不妊が理由で離婚したい人に弁護士が伝える9つの大切なこと

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不妊というのは、夫婦にとってとてもデリケートな問題です。なかなか子供を授からない……。結婚前には予想もしなかったことです。それが原因で、夫婦の悩みは深まり、亀裂が入り、離婚にまで発展してしまうことも少なくありません。

そういった事例に接してきた弁護士から見て、まず、不妊が原因で離婚しないためにどういった心がけが大切かについてお話しし、次に、それでも離婚することになってしまった場合、どのような点に注意が必要か等を説明していきます。

不妊に悩んでいる方にとってはもちろん、将来結婚を考えるパートナーがいる方にとっても、事前に知っておけば必ず役に立つ情報です。

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1、不妊が原因で離婚しないためにできること

まず、不妊が発覚した時に、夫婦間で決めなければいけないことがあります。それは、不妊治療をするか、しないかです。この点について、きちんと話し合いができていないと、溝ができ、それがだんだんと大きな亀裂になり、夫婦関係が崩れてしまいます。

話し合いの際には、以下の点について、必ず相談しておいたほうが良いでしょう。

(1)子供についての価値観

子供が欲しいかどうか、その気持ちはどのくらい強いか。この点は、まず一番に話し合っておくべき内容です。価値観が多様化している現代においては、人それぞれ、かなり多様な意見を持っています。

子育ての喜びのほかにも、家業との関係で後継ぎが必要など、子供が欲しい理由は人によって様々です。自分の両親や、パートナーの両親も、孫のことについては深い関心を持っていますから、夫婦だけの問題にもとどまりません。

なので、個人的理由、相手や自分の両親のことなど、色々なことを踏まえて、お互いが子供を作ることについてどう思っているかを、きちんと話し合っておくことが必要です。また、二人の間で、生涯を通じて、子供以外の趣味や打ち込めることを考えておくことも大切です。

(2)不妊治療の負担

不妊治療には、月10万円を超える費用がかかることがある上に、なかなか成果がでないこともあり、経済的・精神的負担を伴います。

こういった点についても、事前にパートナーと話し合っておくべきです。そういった話し合いなしに不妊治療を開始したけれど、なかなか成果がでない場合や、パートナーか自分のどちらかが音を上げてしまう場合は、出口の見えないトンネルを、二人でただ歩いているようなもので、精神が持たなくなってしまいます。

なので、①不妊治療を続ける期間②不妊治療が上手くいかなかったときにどうするか、について事前にしっかり話し合っておくことが大切です。

2、離婚の流れ

それでも、不妊が原因で夫婦間の溝は深まり、離婚になってしまうケースは後を絶ちません。ここでは、一般的な離婚の流れについて説明していきます。

離婚は、協議→調停→裁判というプロセスを経て進行していくことになります。

(1)協議離婚

協議の段階で成立する離婚のことです。協議というのは、文字通り、夫婦の間での話し合いです。夫婦と、場合によってはお互いの両親を交えて離婚について話し合い、離婚することにお互いが納得できた場合、協議離婚が成立します。

手続きとしては、お互いがサインと印鑑を押した離婚届けを地方自治体の窓口に提出するだけで完了します。

詳しくは「協議離婚(話し合いの離婚)で高額の慰謝料を勝ち取るための全手順」をご参照ください。

(2)調停離婚

協議の段階ではまとまらず、調停の段階で成立する離婚です。調停というのは、裁判所での話し合いです。二人の話し合いが平行線になってしまい、進まなくなったときに利用されます。

夫婦別々に裁判所に行き、調停委員という人に、双方の言い分を伝えます。調停委員は、夫婦の間に入って、お互いの言い分を相手に伝えながら、お互いの言い分の正当な点、ひとりよがりな点を指摘しつつ、合意への道を探っていきます。

合意が成立すれば、離婚となります。逆に、合意が成立しなければ、離婚は成立しません。調停には強制力がないので、合意が成立しなければ、どうしようもありません。

詳しくは「離婚調停の期間と調停を有利に進めるために知っておくべき9つのこと」をご参照ください。

(3)裁判離婚

調停でもまとまらず、裁判まで至ってようやく成立する離婚です。裁判所に訴状を提出することで開始します。その際、次にお話しする法定離婚事由があるかどうかが決め手になります。「ある」と判断されれば、離婚が成立し、「ない」と判断されれば離婚が成立しない旨の判決が出ます。

前者の場合は、相手が絶対に離婚しないと言い張っていても離婚が成立しますし、後者の場合は、自分が絶対に離婚したいと言い張っていても離婚は成立しません。お互いの意思によらずに結論がでるというのが、調停との違いです。

不妊が原因で夫婦関係に亀裂が入った場合は、そのことが「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)に当たるかどうかが決め手になります。

