離婚は一大決心であり、大変な決断を下したことでしょう。離婚直後はさまざまな感情や環境の変化があった方でも、しばらくすると離婚のつらさを痛感し始める人も少なくありません。
そこで、ここでは、離婚後のつらい日々に終止符を打つために、離婚のつらさを乗り越える方法をご紹介します。
目次
1、離婚がつらいのはなぜ?
離婚をすれば新しい人生を始めることができますが、誰もが離婚後すぐに明るくポジティブに新しい生活を始められるわけではありません。
離婚をしてつらいと考える人も多いものです。
なぜ離婚するとつらいと感じてしまうのでしょうか?
(1)何が悪かったのかがわからなくなる
離婚後に、離婚になった原因が、元配偶者だったのか自分だったのか、と考え始める方は少なくありません。たとえ、元配偶者の浮気が原因だったとしても、浮気をしたのは自分が原因なのではないか、と、原因を蒸し返し始めるのです。
結婚生活、既婚者、親という居場所や立場を失い、失ったものが大きいと感じれば感じるほど、何が原因だったのだろうと堂々巡りに悩まされます。これはとてもつらいことです。
(2)一人の寂しさを実感する
結婚生活では家に帰れば誰かがいることが当然になっていたものが、離婚することで突然一人になってしまいます。
これまでは家に相手がいることがつらかったはずなのに、離婚して落ち着いてくると、家に疲れて帰ってきた時に誰もいないことに、寂しい気持ちになってしまうものです。
また、一日の些細な出来事を誰かと共有することができないことも寂しさを感じさせます。
結婚生活で人と一緒に暮らすことの幸せや楽しさも経験したからこそ、一人の寂しさを実感した時につらい感情に襲われてしまうと言えます。
(3)虚無感を感じる
結婚生活では自分の時間が持てず、家事や仕事、子育てに追われてしまうものです。
離婚をすれば自由が手に入れられますが、これまでの家事や子育てなどが半減することで虚無感を覚えるケースもあります。
離婚後は自分のためだけに生活することになるため、家事など家のことは必要最低限のことで済むようになります。そうすると、これまで結婚生活で忙しいと感じていたものが一気に無くなるため、自由よりも虚無感が大きくなり、つらさを感じてしまうのです。
(4)将来への不安
離婚して一人の時間が増えると、将来のことなども考えるようになるでしょう。
その時に、「このまま一人で一生過ごすかもしれない」など将来に不安を覚え、離婚後の生活がつらくなる人も少なくありません。
老後は一人で生活することは大変ではないか、一人で生活費に困ってしまわないか、など将来のことは先が見えない分不安が大きくなりやすいと言えます。
(5)経済面でつらい
離婚前は専業主婦だった場合、離婚をすれば仕事を探して就職しなければなりません。すぐに就職が見つからない場合や、生活に必要な収入を十分に得られない仕事に就く場合もあり、経済的に苦しくなるケースもあるでしょう。
また、子供がいる場合、養育費を十分に夫から支払ってもらえないため生活が苦しくなるというケースもあります。経済的に苦しくなれば、心にも余裕がなくなり、離婚後の生活をつらいと感じるようになります。
(6)子供に影響を与えることがつらい
本人は離婚したことに対してつらさを感じていない場合でも、子供への影響を目の当たりした時につらいと感じてしまうでしょう。
子供が親の離婚を密かに悲しんでいる場合や、離婚による生活の変化に苦しんでいる場合もあります。
もし離婚が子供に影響を与えてしまい、子供がつらい思いをしていれば、親は自分のこと以上につらさを感じてしまうものです。
2、離婚のつらさはどれくらい続くのか?
離婚してつらいと考えている時は、いつまでこのつらさが続くのかと不安になるものです。
離婚のつらさはどのくらいの期間、続くものなのでしょうか?
