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ブラックバイトの特徴と起こりやすい業種|対策・相談先も紹介

ブラックバイトとは、違法性のある労働環境でのアルバイトのことです。
ブラックバイトは主に学生の間で広く使われる言葉で、日常生活や学業にも影響を及ぼすとして問題視されています。
現在働いているアルバイトがブラックバイトだとしたら、どのような対策をとるべきなのでしょう?

今回は、

  • ブラックバイトの概要
  • 実際に被害にあった際の相談先

などについて、解説していきます。

残業代が出ない、よく怒鳴られる、休めないなどの環境にありながら、若いから、バイトだからという理由で仕方ないと諦めてはいませんか?このような職場は要注意です。もし苦しいと感じているのであれば、行動を起こしましょう

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1、ブラックバイトとは?

ブラックバイトとは?

(1)いつから使われている言葉?

ブラックバイトという言葉は、2013年に中京大学教授の大内裕和氏が提唱したことによって、広く使われるようになりました。
法律による定義はありません。
ブラック企業が社会問題化しているのと同じく、主に学生やフリーターなどのアルバイトに対する不当な扱いも「ブラックバイト」として深刻な問題となっています。

(2)ブラックバイトの原因

このブラックバイトが深刻化するようになったのは、不景気による会社側の人件費カットが大きな原因だといわれています。
人件費カットを実現するために、会社側は「安い賃金で雇える人」「必要に応じて解雇がしやすい人」を求めるようになります。

そこで増加する雇用形態が「アルバイト」なのです。
アルバイトは、アルバイト側が、生活基盤としての仕事ではなく一時的・部分的な経済補填を目的に行うことが多いため、短時間勤務であるなどで賃金を低く抑えることができます。
また、若年層をターゲットにすることにより、給料も高く設定せずとも応募はあるでしょう。

さらに、アルバイトは短時間勤務であることなどの理由から会社の従業員である当事者意識が正社員に比べて低い風潮があること、また他社へのアルバイトとしての転職も正社員としてのそれに比べて容易であることなどから、会社側からの一方的な解雇も最終的には受け入れてしまっているという問題もあります。

法律的には、アルバイトが正社員より解雇は容易にできるという規定はないにもかかわらず、現実的にはそのような動きになっていることは否めないでしょう。
アルバイトに対するそのような扱いがブラックバイトと呼ばれる深刻な労働環境を生むきっかけとなり、今では多くの学生やフリーターがその被害を受けていると考えられます。

2、ブラックバイトの特徴

ブラックバイトの特徴

それでは、ブラックバイトと呼ばれるアルバイトにはどのような特徴があるのでしょうか?

ここではそれぞれの項目に分け、解説していきます。

(1)長時間労働を強いられる

無理やり長時間労働をさせられたり、断っても受け入れてくれないなどのケースです。

労働基準法には、一日8時間、週40時間の法定労働時間が定められています。
それを超えての労働は、36協定を結ばない限り基本的にはできません。

これを超えての労働を強いられている場合には、ブラックバイトの可能性が高いでしょう。

(2)売れ残りの買取りをさせられる

売上のノルマを課せられ、それを達成できなかった場合に、その売れ残りを買い取るよう命じられるケースです。
自爆営業という言葉も生まれたように、これも大きな社会問題となっています。

(3)強制的にシフトを入れられる

本来は、個人の希望を考慮してシフトを決めるにもかかわらず、会社側から強制的にシフトを決められてしまうケースです。
これにより、毎日の予定に支障が出たり、あるいはシフトを大幅に削られ、極端に給料が減ってしまったりする可能性もあります。

個人経営や店舗リーダーに現場を任せているような職場においては、経営者や現場トップが一方的にシフトを決めるケースがあるでしょう。

(4)労災保険に加入できない

全従業員に共通して、労災保険への加入が義務付けられています。
アルバイトであれパートであれ、これはみな同じです。
もしも労災保険に加入していないのであれば(それが会社側の意向なのであれば特に)、ブラックバイトといってもよいでしょう。

