現代社会では男女平等やイクメンの考え方が広まりつつある中で、依然として家事を全くしない夫が存在します。
共働きや育児が大変な状況であれば、夫に家事を協力してもらいたいと思う気持ちは当然です。
今回は、夫が家事をしない理由や、家事をしない夫との関係において離婚が可能かどうか、そして家事をしない夫への対処法について解説します。
目次
1、家事をしない夫への効果的な対処法4つ
家事をしない夫への効果的な対処法を4つご紹介します。
この4つの方法で、家事をしない夫は家事をするようになるでしょう。
(1)家事をして欲しい気持ちをはっきり伝える
あなたはきっと、夫が自ら気づくことを待っています。
そりゃそうです。
あなたは誰に言われたわけではなく気がついて家事をしているのに、何も気づかない夫はいったいなんなの?です。
なので、夫が自ら気づいたり、または気づいたとしても自ら提案してくることなど期待してはいけません。
夫に家事をして欲しいという気持ち理由を明確に説明しましょう。
または、「慣れないパートで思うように家事が回せない。パート辞めた方がいいかな?」と夫が自分に求めていることを確認するでも良いでしょう。
生きがいや子どもの教育費用にと始めたパート。
パートに出ることに賛成なのか、家事を優先して欲しいのか、相手の気持ちをきちんと確認することはとても大切。
「どうせパート辞めろと言われるよな」と話し合う前から諦めるのはもったいないでしょう。
(2)簡単な家事から頼んでみる
まず家事を頼む場合には難易度を低くしてみましょう。
いきなり、「夕飯作って」と頼んだところで、普段料理をしない男性なら困ってしまいます。
まずはゴミ捨て、洗濯物の取り込みやお風呂掃除などの簡単な仕事からお願いしてみましょう。
簡単な家事からこなして、「意外に俺でもできる!」と感じてもらえれば成功です。
(3)家事をしてくれたら感謝する、褒める
夫が家事をこなした場合は、結果がどうあれ感謝し、褒めましょう。
ゴミ捨てに褒めることなんてある?と感じるかもしれませんが、褒められることは嬉しいものです。
たとえ「次は断ってやる」と思っていた夫であっても、断ってくることは基本的に阻止できます。
ゴミ捨てであれば
「私は重くて時間がかかるのに、さすがね。早い!」
お風呂掃除なら
「隅々までピカピカ!細かいところまで気づかえてすごいわ」など。
ばかばかしいと思ってはいけません。現に、どんなにハイスペックな夫であっても、このように褒めたとき、イライラしてきたり「何言ってんの?」と言い返されることはないでしょう。
感謝や褒め言葉を交わすことは、とても大切なコミュニケーションです。このコミュニケーションをものにできれば、間違っても悪い方向へ進むことはないでしょう。
一朝一夕にはいきませんが、まず始めなければ何も変わりません。
(4)分担制を表にする
家事を少しでもやる習慣がついてきたら、家事の分担表を作成してみましょう。
「見える化」するのです。
各家庭でやってほしいことや、やりやすい家事は違うはず。夫と相談してやりやすい方法を見つけてみましょう。
2、そもそも夫はなぜ家事をしないのか
そもそも夫たちはなぜ家事をしないのか、その心理を確認しておきましょう。
家事をしない夫には夫なりの主張があるはずです。
おそらく次にあげる理由を複数抱えているのではないでしょうか。
(1)疲れている
単に疲れているため家事をしない夫が大半でしょう。
この理由では、たとえ一人暮らしで片付けや洗濯を自分でしなければならない状態であっても、疲労がたまってできません。
仕事が肉体的な重労働であったり、また責任が重い役職についているなどのケースでは、肉体的にも精神的にも家事をする余裕がないのでしょう。
(2)家事は女の仕事だと感じている(そういう時代に生まれた)
女は家にいて家庭を守るという考えの持ち主もまだたくさんいるのも事実。何故ならば夫の親の時代はそうだったからです。
どういう時代に育ったのか、また子どもの頃の自分の家庭がどうであったかは、人の考え方に大きく影響してきます。
このような夫は、たとえ共働きだったとしても、女性の「主な」仕事は家事・育児、「余裕」の範囲で少し働く、と感じているはず。
家事をしてくれるまで黙って待っていても、そんな夫が家事をする日は永遠に来ないでしょう。
(3)家事ができない
家事はやる気があってもやるだけのスキルがなければ何もできません。
今の40代50代が学生だった時代では、家庭科の授業は女子だけという学校も少なくありません。
家事とは何をしたらいいのか、どうやればいいのか。
わからない夫は何もできずに妻が家事をする様を見ているばかりになるでしょう。
できないことをやるというのは苦痛です。「どうせできない」と言う思いもあるかもしれません。
(4)家事の優先順位が低い
家事は、やったところで褒めてもらえるものではありません。
いわば自分が気持ちよく生活するための、基盤のようなものと言えます。
男女問わず存在すると思いますが、社会的に生きる本能が強い人たちの中には、「自分のためだけにやること」について優先順位が低い人は多いもの。
誰も来ない家の中をきれいに保つことにさほどの意義を感じない場合、さらに忙しいともなれば家事は後手に回ってしまいます。
(5)気にならない
家事とは大きくは掃除、洗濯、炊事を指しますが、
- 家が不潔、片付いていないこと
- 下着や服が清潔に洗濯されていないこと
- 食事が手作りでないこと
についてほとんど気にならない男性も多いものです。
家事は最低限の労力でまかなえばいいと考えているので、妻のあなたにも無理をしてまでやって欲しいとは思っていません。
