弁護士相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。
お電話でのお問い合わせ
0120-751-882
メールでのご相談

遺留分の放棄に関して知っておきたい7つのこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

遺留分放棄について詳しく知りたい」

この記事をお読みの方にはそのような方もいらっしゃるのではないでしょうか。

相続人の中でも、被相続人に近い親族に認められているのが「遺留分」という最低限の相続割合です。遺留分があることで、全く財産を相続できないという状況は回避できますが、その遺留分をあえて放棄することも可能です。

今回は、

  • 遺留分放棄の目的、
  • 遺留分放棄の手続きなど、

遺留分放棄に関して知っておきたいことをまとめています。

お読み頂ければスムーズに遺留分放棄の手続きが進められるはずです。この記事が遺留分放棄について詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。

弁護士相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。
お電話でのご相談
0120-751-882
メールでのご相談

目次

1、そもそも遺留分とは

まずはそもそも遺留分とは何かについて説明していきます

(1)相続人に保障された最低限の相続割合

民法では、人が亡くなったときに誰が相続人になるのかという「法定相続人」のほか、法定相続人が相続できる割合として「法定相続分」を定めています。

しかし、亡くなった人(被相続人)が遺言を残している場合には、この限りではありません。遺言相続は法定相続に優先するというルールがあります。つまり、遺言があれば、遺言に従って相続が行われますから、法定相続人が法定相続分ずつ相続できるとは限らないということです。

ところで、遺言で100%自由に財産の処分方法を決められるとすると、残された家族にとってあまりに酷なことがあります。

たとえば、被相続人が愛人に全財産を遺贈する旨の遺言を残していた場合、被相続人の妻や子は自宅も何も相続できなくなってしまい、生活に支障をきたしてしまうことが考えられます。こうしたことから、相続人の一部の人には、「遺留分」という最低限の相続割合が民法上保障されています。

遺留分は遺言によっても奪うことができませんから、相続人は、少なくとも遺留分については、必ず相続できることになります。

(2)遺留分がある相続人

民法上、相続人になる人は、配偶者のほか、子(または代襲相続人である孫など)、直系尊属、兄弟姉妹(または代襲相続人である甥・姪)のいずれかになります。

このうち、遺留分があるのは、配偶者、子(代襲相続人含む)、直系尊属になります。遺留分があるこれらの相続人のことを「遺留分権利者」といいます。兄弟姉妹(代襲相続人含む)には遺留分はありません。これは、兄弟姉妹は被相続人の財産に依存していることが少ないためです。

(3)遺留分の割合

遺留分権利者にどれだけの遺留分が認められるかについて、民法では次のように定められています。

① 直系尊属のみが相続人である場合…被相続人の財産の3分の1

② ①以外の場合…被相続人の財産の2分の1

上記①②は、1つの相続で遺留分権利者全員のために確保される遺留分で、「総体的遺留分」と呼ばれます。

遺留分権利者が複数いる場合、各遺留分権利者の遺留分は、総体的遺留分に相続分をかけたものになり、「個別的遺留分」と呼ばれます。

たとえば、相続人が配偶者と子であるケースは、上記②に該当しますから、配偶者と子合わせて2分の1の遺留分をもつことになります。この場合、法定相続分は配偶者2分の1、子2分の1ですから、配偶者の遺留分は4分の1、子の遺留分は4分の1になります。

なお、相続人が配偶者と兄弟姉妹というケースもあります。このケースは②に該当しますが、兄弟姉妹には遺留分がないめ、遺留分権利者は配偶者のみになり、配偶者が1人で2分の1の遺留分を持つことになります。

(4)遺留分があるとは遺留分減殺請求ができるということ

遺留分というのは、自動的に確保される権利ではなく、それが侵害されたときに取り戻しができるという権利です。遺留分が侵害されるのは、被相続人が遺言を残している場合になります。(相続開始から1年以内の生前贈与も対象になります。)遺言がない場合には、法定相続分を相続できますから、遺留分は問題になりません。

遺言により遺留分を侵害する遺贈や相続が行われた場合、遺留分権利者は「遺留分減殺請求」を行って、自己の遺留分の取り戻しができます。

2、遺留分を放棄するとはどういうことか

次に遺留分放棄とは具体的にどういうことなのかについて説明していきます

(1)遺留分が侵害されても取り戻さなくてもかまわない

遺留分とは、実質的には「遺留分が侵害されたときに取り戻しをする権利」です。遺留分を侵害されても、必ず遺留分減殺請求をして取り戻さないといけないわけではありません。遺留分を取り戻すかどうか、すなわち遺留分減殺請求権を行使するかどうかは、遺留分権利者の自由とされています。

