夫婦関係の問題を解決し、元の良好な関係を取り戻すために、夫婦カウンセリングを検討しているご夫婦もいらっしゃるかと思います。
今回は、
- 夫婦カウンセリングの基本
- 実際の夫婦カウンセリング事例
- 夫婦カウンセリングの進行手順
について解説します。
目次
1、夫婦カウンセリングとはどんなもの?
夫婦カウンセリングとは、夫婦だけで解決するのが難しい問題を解決するため、夫婦がいっしょに受けるカウンセリングのことです。夫婦カウンセリングでは、臨床心理士などの資格を持っているカウンセラーが、こじれてしまった夫婦関係をより良い関係に修復したり、場合によっては別れることも検討したりします。
夫婦カウンセリングでは、夫婦のお話を聞いたり経験に基づいたアドバイスをしたりするだけでなく、専門性の高い心理学的なカウンセリングを行なうのが特徴です。
近年、離婚問題に直面する夫婦の増加に伴い、夫婦カウンセリングを受けるカップルの数も増加傾向にあります。「できれば離婚をしたくないけど、自分たちだけでは現状を変えるのは難しい」。そんな思いを持つ多くのカップルが、夫婦カウンセリングを受けています。
2、夫婦カウンセリングの対象となる問題
夫婦間で生じたあらゆる問題が夫婦カウンセリングの対象となります。コミュニケーションに関すること、心理的なケアが必要なことなど、夫婦に関するすべての問題に対応可能です。
例えば、夫婦の一方から離婚や別居について話を切り出されたり、既に別居中あるいは家庭内で別居している状態が長期化していたりするケースは夫婦カウンセリングの対象となります。また、夫婦間でセックスや会話がない状態が長期化していたり、夫婦の一方が浮気しているのが判明したりしたケースも夫婦カウンセリングの対象となる問題です。
この他、「愛情を感じられなくなった」「円滑にコミュニケーションができない」「些細なことで喧嘩をする」「価値観を共有できない」「子育てや教育に関する考え方の不一致」「不妊治療に絡む考え方の不一致」など、夫婦間の問題であればどんなことでも夫婦カウンセリングの対象となります。
また、夫婦のどちらかアスペルガー症候群のため夫婦間でコミュケーションがうまくとれない場合も夫婦カウンセリングの対象となります。さらには、言葉や態度による暴力であるモラハラが夫婦間で行なわれている場合も、夫婦カウンセリングを受けることは可能です。
3、夫婦カウンセリングでは夫婦問題を解決できるの?
思い切って夫婦カウンセリングを受けてみようかと思っても、夫婦問題をカウンセリングで解決できるのか、その効果はあるのか気になるのではないでしょうか。
カウンセリングを受けると、相手の話を冷静に聞いたり、自分のことを客観的に見たりできるようになります。すると、それまでの誤解が解けて相手のことを理解できるようになります。
その結果、家庭内での振る舞い方も変化して、夫婦関係を修復させ問題解決する効果が期待できるのです。またカウンセラーを通じてパートナーと話し合うので、自分の気持ちをスムーズに伝えることができ、気分がスッキリするという効果もあります。
4、夫婦カウンセリングで問題解決できた事例
ここでは、夫婦間に生じた問題について夫婦カウンセリングを受けることで、どのように問題解決できたかを事例で紹介していきます。
(1)コミュニケーションがとれない夫婦
①抱えていた問題
結婚10年目を迎えて夫婦で会話が一切なく、コミュニケーションがとれていなかった。
②カウンセリングのきっかけ
離婚も視野に入れて現状を打開しようとカウンセリングを受けた。
③カウンセリングの具体的内容
1回目のカウンセリングで夫婦が結婚に至った経緯と意義という原点に回帰して、コミュケーションの大切さを伝えられ、2回目のカウンセリングで辿り着く方法は違っても同じ目的を持って着地点を描きお互いを認め合うという建設的な話し合いをすることを提案された。
④カウンセリングの効果
これまでになかった視点や発想を提示され、夫婦関係の修復に取り組んでいけるようになった。当初は離婚も考えていたが、修復することを選択した。
