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離婚調停で優位に立つ方法5選|話し合いで成功へ

離婚調停で勝つには?話し合いで勝利するための5つの秘策を紹介

離婚調停で優位に立つ方法について、興味をお持ちの方は多いことと思います。

離婚調停は、家庭裁判所を通じて、中立かつ公平な立場の調停委員を仲介に、夫婦間の協議を行うプロセスです。その目的は、お互いが納得できる解決策を見つけ出すことであり、勝ち負けを決定する場ではありません。

しかし、実際には離婚協議が難航し、お互いに有利な合意を得るのが難しいケースも少なくありません。調停委員のアドバイスや仲介を通じて、どちらかが有利に離婚調停を終了させることが多いのが実情です。

このため、自身の利益を最大化するためには、適切な対策が必要です。

今回は、

・離婚調停で有利に進めるためのポイント
・離婚調停が難航した場合の対処法
・弁護士の協力が離婚調停に有利なのか

などについて、離婚問題に豊富な経験を持つベリーベスト法律事務所の弁護士が詳しく説明します。

離婚協議が難しい場合で、どうしても離婚調停を成功させたい方に、有益な情報を提供できれば幸いです。

離婚調停については以下の関連記事をご覧ください。

弁護士相談に不安がある方!こちらをご覧ください。

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1、離婚調停で勝つには?5つの重要ポイント

離婚調停には、大きな特徴が2つあります。

  • 話し合いの手続きである
  • 調停委員が話し合いを仲介する

この2つの特徴を踏まえて、離婚調停に勝つには次の5つのポイントが重要となります。

(1)事実に基づいた明確な主張をする

まずは、自分が調停で何を求めるのか、どのような根拠でその主張をするのかを明確にする必要があります。

  • 離婚したい
  • 慰謝料は200万円ほしい
  • 子どもの親権がほしい
  • 養育費は毎月5万円ほしい

というように、相手に対して求める内容を明確にしましょう。

そして、その請求をする根拠については具体的な事実を調停委員に伝えることが大切です。

  • 相手が浮気を繰り返すので結婚生活が成り立たない
  • 相手はあまり家に帰ってこず子どもの世話をしないので、親権者としてふさわしくない

などの主張をすることになりますが、どのような出来事があったのかを可能な限り具体的に述べましょう。主張する事実が具体的かつ詳細であればあるほど信憑性が増し、有利になる可能性が高まります。

調停期日において口頭で話すだけでは事実を十分に伝えきれないことが多いので、書面に記載して裁判所に提出することも有効です。

調停の申し立て時に提出する「事情説明書」にできる限り詳しい事実を記載する他、期日間にも「陳述書」に事実を記載して提出することができます

(2)相手方が言い逃れできない証拠を提出する

事実をいかに具体的・詳細に主張したとしても、相手方に言い逃れをされると自分の主張を認めてもらうことは難しくなります。そこで、相手が言い逃れできないような証拠を提出することが大切になってきます。

調停では裁判とは異なり証拠がなくても手続きをすることが可能ですが、有力な証拠を提出すれば、その証拠で証明される事実を前提として話し合いを進めることが可能です。

相手方の不倫・暴力・暴言・育児放棄等々、ご自身の主張する事実を立証できる証拠を確保して裁判所に提出しましょう。

浮気・不倫の証拠については、こちらの記事をご参照ください。

(3)調停委員を味方に付ける

調停委員は中立・公平な立場ですが、「この当事者の言い分の方が筋が通っている」と判断すれば、その方向で調停が成立するように相手方にアドバイスや説得を行うことがあります。

そのような意味で調停委員を「味方」に付けると、調停を有利に進めやすくなります。

具体的な事実を述べ、証拠を提出することによってご自身の言い分の正当性を裏付けることが、調停委員を味方に付けることにも役立ちます。

その他にも、調停委員を味方に付けるためには以下の点に気をつけましょう。

  • 清潔感のある身だしなみで調停に望む
  • 調停期日に遅刻や欠席をしない
  • 社会人、主婦として常識のある言動を心がける
  • 相手方のことを必要以上に批判しない
  • 感情的な発言は控える

(4)相手方にもメリットのある解決策を考える

調停は話し合いの手続きですので、ご自身の言い分を全面的に通すことは難しいものです。そこで、譲歩できる部分は譲歩し、相手方にとってもメリットのある解決策を考えることも大切になります。

