離婚時の養育費の相場とできるだけ多くの養育費をもらうための方法

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離婚することになったけど養育費はいくらくらいもらえるだろう。相場を知りたい!」

離婚について話し合いをしていく際に、親権をどちらが持つか決まったなら、次は養育費の金額について話しをしなければなりません。

そんな時に気になるのが、先ほどの通り「自分はどのくらいの養育費をもらえるのか?」ということではないでしょうか。

以下では、養育費の相場と、できるだけ多くの養育費をもらうための交渉方法についてご説明したいと思います。

養育費はお子さんを育てていくために非常に重要なものです。以下の内容を読んで頂き、できるだけ多くの養育費をもらうための参考にして下されば幸いです。

※本記事は2014年2月14日に公開したものを2016年9月15日に加筆修正しました。

1、そもそも、養育費とは?

養育費の相場について説明する前に、そもそも養育費とは何かについてご説明します。なお、ここでいう「養育費」とは後に説明する算定表で算出される養育費のことを念頭に置いています。

(1)養育費の範囲

一言で養育費といっても、どのような費用が含まれるのでしょうか?

養育費はあくまで子どもを育てるためにかかる費用なので、親権者の生活費は含まれません。

具体的には以下の内容のものが養育費に含まれます。

  1. 子どもの衣食住のための費用
  2. 離婚時~基本的に20才までの教育費
  3. 健康を維持するための医療費
  4. その他、子どもが自立した社会人として成長するために必要な費用

なお、各費用はそれぞれの生活レベルによって異なってきます。

その際の指標となる生活レベルですが、養育費を支払う側の生活レベルと同等のものとされます。

つまり、離婚しなかった場合の生活と同等レベルの生活ができる程度の養育費が支払われるべきだとされています。

養育費の中でも、大きくポイントとなるのは「2.離婚時~20才までの教育費」です。

教育費には、幅広く以下の費用が含まれます。

  • 公立学校等の授業料
  • 教材費
  • 学校のクラブ活動費

などが含まれることとなります。

なお、どの程度の教育レベルの教育を受けさせるかによって、必要な教育費が変わってきます。養育費として請求できるのは、養育費を支払う者の学歴水準と同水準の教育を受けるための金額とされています。

私立学校の学費や塾・習いごとの費用等については、養育費には含まれていませんから、別途どちらの親がどのような割合で負担するか

また、養育費は成人になるまで支払うべきとされていますが、大学を卒業するまでは、社会的に独立していないとされます。この点について詳しくは、「3、養育費はいつまでもらえる?」で詳しく説明します。

そのため、両親の学歴から大学まで進学することが見込まれる場合には、大学卒業までの授業料なども養育費として請求することができます。

(2)どのような場合に養育費を請求できるか?

では、どのような場合に養育費をもらうことができるでしょう?

養育費は、成長途中の子ども(基本的には20歳以下)がおり、離婚した場合には請求することが可能です。

なお、よく一方が不倫して離婚した場合でないと養育費を請求できないと思われている方が多いようですが、実際はそうではありません。

離婚する理由を問わず、未成年の子どもがいる場合には、基本的に養育費の支払いを請求することができます。

しかし、養育費が支払われるべき状況にあっても、実際に支払われるのは10~20%とのことで、きちんと養育費をもらえているケースは少ないようです。

2、養育費の相場は?計算方法は?

(1)養育費の金額は一律に決まっている?

養育費は、親の年収等を踏まえて決定されるものなので、一律に決まっているわけではありません。

そのため、夫婦の話し合いにより、自由に決めることができます。

とはいえ、全く基準がないと、全く話がまとまりません。

そのため、裁判所が作成した以下からダウンロードできる養育費算定表が参考にされています。

養育費算定表

そして、この算定表が実際には、養育費の相場とされています。

養育費算定表に基づき、いくつか相場となる金額を以下「2-(3)養育費の相場」にて記載しました。

どのくらいの養育費をもらえるかを知るために参考にして下さい。

(2)養育費の算定に関わる事情は?