(6)やっても文句を言われる
過去にやってはみたが妻にダメ出しをされて、やらなくなった夫も数多くいるでしょう。
せっかくやってもダメ出しばかりを食らってはやる気もなくなります。
文句ばかりを言われているうちにやがて夫は家事をする気がなくなっていったのでしょう。
2、家事をしない夫に妻がイライラする理由
(1)家事にはONとOFFがないから
家事にはONとOFFがありません。自宅にいる以上、あれもこれもと迫ってきます。解放されるには外出しかありません。
仕事でもONとOFFの境目が少ないものもあります。
常にパソコンを持ち歩いている仕事人がパソコンを紛失してしまったとき、顔面蒼白になると共にある種の開放感を覚えたという話もありますが、それくらいOFFがないということは精神的にくるもの。
もし夫がON・OFFの境目があまりない仕事に就いている方は、ぜひそこから説明してみてはいかがでしょうか。
(2)仕事でもON、自宅でもONだから
共働きで仕事をしている妻にとっては、外出先の職場では家事はOFFでも仕事がON、職場を出た自宅では仕事はOFFでも家事がON、と、いつでもONの状態が続いてしまいます。
そこへ、職場から戻った夫が思いっきりOFFを満喫していると、なんであなただけゆっくりしているの?とイライラするのは、当然のことでしょう。
(3)状況の変化に夫がついてきていない
女性は本能的に、世話をすることが好きな人も多いことでしょう。
新婚当初は家事も夫の面倒も楽しいことに感じられたかもしれません。
しかし、結婚生活は時間経過とともに変化します。
妻が働き始める、子どもが生まれる、親の介護が必要になるなど、夫婦を取り巻く周囲の状況は変化し続けるのです。
このような変化の波に乗っている妻は、だんだんと自分だけが家事をするのは不公平だと感じてきます。
しかし夫は、結婚当初のペースのまま。「なんなのこの人?」と思ってしまうのは不思議ではありません。
4、冷静な対応ではらちがあかないときは感情に任せましょう
「家事をしない夫」に仕上がっているのは、あなたが原因となっていることもあります。
あなたもまた親の世代に育った女性として、家事は妻が行うものと思っているところがあったのではないでしょうか。
世話をすることの喜びを知り、快適な家庭で家族が過ごしてくれることを嬉しく感じることのできる女性なのだと思います。
また、自分よりも多く稼ぐ夫に引け目を感じ、自分が家事をすることが当然だと自分に言い聞かせてきたのではないでしょうか。
そんな頑張ってきたあなたが、年月の流れによって、夫にも家事をしてもらいたいと感じ始めているのです。
冷静な言葉で動く夫ではないのであれば、感情に任せてキレる、泣く、手段は選ばずとにかく夫に気持ちをぶつけてみましょう。
自然の感情に任せる行動ですので計画をすることはできませんが、ぜひ今度爆発しそうになったときは、我慢することなく心のままに伝えてみてください。
夫はあなたが思っているほど深く考えていない可能性があります。
あなたの心の声を聞いて、考えを改めてくれることを期待できます。
5、うまくいかず、離婚したい場合は
これだけ行動した上で、夫が全く聞く耳を持たない場合は、夫婦だけで解決するのは難しいと考えましょう。
あなたを下に見ている、モラハラがあるなど、あなたの夫は「家事をしない」以上の問題を抱えている可能性があります。
「家族」だからこそ解決が難しい問題というのは、実は珍しくありません。
そのため、家族間の問題について介入する「家庭裁判所」が用意されています。
家庭裁判所を利用すれば、家庭の問題を調停員が間に入ることで解決を図ることができます。
調停における話し合いにおいて、あなたの味方をつけておくことも賢い選択です。
この場合はどうぞ弁護士へご相談ください。
夫は、あなたの努力のおかげで仕事に邁進できていることを失念している可能性があります。
仕事をもつ女性は、夫が家事をしてくれるおかげで仕事に打ち込むことができることに感謝できるケースも多いのですが、残念ながら男性の場合は当たり前に感じてしまうことも多いもの。
弁護士は、このような夫の気持ちを軟化させ、あなたの気持ちを代弁していきます。
弁護士があなたの味方につけば、あなたの心に寄り添いながら良い解決策を提案してくれるはずです。
1人で悩まず相談してください。
家事をしない夫に関するQ&A
Q1.夫はなぜ家事をしないのか?
- 疲れている
- 家事は女の仕事だと感じている(そういう時代に生まれた)
- 家事ができない
- 家事の優先順位が低い
- 気にならない
- やっても文句を言われる
Q2.家事をしない夫に妻がイライラする理由とは?
- 家事にはONとOFFがないから
- 仕事でもON、自宅でもONだから
- 状況の変化に夫がついてきていない
Q3.家事をしない夫への効果的な対処法4つとは?
- 家事をして欲しい気持ちをはっきり伝える
- 簡単な家事から頼んでみる
- 家事をしてくれたら感謝する、褒める
- 分担制を表にする
まとめ
家事をしない夫に家事をしてもらうためには、夫婦の意識改革が必要です。
夫はもちろん、あなたの意識も変えていかなければ夫に積極的に家事をしてもらうことは難しいでしょう。
まずはあなたの気持ちをはっきりと夫に伝えてみてください。
その上で簡単な家事や、夫がやってみたい家事から始めてみましょう。
家事をこなせたら少々のことには目をつぶりダメ出しせずに感謝と褒めのコミュニケーションを。
慣れてきたら家事分担表を作成してそれぞれの責任を取り決めて実現していってください。