例えば、

  • 離婚してくれるなら慰謝料は○○万円でいい
  • 慰謝料200万円の支払いが厳しいのなら150万円でよい
  • 親権を譲ってくれるのなら面会交流には柔軟に応じる

というように提案し、交渉していきます。

譲歩しすぎると離婚調停に勝つことにはならないので、最低限「譲れない」条件を決めた上で交渉していくことがポイントです。

(5)不利な発言をしない

離婚調停では、言わない方がよい「不利な発言」というものがあります。

相手方に対する過度な批判や、自分の他の発言と矛盾する発言をすると、調停委員に対する印象を悪くし、ご自身が述べる主張や事実を信用してもらえなくなるおそれがあります。

希望する条件に固執する発言をすると、調停委員が「話し合いによる解決は不能」と判断し、早々に調停を打ち切られるおそれがあります。逆に、安易に譲歩する発言をすると、ご自身が調停委員から説得されてしまい、離婚調停に負けることにもなりかねません。

これらの発言をすると調停で不利となる可能性が高いので、控えるようにしましょう。

離婚調停における不利な発言については、以下の関連記事でさらに詳しく解説していますので、併せてご確認ください。

2、【ケース別】離婚調停で勝つ方法

離婚調停で「何を求めるのか」によって勝つ方法は異なってきます。以下で、ケース別に勝つために有効な方法をご紹介します。

(1)どうしても離婚を成立させたい場合

相手方が離婚に反対しているものの、ご自身はどうしても離婚したいという場合は、法定離婚事由に該当する事実を主張することが重要です。

法定離婚事由とは、相手方の同意がなくても裁判で強制的に離婚が認められる事由として民法第770条1項に定められているもののことであり、具体的には以下の5つです。

DVやモラハラは基本的に「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。よくある性格の不一致も、夫婦関係が破綻していて改善が困難と認められる場合は「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。

そして、法定離婚事由に該当する事実を裏付ける証拠も提出しましょう。

「裁判をすれば離婚が認められそう」という程度にまで主張・立証を尽くせば、調停委員の説得により相手方が調停離婚に応じる可能性が高くなります。

法定離婚事由に該当する事実がない場合や証拠がない場合は、「夫婦関係をやり直す意思はない」「無理にやり直してもお互いのためにならない」ということを明確に主張した上で、調停で粘り強く話し合うしかありません。

その際、離婚条件については、ある程度譲歩することが交渉の材料となります。例えば、慰謝料200万円を請求していたところ、離婚に応じてもらえるのなら「100万円でよい」あるいは「慰謝料はいらない」というように譲歩して交渉していきます。

何が何でも離婚したい場合には、逆にこちらから解決金を支払うということも考えられます。

(2)高額の慰謝料を獲得したい場合

調停で高額の慰謝料を獲得したい場合は、相手方の浮気やDVなど慰謝料請求の根拠となる事実を具体的に主張し、その事実を裏付ける証拠を提出することが基本となります。

やはり「裁判をすれば慰謝料○○万円が認められそう」という程度に主張・立証を尽くせば、調停委員が相手方を説得してくれる可能性が高くなります。

また、調停で粘り強く話し合うことによって、裁判における相場を超える慰謝料を獲得できる可能性もあります。

相手方が支払い能力の問題などで渋っている場合には、分割払いや、不動産・自動車・株式等による支払いなど、柔軟な支払い方法を提案して交渉すれば、調停がまとまりやすくなります。

(3)親権を獲得したい場合

離婚調停で子どもの親権を獲得するためには、子どもに対して十分な愛情を有していることを前提として、以下のポイントについて、できる限り有利な事情を主張することが重要です。

  • これまでどちらが主に子育てをしてきたか
  • 今後、子育てに十分な時間をかけられるか
  • 経済的に自立しているか

あなたが今まで主婦で、主に子どもの世話をしていた場合は、今後の収入の見込みがどの程度あるかがポイントとなるでしょう。相手方に対して養育費の請求はできますが、自分の生活費は基本的に自分で確保しなければなりません。

あなたが男性で仕事をしている場合、今まで子どもにどの程度関わってきたのかと、今後どの程度関わることができるかがポイントとなるでしょう。

なお、子どもの年齢が低ければ低いほど、母親が親権者に指定されやすい傾向にあります。ただし、子どもが15歳以上になると子どもの意思が尊重されることもあり、父親が親権者に指定されるケースも多くなってきます。

