ダブル不倫による妊娠事態に直面した場合、どのように対処すべきなのでしょうか。
「ダブル不倫」とは、既婚者同士が不倫をする状況を指し、最近のドラマや作品でも取り上げられるテーマです。現実にも、このような関係にある方々が存在することでしょう。
妊娠がダブル不倫の結果として発覚した場合、多くの問題が浮かび上がります。お互いの家庭状況や将来の展望など、複雑な状況となるでしょう。妊娠が絡むダブル不倫の事態においては、冷静に問題点を見極め、適切に対処することが求められます。
この記事では、ダブル不倫による妊娠に関する選択肢や対処法、注目すべきポイントなどを解説します。ダブル不倫で妊娠に悩む方々が、的確な情報を得て適切な判断を下す手助けになれば幸いです。
ダブル不倫全般にかかる問題ついては、以下の関連記事をご覧ください。
目次
1、ダブル不倫で妊娠してしまった……最初にすべきこととは
結婚をしていて妊娠をすることは、嬉しい知らせかもしれません。
しかし、ダブル不倫で妊娠してしまったのであれば、パニックに陥ってしまうでしょう。
まずは冷静になり、次のことを順番に行ってください。
- 本当に妊娠しているのか確かめる
- 不倫相手との子であるかを把握する
- 不倫相手に相談する
(1)本当に妊娠しているのか確かめる
妊娠しているかもしれない……と考えると、薬局などで妊娠検査薬を購入して妊娠しているかどうか確認する人が多いと思います。
妊娠検査薬は正確性が高いものの、出産の超初期段階であれば印が薄いので結果が分かりにくい場合や、稀に偽陽性が出る場合もあります。
もし妊娠しているかもしれないと思ったら、妊娠検査薬の結果だけではなく、本当に妊娠しているのか病院で確認するようにしましょう。
(2)不倫相手との子であるかを把握する
ダブル不倫をしている最中に、妊娠をしていることが発覚すれば、衝撃や焦りなどでパニックになってしまうものです。
しかし、一度深呼吸をして冷静になり、不倫相手との子供なのか把握することから考えてみましょう。
妊娠は、最終月経日からどのくらい日数が経過したのかを確認して、妊娠週数を数えることで、受精日を検討することができます。
(3)不倫相手に相談する
不倫相手との子供を妊娠したことが判明したら、まず不倫相手に相談しましょう。
妊娠は2人に責任があり、不倫相手は生物学的に父親であるのみならず、その後法律上も父おやになる可能性があるので妊娠を知る必要があります。
2人で、子供をどうするべきなのか、今後のことを話し合うべきでしょう。
注意していただきたいのは、決して1人で考え込んで結論を出すのではなく、お互いが納得できる方法を見つける話し合いをすべきということです。
2、ダブル不倫で妊娠してしまった場合の今後の選択肢とは
ダブル不倫で妊娠してしまった場合に今後どうすべきか、いくつかの選択肢があります。
不倫相手だけではなく、両者の家族との話し合いも必要になるケースもあるでしょう。
選択肢としては、以下のことが考えられます。
- お互いに離婚して再婚する
- 夫には内緒で堕胎し、夫婦関係を再構築する
- 離婚してシングルマザーとして育てる
(1)お互いに離婚して再婚する
不倫相手との子供を産み、一緒に育てていくという決断をするのであれば、まずはお互いに離婚をしなければなりません。
ただし、自分から離婚を配偶者に対して言い出す場合には、相手の合意を得ることができなければ調停や裁判で離婚を争うことになります。
不倫をしていたことで、互いの配偶者から慰謝料請求をされる可能性があり、経済的に大きな負担が発生することが予想されます。子供がいる場合であれば、離婚によって子供の養育費なども発生するため、経済的に苦しくなることも想定して、決断すべきでしょう。
(2)夫には内緒で堕胎し、夫婦関係を再構築する
子供を産まないという選択をするのであれば、配偶者には妊娠の事実を内緒にして、夫婦関係を再構築するという選択肢もあります。
不倫相手との子供は産むことができないのであれば、中絶手術を受ける必要がありますが、夫に内緒にして中絶手術を受けることは可能です。
中絶手術は自由診療なので、高額な費用が発生しますが、医療費通知に記載されることはありません。妊娠初期であれば、日帰りで手術を受けることができ、夫に内緒で手術を受けられます。
ただし、手術後の体で普段通りの生活を行わなければならないため、肉体的にも精神的にも辛いものになることが予想されます。夫婦関係を再構築するために選んだ道なのであれば耐えるしかありませんが、体や心に負担をかけすぎないようにしてください。