詳しくは「離婚裁判にかかる期間と早期に終了させる方法」をご参照ください。

3、法定離婚事由

裁判で離婚する場合、離婚が認められるためには法定離婚事由が必要です。具体的には、5つあり、民法770条1項に列挙されています。

  • ⑴不貞行為
  • ⑵悪意の遺棄
  • ⑶3年間の生死不明
  • ⑷強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと
  • ⑸その他婚姻を継続しがたい事由があるとき

です。

不妊が原因で夫婦関係に亀裂が入った場合、問題となるのは⑸です。

詳しくは「法定離婚事由(原因)とは?相手が拒否しても離婚できる場合について」をご参照ください。

4、不妊を理由とする離婚請求は認められるか

不妊を理由とする離婚請求が認められるためには、⑸「その他婚姻を継続しがたい事由がある」と認められる必要があります。では、どのような場合がこれに当たるのでしょうか。

一般的には、暴力、性交不能、相当期間の別居にまで至っている場合等で、裁判所が離婚を認めています。不妊治療に関しては、どうでしょうか。

(1)不妊治療がうまくいかずに疲れたケース

パートナーの一方は子供が欲しいのに、相手が疲れてしまって、不妊治療についての意見が合わず、夫婦間に亀裂が入った場合です。

子供を作るかどうかというのは、夫婦にとって重要な選択であり、その点について意見が合わず、相当期間の別居に至っている場合、婚姻を継続できないとして離婚が認められる可能性があります。

(2)不妊治療を巡ってケンカが絶えず夫婦仲が悪くなったケース

喧嘩が絶えなくなった場合、言葉や身体的な暴力があり、婚姻を継続できないとして離婚が認められる可能性があります。

(3)不妊に悩みうつになったケース

夫婦の一方がうつ病になってしまった場合、それだけでは婚姻を継続しがたいとまでは言えず、離婚が認められない可能性が大きいです。

もっとも、病気になった際、パートナーの思いやりが欠けており、それが原因で長い別居に至ってしまったなどということになれば、性格の不一致言葉の暴力などとして、婚姻を継続しがたく、離婚が認められる可能性があります。

なお、法定離婚事由の強度の精神病というのは、回復見込みのないものを指すので、これにはあたりません。

(4)セックスレスが原因のケース

夫婦間において、性交渉というのは重要な部分を占めています。なので、これが原因で別居に至っている場合は、性交不能若しくは性の不一致として、離婚が認められる可能性があります。

(5)二人目が不妊のケース

二人目が不妊の場合で、二人目の子を設けるかどうかで意見が一致しない場合、性格の不一致と言えそうです。

しかし、子を作るか作らないかというのは大きな価値観の違いですが、それに比べると、子供は一人がいいか二人欲しいかというのは、違いが小さいとみられます。

また、既に一人目の子供がいると、その子の福祉が重要になってきますので、離婚が認められにくくなります。なので、このようなケースでは、離婚が認められにくいです。

5、不妊が原因の離婚で慰謝料は認められるか

夫婦の一方に原因があって不妊となり、その経緯で亀裂が入り離婚に至ったというケースで、原因のあるパートナーに対する慰謝料は認められるでしょうか。

結論から言いますと、困難です。慰謝料は、夫婦の一方に落ち度があることが基本的に必要ですが、不妊という身体症状に落ち度があるとは普通言えません。

なお、不妊の原因がセックスレスの場合について詳しくは「セックスレスで高額慰謝料を獲得して有利な離婚をするための全手順」をご参照ください。

6、二人目が不妊で離婚のケースで一人目の子供のために知っておくべきこと

(1)親権

親権者は、離婚した場合に夫婦の一方に決める必要があります。これは、離婚届を出すときに決めておかなければいけません。

親権の獲得方法については「離婚時に調停で親権を獲得するために知っておくと有利な7つのこと」をご参照ください。

(2)面会交流権

面会交流というのは、親権を取らなかった方の親と、子との面会です。離婚したとしても、子供にとって両親は両親です。なので、子供には両親と面会し、双方から愛情を受けて教育される権利があります。ですから、月1回等と条件を付けて、親子の面会について決めておくと良いでしょう。

きちんと決めておかないと、後々裁判になることがあり、弁護士に依頼に来られる方がよくおられます。事前の予防が大切です。

面会交流について詳しくは「面会交流調停とは?子どもと離れ離れになった親が知っておきたいこと」をご参照ください。

(3)養育費

養育費は、子供が両親に対して生活に必要な金銭を請求するものです。親権を取らなかった方の親は、一般的には、家庭裁判所の算定表といわれる基準に基づいた金額を親権のある方の親に支払うこととなります。

詳しくは「離婚時の養育費の相場とできるだけ多くの養育費をもらうための方法」をご参照ください。

(4)離婚が子供に与える影響

離婚が子供に与える影響は大きいです。特に、幼児期の母親の欠損、反抗期の父親の欠損は、子の人格に大きな影響を及ぼし、生涯に影響します。非行に走ったりする少年のうち、かなりの数が両親の離婚を経験しています。