(4)有責配偶者から離婚調停を申し立てられた場合

相手方が不倫やDVなどをして離婚原因を作ったにもかかわらず、相手方の方から離婚調停を申し立ててくることもあります。

その場合、あなたが離婚したくないのであれば、明確に離婚を拒否すべきです。離婚するつもりがないのに慰謝料や養育費など離婚条件の交渉に乗ってしまうと、調停委員に説得されて離婚に至るおそれがあります。

離婚を断固拒否した上で、相手方が離婚を求めている真の理由を調停委員から聞き出してもらうことができれば、夫婦関係の修復にも役立てることができます。

あなたが離婚してもよいと考える場合、高額の慰謝料を獲得したいのであれば、前記(2)のように、法定離婚事由に該当する事実を主張し、その事実を裏付ける証拠を提出することになります。

子どもの親権を獲得したいのであれば、前記(3)のように、これまでの子どもとの関わりの状況や今後の生活・子育ての見通しなどを主張していくことになります。

3、離婚調停がまとまらなかったときの対処法

あなたが離婚したいにもかかわらず離婚調停がまとまらなかった場合は、以下の手段で離婚を求めていくことになります。

(1)再度の離婚調停

離婚調停に回数制限はないので、理論上は何度でも申立てが可能です。

ただし、調停が不成立で終了した後、すぐに再度の申立てをしても結論が変わることはまずありません。最低でも半年以上の期間を置くか、何らかの状況の変化が生じてから再度の申立てをすべきです。

別居が長期間に及ぶと、そのこと自体も離婚原因となり得ますので、離婚したいのであれば時間を置くことにも意味があります。婚姻費用を長期間にわたって支払ってもらえれば、実質的には慰謝料や財産分与を分割で支払ってもらったのと同じ結果を得ることもできます。

再度の離婚調停で最終的に勝利したい場合は、じっくりと時間をかけた方がよい結果が得られやすい傾向にあります。

(2)離婚審判

離婚調停が成立しなかった場合は、引き続き「審判」を求めることもできます。

離婚審判とは、離婚調停での話し合いの内容や、当事者が改めて提出した意見書や証拠を家庭裁判所が精査した上で、一定の判断を下す手続きのことです。

離婚審判では、離婚調停において調停委員が示した調停案とほぼ同じか近い内容の審判が下されやすい傾向にあります。

そのため、調停案の内容がご自身に有利なものであった場合には、離婚審判を求めることも有効であるといえます。

(3)離婚裁判

離婚調停が不成立で終了した場合、多くの人は離婚裁判に進みます。

離婚裁判は、当事者双方が主張と証拠を裁判所に提出し合い、証人尋問や本人尋問を経て、最終的にどちらの主張が証拠で的確に立証されているかを裁判所が判断する手続きです。

したがって、離婚や慰謝料を求める場合は、法定離婚事由に該当する事実を主張し、その事実を裏付ける十分な証拠を提出することが不可欠となります。

離婚を求める側が勝訴すれば裁判離婚が成立します。離婚を拒否する側が勝訴すれば、離婚は認められず夫婦関係が継続されます。

4、離婚裁判で勝つには

離婚裁判は離婚調停とは異なり、当事者が提出し合う主張と証拠によって、どちらの言い分が正しいのかについて白黒を付けるための手続きです。

そのため、離婚裁判で勝つには以下のポイントが重要となります。

(1)法定離婚事由に該当する事実を主張する

離婚裁判で離婚や慰謝料を求める側は、相手方の法定離婚事由に該当する事実を主張することが不可欠です。

離婚調停では明確な法定離婚事由がなくても話し合いが成立することもありますが、離婚裁判では法定離婚事由がなければ「主張自体失当」となり、敗訴してしまいます。

事実を主張する際は、詳細かつ具体的に述べれば述べるほど信憑性が増し、信用されやすくなります。主張書面(実務では「準備書面)と呼びます。)や陳述書に詳細かつ具体的な事実を記載して提出するようにしましょう。

(2)事実を裏付ける証拠を提出する

離婚裁判では、証拠の裏付けのない単なる主張は採用されません。この点も離婚調停とは異なるところです。

できる限り客観的な証拠を提出することが望ましいですが、陳述書や証人尋問・本人尋問における人の「供述」も証拠となります。客観的な証拠が乏しくても、離婚裁判で勝てる可能性はあります。

