支払ったとしても、その方が税負担が安く済むというメリットがあります。

2、孫への生前贈与が特に有効な理由

次はなぜ子ではなく孫への生前贈与が相続税対策として有効なのか説明していきます。

(1)世代を飛ばして財産を相続させることができる

孫は、言うまでもありませんが、子の子です。

孫に生前贈与をすることなく普通に相続が発生すると、財産は、まず子が相続し、その後、その子が亡くなったときに孫が相続することになります。

このような過程を経ると、相続税を二度支払わなければなりません。

しかし、孫に生前贈与をすると、1世代飛ばして財産を相続させる効果が生じるのです。

我が国は、相続税の税率が高く、「相続が三代続くと財産が無くなる」などと言われます。

そのような結果を回避するためにも、孫への生前贈与は有効であるといえます。

なお、世代を超えて孫に資産を引き継がせるのであれば、遺言によって孫に財産を遺贈させればよい、と考えられる方もおられるかもしれません。

しかし、遺言で孫に財産を遺贈すると、子に相続させた場合よりも、相続税が2割高くなってしまいます。

この点も考慮すると、同じように孫に資産を引き継がせるのであれば、生前贈与をしておいた方が良い場合が多いのです。

(2)孫への生前贈与は、死亡する3年以内のものでも課税されない

ある人が亡くなったときに発生する相続税は、その方が亡くなった時点の財産はもちろん、亡くなる前3年以内に生前贈与したものについても、全て相続税の対象となります。

これは、死期を悟った方が、生きているうちに急いで生前贈与したものについても、全て相続財産として課税する趣旨からきています。

しかし、孫への生前贈与は、仮に亡くなる前3年以内のものであっても、例外的に相続税の対象とはなりません。

この点においても、孫への生前贈与は有効であるといえます。

3、孫への生前贈与で気を付けるべきこと

前記のとおり、孫への生前贈与は、相続税対策として非常に有効です。

しかし、孫へ生前贈与をする場合は次のような点に注意しなければなりません。

(1)孫には贈与したことをきちんと伝え、それを証拠化すること

生前贈与を行おうとする方の中には、贈与の相手である孫には贈与したことを伝えず、孫の名義の銀行口座を作ってそこにお金を振り込むという方法を採られる方もおられます。

しかし、このような場合は、贈与としては認められません。

贈与は、契約の一つですので、贈与する側の意思だけでは成立しません。

贈与する側の「あげる」という意思と、贈与される側の「もらう」という意思が合致する必要があります。

また、そのような合意があったことを後から証明するのは困難ですから、きちんと贈与契約書等を作成して、証拠として残しておくことが大切です。

(2)贈与した財産を孫に管理させること

生前贈与を行うと、孫が財産を費消してしまうことを懸念して、形式的に贈与をしたものの、銀行の通帳や印鑑等は孫には渡さず、自分が管理している、といった事例もよく見られます。

確かに、贈与した側からすると、孫がまだ若い場合などは特に、無駄遣いをして欲しくない等の想いから、孫には実際はお金を管理させたくないと思う気持ちもわからないではありません。

しかし、贈与は、文字通り、相手方に財産を贈ることで成立するものですから、孫がそのお金を自由に使える状態で管理させていない場合には、後から生前贈与を否定されてしまう可能性が高く、この点にも注意が必要です。

(3)定期金贈与と評価されないようにすること

生前贈与を行う場合に、1年あたり110万円までは課税されないことから、毎年決まった時期に、110万円ずつを孫に生前贈与するという方法を選ばれる方がおられます。

しかし、毎年決まった時期に決まった金額を贈与してしまうと、定期金給付契約に基づく給付と評価されるおそれがあります。

定期金給付契約とは、例えば、1100万円を贈与することを決め、それを10年に分割して支払うような場合をいいます。

この場合、110万円ずつ10年間に渡ってお金を渡したとしても、始めの年に1100万円贈与した扱いで課税されてしまう可能性があります。

ですから、毎年贈与をしたい場合は、定期金給付契約とは評価されないような方法で贈与する必要があります。

4、暦年贈与の額を超えて生前贈与できる場合

生前贈与をしても贈与税がかからないのは1年あたり110万円までとされています。

しかし、例外的に110万円を超えても課税されない場合があるので、相続税対策としては、これらの制度を積極的に利用することで、1年あたり110万円を超えて生前贈与を行うことができます。

(1)生活費には贈与税がかからない

まず、意外と知られていないのですが、孫の生活費や教育費が必要な範囲であれば、そもそも贈与税の対象とはなりません。

例えば、東京で大学に通うためにひとり暮らしをしている孫に、祖父母が仕送りをしたり、家賃や学費を支払うために贈与をしたりしても、それは、そもそも贈与税の対象とならず、1年に110万円という基礎控除の範囲にも含まれません。

ただ、「通常の日常生活を営むのに必要な費用」に限られるので、過度に高額の贈与は、生活費や教育費とは認められませんし、例えば4年間分の生活費をまとめて贈与したりするのも認められません。

また、贈与された側が、生活費に使わずに貯金したり、株式等生活に必要ではないものの購入に充てたりした場合も、生活費とは認められず、贈与税の対象となるので注意が必要です。

