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離婚の原因となる断捨離:後悔しないための4つのポイント

断捨離 離婚

「断捨離」とは、不要な物を手放し、それに執着しなくなることを指します。引っ越しの際に断捨離を行う家庭も少なくありませんが、このプロセスが夫婦関係に影響を及ぼし、最終的には離婚に繋がるケースもあるのです。

本記事では、

・断捨離が離婚の原因になる理由
・断捨離が離婚の危機を招いた実例
・断捨離を後悔しないための注意点

などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が詳しく解説します。これらの情報が、断捨離を進める際に大切なものを守る手助けとなることを願っています。

弁護士相談に不安がある方!こちらをご覧ください。

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1、断捨離によってなぜ離婚が起こりうる?

断捨離によってなぜ離婚が起こりうる?

「断捨離が離婚につながっちゃうことなんて本当にあるの?」と、まだ半信半疑のみなさんのために、まずは断捨離が離婚の引き金になってしまうことがあるその理由から、具体的にチェックしていきましょう。

(1)夫のものを勝手に捨ててしまい、夫婦に溝ができる

「嫁に勝手に捨てられた…」

夫の大切にしているものや趣味のグッズを、夫がいない間に勝手に処分してしまい、ショックを受けた夫との間でそれ以来関係がギクシャクしている…というのがこちらのパターンです。

「前から捨ててって頼んでたのに、自分ではなかなか動いてくれない」
と、煮え切らない夫の代わりに妻が処分を強行するケースや、本当にうっかり間違って捨ててしまったケースなど、そのシチュエーションは様々ですが、夫から妻への信頼感が一気に損なわれてしまうという点はいずれも同じ。

相手への信頼は、夫婦関係を維持していく上で最も需要と言っても過言ではないポイントなので、「自分の留守中に勝手に物を捨てるような相手とは、安心して暮らしていけない」と、離婚の直接的な原因になるケースも少なくありません。

(2)本当に必要なものについて考えるようになるから

断捨離に慣れてくると、身の回りのあらゆる物事に対して「これは自分にとって本当に必要なものなのか、そうでないのか」という目線で考えるクセがついていきます。
その一環で、「あれ?私ってもしかしたら夫のことをそこまで必要とはしていないのかも…」と気付いてしまうケースもあり、断捨離が自分の人生そのものを見つめ直すきっかけになることも多いのです。

特に、元々結婚を決めた理由が「適齢期だったから」「周りに勧められたから」というどこか受動的なものであった場合、ある程度落ち着いてから結婚生活を振り返ったときに、「このままで本当に良いのだろうか」と疑問を感じる傾向はより強くなるでしょう。

(3)断捨離依存症で家庭内不和に陥ったから

中には、断捨離で物を捨てるときの快感がやみつきになり、「もっと捨てなければ」という強迫観念にかられたり、物を増やすのが怖くなったりする”断捨離依存症”に陥ってしまう女性もいます。
断捨離依存症になると、何か上手くいかないことがある度に「断捨離が足りないからかもしれない」という発想に至り、本来生活に必要なものまでどんどん処分を進めてしまうため、家族から非難される・周りから白い目で見られるというトラブルにも見舞われやすくなります。

たとえば「料理を作りたいのに鍋もフライパンも妻が断捨離してしまった」「妻がスマホを解約したから外にいると連絡が取れない」というように、行き過ぎた断捨離が生活に様々な不便をもたらし、それがきっかけで家庭内の空気が悪くなってしまうこともあるのです。

2、断捨離がきっかけで離婚危機に陥った例

断捨離がきっかけで離婚危機に陥った例

ここからはさらに1歩踏み込み、断捨離がきっかけで離婚の危機を招いてしまった女性たちの実例を詳しく見ていきましょう。

(1)寂しさを物で埋めていたことに気付いた

2年前から断捨離にハマっているYさんは、服や化粧品など自分の個人的な持ち物をはじめ、食器・生活雑貨といった夫婦の共有アイテムまで、順調に断捨離を進めていきました。
その結果自分の荷物はトランク2つ分に収まるほどコンパクトになりましたが、部屋にはまだ夫の私物が色々とあるため、思ったほどスッキリとした見た目にはなりません。
それでも「他人の物を勝手に捨てるのはルール違反だよね」と、夫の私物に手を付けるのは踏みとどまったものの、今度は「そもそも私ってなんでこの人と一緒にいるんだっけ…」という疑問が湧き上がってきたYさん。