(1)離婚のつらさは有限である
離婚のつらさは無限なのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、つらい気持ちは一生続くわけではありません。
離婚の状況や感じ方には個人差がありますが、一般的には1~2年ほどでつらさは自然に消えていくことが多いようです。
もちろん数カ月や半年など早くつらさから解放される方もいれば、時間を要するような方もいます。
どんなつらいことも時間が経てば少しずつ落ち着いたり、考え方が変わったりするように、離婚のつらさも時間が解決してくれるでしょう。
(2)離婚のつらさを乗り越えるには次の人生を歩むしかない
離婚がつらいと考えている時は、「どうすれば離婚にならなかったのか」「なぜこんなことになったのか」など過去のこと考えて自己嫌悪に陥ってしまいがちです。
そうすると、ますますつらさが増してしまいます。
元パートナーへの愛情や、愛情に基づいた結婚生活は、とても大きな存在だったはずです。
これらが無くなることは心にぽっかりと穴が開いたようになり、非常につらく感じるでしょう。
しかし、このつらさを乗り越えるのであれば、過去ばかりに捕らわれるのではなく、これからの次の人生を歩んでいくしかありません。
未来を作っていくという好奇心や前向きな一歩が必要なのです。
3、離婚のつらさを忘れる次の人生を見つける方法
離婚のつらさを乗り越えるには、次の人生を歩んでいく必要があります。
しかし、つらさのループの中にいると、何から始めればいいのか分からなくなってしまいます。
離婚のつらさを忘れる次の人生を見つけるために、次の方法を試してみてください。
(1)新しい出会いを探す
離婚で愛情を失ったのであれば、次の新しい愛情を探すという方法は離婚のつらさを忘れる王道の方法と言えます。
一人でいれば寂しさや不安を感じてしまいますが、新しい相手が見つかれば離婚のつらさも和らいでいくでしょう。
離婚というつらい経験をしたからこそ、どんな相手なら上手くいくのか慎重に考えた上で探すことができ、もっとふさわしいパートナーに出会える可能性もあります。
現在は離婚経験者のマイナスイメージは少なく、再婚をする人も多くなっています。バツがついていることをコンプレックスには思わずに、新しい出会いを探してみましょう。全てはあなた次第なのです。
(2)仕事に打ち込む
離婚のつらさを忘れる方法として、仕事に打ち込むことも定番の方法と言えます。
やりがいを感じる仕事に就かれている場合は特に、仕事に一生懸命になれば離婚のつらさに浸る時間が減り、仕事のことを考える時間が増えます。そうすれば、自然と離婚のつらさが忘れやすくなるはずです。
また、仕事はやればやるほど周囲から評価され、頼られるようになることで心を満たすことができます。今やりがいを感じていなかったとしても、キャリアアップや給料アップも見込めるため、やりがいも感じられるでしょう。やりがいを感じられるようになれば、離婚のつらさを糧にして、仕事だけではなく生活も楽しめるようになるはずです。
(3)新しい趣味や楽しみを見つける
離婚をすれば、これまでは持てなかった自分の時間をたくさん作れるようになります。
この時に何もしなければ寂しさや虚無感を感じてつらくなってしまうことが多いので、今までできなかったことや新しい趣味を見つけてみましょう。
旅行やスポーツ、思い切って欲しかったものを買ってみること、少し贅沢な食事をしてみることなど、これまでできなかったことをすることで自由を楽しみましょう。
また、新しい趣味を見つけて没頭すれば、離婚のつらさを忘れる時間も増えるはずです。
(4)子供や友人と過ごす時間を楽しむ
一人の時間が増えれば、離婚のつらさについて考えてしまいがちです。一人でふさぎ込んでしまわずに、子供や友人と過ごす時間を楽しみましょう。
つらい時だからこそ誰かに頼りたくなることは当然ですので、子供や友人に甘えてみてもいいのではないでしょうか?
