日本では、約3割の夫婦が離婚するとされていますが、これを上回る約半数の妻が旦那と別れたいと思ったことがあるとの調査結果があります(出典:『「結婚生活」と「離婚」に関する意識調査報告』NPO法人ファザーリング・ジャパン)。そのような気持ちは多くの人にとって普通のことであり、その気持ちを受け入れ、解決策を見つけることが重要です。
「旦那と別れたい」の検索キーワードに関連する共起語を紹介します。旦那と別れたい理由や相談、悩みについて知りたい方に役立つ情報を提供します。また、旦那と別れたい方法や心理、離婚、妊娠や子供との関係、結婚生活についても探求します。さらに、旦那と別れたい場合におすすめのカウンセリングについても紹介します。
離婚したい場合には、事前に知っておくべきことがあります。この記事では、離婚事件を多く解決してきた弁護士の監修のもと、旦那と別れたい妻が知っておくべきポイントを説明します。ご参考になれば幸いです。
さらに、離婚に関心のある方には、こちらの関連記事もご覧いただくことをおすすめします。
離婚したい場合はこちらの記事もご覧ください。
目次
1、旦那と別れたい理由、別れたいと思う時
世の女性の皆さんは、どういう時に「旦那と別れたい」と思うのでしょうか。
2021年に妻から調停を申し立てたケースで申し立ての動機として多い順に紹介します(出典:「令和3年度 司法統計」)。
(1) 性格が合わない
統計を取り始めた1977年以降一貫して1位です。やはり婚姻を継続していくうえで、性格の一致は最も重要といえるようです。
(2) 暴力を振るう
いわゆるDVです。
「暴力」とは、実はとても奥深いものです。
正義のヒーローが敵を倒すときや、格闘技もある意味暴力です。そのような良い意味の暴力だけでなくても、やくざ・不良少年映画での暴力などでも、肉体的な強さを「ステキだ」と思うもの人間なのです。
そのため、暴力はいけないとはわかりながらも、暴力を振るうからといって一概に悪く受け止められるわけではありません。
そのせいで、
- たまに暴力に出るけどそれ以外は優しい
- 本気で叩いてはいない
などのケースでは、ギャップの法則により脳が騙されてしまうケースも多々あります。
しかし、強い暴力が自分に向けられ始めると、やはり耐えられなくなってきます。また、相手を強いと思うからこそ、恐怖すら覚えてしまいます。
(3) 異性関係
異性関係は、古今東西、男女問題のトップを走るトラブルのもとです。
一度きりの浮気、プラトニックな浮気、風俗通い、浮気性、本気の恋など、そのタイプは様々ですが、自分だけに向けられた愛情だと信じるからこそ生まれる信頼関係において、他の誰かにも同様な気持ちを持たれている浮気・不倫では、夫への信頼がなくなってしまうのも無理はありません。
(4) 浪費する
稼ぎがある人の浪費を批難する人は少ないでしょう。稼ぎが少なく、妻が稼いだお金も使い込んでしまうという浪費タイプの場合、別れたいと感じる人が多いと思います。
お金に左右されずに生きていきたいという価値観が強い人もいます。
このような価値観の人は、借金もいとわないですし、お金で人生を諦めることもありません。稼ぐことにももっと執着してくれれば・・と思ってしまう妻は少なくありません。
(5) 性的不調和
性的不調和といっても様々なケースがあります。例えば、性交不能や性交拒否、性欲異常、性的潔癖、性的嗜好異常、同性愛等です。
精神的な繋がりと同様に、肉体的な繋がりも大切です。肉体的な繋がりは精神的繋がりの表れとも言えるケースもあるでしょう。
あまり人には相談できない理由だからこそ、悩みが深くなってしまう人が多いといえます。
2、 旦那と別れたい!でも踏み切れない理由とは
旦那と別れたいと思っていても、なかなか踏み切れるものではありません。
なぜなら、人間は惰性で生きる生き物であり、未知のことに恐怖を感じる本能があるからです。
結婚生活とは、「旦那と一緒に暮らすこと」だけではありません。
- 苗字が変わる
- 夫の家族と「姻族」という関係になる
- ●●(夫の名前)の妻という立場になる
- 「既婚者」という立場になる