元はと言えばYさんのほうが夫のことを好きで、ほぼ無理やりのような形で結婚してもらったため、今思うと夫からはないがしろにされることばかりで、愛情を感じることのできない日々でした。
そして、その寂しさを服やバッグ、雑貨などの欲しいものを手に入れることで、誤魔化したつもりになっていただけだったのです。
物を処分する中で逆にそんな自分の本音に気付くことができたYさんは、夫にきっぱり別れを告げ、無事夫との関係も断捨離することができました。

参考 https://www.negitoro.jp/entry/2018/05/05/212818

(2)夫の趣味の自転車を勝手に処分し、夫が激怒

Sさんの夫は自転車が趣味で、全部で3台の自転車を家の中に置いていました。

しかし、風水に詳しいママ友から「車輪のあるものを室内に置くと、金運が悪くなる」と言われ、元々邪魔に感じていたこともあり夫に庭に出してもらうようお願いしたのですが、夫は色々と理由をつけてなかなか自転車を外には出してくれません。

ある日Sさんはついに痺れを切らし、夫が不在の間に業者を呼んで自転車を3台ともすべて引き取ってもらいました。

これで家の中が広くなったし、金運が良くなってお金も貯まるようになるだろうから、きっと夫も納得してくれるはず…と思っていたのですが、家に帰ってきた夫はSさんのしたことを知って大激怒。

そのまま離婚を突き付けられ、現在も話し合いを継続しています。

参考 YOMIURI ONLINE

(3)逆に夫がまったく物を持たなくなってしまった

先ほどのSさんと同じように、Nさんも夫が留守の間に業者を呼び、夫の趣味の鉄道模型を買い取ってもらったのですが、帰宅したときの夫の反応はまるで正反対のものでした。

Nさんの夫は、「売ったお金は君の好きにしていい」「今まで迷惑をかけて申し訳なかった」と言い、Nさんが売却しきれなかった分の鉄道模型も自ら処分。

その後も次々に自分の私物を捨ててしまい、仕事に最低限必要なスーツやワイシャツ以外、ほとんど何も持たなくなってしまったのです。

今では夫の私物は衣装ケース2つ分しかなく、さすがに異常を感じて心配になったNさんは、「もっと色々買っていいよ」と声をかけています。

しかし、夫が消耗品以外のものを買い足すことはなく、自分の行いが夫の心を固く閉ざしてしまったことに対して、深い後悔の日々を送っています。

参考 https://matome.naver.jp/odai/2143421083913404401

3、子供との関係にヒビが入るケースも

子供との関係にヒビが入るケースも

断捨離が家庭内のトラブルに発展してしまうのは、夫の私物を勝手に捨てたときだけではありません。

子供のおもちゃを子供が学校へ行っている間に処分し、その後子供が登校拒否に陥ってしまったケースなど、子供の私物を自分のもののように扱ってしまうことで、子供との信頼関係にヒビが入るというパターンも決して珍しくはないのです。

中には「いくら言っても子供がおもちゃを片付けず、散らかしっぱなしにするから」というような、親からすると正当な理由があって処分に踏み切ったという場合もあるかもしれませんが、「似たようなものがいくつもあるから」「最近はほとんどそのおもちゃで遊んでいなかったから」と、親の勝手な判断で行動に移している場合もあり、いずれにせよ子供の人格を無視した断捨離は、後々の親子関係に重大な影響を与える可能性があります。

たとえ「ちゃんと片付けないんだったら、おもちゃは全部捨ててしまうよ!」というような約束をしていたとしても、すぐに実行するのではなく、何度かチャンスを与えてあげるようにしましょう。

4、やり方次第では、断捨離が夫婦関係を良好にすることも

やり方次第では、断捨離が夫婦関係を良好にすることも

ここまで見てきたのは、すべて断捨離が家庭に悪影響を及ぼしてしまったケースばかりでしたが、断捨離が夫婦の危機を招く一方なのかというと、決してそういうわけではありません。

元々関係がギクシャクしていたある夫婦のケースでは、妻が「夫があまり家に帰ってこなくなったのは、自宅に夫の居場所がないからではないか」と考え、自分の私物を黙々と断捨離し始めたところ、もうほとんど会話もない状態だった夫から「どうしたの?」「大丈夫?」と気遣いの言葉をかけられるようになり、夫が家に帰ってくる頻度も明らかに多くなったといいます。