(2)夫の浮気疑惑をめぐって対立している夫婦
①抱えていた問題
過去に浮気をしていた夫を信用できず、妻が不安を抱えていた
②カウンセリングのきっかけ
夫が過去に浮気していた女性から携帯に着信があり、また浮気をしているのではと疑うようになった。話し合いをしても平行線で解決できそうにないため、夫婦でカウンセリングを受けることにした。
③カウンセリングの具体的内容
妻は想像を抑えて浮気という過去の事とできるよう努力し、夫は起こった現実に対して謝るようカウンセラーから提案された。さらに、カウンラーという第三者前でお互いが今後誠実な行動をすることを直言するよう夫婦に対して提案した。
④カウンセリングの効果
夫婦で言い争うことがなくなり、前向きな姿勢で問題解決していこうと考えられるようになった。
(3)価値観の相違から喧嘩ばかりしていた夫婦
①抱えていた問題
妻は夫が自分の考えをわかってくれないと主張し、夫は解決できない問題なので話し合いをすることに意味がないと主張し、喧嘩を繰り返していた。
②カウンセリングのきっかけ
喧嘩ばかりしている現状を打開するため、夫婦でカウンセリングに参加した。
③カウンセリングの具体的内容
妻には夫の気持ちを通訳してから夫に妻の気持ち、現状を分かってもらうための話しの伝え方やタイミングという工夫を努力してもらい、夫へは日常の家族へのサポートに努力している妻を評価するという出発点から妻の気持ちを分かってあげようとする努力をしてもらった。
④カウンセリングの効果
具体的な話し合いの中で、夫婦で不足していた問題(相手を思いやる、相手に感謝をする)を確認できた。価値観の違いがあっても、お互いが認め合うこと、同じ方向を向いていくことで喧嘩を減らすことができることがわかった。
5、夫婦カウンセリングの流れ
夫婦カウンセリングがどういう流れで行なわれるのか気になるかと思います。ここでは、一般的な夫婦カウンセリングの流れをご紹介します。
(1)初回の夫婦カウンセリング
①カウンセリングを受ける前にシートへ記入する
夫婦の間で抱えている問題、現在の夫婦生活、将来の希望について、用意されたシートに書き込みます。夫婦カウンセリングを実施するために必要となることです。形式にこだわらず自由に書いてもよく、具体的に書けないことがあっても問題ありません。
カウンセラーが相談者のペースに合わせて口頭で質問してくれるので、あわてずに自分の言葉で書いていけばいいだけです。
②夫婦間の問題の分析
記入したシートを見て、カウンセラーは夫婦間の問題が何かを分析します。分析ポイントには、以下のようなものがあります。
- お互いの思いにどこにどのくらいの開きがあるのか?
- 日常生活でどの程度のコミュニケーションがとれているのか?
- 夫婦でどちらが物事を決定することが多いか?
- 現状のままだと夫婦関係はどうなるか?
などを踏まえ、経済的、精神的な状況も踏まえこの夫婦・家族の“幸せ”という着地点は、修復にあるのか、離婚にあるのかのポイントから分析して、カウンセラーは問題解決するためのアドバイスをしてくれます。夫婦カウンセリングで行なうのは、過去の相談事例の結果分析をベースに、個々の夫婦の特徴を見極めながら常に新しい形態としての分析です。
③夫婦カウンセリングの目標を明確にする
夫婦カウンセリングを行なうことによって達成する目標を明確にします。さらにその目標を実現するために夫婦で日常的にできることは何かを検討し小さなことから一つずつ始められるよう、それを夫婦とカウンセラーで共有します。
(2)2回目以降の夫婦カウンセリング
1回目のカウンセリングの後に夫婦の間で起きた出来事、気づき、カウンセラーに伝えたいことについて聞いてみます。カウンセラーは1回目に設定した夫婦カウンセリングの全体目標を確認し、次回のカウンセリングの目標を設定します。さらに、行動してみると細かい諸問題が出てくるので都度、メール・電話対応にて夫婦間の問題に取り組むのもカウンセラーの仕事です。
6、夫婦カウンセリングにはどれくらい料金がかかるのか?