- 今の家(住所)に住んでいる
というように、結婚することにより様々な立場になっているのです。
そのため、離婚をするということは、すべてを捨てるということ。
夫のことが嫌だ、ということだけでは踏み切れないのは当然です。
また、次のような事情もあるのが一般的です。
離婚に踏み切れない理由をみていきましょう。
(1) 自活
旦那に経済的に依存する生活をしていたとしたら、自活しなければなりません。
自活するためには収入を得るための術が必要になります。ただ、仕事を見つけてからでなければ別れられないかというと、そういうわけではありません。
相手に一定の資産があればですが、別居すれば旦那に婚姻費用として生活費を請求できます。離婚が成立すれば、財産分与、慰謝料、子の養育費を請求することができます。
もっとも、ゆくゆくは自活する術は必要です。また、スムーズに事が運ぶとは限らないので、引越し費用や当座の生活費を工面する必要はあるでしょう。
こちらについては「5」で詳述します。
(2) 子供への悪影響
子への悪影響も心配されることでしょう。
実際は、片親であっても普通に成長してくれます。一人で背負わず、両親や親戚、自治体のサービスやご近所等に助けを求めながら育てていけば、より一層安心できることでしょう。
しかし、子どもがいる家庭におけるひとり親家庭の割合は6.6%と、まだまだ少数派であるため、どんな影響があるかわからないと考えるとやはり踏み出せない方は多いものと思います。
ただ現代では「共同養育」という考え方もあり、離婚をしても一緒に育てていくことは可能です。旦那に我慢するあまり、子育てを思うように楽しくできないような場合は、踏み切ることが子どものためであるケースもありますので、一人で抱え込まず周囲へ相談していきましょう。
参考:児童数別、世帯構造別児童のいる世帯数及び平均児童数の年次推移
(3) 住宅ローン
返済中の住宅ローンはどうすればよいのでしょうか。
これまで身を切る思いで切り詰めて返済してきたのに、それが水泡に帰すかと思うと、別れたいと思う気持ちが音を立てて萎んでいく気持ちはよくわかります。
しかし、今離婚せず完済したあとに出ていくなら今出ても同じです。完済後に旦那を追い出す計画でも立てなければ同じなのです。
またローン返済中でも売却は可能ですので、築が浅い方が高く売れますのでアンダーローン(売却額よりローンの方が少ない)で売れる可能性もあります。
離婚と住宅ローンの関係について、詳しくは以下の関連記事ををご参照ください。
(4)世間体
子どもがいる家庭におけるひとり親家庭の割合は6.6%です。
そのため、シングルマザーは好奇の目で見られるのでは、という気持ちがあることでしょう。
世間に対し、「私の生き方はこうです!」と風邪を切って発信できる人ばかりではありません。そんなとき、旦那と別れたいけどみんなと違うことができない自分に、落胆してしまうこともあるでしょう。
このようなときは、シングルで生きる方々との出会いをもつようにしてみてください。日本の6.6%であったとしても、周囲に3人シングルマザーがいるだけで、不思議と「みんなやってるじゃん!」と強くなれるもの。
世間体を気にして身動きが取れなくなっているのなら、一度あなたの視点を変えてみることをお勧めします。
3、やっぱり旦那と別れたい!離婚する前にやっておくべきこと
今すぐでなかったとしても、いつかやっぱり別れたいと考えるあなたへ、旦那と別れるまでにしておくべき準備を紹介いたします。そうすれば、これからのあなたの気持ちに任せて別れることができます。
我慢をしているくらいなら、離婚の準備に時間を使っていきましょう。
(1) 弁護士に相談する
我田引水のつもりはないのですが、やはり最も手っ取り早いのは弁護士に相談することです。餅は餅屋ですので、離婚する気持ちが固まっていなかったとしても、離婚についての情報のため相談してください。
当事務所でも無料相談をおこなっております。
(2) 住居や仕事などの別れた後の生活をできる限り具体的に想像する
別れた後の生活はどうなるでしょうか。
- 今住んでいる家の持ち家ですか?