(2)遺留分の放棄とは遺留分減殺請求をしないこと

遺留分を放棄するとは、遺留分減殺請求をしないという意味になります。相続開始後には、遺留分減殺請求をしなければそれで遺留分を放棄したことになります。また、相続開始前でも、遺留分放棄の手続きをし、遺留分減殺請求をしない意思を明確にしておくことが可能になっています。

3、改めて確認!なぜ遺留分の放棄が行われるのか

次はなぜ遺留分の放棄という制度が存在し、遺留分放棄が行われるのかについて説明していきます

その理由は、遺言だけでは、亡くなる方が思った通りに遺産を相続させられないからです。

(1)遺言でも遺留分を侵害することはできない

遺言を書くときには、遺留分の制約を受けてしまいます。たとえば、長男と次男が相続人になるけれど、長男に全財産を相続させたい場合、長男に全財産を相続させる旨の遺言を書いても、次男が遺留分減殺請求をしてくる可能性があります。結局、遺留分がある限り、遺言だけでは目的を達成できないケースがあります。

(2)遺言+遺留分放棄で目的が達成できることがある

遺言を書くときに、遺留分権利者に遺留分を放棄してもらえば、自分の希望する財産の分配が可能になります。上記(1)のケースでは、次男に遺留分を放棄してもらえば、長男に全財産を確実に相続させることができます。

遺留分放棄と遺言を組み合わることにより、希望どおりの遺産の分配という目的が達成できることがあります。

4、遺留分の放棄は亡くなる前でもできる

次は遺留分放棄についてもっと詳しく説明していきます。

まずは、遺産を持っていた被相続人が亡くなる前でも遺留分の放棄できるのかという話をしていきます。

(1)遺留分を生前に放棄することもできる

上にも書いたとおり、遺留分とは、実質的には「遺留分減殺請求をする権利」です。遺言の効力が生じ、遺留分が侵害された状態になるのは、相続が開始したときになります。相続が開始する前には、遺留分は侵害されていませんから、当然遺留分減殺請求はできません。

しかし、民法では、相続開始前でも、家庭裁判所の許可を受ければ、遺留分の放棄ができるとされています。つまり、生前に遺留分減殺請求をしない意思をあらかじめ明確にしておくことも可能ということです。なお、被相続人の死亡後(相続開始後)の遺留分の放棄は、遺留分減殺請求をしなければよいだけです。相続開始後は、当然に遺留分を放棄できるということです。

(2)生前の遺留分放棄に許可が必要な理由

相続開始前の遺留分放棄は、遺留分権利者の意思だけでできるわけではなく、家庭裁判所に申し立て、許可を受ける必要があります。家庭裁判所の許可がおりなければ、生前の遺留分放棄はできません。

もし生前にも自由に遺留分放棄ができるとすれば、被相続人が相続人に対して遺留分の放棄を強要するような事態が頻発することが予想されます。こうした事態を避けるために、生前の遺留分放棄は手続きが厳格になっているのです。

(3)遺留分放棄と相続放棄は違う

相続放棄とは、相続開始後に、相続人としての立場を放棄することです。相続放棄は、遺留分放棄と違い、被相続人の生前にはできません。遺留分放棄と相続放棄は混同されがちですが、全く別のものです。遺留分を放棄しても、相続を放棄したことにはなりません。

たとえば、被相続人の借金を相続したくないという理由で、生前に遺留分放棄をしても、全く意味はありません。相続人が借金の負担を引き継ぎたくない場合には、相続開始後に、相続放棄の手続きをする必要があります。

(4)遺留分放棄は遺言があってはじめて意味をもつ

遺留分放棄は、被相続人が遺言を残している場合にのみ、意味をもつものです。遺言がない場合には、原則どおり、法定相続人が法定相続分で財産を相続する権利をもつことになります。遺留分放棄をした人も、遺産分割協議に参加することができます。遺留分放棄は、遺言とセットでなければ、意味がありません。

財産を一切相続したくないという理由で生前に遺留分放棄をする場合には、被相続人に遺言を書いてもらう必要があります。

5、被相続人が亡くなる前に遺留分の放棄をする手続き

次は具体的に被相続人が亡くなる前に遺留分放棄する方法を紹介していきます。

(1)生前の遺留分放棄の申立て先

相続開始前に遺留分放棄をするには、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に、「遺留分放棄の許可申立て」をする必要があります。