(3)離婚してシングルマザーとして育てる
子供は産みたいけれど、以下のような場合には、シングルマザーを選ぶという選択肢もあります。
- 不倫相手とも夫とも子供を一緒に育てることができない場合
- どちらとも関係を清算して一からやり直したいと考える場合
離婚をすれば、夫から慰謝料を請求される可能性があるので、金銭面での負担が生じます。
しかし、子供の親である不倫相手に、認知や養育費について請求することが可能です。
シングルマザーとして子供を育てることは、決して簡単なことではありません。シングルマザーの場合は、自治体からさまざまなサポートを受けることができるので、周囲に助けてもらいながら子供を育てられる環境を整えましょう。
3、ダブル不倫で妊娠して出産する場合に生じる問題
ダブル不倫で妊娠して出産する場合に、発生することが予想される次の問題について、みていきましょう。
- 離婚で発生する費用
- 不倫相手が認知するのかどうか
- 生まれてくる子供の養育費
(1)離婚で発生する費用
不倫によって離婚することになれば、離婚問題の費用が発生します。
離婚をするとなると、婚姻期間で築いた財産は「財産分与」として夫婦で公平に分けられることになります。
もし、配偶者との間に子供がいて親権を取らないのであれば、養育費も発生します。
不倫をしたことに対して、ご自身の配偶者と不倫相手の配偶者の両者から、慰謝料を請求される可能性があるでしょう。不倫の慰謝料の相場金額は数十万~300万円程度で、婚姻期間や不倫期間、不倫の悪質性など総合的な状況を考慮して金額が定められます。
(2)不倫相手が認知するのかどうか
不倫相手の子供を出産するのであれば、子供の認知問題も発生するでしょう。
認知とは、自分の子供であることを法律上で認める行為です。認知をすれば、出産する子供と不倫相手に法律上の親子関係が生じ、子供の戸籍には不倫相手が父親として記載されます。
認知した父親には、養育費の支払い義務が生じ、父親が亡くなったときには、財産の相続権を有することになります。
(3)生まれてくる子供の養育費
産まれてくる子供を育てていくには、お金が必要になるため、養育費に関する問題も発生します。
不倫相手の子供なのであれば、養育費は不倫相手に請求することになるのが一般的です。不倫相手が子供を認知する場合には、父親として扶養義務が発生するため、養育費を支払う義務が生じます。
一方で、子供を認知しないという場合でも、養育費に相当する金額を自主的に支払ってもらうことは可能です。相手が認知はできないと言っている場合でも、養育費を支払ってもらうように話し合うことで養育費を獲得できる可能性があります。
4、ダブル不倫で妊娠して中絶手術をする場合に生じる問題
ダブル不倫で妊娠しても、出産できない場合や、育てることが難しいというケースもあるでしょう。中絶手術をするのであれば、中絶手術の期限や費用の問題が生じます。
(1)中絶手術の期限
中絶手術ができる期限は、妊娠21週までと法律で定められているため、この期限までに手術を受けなければなりません。妊娠12週未満であれば、初期の中絶手術になりますが、それ以降になると入院や死亡届が必要になる中絶手術方法になります。母体への影響も、中絶の時期が遅くなるほど大きくなるリスクが高まるため、中絶手術を受けるのであれば、少しでも早い時期に受けるべきでしょう。
(2)中絶費用
中絶手術の費用は、病院ごとに異なりますが、妊娠初期の手術の場合は10~15万円が費用相場とされています。
しかし、妊娠12週以降になると手術方法が変わることや入院費用も発生し、50万円近く費用がかかるでしょう。
妊娠が分かってすぐに中絶手術を受けるわけではなく、まず妊娠を確認する検査を病院で行い、中絶する場合には手術を受けるための検査も行います。こうした検査費用も発生しますが、自由診療になるため保険適用の費用よりも高額になります。
(3)中絶費用の負担について
中絶費用や、中絶費用までの検査費用は高額になるため、全てを自己負担することは金銭的に厳しいものです。
同意の上の性行為で、中絶も話し合いで決めた場合には、基本的に中絶費用は相手に半額を請求することができます。
しかし、中絶手術をすることは女性にとって肉体的にも精神的にも辛いものになります。
話し合いをして、自主的に相手に全額負担してもらうことができるケースもあるため、できるだけ不倫相手に了承を得られるように、話し合いましょう。
5、ダブル不倫で妊娠した場合、不倫慰謝料はどのようになるのか?