養育費の算定にあたって関わる事情は以下の通りです。

①養育費を支払う者の年収

→年収が高ければ高いほど、もらえる養育費の金額は高くなる傾向があります。

②親権を持つ者の年収

→年収が低ければ低いほど、もらえる養育費の金額は高くなる傾向があります。

③子供の年齢

→子どもは成長していくほど、教育費がかかることとなります。具体的には、子どもが0~14歳の場合より、15~19歳の場合の方がもらえる養育費の金額は高くなる傾向があります。

④子どもの人数

→当然ですが、子どもの数が多いほど、請求できる養育費の金額は高くなります。

(3)養育費算定表の見方(養育費の計算方法)

ここでは、養育費算定表の見方についてご説明します。養育費算定表の見方を知ることで、養育費の相場を知ることにもつながります。

①養育費算定表のみを用意する

まず、上記でご紹介したものは、養育費算定表と婚姻費用算定表が一緒になっていますので、養育算定表の方を用意して下さい。

②使用する養育費算定表を選ぶ

子供の人数と年齢によって、表1から9に分かれて養育費算定表が作られています。

お子様の人数と年齢からご自身が使用すべき養育費算定表を選んで下さい。

③縦軸を確認し、線を引く

縦軸には義務者(養育費を支払う側)の年収が25万円刻み(給与所得の場合)で記載されています。

養育費を支払う側の年収を確認した上で、縦軸で該当する収入金額を確定して、右に線を引いていきましょう。

④横軸を確認し、線を引く

今度は横軸です。

横軸には、権利者(養育費をもらう側)の年収が記載されています。

養育費をもらう側の年収を確認した上で、横軸で該当する収入金額を確定して、上に線を引いていきましょう。

⑤もらうことのできる養育費の金額が決定

③と④の作業によって、2本の線が一点で交わったと思います。

その点がもらうことのできる養育費の金額(相場)になります。

(4)養育費の相場

次は、いくつかの事例をもとに、養育費算定表に基づいて計算された養育費の金額を記載していきます。

ご自分に近い事例をみつけて、どのくらいの養育費がもらえるかの参考にして下さい。

①子ども1人の場合

  • 子どもが2歳で、夫の年収500万円で妻の年収が0円の場合、養育費は5万円前後となります。
  • 子どもが5歳で、夫の年収450万円で妻の年収が100万円の場合、養育費は5万円前後となります。
  • 子どもが7歳で、夫の年収400万円で妻の年収が300万円の場合、養育費は3万円前後となります。

②子ども2人の場合

  • 子どもが5歳と3歳で、夫の年収500万円で妻の年収が0円の場合、養育費は9万円前後となります。
  • 子どもが12歳と9歳で、夫の年収450万円で妻の年収が100万円の場合、養育費は7万円前後となります。
  • 子どもが14歳と10歳で、夫の年収400万円で妻の年収が300万円の場合、養育費は5万円前後となります。

③子ども3人の場合

  • 子どもが13歳と11歳と7歳で、夫の年収500万円で妻の年収が0円の場合、養育費は9万円前後になります。
  • 子どもが9歳と6歳と3歳で、夫の年収450万円で妻の年収が100万円の場合、養育費は7万円前後となります。
  • 子どもが7歳と5歳と2歳で、夫の年収400万円で妻の年収が300万円の場合、養育費は5万円前後となります。

3、養育費はいつまでもらえる?

(1)基本的には20歳まで

一般的には子供が成人したとき、すなわち20歳までとされています。

ただ、子供が高校を卒業して進学を選ばず就職し、経済的に独立できるようになるのであれば養育費の負担は不要ということになるでしょう。

他方で、成人になっても大学などに通っていて経済的に独立していない場合もあります。この場合、両親の学歴等に照らして大学等の高等教育をうけることが相当だといえるときは、大学等高等教育機関の卒業までは養育費を支払ってもらえることもあります。

(2)養育費が減額される場合とは?

養育費の支払いは(1)で説明したように、基本的には子供が成人するまで続きます。

しかし、支払う側の事情の変化、例えば、会社をクビになっただとか、再婚して扶養家族が増えた場合など、によって当初決めた養育費の支払いが厳しくなることも十分あり得ます。

では、そのような場合、養育費は減額されてしまうのでしょうか。

この点については、養育費を支払う側の事情を考慮して、養育費の減額が相当と言えるような場合には、養育費が減額されることもあり得ます。

もし、元パートナーから養育費の減額請求があった場合には、「元パートナーからの養育費の減額請求の対策として知っておくべき6つのこと」でその対処法について詳しく説明していますので、こちらをご覧下さい。

4、適正な金額の養育費を獲得するには?