また、特にシングルマザーの家庭では、経済的に厳しくなることが多く、十分な教育を受けさせられないということにもなりかねません。これらのことをよく考えて、離婚するかどうかを検討しなければなりません。

詳しくは「子供を持つ親が離婚を検討するに当たり知っておくべき7つのこと」をご参照ください。

7、離婚に関するその他のお金の話

養育費と慰謝料については、今までお話しして来たので、ここではそれ以外のお金の話をしていきます。

(1)婚姻費用

夫婦は、生活費をお互いに分担する民法上の義務があります。なので、別居している場合であっても、夫婦の一方が他方に対し、生活費の分担を請求できます。これを婚姻費用の分担請求といいます。

金額は、お互いの月々の生活費によって決まります。婚姻費用についても養育費同様家庭裁判所が定めた算定表という一定の基準があります。

詳しくは「婚姻費用の分担請求調停で生活費を確保するための全手順」をご参照ください。

(2)財産分与

夫婦が婚姻中に気付いた財産は、夫婦共有の財産です。その割合は、半分半分となります。離婚する場合は、この共有関係がなくなるので、財産を二人で分けなければなりません。その際、原則は半分半分ですが、夫婦の離婚後の生活見込み等により、若干調整がされます。

その際に考慮されるのが、清算扶養慰謝料という側面です。

①清算的財産分与

清算的財産分与は、上でお話しした通り、財産の半分を夫婦それぞれで分けるというものです。

②扶養的財産分与

扶養的財産分与は、①に加えて、経済的に弱いパートナーに対し、離婚後の生活を保障するために、若干追加して分与される財産のことをいいます。

③慰謝料的財産分与

慰謝料的財産分与は、①に加えて、離婚の原因を作ったパートナーから相手に対し、慰謝料的な意味として、追加して支払われる財産のことをいいます。

もっとも、慰謝料は別途支払われることが多いので、その場合は認められません。

詳しくは「財産分与|離婚時にできるだけ高額を獲得するために知っておくべき全てのこと」をご参照ください。

(3)年金分割

年金分割は、夫婦の婚姻期間における厚生年金納付実績を分割するという手続きです。年金は、納付実績に応じて支払われるので、分割すると、将来もらえる年金額に影響します。

分割の比率は、基本的に1対1です。請求は離婚から2年以内にしなければいけないので注意が必要です。

詳しくは「離婚時の年金分割をできるだけ多く獲得するための全手順」をご参照ください。

(4)公的扶助

公的扶助は、児童手当、児童扶養手当、母子手当、生活保護等を指します。離婚後に片親となり、経済的に苦しい場合等は、公的扶助を受けることができます。公的支援を受けた場合、医療費等様々な面で優遇されるので、受け取った金銭以上の効果があります。

受けられるかどうかの基準は、住んでいる地方自治体によって違うので、地方自治体に問い合わせてみてください。

また、詳しくは「離婚したいけどお金がない方が知っておきたい離婚までの道のり」をご参照ください。

8、配偶者から離婚を切り出された場合の対処法

以上お話ししてきたことをまとめると、離婚を切り出されたときには、話し合い→調停→裁判という流れをたどります。

なので、まずはお互いの価値観等について誠実に話し合うことが必要です。そして、話し合いの際には、万が一離婚になった場合の親権、養育費、慰謝料等の取り決めや、住む場所、経済的な見通し等についても考えておかなければなりません。

離婚は、特に子供がいる場合、往々にして早く決意しすぎてしまい、後々後悔するという事例が数え切れません。ですから、上記のことについてよく考えて、話し合いをしておくことが必要です。

ただ、一般的に言って、冷静に上記のことについて考えて話し合うのは難しいので、地方自治体等の無料法律相談や、弁護士会が実施している法律相談を利用してみるのも手です。

当ベリーベスト法律事務所でも、離婚問題に強い弁護士が無料で親身に相談に応じますので、お気軽にご相談ください(電話番号:0120-711-765)。

9、不妊で離婚して再婚後に妊娠することはあるか

不妊には、様々な原因があります。男性側の原因としては、精子の運動不調、精子の減少、女性側の原因としては、排卵の障害、着床の障害等があります。ただ、世の中の不妊の大部分は、原因不明であることが多いです。

時期によって、体質が改善されれば、子供を作れる能力が戻ることもあります。ですから、自分側に決定的な原因があるとは言えない場合、再婚後に妊娠することはあります。

まとめ

  • 不妊の問題は、きちんと事前に話し合っておくことが大切
  • 離婚の流れは、協議→調停→審判
  • 不妊というだけでは離婚原因にならないし、慰謝料も出ない
  • 離婚時には子供のこと、お金のことについての取り決めが必要
  • 再婚によって、不妊が改善することもある
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