夫婦カウンセリングを受けてみようと思い立っても、どのくらい料金がかかるか気になるのではないでしょうか。
夫婦カウンセリングを受ける回数は決まっているわけではありませんが、1回で終わることはまずありません。どういう相談内容であるか、どんなことを希望されるかによって回数は決まってきます。それほど深刻ではない問題であれば、1~2回のカウンセリングで終わることもあるでしょう。
面接料金は1回あたり5000~1万5000円が、一般的な料金の目安です。それぞれカウンセリングを受ける相談室によって料金に幅があり、初回限定で無料のところもあります。なお時間延長する場合は、面接料金とは別に30分あたり3000~5000円ほどの延長料金かかります。
また予約をしていた時間をキャンセルするとキャンセル料がかかる場合もあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
7、夫婦カウンセリングを受けられる場所
夫婦カウンセリングを受ける場所としておすすめなのが「岡野あつこの離婚相談救急隊」。
こちらは離婚相談件数日本一の相談室で、30000件以上の豊富な成功事例のデータを基に相談者とその家族の幸せを考えたアドバイスを親身な対応で行なっています。
「夫婦関係が悪くなり離婚の危機に直面して苦しみ悩んでいる方」「どこに相談すればいいかわからず悩んでいる方」「ストレスで疲れた毎日を送っている方」の気持ちを理解することが、この夫婦カウンセリング相談室のミッションです。
所属する夫婦問題カウンセラーは相談者のメンタル面をしっかりとサポートするため、相談者の気持ちに寄り添いながら常に解決スキルを磨き結果が“得”で“幸せ”になれるよう心のこもったアドバイスを行なっています。
ビデオ通話やZoomなどを利用したオンラインでのカウンセリングも可能です。
8、質の高い夫婦カウンセリングを受けるためのコツ
カウンセラーは資格がなくても名乗ることができ、カウンセラーにもいろいろなタイプがいます。
結果を出せる優れたカウンセラーもいれば、結果が出せないカウンセラーもいるので、夫婦カウンセリングを受けるところは慎重に選ぶことが大切です。カウンセリングで後悔しないためには、以下の質の高いカウンセリングを受けるためのコツを参考にしましょう。
(1)カウンセリングを受けた人の体験談を参考にする
カウンセリングを受けることを検討している相談室で、実際にカウンセリングを受けた人の体験談を参考にします。相談室のホームページに体験談が掲載してあれば、それを見るといいでしょう。
ホームページに体験談が掲載されていなければ、ネットの口コミサイトやQ&Aサイトを見るという方法もあります。「○○○(相談室の名前)+体験談」「○○○(相談室の名前)+口コミ」などで検索すると探すことができるでしょう。ただし、カウンセリング業界の歴史がまだ浅いため他を陥れるがための中傷的な口コミもあるので十分に読み込んでください。
(2)夫婦カウンセリングを占いと勘違いしない
相談室によっては占いの要素を取り入れて、タロットカードを使っているところもあります。夫婦から話を聞きやすくするため行なうのですが、将来のあり方をただ見るだけではなく具体的な結果を望み現状を変えていく夫婦カウンセリングの相談室としては不適切です。
女性は占いを好む傾向があり心のよりどころにするのはいいですが、夫婦間の問題が当たるも八卦の占いで解決できると勘違いして後悔しないようにしましょう。
(3)メール相談や電話相談を利用してみる
いきなり夫婦カウンセリングを受けることもできますが、カウンセラーとの相性が悪いこともあります。カウンセラーが多数いる相談室の場合は受付に現況を話して合うカウンセラーに繋げてもらえますし、カウンセリング前のメール相談や電話相談に対応していれば、まずはそれを利用してみるといいでしょう。
カウンセラーが自分に合うかどうかを知ることができ、実際に面接する際に相性の良いカウンセラーを選ぶことができます。メール相談や電話相談は初回無料で実施しているところもあるので、ぜひ利用するようにしましょう。
9、夫婦カウンセリングを成功させるためのコツ
夫婦の関係が悪化して2人では問題解決できないようでしたら、なるべく早く夫婦カウンセリングを受けるといいでしょう。ただ、夫婦カウンセリングを成功させるコツがあるのでご紹介します。
(1)客観的に話をする
できるだけ自分のことを客観的に話をして、カウンセラーに伝えるようにしましょう。だれでも自分のことは感情的になってしまいがちで、夫婦の状況や気持ちがカウンセラーに伝わりにくいからです。でも安心してください。たとえ感情的に話してしまってもカウンセラーは中立的な立場で話を聞いてくれる人です。
(2)落ち着いて相手の話を聞く
決して感情的になることなく、落ち着いて相手の話を聞くようにしましょう。夫婦がいっしょに夫婦カウンセリングを受けると、カウンセラーに自分はこんなに頑張ってきたことを伝えたくて必死に話そうとしてしまいがちです。また、相手を責めたてて言い争いになり、夫婦が更に険悪になってしまったり、カウンセリング結果が半減してしまうことがあります。
(3)より良い夫婦関係になることを考えて話し合いをする