ダブル不倫では、双方に家庭があるため、それぞれの家庭に被害者が発生することになります。ダブル不倫における慰謝料請求は、どのようになるのでしょうか?
(1)ダブル不倫では誰が慰謝料請求できるのか?
ダブル不倫で慰謝料請求ができる人物は、不倫をされた配偶者と不倫相手の配偶者の二者です。
もし、ご自身が離婚しない場合であれば、配偶者からの慰謝料を請求されることはないと考えられます。
しかし、不倫相手の配偶者から、慰謝料を請求される可能性があります。離婚をするとなれば、ご自身の配偶者からも慰謝料を請求される可能性があるため、金銭的な負担が大きくなります。
(2)慰謝料請求にメリットがないケースもある
ダブル不倫では、慰謝料請求をしてもメリットがないケースもあり、その場合には慰謝料請求が行われない可能性があります。
ご自身も不倫相手も離婚をしないのであれば、互いの配偶者が不倫をした2人に慰謝料請求をしても、お互いの家計から慰謝料を支払うことになります。
未婚の相手との不倫慰謝料よりもダブル不倫の慰謝料請求は複雑なので、慰謝料請求は慎重に行う必要があります。
6、ダブル不倫での妊娠が問題化した場合に弁護士に相談を
ダブル不倫で妊娠した場合は、複雑な事情が絡んでいるため、専門知識を持つ弁護士に相談すべきでしょう。弁護士に依頼することで、どのようなメリットがあるのかご紹介します。
(1)慰謝料請求された場合の減額が期待できる
ダブル不倫で妊娠して離婚をする場合、両者の配偶者から慰謝料請求されれば、支払額は大きくなることが予想されます。
弁護士に依頼をすれば、請求された慰謝料金額から減額されることが期待できます。弁護士が法的な知識を持って減額理由を主張し、相手と交渉を行うため、ご自身で慰謝料請求に対応するよりも少ない金額に抑えられるでしょう。
(2)精神的負担を軽減させられる
ダブル不倫で妊娠が発覚すれば、悩むべき問題点は多く、精神的な負担も大きくなります。
弁護士に相談をすることで、今後の選択肢について検討するためのサポートを受けることや、法的な問題に関して相談することもできます。1人で全てを対処するには、複雑な事情になるため、弁護士のサポートを受けることがおすすめです。何よりも、ダブル不倫で妊娠という他の人には相談しにくい内容を1人で抱え込まないようにしましょう。
弁護士に依頼することで、弁護士に安心して話を聞いてもらえるという点でも、精神的な負担やストレスが軽減されると考えられます。
(3)離婚する場合には離婚条件を少しでも有利にすることが期待できる
ダブル不倫で妊娠した場合、離婚問題に発展する可能性があります。
もし、離婚をするのであれば、財産分与や養育費など決めるべきことが多く、不倫をしていた立場としては離婚条件が不利になってしまうことも考えられます。少しでも離婚条件を有利なものにするためにも、専門家である弁護士のサポートを受けましょう。
まとめ
ダブル不倫で妊娠してしまった場合、今後の選択肢についてしっかり検討をする必要があります。
しかし、状況が複雑なため、自分一人で対応するには難しいケースもあるでしょう。
今後の対応や法的な問題で悩んでいる場合には、弁護士に相談してみてください。