(2)教育資金の一括贈与の特例について

1年間に110万円という暦年贈与による非課税枠の例外の一つが、教育資金の一括贈与です。

これは、平成31年3月31日までの特別措置ですが、直系尊属からの30歳未満の子や孫に対する教育資金の一括贈与について1500万円までを非課税とする制度です。

ただ、この制度を利用するためには、金融機関で、贈与を受ける孫の名義で口座(教育資金口座)の開設を行い、その口座に教育資金を預け入れる必要があります。

そして、孫の側では、原則として自由にこのお金を引き出すことはできず、いったん教育費用として支払った後、その領収書等を提出して、同額のお金を引き出す、といった手続きが必要です。

また、贈与を受けた孫が30歳になってしまうと、口座に残っているお金は、孫に払い出されますが、それは贈与税の対象となってしまうので注意が必要です。

(3)教育・子育て資金の一括贈与の特例について

教育資金の一括贈与の特例と同様に、平成31年3月31日までの特別措置ですが、20歳以上50歳未満の子や孫が、直系尊属から結婚・子育て資金として贈与を受けた場合、1000万円まで(結婚資金としては300万円まで)が非課税となります。

結婚資金には、結婚式の費用だけでなく、新居の契約費用や家賃、引っ越しの費用等まで含まれますし、子育て資金には、妊娠や出産に関する費用に加えて、産後ケアに係る費用、出産後の子供の医療費や、保育園・幼稚園等でかかる費用まで、広い範囲で認められています。

なお、教育資金の一括贈与の特例と同様、結婚・子育て資金の一括贈与の場合も、金融機関で専用口座を開設し、費用を支払った際の領収書等を金融機関に提出しなければなりません。

また、贈与を受けた側が50歳になった時点で、その口座に資金が残っていた場合は、その額に対して贈与税がかかる点にも注意が必要です。

(4)住宅取得資金等の贈与に関する特例

孫が祖父母から自分が住むための住宅の新築や購入の資金の贈与を受けた場合、平成33年12月31日(おそらく平成33年は、「平成」ではなく、新しい元号の3年目となるでしょう)までの特別措置ですが、一定額について贈与税が非課税となる制度があります。

非課税枠は、住宅の購入をする年度や、その時点での消費税率がどのようになっているか、また、購入する住宅が省エネ等基準を満たしているかどうかによって決まります(詳細は下記の表のとおり)。

①消費税率が8%の場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日省エネ等住宅左記以外の住宅
平成28年1月1日~平成32年3月31日1,200万円700万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日1,000万円500万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日800万円300万円

②消費税率が10%に改製された場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日省エネ等住宅左記以外の住宅
平成31年4月1日~平成32年3月31日3,000万円2,500万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日1,500万円1,000万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日1,200万円700万円

(5)相続時精算課税制度

通常、1年間に110万円までの贈与であれば贈与税の対象となりませんが、例外的に、累計で2500万円までの贈与であれば、贈与時に贈与税が課税されないという制度があります。

これを相続税精算課税制度といいます。

相続時精算課税制度を利用すると、2500万円まで贈与税が課税されないことから、単純に考えると暦年課税(1年あたり110万円まで)の約22年分程度が非課税となるかのように見えるのですが、あくまで、これは贈与の時点で贈与税がかからないだけであり、相続時には、これを相続したものとして精算しなければなりません。

相続時精算課税制度を利用すると、暦年課税よりも大きな節税効果があるかのような説明がなされている場合もありますが、結局相続時には精算が必要である点に注意が必要です。

加えて、一度でも相続時精算課税制度を利用して生前贈与を行うと、その方の相続については、暦年課税が利用できなくなるので、相続時精算課税制度を利用する場合にはこの点にも注意をしなければなりません。

5、孫への生前贈与について相談をしたい場合には

孫への生前贈与は、相続税対策として有効な対策の一つです。

ただし、相続税対策として行っていたつもりが、制度をきちんと理解していなかったために、相続が発生した時点で、有効な生前贈与と認められず、思わぬ相続税が発生してしまうことがあり得ます。

また、生前贈与を行う場合は、暦年課税制度と相続時精算課税制度のいずれを利用した方がよいのかという点も判断しなければなりません(いずれの方がメリットが大きいかは一概にはいえず、その方の財産の状況等によります)。

さらに、様々な税法上の特例を利用したい場合も、きちんと要件を満たしておかないと、後で課税の対象となってしまう可能性があります。

そのため、相続税対策として生前贈与を行いたい場合は、きちんと制度を熟知している専門家に相談されたほうがよいといえます。

税に関する専門家というと税理士を思い浮かべる方も多いと思います。

もちろん、税理士に相談されるのも一つの方法ですが、孫に生前贈与を行う場合、後で法定相続人である子との間で紛争が生じてしまう可能性もあります。

特に子が複数いて、いずれの子にも子(孫)がいる場合、どの孫にどの程度生前贈与したかということについて、あなたが亡くなった後に相続の紛争の種となってしまうことも少なくありません。

税金の負担軽減のためにやったことが、紛争を引き起こしてしまうのは本末転倒ですから、孫に生前贈与を行う時は、相続税の問題とともに、相続問題で紛争が起きないような方法をきちんと取っておく必要があります。

その観点からいうと、相続問題の専門家である弁護士の助言も欠かせません。

孫への生前贈与について相談したいときには、税法に詳しい弁護士に相談するのがよいといえるでしょう。

まとめ

今回は孫への生前贈与について説明してきましたがいかがでしたか?

今回の内容が節税対策のご参考になれば幸いです。

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