(2)生前の遺留分放棄の必要書類

遺留分放棄の許可申立てをする際には、次のような書類が必要になります。

①遺留分放棄の許可申立書

申立書の書式は、裁判所のホームページからもダウンロードできます。申立書では、遺留分放棄をする理由を説明する必要があります。申立書には財産目録も添付します。

(参考)裁判所:遺留分放棄の許可

http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_26/index.html

②戸籍謄本

被相続人及び申立人の戸籍謄本が必要です。

(3)生前の遺留分放棄にかかる費用

遺留分放棄で裁判所に支払う手数料は800円となっており、収入印紙を申立書に貼付して納めます。また、裁判所からの連絡用郵便切手として、裁判所に指定された金額・組み合わせの切手を提出します。

(4)遺留分放棄の許可基準

遺留分放棄の許可を申し立てても、実際に許可されるケースは非常に少ないのが実情です。遺留分放棄が許可されるには、少なくとも次のような基準をみたしている必要があります。

①遺留分放棄が申立人の自由な意思にもとづくものであること

強要されたものではなく、申立人自身の意思で遺留分放棄を行う必要があります。

②遺留分放棄に合理的な理由と必要性があること

何の理由もなく遺留分を放棄することはできません。遺留分放棄の必要があることを説明できなければならないということです。

③遺留分放棄の見返りがあること

遺留分放棄する人が、相応の代償を得ていることも条件になります。たとえば、遺留分に見合う生前贈与を受けていることなどが必要になります。

(5)遺留分放棄の効果

遺留分放棄の許可を受けた場合、相続開始後に遺留分減殺請求ができません。ただし、遺留分放棄をしても相続人であることには変わりありません。遺留分を侵害する遺言が存在しなければ、通常どおり遺産を相続できます。

なお、民法では、「共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない」(1043条2項)と規定されています。1人が遺留分を放棄しても、他の相続人の遺留分が増えることはありません。

6、被相続人死亡後の遺留分放棄の手続き

死亡後に遺留分放棄する場合には、手続きすることはありません。遺留分が侵害されていても、遺留分減殺請求をしなければ、遺留分放棄をしたことになります。

遺留分減殺請求ができる期間は、相続開始および遺留分の侵害を知った時から1年ですから、何もせずにこの期間を経過すれば、自動的に遺留分放棄となります。

7、被相続人が亡くなる前の遺留分放棄は撤回できる!その手続きとは

最後に遺留分の放棄を撤回する方法を紹介していきます

(1)遺留分放棄の許可は取消可能

生前に遺留分放棄の許可を受けた場合、遺留分放棄の意思を撤回できるかどうかについては、法律上明確な規定がありません。ですが、申立ての前提となった事情が変化し、遺留分放棄の状態を維持することが客観的に見て不合理な場合には、裁判所は許可審判を取り消すことができる運用になっています。

一度行った遺留分放棄も取消しは可能ですが、単に気が変わったという理由では認められません。一度裁判所の許可を受けたら簡単には取消しできませんから、遺留分放棄は慎重に行うべきです。

(2)遺留分放棄許可の取り消し方法

遺留分放棄を撤回する場合には、家庭裁判所に「遺留分放棄許可取消の申立て」を行う必要があります。この場合、許可の取消しを受けたい事情を裁判所に説明する必要がありますので、手続きは弁護士に依頼した方がよいでしょう。

(3)相続開始後は遺留分放棄を撤回できない

被相続人の生存中は、裁判所に申し立てることで、遺留分放棄の撤回が認められることがあります。しかし、被相続人の死亡後には、遺留分放棄の撤回はできないものとされています。

生前に遺留分放棄を行っても、実際にその効果が発生するのは相続が開始したときになります。相続開始後にも遺留分放棄の撤回ができるとすると、権利関係がいつまでも安定しないことになり、遺留分放棄の制度が設けられている趣旨とそぐわなくなってしまいます。

遺留分放棄というのは、一度したら撤回するのは非常に困難ということを認識しておき、よく考えてから手続きすることが大切です。

まとめ

遺留分は、財産を全く相続できずに生活に困ることがないよう、法律で保障されている権利です。法律上は被相続人の生前から遺留分の放棄が可能とされていますが、裁判所に放棄の許可を受けること自体難しく、一度した遺留分放棄を取り消すこともやはり難しくなっています。特別な事情がある場合以外は、安易に遺留分を放棄すべきではありません。

遺留分放棄を考える場合には、事前に弁護士に相談するようにしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

弁護士相談実施中!


当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。

SNSでもご購読できます。

最近の投稿

平日9:30〜21:00、土日祝9:30〜18:00
  • 電話で無料相談する