労働に従事したことによって被ったケガや病気の際に保険給付を受け取ることのできる権利ですので、加入できているかどうか、しっかりと確認するようにしましょう。

(5)簡単に辞めさせてくれない

退職届を出しても受け取ってくれなかったり、『誰か代わりの人を入れないと辞めさせない』、『損害賠償を請求する』などと言われたりするケースです。

明日辞めるということは現実的ではないかもしれません。
しかし、期間の定めのない労働契約の場合、基本的には、14日前までの申請で退職することは可能ですので、もしも長期間のあいだ退職を拒まれているのであれば、ブラックバイトといってもよいでしょう。

(6)準備の時間がタイムカードに反映されない

着替えや開店準備のための清掃などの準備時間も、業務上義務づけられてたり、使用者からの指示であれば、立派な労働時間です。
こういった準備時間がタイムカードに反映されないことも、ブラックバイトのひとつの特徴と言えます。

(7)仕事用具を実費で買わされる

実は、仕事用具を労働者(従業員)が負担することは、必ずしも違法というわけではありません。

ただ、会社が仕事用具を労働者負担にする場合は、労働契約や就業規則にその旨の記載がなければなりません(労働基準法第15条第1項 前段、労働基準法施行規則第5条第1項第6号、89条第5号)。
そのため、もし記載がなく支払うよう言われた場合は拒否することができます。

また、賃金は通貨で全額支払われなければいけません(労働基準法第24条)。
労働契約や就業規則に上記の記載がなく、強制的に賃金から天引きされるようなことがあれば違法ですので、返還請求をすべきです。

(8)割増賃金が支払われていない

時間外労働をした場合には、割増賃金が発生します。
一日8時間、週40時間を超えた場合、もしくは22時〜5時までの時間帯に勤務する場合は1.25倍の割増賃金が、法定休日に出勤をした場合には、1.35倍の割増賃金が発生します。

一日8時間、週40時間を超えた場合で、かつ22時~5時までの時間帯に勤務する場合は、1.5倍の割増賃金が発生します。

法定休日かつ22時~5時までにの時間帯に勤務する場合は、1.6倍の割増賃金が発生します。

『アルバイトやパートだから割増賃金はない』ということは絶対にありませんので、この賃金がしっかりと支払われているか、必ずチェックするようにしましょう。

3、ブラックバイトが起こりやすい業種

ブラックバイトが起こりやすい業種

ブラックバイトが起こりやすい業種は、以下のとおりです。

  • コンビニ店員
  • 塾講師
  • アパレル店員
  • 飲食店スタッフ

特にコンビニやアパレルでは、人手が足りなくなることが多かったり、売れ残りの買取を命じられたりなど、ブラックバイトが起こりやすい業種です。
また、飲食店でも人手不足になることが多く、労働時間も長くなるケースが多いため、ブラックバイトとして挙げられるケースが多いです。
塾講師では、その授業のコマに対して給料が支払われることが多いため、それ以外の作業、例えば教室の掃除やミーティングなどが労働時間に入っていないということもよく起こります。

4、ブラックバイトの事例

ブラックバイトの事例

それではここで、ブラックバイトが起こりやすい業種で実際にあった事例について、ご紹介していきます。

(1)コンビニ店員のケース

「おでんを○○個買ってくれないか」とよく店長に言われる。店舗の売り上げランキングで上位に入りたいんだってさ。

「そんなの知ったことか!」って思うんだけど、断ると希望のシフトに入れてくれないとかの嫌がらせを受けるはめになるから、実質買わざるをえないんだよね~。

レジに入ってる現金をチェックするときに500円以上の誤差があると、そのとき出勤していたアルバイト全員で割って払わされます。

自分たちのミスだから仕方ないとは思うけど、この前は9、000円の誤差があって、その日稼いだのバイト代のほとんどが飛んじゃいました。がっかり・・・。

クリスマスケーキとかの期間限定商品の売り上げに「店員一人につき○○個以上」っていうノルマがあって、家族とか友達にも買ってもらうように言われてるんです。

しかも、そのノルマを達成しないと、自腹で買い取らないといけなくって・・・。これっておかしくないですか!?

