
略奪愛を成就させたい。このまま彼の奥さんから彼を略奪して幸せになりたい。
交際相手に奥さんがいる状態、いわゆる不倫関係となってしまっている女性のなかには、上記のように考えている方もいらっしゃると思います。
しかし不倫の末の略奪愛には様々なリスクが伴いますし、略奪したからといって幸せな関係を築けるとは限りません。今回は、弁護士の立場から、略奪愛としてよくある事例と略奪愛のリスクについて説明していきます。
不倫に悩んでいる方は、以下の関連記事もご覧ください。
関連記事
目次
1、略奪愛に対する世間の本音
少し古いですが、ゼクシィが2010年に行った20代から30代の女性を対象とした「略奪愛はアリだと思いますか?」というアンケート(※)の結果では、「略奪愛」に関しては77パーセントの方が「アリ」という結果が出たようです。
ただしこれは「2人とも未婚なら」という条件付き。
「2人とも、またはどちらかが既婚者である場合」には「ナシ」という回答が91パーセントという結果でした。
- 不法行為なので法的責任が発生する違法な行為
- 犠牲になるもの(家族やお金、信頼など)が大きすぎるのでNG
など厳しい意見が見られ、世間が「2人とも、またはどちらかが既婚者の場合」には略奪愛は許せない、という認識が大多数を占めていることが分かりました。
※出典:セキララ☆ゼクシィ:ゼクシィユーザーアンケート「結婚生活や略奪愛について」
2、よくある略奪愛の事例
略奪愛を経験された方には、
- とにかく好きになってしまって気持ちが止められず略奪した
- 相手に妻との不仲を聞かされて「私の方が彼を幸せにできる」と略奪した
という方が多いようです。
今まさに略奪愛をしようと考えている方の中には、このように彼のことが大好きで略奪しようとしている方や、彼を幸せにしてあげたいという気持ちから略奪をしたいと考えていらっしゃる方もいると思います。
しかし略奪愛を経験した方は多くの場合、成就してもずっと不安を抱えて過ごしている方や、結局は幸せになれなかったという方が多い傾向にあります。
「人のものだから手に入れたい」という心理が無意識に働いて、実際に手に入れた後にはどうでもよくなったという話もよくあります。
一度ここで冷静に考えて下さい。そもそも、
- 刺激が欲しいだけではないか
- 奥さんに勝ちたい、自分が認められたいと思っているだけではないか
そして今後、
- 沢山のリスクを背負ってでもその交際相手と一緒になりたいのか
きちんと考え、思いとどまる勇気をもつことも必要です。
芸能人でも記憶に新しいベッキーさんと既婚者のゲスの極み乙女の川谷絵音さんの件があります。
結局ベッキーさんの略奪愛は成就しませんでした。それどころか、彼女に残ったのは厳しい社会的な制裁でした。
不倫をし、成功する・しないに関わらず略奪をしようとしていたという事実だけでも世間の目は厳しいものであることは言うまでもありません。
さらに略奪愛で成就し、本来は喜ばしい結婚という結果になっても、周りから祝福されないという悲しい現実が待っています。
3、知っておきたい略奪愛のリスク
略奪愛には沢山のリスクが伴います。
まずは社会的なリスクや金銭的なリスクについて知っておいて下さい。
(1)社会的評価が下がる
まず、社会的評価が下がるリスクがあります。
例えば、不倫や浮気の事実があなたの勤める会社での社内不倫がバレた場合に会社を辞めざるを得なくなるなどです。
辞めるまでいかなくても、降格、転勤や賞与の不支給などの処分があったり、あなたが派遣社員ならば契約の更新がされなかったりという可能性があることも考えられます。
会社からの辞令としての制裁はなくても、周りの目が冷たく会社を辞めざるをえなかった、という事実上の制裁もあるようです。
(2)慰謝料を支払う義務が発生する
不倫関係がバレてしまった時点で、多くの場合相手の奥さんから慰謝料を請求されることになるでしょう。
不倫慰謝料の相場は200万円ほど(幅としては事情により100万円〜500万円)とされており、高額になる可能性も考えられます。果たしてその交際相手と一緒になるためにそれだけのお金を払う価値があるでしょうか。
(3)(不倫相手に子供がいた場合)養育費をずっと支払い続けなければならない可能性も
相手に子どもがいた場合、その相手は子どもが成人するまで養育費を払い続けていかなくてはいけないことになります。
略奪が成功して夫婦になれたとしても、その金銭的な負担はずっと背負っていかなくてはならないのです。
4、略奪に成功したとしても幸せな関係になれるとは限らない!
「3、知っておきたい略奪愛のリスク」では社会的なリスク、金銭的なリスクをご紹介しました。
それなら「愛のために会社は辞めるから!お金は払うから!」という方もいらっしゃるとは思いますが、略奪愛には今後の人生において精神的なリスクも伴うことを覚えておいていただきたいと思います。
(1)罪悪感との戦い
元奥さんから奪った、一つの家庭を壊した、という罪悪感を背負って生きていかなくてはなりません。
万が一相手の奥さんがこのことが原因で自殺をしてしまった、なんてことになる可能性があるとしてもあなたは略奪愛を選ぶでしょうか。
(2)噂はあっという間に広がる…周りの目が冷たい
「1、略奪愛に対する世間の本音」で紹介したように略奪愛を良いとは思わない人は大変多いです。
場合によっては友人のあなたを見る目が変わり、疎遠になってしまうということも考えられるでしょう。
いざ略奪をして晴れて結婚することになっても、心からあなたの結婚を喜んでくれる友人はいるでしょうか。
結婚式に招待しても誰も来てくれなかった、という経験をされる方もいます。
場合によってはあなたの両親や親戚にも冷たい目が向けられる可能性も十分に考えられます。
(3)そもそも略奪愛に応じる男は男として信用できるか疑問。略奪愛は基本的に続かない
今はあなたを選んで一緒になったとしても、一度浮気や不倫をした人はまた繰り返す可能性があります。
略奪愛が一度成功しても、自身の経験が仇となり「次はいつ他の女性に盗られるか怖い」と常に不安と戦いながら生活をしている女性はとても多いのです。
略奪愛まとめ
ご紹介したように略奪愛には様々なリスクが伴いますし、あなたが手に入れる幸せによって、沢山の人を不幸に巻き込んでしまう可能性もあります。
そのリスクを冒してまでも一緒になりたい相手ですか?
結婚して家庭を持った男性が不倫に走ってしまったということには、勿論あなたが美しくて素敵だったからという理由もあるでしょう。
奥さんに持っていないものをあなたは持っていたということもあると思います。
だからこそ既に相手がいる人ではなく、あなたを一番に考えてくれる相手となら、苦労をすることなくきっと素晴らしい未来を一緒に築いていくことができるでしょう。
今回の内容が「今すぐにでも略奪してしまいたい」と考えている方が一度立ち止まって冷静に考えてくださるきっかけになれば幸いです。