人と一緒に話したり出掛けたりするだけでも気分転換になりますし、リフレッシュすることで新しい次の人生を始めようと前向きな気持ちになれるでしょう。
(5)環境を変えてみる
今の生活を一変するために、引っ越しをして生活拠点を変えてみることも1つの方法です。
地方から都心への引っ越しや、反対に都心から地方暮らしへ変えてみること、海外への引っ越しなど、大幅に環境を変えてみることは、新たなスタートを切るという希望が湧くものです。
これまでの生活していた場所から物理的に離れることで、気持ちに区切りもつけやすくなるでしょう。
また、新しい生活環境に慣れるまでは忙しい日々になるため、離婚のつらさも忘れられるはずです。
4、離婚のつらさから立ち直ったエピソード
離婚でつらい経験をしているのはあなただけではありません。
多くの人が離婚でつらい経験をし、立ち直って新しい人生を始めています。
実際に芸能人などでも離婚後に幸せな生活を過ごしている人のエピソードはTVでよく見かけます。
そこで、離婚のつらさから実際に立ち直ったエピソードをご紹介します。
離婚後は結婚生活など過去のことばかり思い出してつらくなっていたので、考える時間がないほどに仕事に没頭しました。
これまでよりも仕事にはまり込んだおかげで、仕事が評価され、業績アップにまで繋がることになりました。
おかげで昇格・昇給し、離婚前よりも贅沢な生活ができるようになって満足しています。
離婚後ふさぎ込む日々が続いたので、思い切って知らない土地に引っ越ししてみました。
場所選びでは吉方位の方角を選んだので、「なんとなく良いことが起こりそう」と自分に言い聞かせての引っ越しでした。
全くこれまで行ったことのない知らない土地を選びましたが、考え方も変わり、気持ちも切り替えられたと思います。
離婚のつらさからなかなか立ち直れずにいたので、友人のすすめで新しい出会いを探すことにしました。
最初は気乗りしませんでしたが、婚活を始めると自分磨きにも力が入るようになり、前向きな気持ちになってきました。
元旦那以外の異性とデートや食事をすることも久しぶりなので緊張や新鮮さが続き、あっという間に離婚のつらさを忘れたほどです。
一度失敗しているからか前の旦那とは正反対のタイプの人を選び、今は幸せです。
5、離婚後、経済的につらい場合にできること
離婚後のつらさは精神的な面だけではなく、金銭面からくるケースもあります。
離婚によって経済的に苦しくなり、つらい思いをしている場合は、上記で紹介したような新しい人生を始める方法を試しても解決にはならないでしょう。
離婚で経済的につらい場合、次のことを検討してみてください。
(1)自治体の援助を受ける
母子家庭や父子家庭の場合、自治体よりさまざまな援助を受けられます。
「母子家庭手当自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金」をはじめとした「児童扶養手当」や「児童育成手当」「医療費助成制度」「住宅手当」など多様な援助があります。
こうした援助を受けることで、経済的な負担は大幅に軽減されるはずです。
ただし、自治体ごとに受けられる援助内容や条件は異なるため、自治体への問い合わせが必要です。以下の関連記事もご参考にされていただければと思います。
(2)離婚後も慰謝料請求できる
離婚の際に慰謝料について取り決めを行わなかった場合でも、相手に慰謝料請求できるような理由があれば離婚後でも慰謝料請求は可能です。
慰謝料請求できる理由とは、「不貞行為(不倫)」や「DV」「モラハラ」などが挙げられます。
不貞行為であれば数十万円~300万円程度、DVやモラハラは数十万円~300万円程度と高額な慰謝料請求が期待できます。
ただし、離婚後に慰謝料請求するのであれば、離婚時に清算条項を明記した離婚合意書を作成していないことや、3年の時効以内であるという条件を満たしていなければなりません。
また、慰謝料請求するには証拠なども必要になるため、弁護士に相談することをおすすめします。
(3)養育費の支払いを求める
離婚時に養育費の支払いについて取り決めをしたものの、実際には最後まで支払わないというケースも珍しくありません。相手に問いただしても、「今は生活が苦しい」と言われて泣き寝入りしてしまうこともあるでしょう。
しかし、子供は親が互いに扶養する義務があると民法887条に定められており、養育費の支払いを行わないような場合には、裁判所に申し立てることで強制執行により相手の財産を差し押さえることができます。
養育費についてあらかじめ公正証書を作成している場合であれば、裁判所を通さずに強制執行により差し押さえを行うことも可能です。
まとめ
離婚はつらいものですが、いつまでもつらい日々が続くわけではありません。新しい人生をスタートさせて、明るい未来のために行動を起こすことが大切です。そうすれば、すぐにつらさが無くなるわけではなくても、少しずつつらさが緩和されていくでしょう。
離婚で経済的につらい場合に慰謝料や養育費について悩んでいるという場合には、専門家である弁護士にご相談ください。弁護士のサポートを受けて悩みが改善されれば精神的にも気分が軽くなり、次の一歩を踏み出せるようになるはずです。