引用元:ブラックバイトユニオン

(2)飲食店スタッフのケース

個人経営の小さな定食屋で働き始めました。

採用後、商品知識をつけたりマニュアルを覚えたりする研修を一週間ほど受けたのですが、「仕事を覚えるまで給料はあげられない」とのことだったので、その間は無給でした。

和食屋で働いています。着付けに時間がかかるため、勤務開始の1時間半前には店に来ないと間に合わないんですが、その間は時給が発生しません。まぁ働いてるわけじゃないから仕方ないのかなぁ。

引用元:ブラックバイトユニオン

(3)その他の実際の事例

上司の裁量で勝手にシフトを増やされて困っている。テスト期間も休めず、単位の取りこぼしも目立つようになってきた。約束どおりのシフト数にしてほしい。

約束の時間を過ぎたあとも、仕事が残っていると、それが片付くまでは帰ることができない状況です。しかも、残って働いた分の時給は全く支払われません。何とかならないでしょうか?

休憩がほとんどない。一日12時間ぶっ通しで働くときもある。そのときは、さすがに倒れそうになる。途中に1時間でも中休みがあれば、少しは変わると思う。

「バイトリーダー」として重い責任の仕事を任されている。実は、これまであまり大学の授業に行けておらず、単位を落とすことも多かった。そろそろ学業に力を入れないとヤバいと思い、上司に「辞めたい」と伝えた。ところが、「今お前に辞められたら困る。代わりが育つまでは残ってくれ」と言われてしまった。辞めるに辞められないのだが、どうすればいいか?

引用元:ブラックバイトユニオン

このように、仕事によって私生活に影響が出たり、または体調を崩したり大学の単位を落としたりなど、ブラックバイトでの被害はたくさんあります。

上司からの指示は断りづらいかもしれませんが、これらは現在社会問題となっているブラックバイトである可能性が高いので、その際は我慢することなく、しっかりとした対策や、専門家への相談を行うようにしていきましょう。

5、ブラックバイトの相談先

ブラックバイトの相談先

今回記事にしてきたようなブラックバイトの被害に遭われたら、以下のような方法で、その対策をするようにしてください。

(1)労働基準監督署に相談する

アルバイトやパートであっても、労働に関する相談は、労働基準監督署で受け付けています。

ただし、労働基準監督署には相談が多数寄せられるため、『いつ、どこで、誰に、どのように、何をされたか』などの細かい証拠がない場合には、実際に動いてくれない可能性もあります。
出来る限り証拠等を揃えて、相談するようにしましょう。

(2)ブラックバイトユニオン

ユニオンとは、労働組合のことです。
労働組合にはその会社の正社員だけでなく、個人でも組合に参加することのできる合同労働組合というものがあり、労働者の様々な悩みに合ったユニオンが形成されています。

ブラックバイトに関してのユニオンもあり、それがこちらの『ブラックバイトユニオン』です。
参考サイト:ブラックバイトユニオン

ブラックバイトに関してお悩みの方は、その証拠を集め、こちらのサイトのお問い合わせフォームから相談してみてください。

(3)弁護士

費用はかかりますが、弁護士に相談し、法的な根拠をもって会社側と交渉をすることで、より早い解決を臨むことができるでしょう。

まとめ

今回はブラックバイトについて、その特徴や、実際に被害にあった際の対策を解説してきました。

ブラック企業と同様に、学生やフリーターなどの間では、このブラックバイトが社会問題化しています。
不景気による人件費カットが、このようにアルバイトに降りかかってしまうのは非常に悲しいことです。
実際にブラックバイトの被害に遭われた際は、ぜひこの記事を参考に、その解決に向けてしっかりと対策をとるようにしましょう。

もしもその被害が深刻な場合には、すぐに弁護士に相談すること、または退職することも視野に入れ、行動していくようおすすめいたします。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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