- ローンはありますか?
- 別れても今の家に住み続けたいですか?
- 旦那が住むといったらどうしますか?
- 処分したほうがよさそうですか?
住居に関してだけでも考えなければならないことは山ほどあります。
現在、職に就いていない人や、自活するだけの収入がない人は、自活するだけの職を得られそうかどうかも考えなければなりません。
(3) 別れたい理由が法定離婚事由に当たるか確認する
あなたの別れたい理由は法定離婚事由に当たるでしょうか。
法定離婚事由とは法律で定められた離婚理由のことで、これに該当すると相手が離婚を拒んでも、裁判で離婚することが可能になります。法定離婚事由には次のものがあります。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みのない精神病
- 婚姻を継続しがたい重大な事由
法定離婚事由について詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
(4) 子どもがいる場合は親権をもちたいか考える
親権をもちたいなら、親権はどうやって決まるかについて知っておくべきでしょう。親権の獲得方法について、詳しくは、以下の関連記事をご参照ください。
(5) 共有財産を確認する
共有財産は財産分与の対象となります。同居しているうちにどの口座にいくら預金があるか等、財産状態を把握しておきましょう。別居すると、確認しにくくなります。
(6) 証拠を収集、保全する
不倫の証拠等、法定離婚事由が旦那にあることや、共有財産の存在を示す証拠を集めて、消されないようにしておきましょう。証拠がないととぼけられて主張が認められないことも考えられます。
(7) 旦那の収入を確認する
子供の親権を得た場合、旦那に養育費を請求できますが、養育費の額の算定には収入が関わってきます。どのくらいの養育費が見込めるか算段したい場合、旦那の収入がどのくらいあるかをあらかじめ把握しておくとよいでしょう。
4、旦那と別れるなら」知っておきたいスムーズに離婚する方法
離婚することを決意したとしても、相手の合意がなければ離婚は難航します。合意がない場合は、離婚をやめるか、裁判沙汰にする必要があるのです。
できればスムーズに相手の合意を引き出せるとよいでしょう。
本項では、相手の合意を引き出す離婚の手順を解説していきます。
(1) 本気であることを伝える
旦那に本気であることが伝わらないと、真剣に話し合いに応じず煙に巻こうとしてきて、話が進展しません。
そのため、まずは本気であることを伝える必要があります。
本気であることを伝えるには、冷静に別れたい理由をその証拠と共に切々と伝えたうえで、さらに別れた後の生活プランも既に明確に考えてあることを伝えることが重要です。
本気であることを伝えたいがあまり、冷静さを失い感情的になってしまうと逆効果です。
感情の赴くまま口論になり、離婚話が進展することはありません。
また、別れたい理由となる事実に対して、旦那は「嘘」とか「誇張」といった主張をしてくるかもしれません。そのような主張を受けた場合に、嘘でも誇張でもなく事実であることを証明するための証拠も用意しておきましょう。
さらに、その理由が法定離婚事由に当たる場合は、拒否しても裁判をすれば離婚が認められるほどの理由であることを伝えてもよいでしょう。
妻に経済力がない場合は、旦那は必ずと言ってよいほど「生活していけないだろう」と高を括ります。生活プランも既に考えていて問題なく生活していけることもしっかりと伝えましょう。
以上の点をしっかりと伝えることができれば、少なくとも本気であることは伝わり、話し合いの俎上(そじょう)に乗るはずです。
(2) 条件を明確に伝える
離婚したいという気持ちが強過ぎると、「離婚できるなら」と相手の望む条件に合わせてしまいがちです。
そうならないように、財産分与、慰謝料、親権、養育費、婚姻費用等について、妥当な帰着点を予め算出しておき、その額が妥当であるという根拠と共に説明できるようにしておきましょう。相手の望む条件を安易に飲む必要はありません。