このように、断捨離がお互いの気持ちに寄り添うきっかけになるのか、それとも夫婦関係に溝を生み出してしまう原因となるのかは、断捨離のやり方次第です。

先ほどの夫婦関係が改善したケースでは、断捨離を始めた理由自体が「夫の居場所を作るため」で、きちんと相手の立場を考えた上で断捨離を実行しています。
一方、夫婦関係を悪化させてしまう断捨離は、ほとんどの場合相手の気持ちを無視した強引なやり方で進めてしまったことが、トラブルの種となっています。

そのほかにも、断捨離を行う上で気を付けておきたいポイントをこの後まとめてご紹介していきますので、「断捨離で後悔したくない」というみなさんはぜひ参考にしてください。

5、後悔しないために…断捨離で気をつけたいこと

後悔しないために…断捨離で気をつけたいこと

断捨離で夫婦関係や親子関係にヒビが入ってしまうのを防ぐためには、一体どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

知っておきたい断捨離の心得をご紹介していきます。

(1)夫や子供のものは勝手に捨てない

まず押さえておきたいのは、「断捨離の対象はあくまでも自分の私物に限る」というポイントです。
夫や子供のものは、本人から「捨てていいよ」と了承を得られた場合のみ処分し、自分の判断で勝手に売却したり捨てたりすることは絶対にやめましょう。

(2)思い出の品は安易に捨てない

たとえ自分の私物であっても、後から買い戻すことのできない思い出の品は、特によくよく考えてから処分を決めるのがおすすめです。
家族のアルバムや夫婦で旅行に行ったときのお土産など、他の家族が思い入れを持っていそうなアイテムについても、基本的には勝手に断捨離しないよう気を付けましょう。

(3)捨てるときは本当に不要かもう一度考えてみる

断捨離を効率的に進めるためには「その場の勢い」も確かに大切ですが、本当に捨ててしまう前にもう一度「これを捨てても後悔しない?」と自問自答することで、取り返しのつかない事態に陥るリスクはだいぶ軽減することができます。

自分にとって不要かどうかはもちろん、家族の顔もひと通り思い浮かべて、「誰も後悔する人はいない!」と確信が持ててから実際の処分に移りましょう。

(4)断捨離依存症の場合はまずカウンセリングを

断捨離がきっかけで離婚を考えているみなさんのうち、「もしかしたら私も断捨離依存症なのかな…」と思う方がいらっしゃれば、まずはカウンセリングを受けて、依存症を治すことを優先させましょう。

「旦那のことも断捨離してしまいたい」
という気持ちが本当にみなさんの本心からくるものなのか、それとも依存症の影響なのかは、その疑いがある段階ではまだ見定めることができません。

こちらの記事では、離婚したいと思ったときに目を通しておきたい対処法もご紹介していますので、ぜひあわせて参考にしてください。

6、どうしても離婚の決意が固まってしまったら

どうしても離婚の決意が固まってしまったら

断捨離依存症の影響ではなく、本心から「夫とは離婚したほうがお互い幸せになれる」という結論に達した場合は、その意思を夫へ告げる前に弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士は、なるべく穏便に夫と話し合うためのコツや、スムーズに離婚を成立させるための離婚準備のアドバイスを適宜みなさんに行ってくれます。

万が一夫が離婚を拒否して、調停や裁判に発展したときにも、あらかじめ弁護士に話を通しておけば、そのまま手続きを任せることができるので安心です。
より有利な条件での離婚を目指すためにも、以下の記事を参考に離婚に強い弁護士を探しましょう。

まとめ

断捨離は、実際の物だけではなく、その物を通した自分の気持ちとも向き合う作業になるため、断捨離を進めていくにつれて次第に結婚生活への疑問が生じたり、本当に自分が望んでいる夫婦関係と現実とのギャップに気付いてしまったりするケースが出てくることもあります。
また、良かれと思って実行した断捨離が夫や子供の反感を買い、関係を悪化させてしまう可能性もゼロではありません。

最近断捨離に力を入れているというみなさんは、今回ご紹介した注意点も参考に、ぜひ後悔のない断捨離で部屋も気持ちもスッキリ整えていきましょう。

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