離婚に向けて別居する際に知っておきたい7つのこと

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修復不能の夫婦

離婚を考えている方の多くが、離婚する前であっても配偶者と別居したいと思われるのではないかと思います。しかし、実際に別居をするにあたっては様々なハードルがあります。

これらをクリアせず別居だけ急いでも、離婚の交渉の中で不利な立場に立たされたり、慰謝料がもらえなくなったりして後悔だけが残るということが多いようです。今回は、離婚に向けて別居する際に知っておくべきことをご紹介したいと思います。

目次

1、別居には正当な理由が必要

2、どのような理由であれば認められるか

3、別居にあたって準備すべきこと

4、別居したらもらえる可能性があるお金について

5、婚姻費用について

6、別居後住民票は移すべきか

7、どれくらい別居していたら離婚できるか

1、別居には正当な理由が必要

まず、知っておきたいことは、民法は752条で、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と定め、夫婦には同居義務があるとしています。

また、民法上定める離婚原因のなかに「悪意の遺棄」(770条1項2号)というものがありますが、相手方の意向を無視した一方的な別居はこの悪意の遺棄に該当する場合があります。

したがって、別居にあたっては、①同居義務違反と評価されないため、②悪意の遺棄と評価されないための正当な理由が必要になります。

2、どのような理由であれば認められるか

では、どのような理由であれば、正当な理由といえるのでしょうか。抽象的にいえば、「別居するのはやむを得ない」と客観的に言うことができる理由です。たとえば、相手方に法律上の離婚原因(民法770条1項各号)があるような場合です。

具体的には、次のような理由であれば正当といえるでしょう。

  1. 相手方のDVやモラハラを避けるため
  2. 相手方が生活費を渡してくれない
  3. 相手方の不貞を原因とする別居
  4. 相手方がなかなか家に帰らないなど家庭を顧みない 等

また、5.別居について同意が得られたような場合にも、お互い納得の上なのですから同居義務に違反したとも遺棄したとも言えません。

反対に、単に相手のことが嫌いになった等の理由であれば同居義務違反と評価されてしまう可能性があります。別居にあたっては上記のような理由があるか十分に確認しましょう。

闇雲に別居を急ぐと、あなたの別居は、「同居義務違反」や「悪意の遺棄」とされ、あなたは一方的に離婚原因をつくった悪い配偶者だと評価されてしまい、後に説明する婚姻費用を減らされたり、むしろ慰謝料を請求されたりすることがありえます。

3、別居にあたって準備すべきこと

理由の点についてはクリアできるとしても、別居にあたって準備すべきことはたくさんあります。

具体的には、次のようなことを準備しましょう。

  1. 経済的に自立できるように準備
  2. 別居後もらえる可能性があるお金について知っておく
  3. 相手方へ金銭を請求するための準備
  4. 仕事を確保しておく
  5. 住まいを探しておく

別居となると、これまでどおり相手方に経済的な依存を続けることはできなくなります。経済的な自立が必要になりますが、そのために1~4のような準備が不可欠です。また、そもそも、別居する場所を見つけなければいけませんので、「5.住まいを探しておく」の通り具体的な別居先についても、良く考えましょう。

4、別居したらもらえる可能性があるお金について

別居をすると次のようなお金をもらえる可能性があります。別居後の経済的な見通しを立てるためにも、自分はどのようなお金を受け取ることができるのかということをしっかりと把握しておきましょう

  • 母子手当、児童手当などの公的扶助
  • 相手方からの婚姻費用

公的扶助の詳細は、お住まいの自治体ごとに異なりますので、詳しくは各自治体にお問い合わせください。なお、概要は「専業主婦が離婚する際に知っておくべき12のポイント」にまとめておりますので、ご参考下さい。

婚姻費用については次の項で説明します。

5、婚姻費用について

(1)婚姻費用とは

通常は妻が夫からということになりますが、別居をすると相手方から生活費を受け取ることができます。これを婚姻費用といいます。婚姻費用は夫婦の扶養義務に基づいて支払いが認められるものですから、別居後、請求をすれば、認められるものです。

したがって、別居をしたら、婚姻費用の請求を検討しましょう。

(2)請求の方法

では、請求するにはどのようにすればいいでしょうか。請求の手続きは次のとおりです。

  1. 交渉
  2. 調停
  3. 審判

まずは、「1.交渉」としてご自身や弁護士を通じて、相手方に対して婚姻費用の支払を求める話し合いを行います。これで相手方が納得し、支払ってもらえることになれば合意書を作成しましょう。この合意書は、可能であれば公正証書で作成すると、いざ相手方が支払わなくなっても、給料の差押えが容易に行えるなど非常にメリットがあります。

話し合いがまとまらなければ、「2.調停」です。調停とは、家庭裁判所で、調停委員という第三者を交えた話し合いの手続きをいいます。通常はここでまとまるケースが多いですが、ここでもまとまらない場合は、「3.審判」に移行します。

審判は、家庭裁判所の裁判官が、双方の収入や子供の数・年齢などを考慮して、「(通常の場合)夫は妻に婚姻費用として毎月○万円支払え」と決めてしまう手続きです。したがって、交渉、調停がまとまらなくても最終的には婚姻費用を支払ってもらうことはできます。

(3)婚姻費用の算定の基準

では、婚姻費用はいくらもらえるのでしょうか。交渉や調停で話し合いがつけば、いくらでもいいのが原則です。しかし、話し合いがまとまらず、審判となった場合、裁判官が参照するのは「算定表」という裁判所の基準です。これは家庭裁判所のウェブサイトでも確認できます。

したがって、実務においては、交渉や調停の段階からこの算定表をもとに婚姻費用について話し合いを行うことが多いようです。

6、別居後住民票は移すべきか

別居した後、住民票は移すべきでしょうか。原則としては、住民票は移すべきものです。特にお子さんがいるような場合、転校手続きなどに際して新しい住所の住民票が必要となったりします。

しかし、別居の原因が相手のDVである場合など、別居後の住所を相手方に知られては困る場合は、移してしまうと相手方に住所がばれてしまいますから、注意しましょう。住民票は移さない、実家に移すなどすることによって相手方に知られないようにする必要があります。

このような理由があれば、現住所に住民票がなくても転校手続きに応じてくれる等公的な機関でも柔軟な対応をしてくれるところが多いですから、事前に転居先の自治体等に相談しておくのも有益でしょう。

7、どれくらい別居していたら離婚できるか

では、どれくらい別居していたら離婚できるでしょうか。法律上の離婚原因のうち770条1項1号から4号の理由が相手方に認められれば別居期間の長短は問われません。しかし、こういった理由がなくて、離婚がしたい場合は、相当長期間の別居が必要となります。これは、相当長期間別居していると「婚姻を継続し難い重大な事由」(同条1項5号)があると評価されるからです。

そして、相当長期とは、具体的には7~8年、最低でも5年位といわれています。もっとも、この別居期間は同居期間と比べて相対的に長期であればいいと言われていますから、たとえば、同居期間が半年しかなくて別居期間が2年あれば相当長期と認められる可能性はあるでしょう。

具体的に離婚が認められそうかどうかは弁護士に相談してみるのがいいでしょう。

まとめ

別居にあたっては、以上のような問題を踏まえた上で確認すべきこと、準備すべきことも多くあります。別居に向けては、時間はかかってもしっかりとした準備をするのが望ましいでしょう。

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