なお、決定した条件は、履行されなかった場合に強制執行できるように公正証書にしておくとよいでしょう。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(3) 別居する
離婚協議を進めるにあたり同居をしていることがストレスになったり身の危険を感じたりすることが多くあります。そのような場合は離婚に先駆けて別居するとよいでしょう。
また、離婚話を誤魔化そうとするような旦那の場合には、本気であることが旦那に伝わるという効果もあります。
当事者同士で冷静に協議を進められるのであれば同居のまま進めた方が手っ取り早いのですが、同居しながら冷静に離婚協議を進められるというのは稀で、通常は感情的な言い合いになり収集がつかなくなってしまいます。
そのような場合は、別居したうえで弁護士に交渉を委ねたり、調停を申し立てるたりして、第三者を介した方がよいでしょう。
なお、別居の場合には、婚姻費用として旦那に生活費を請求できる場合があります(後述)。
また、旦那の暴力等によって身の危険があり別居する場合は、通常通りに住民票を移すと旦那に居場所が分かってしまうおそれがあります。
住民票を移す場合は、市区町村に対して住民基本台帳事務におけるDV支援措置を申し出ましょう。
これにより旦那からの住民基本台帳の一部の写しの閲覧」、「住民票(除票を含む)の写し等の交付」、「戸籍の附票(除票を含む)の写しの交付」の請求・申出があっても、これを制限する措置が講じられます。
(4) 弁護士に相談する
有利な条件でスムーズに離婚するためには、やはり弁護士に相談した方がよいでしょう。
有利な条件を引き出すためには専門家に委ねたほうがベターですし、離婚までの期間も短くて済みます。また、交渉、手続、調査に要する自分の時間も節約できます。
5、旦那と別れたい…離婚とお金の関係
離婚したいけど、離婚後のお金のことが心配という方は多いでしょう。
以下では離婚とお金にまつわることについて説明します。
(1) 婚姻費用
婚姻中に別居する場合は、旦那に婚姻費用を請求できる可能性があります。
婚姻費用とは収入格差のある夫婦が別居する等して生計を分けた場合に、婚姻中の夫婦が互いに同等程度の生活をしていくために、収入が多い方から少ない方に支払うお金のことです。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(2) 財産分与
財産分与とは離婚の際に夫婦の共有財産を貢献度に応じて按分することです。夫婦共有財産に含まれるのは、婚姻生活中に夫婦が協力して得た財産です。
専業主婦であっても、婚姻中に貯めた財産の半額を受け取る権利があります。
詳しくは、以下の関連記事をご参照ください。
(3) 年金分割
年金は、ざっくりいうと、支払った額が多ければ給付される額も多くなりますが、専業主婦や働いていても旦那よりも給与が低い場合は、旦那よりも年金が少なくなってしまい不公平です。
そこで、婚姻期間中に支払った年金を夫婦で按分して不公平を無くすのが年金分割です。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(4) 慰謝料
慰謝料とは精神的損害に対する賠償です。
不倫をされる等の精神的な苦痛を被った場合等に請求できます。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(5) 養育費
養育費は子を引き取って監護する方に対して相手が支払います。
自分が子を監護する場合は請求しましょう。
養育費について詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(6) 公的扶助
シングルマザーには様々な公的扶助が用意されています。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
まとめ
離婚は言うまでもなく非常に重大な決断です。別れるべきかそうでないか、また、別れる場合はどのようにすれば最良の結果を得られるか、このページを参考にじっくりと考えてみてください。