相場については前述の通りですが、明確に決まっているわけではなく、まずは話し合いで自由に決めることができます。養育費算定表はあくまで参考的な基準として存在するものであり、法的な拘束力はありません(しかし、調停、審判及び裁判では、養育費算定表が重要な指標とされ、これを上回ったり下回ったりすることは、なかなかありません。)。

そのため、交渉のやり方によっては、お子さん一人の場合でも、毎月15万円の養育費を獲得することも可能です。

(1)養育費を1万円でも多くもらうことの重要性

養育費は、1万円でも多くもらっておくべきでしょう。

たかが1万円と思う方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、もしあなたのお子さんがまだ3歳の場合、20歳まで養育費をもらえるとすると、

17年×12か月=204万円も、もらえる金額に違いが出ます。

そうであれば、妥協せずにきっちり交渉して、少しでも多くの養育費をもらえるようにするべきでしょう。

(2)できるだけ多くの養育費を獲得する方法は?

では、できるだけ多くの養育費を勝ち取るにはどうしたらよいでしょう?

①きちんと相手の収入を把握しておく

養育費算定表の計算によると、相手の収入が多ければ多いほど、もらえる養育費は多くなります。

そのため、相手が過少申告してきても適正な養育費を獲得できるよう、きちんと相手の収入を把握できるようにしておくべきでしょう。同居している時点から、相手の給与明細を確認しておくことなどが重要となってきます。

②これからの子供の学習計画をある程度明確にしておき、主張する

まだお子さんが幼稚園や保育園に通っていたり、小学校の低学年である場合などは、今後どのような教育を受けさせるかなどは決まっていないでしょう。しかし、中学受験や高校受験で学習塾に通わせたり、私立学校に通わせる場合にはどうしてもお金がかかります。

しかし、まだ子どもが幼い時点ではそのようなことを考えずに養育費を決めてしまうと思うので、後で多額の教育費が必要になった場合などは支払いが困難となります。また、子どもが様々な選択肢から自分の将来を決定できるようにするために、教育費に充てられる金額は余裕を持って決めておくべきでしょう。

余裕ある教育費を含んだ養育費をもらえるようにするには、現時点で分かっている範囲での学習計画を立てておき、その計画に基づいて交渉するべきでしょう。

計画の内容については、例えば

  • 小学校5年生から学習塾に通わせる
  • 高校は県内有数の私立学校に通わせる
  • 中学2年生から家庭教師を雇う

などです。

学習塾の受講料や私立学校の授業料については、それぞれ月額2万円、月額5万円などと、交渉前にあらかじめおおよその相場を確認しておき、計画に盛り込んでおくとよいでしょう。そして計画書はあらかじめ紙に書いておくようにしましょう。

(3)途中で相手が養育費を支払わなくなった場合は?

もし、途中で相手が養育費を支払わなくなった場合には、強制執行という手続きで給料や貯金を差し押さえることによって、養育費を獲得することができます。

養育費の支払いはお子様の生活や教育にとって欠かせないものなので、いち早く相手方に対して請求して回収した方がいいでしょう。

この点については、「養育費が不払いとなった場合に早く確実に回収する方法」で詳しく説明していますので。こちらをご覧下さい。

5、確実に養育費を獲得するための方法

実は養育費についての合意をして、それを書面に合意書という形でまとめただけでは、もし相手方が養育費を支払ってくれない場合には、直ちに差押え(強制的に相手方の財産を回収すること)をすることができません。そのため、調停や裁判を通じて養育費を回収することになります。

しかし、以下で説明する公正証書や調停調書を作成しておけば、わざわざ裁判をすることなく、相手方から養育費を回収することができます。

(1)公正証書

養育費の合意ができたら、公証役場に行きその合意内容を公正証書の形にしておくといいでしょう。公正証書という形にしておくことで、わざわざ裁判をすることなく、相手方から養育費を回収できます。

公正証書が作成されていることは、それは裁判をして判決をもらったのと同じ扱いになるのです。

(2)調停調書

養育費の支払いについて調停を経由して決めた場合には、調停調書という書面が作成されます。

調停調書があれば、もし相手方が養育費を支払わない場合には、裁判所の職員が相手方に対して養育費を支払うように督促をしてくれます(これを、「履行勧告」と言います。)。

もし、履行勧告に相手方が応じないようであれば、(1)の公正証書の時と同様、相手方の財産を差押えて強制的に養育費を回収することができます。

離婚時の養育費の相場まとめ

以上、養育費の相場とできるだけ多くの養育費をもらうための方法について書いていきました。お子さんが健康にきちんとした教育を受けて成長していくにあたって、ご参考になれば幸いです。

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