夫婦カウンセリングではネガティブに物事を捉えてしまいがちで、相手に対していつも否定的なこと言ってしまう傾向があります。相手にも悪いところがあるのでしょうが、夫婦カウンセリングの目的は夫婦関係を修復・改善することです。どうやったら現状を改善して、より良い夫婦関係になるかを考えて話し合いをするように心がけましょう。
10、夫婦カウンセリングの前に知っておきたい夫婦円満の秘訣
夫婦カウンセリングを受けるのは、離婚という最悪の事態を避けるためには必要なことです。一方で、夫婦カウンセリングを受けなくても、夫婦が円満になることはできます。
ここでは、夫婦の問題を解決して夫婦円満になる秘訣をご紹介します。
(1)心が離れてしまう前に関係修復の努力をする
円満な夫婦間では、相互の関係やその場の雰囲気があやしくなる前に、和ませて元に戻そうと無意識のうち努力しています。相手の気持ちを汲んだり、関係修復の努力をすることは、夫婦関係を好転させるのに効果的です。
(2)2人が出会った時から現在までを振り返る
2人が恋愛中、結婚生活において経験したさまざまなことは、夫婦の絆を形成する上で重要な過程です。それらを振り返ることで、結婚した意味や自分の当時の決心を思い出すことができます。
(3)相手への思いやりを取り戻す
日常の生活や忙しさによって失われてしまった相手への思いやりを、以前と同じように取り戻します。具体的には、パートナーに関することを質問します。
例えば、「どんなことにストレスを感じているか」「どんな価値観を人生で大切にしているか」「好きな映画や音楽は何か」「あなたの夢は何ですか」「あなたの嫌いな人はだれか」「あなたをイライラさせていることはあるか」などの質問があります。
質問したら、話を素直に受け止めて聞くことと、相手に対して興味を持ちながら聞くことがポイントです。こうすることで、相手のことを理解しようとしていることが伝わり、安心感や期待感を抱いてくれるようになります。
11、夫婦カウンセリング以外の対処法とは
浮気や不倫が原因で夫婦仲が悪くなった場合には、夫婦カウンセリングの前に思い当たる原因をはっきりさせた方がいい場合もあります。以下でご紹介するものの中から、あなたに最適な対処法を選択されることをおすすめします。
(1)探偵に調査を依頼する
パートナーが浮気や不倫をしているという確証がない場合は、まずは事実を明らかにすることが大切です。浮気や不倫を理由に離婚などを主張する場合には、事実がはっきりしないと有利に話を進めることはできません。
自分で調査することもできますが、パートナーにばれるリスクもあります。プロである探偵に調査を依頼すれば、リスクを最小限に事実を明らかにすることが可能です。
詳しくは「浮気・不倫の証拠を集める前に知っておくべき6つのこと」をご参照ください。
(2)離婚カウンセラーへの相談を検討する
離婚しようかと迷っている段階ではなく、既に離婚を視野に入れて検討しているという場合もあるでしょう。その場合には、離婚カウンセラーに相談して、これまでの流れを整理したり、これから運ぶ手順をシミュレーションしたりしてもらい、これからの方針を見つけるとよいでしょう。
法的な手続きなどは弁護士に相談するなど、メンタルと法律のすみ分けや自分に有利に離婚の話を進める心構えと覚悟をアドバイスをしてもらえます。
詳しくは「離婚カウンセラーによるカウンセリングで夫婦問題を解決する方法」をご参照ください。
(3)弁護士に相談して離婚手続きのサポートを受ける
離婚する意思が固まって、離婚手続きに取り掛かりたいという場合は弁護士に相談するといいでしょう。離婚手続きに関する適切なアドバイスやサポートをしてくれます。ベリーベスト事務所では、離婚問題に精通した離婚専門チームが無料相談に親身に応じています。是非、お気軽にお問い合わせください(電話番号:0120-711-765)。
また、「離婚事件に強い弁護士に出会うために絶対に知っておきたいこと」もご参照ください。
夫婦カウンセリングのQ&A
Q1.夫婦カウンセリングとはどんなもの?
夫婦カウンセリングとは、夫婦だけで解決するのが難しい問題を解決するため、夫婦がいっしょに受けるカウンセリングのことです。夫婦カウンセリングでは、臨床心理士などの資格を持っているカウンセラーが、こじれてしまった夫婦関係をより良い関係に修復したり、場合によっては別れることも検討したりします。
Q2.夫婦カウンセリングの対象となる問題は?
夫婦間で生じたあらゆる問題が夫婦カウンセリングの対象となります。コミュニケーションに関すること、心理的なケアが必要なことなど、夫婦に関するすべての問題に対応可能です。
Q3.夫婦カウンセリングを成功させるためのコツは?
- 客観的に話をする
- 落ち着いて相手の話を聞く
- より良い夫婦関係になることを考えて話し合いをする
まとめ
夫婦関係の修復を望む場合、パートナーの同意が得られれば夫婦カウンセリングを受けることがおすすめです。時間はかかるかもしれませんが、夫婦がお互いに変化して問題解決へと導かれることでしょう。
現在、夫婦の間で問題を抱えている方は、夫婦カウンセリングを受けられることをおすすめします。ただし、相手が嫌がったり、意味がないといって望まない時はお一人でのカウンセリングで対策を練ることも必要です。