(3)裁判上の和解も検討する

離婚裁判は白黒を付ける手続きではありますが、協議の上で和解することも可能です。

多くの場合、当事者が主張と証拠を出し尽くした段階と、その後に証人尋問・本人尋問が終了した段階の2度、裁判所から「和解協議をする気はないか」と尋ねられます。当事者の方から和解協議を申し出ることもできます。

当事者が協議の上で合意すれば自由な内容で和解できますが、多くの場合は裁判所が和解案を提示し、それをもとに当事者双方が譲歩し合い、合意に至れば和解成立という流れになります。

有利な和解案を裁判所から引き出すためには、詳細かつ具体的な事実の主張と強力な証拠を提出しておくことが重要となります。

ただ、主張と立証があまりうまくいかなかった場合でも、和解協議で粘り強く交渉すれば、「負けない」内容で和解できる可能性があります。

5、離婚調停に勝つための心強い味方!弁護士に相談しよう

離婚は法律問題ですので、離婚調停に勝つためには法律的な戦略が必要です。ここまでご紹介してきた「勝つための方法」も、ほとんどすべてが法律的な戦略でした。

法律で相手方と戦うためには、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

(1)弁護士に相談・依頼するメリット

離婚調停を弁護士に相談・依頼することで、以下のメリットが得られます。

  • 勝てる事案かどうかを判断してもらえる
  • 申立て手続を代行してもらえる
  • 詳細で説得的な主張書面を作成・提出してもらえる
  • 証拠集めもサポートしてもらえる
  • 調停期日に同行してもらい、有効な発言をしてもらえる
  • 調停委員を通じて戦略的な交渉をしてもらえる

その結果、1人で戦う場合よりも有利な結果が得られやすくなります。

たとえ勝てる事案でなかったとしても、弁護士のサポートによって最低限の成果を得ることは期待できます。例えば、「離婚は回避できなかったが慰謝料は減額できた」「親権は獲得できなかったが面会交流の約束はできた」などの成果が期待できます。

(2)弁護士の選び方

離婚調停で弁護士に相談・依頼するなら、離婚調停による解決実績が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。

弁護士には得意分野と不得意分野があるので、離婚問題の解決を得意とする弁護士に相談・依頼してこそ、高い成果が期待できるのです。

弁護士の実績は、法律事務所のホームページで確認できることがあります。実績が掲載されていなくても、離婚問題に関するコラムが豊富に掲載されている事務所は離婚問題に力を入れていると考えられるので、候補に入れるとよいでしょう。

弁護士とご自身との相性も重要ですので、実績のありそうないくつかの事務所で法律相談を利用した上で、最も相性が合うと思える弁護士を選ぶのがおすすめです。

(3)弁護士費用を抑える方法

弁護士費用を直接的に抑えるためには、

  • リーズナブルな料金体系の事務所を探す
  • 法テラスを利用する

という方法が考えられます。初期費用が用意できない場合には、分割払いに対応している事務所を探すとよいでしょう。

また、離婚裁判に進む前に離婚調停で「勝つ」ことによって、弁護士費用を抑えることができます。離婚裁判に進めば追加の弁護士費用が必要となるからです。

そのためにも、離婚調停による解決実績が豊富な弁護士に依頼し、この記事の解説を参考にして離婚調停で決着をつけることをおすすめします。

離婚調停で勝つにはに関するQ&A

Q1.離婚調停で勝つには?

  • 事実に基づいた明確な主張をする
  • 相手方が言い逃れできない証拠を提出する
  • 調停委員を味方に付ける
  • 相手方にもメリットのある解決策を考える
  • 不利な発言をしない

Q2.離婚調停がまとまらなかったときの対処法とは

  • 再度の離婚調停
  • 離婚審判
  • 離婚裁判

Q3.離婚裁判で勝つには

  • 法定離婚事由に該当する事実を主張する
  • 事実を裏付ける証拠を提出する
  • 裁判上の和解も検討する

まとめ

離婚調停は話し合いの手続きであり、白黒を付けずに柔軟な解決を図ることが可能な手続きでもあります。

しかし、対応を誤ると調停委員が実質的に敵となってしまい、説得されて「負け」という結果となるおそれもあります。

ほとんどの方は離婚調停など初めての経験でしょうから、経験豊富な弁護士を味方に付けて手続きを進めた方がよいでしょう。離婚調停中の方や、これから離婚調停の申し立てをお考えの方は、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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